ビーグル
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トライカラーのビーグル | ||||||||||||||||||||||||||||
別名 | イングリッシュ・ビーグル | |||||||||||||||||||||||||||
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原産地 | イングランド | |||||||||||||||||||||||||||
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イヌ (Canis lupus familiaris) |
ビーグル(英: Beagle)はイギリス原産のセントハウンド(嗅覚ハウンド)犬種のひとつである。ローマ時代から存在し、ウサギ狩りを業としてきた。ショードッグとしても人気があり、最近では家庭犬としての改良がなされている。小型で扱いやすい気質であることなどから、研究所などで実験動物としても飼育されている。また、優れた嗅覚を活かし、空港などで「検疫探知犬」として、持ち込み禁止の食品や物品を嗅ぎ分ける「ワーキングドッグ」等としても活躍している。有名なキャラクター・スヌーピーのモデルでもある。
歴史
ビーグルはイギリスのスポーツであるウサギ狩りに用いられていた。古代ギリシアでウサギ狩りに用いられていた犬の末裔とも言われる[1]。犬名は古フランス語の「開いた喉」に由来するとも[2]、ゲール語の「小さい」(beag)に由来するとも言われる[3]。
ビーグルは他の犬種に比べると決して俊足ではないが、豊富な体力と獲物を追いながら延々鳴き続ける「追い鳴き」と呼ばれる習性を持つ。またハンターが馬に乗らなくても良く、徒歩で狩猟ができることも好まれた[4][5]。猟では群れ(パック)で動き、ハンターはラッパの音を使ってビーグルに指示を出した。ウサギはビーグルの目を惑わすために岩から岩へと跳ねうつったり、急に方向をかえたり上手に逃げ回る。それをビーグルたちはよく通る高い声で仲間たちと連絡を取り合い、ウサギたちを追いつめていく。その啼き声から、ビーグルには「森の鈴」、「森のトランペッター」、「草原の声楽隊」などの愛称が付けられた。日本においては猪猟の勢子犬などに起用されることもある。
ビーグルは地域によって容姿やサイズがかなり異なる[4]。20世紀初頭までは、硬く長めのラフコート(ワイアーコート)を持つビーグルも見られた。この血統をスムースコートのビーグルと区別する時は、ワイアーヘアード・ビーグル(英:Wire-haired Beagle)、ラフヘアード・ビーグル、ラフコーテッド・ビーグル、テリア・ビーグルなどと呼ばれた[6][7]。ワイアーヘアのビーグルはイギリス北部によく見られ、寒い気候に対応するために、スムースコートのビーグルに、ワイアーヘアのテリアを掛け合わせて作り出されたと推測されている[6]。なお、北方のビーグルは南方のビーグルよりもスタミナがあると言われた[6][7]。特にウェールズには優秀なワイアーヘアのビーグルの血統が20世紀初頭までみられたという[7]。この血統はウェルシュ・ビーグルとも呼ばれた[6]。しかし、19世紀末には頭数を減らし、やがて絶滅した[6]。1969年にラフヘアのビーグルがドッグショーに出展された記録があるのが、記録に残る最後という[7]。
特徴
体高33〜40センチで、ハウンドとしてもっとも小さい[1]。ザ・ケネルクラブやジャパンケネルクラブでは13インチ(33センチ)以上、16インチ(40センチ)以下のサイズが認められる。アメリカンケネルクラブでは、15インチ以下、13インチ以下の2種に分けられる。毛色はブラック・タン・ホワイトのトライカラーや、レッドアンドホワイトなどさまざまで、レバー色以外のハウンドカラーは認められる。耳は平均18cm。
性格は活発でやんちゃ、遊び好きである。賢く、従順で、訓練もしやすい。頑健で病気にかかりにくいが、食欲旺盛で、食べ物に貪欲なので、太りやすい[8]。また、 耳が垂れているため、蒸れて、外耳炎になりやすい。運動量はかなり必要である[9]。また、身体の割に声のボリュームが非常に大きい[10]。
ギャラリー
脚注
- ^ a b ジャパンケネルクラブ「http://www.jkc.or.jp/modules/worlddogs/entry.php?entryID=111&categoryID=6 世界の犬 - ビーグル]、2015年9月8日閲覧。
- ^ "beagle, n.". OED Online. June 2015. Oxford University Press. (accessed September 08, 2015).
- ^ デズモンド・モリス著、福山英也監修『デズモンド・モリスの犬種事典』誠文堂新光社、2007年、121ページ。
- ^ a b ブルース・フォーグル著、福山英也監修『新犬種大図鑑』ペットライフ社、2002年、171ページ。
- ^ 藤田りか子『最新 世界の犬種大図鑑』誠文堂新光社、2015年、264ページ。
- ^ a b c d e デズモンド・モリス著、福山英也監修『デズモンド・モリスの犬種事典』誠文堂新光社、2007年、123ページ
- ^ a b c d Kraeuter, Kristine (2001). Training Your Beagle. Barron's. ISBN 0-7641-1648-7 p. 7.
- ^ 佐草一優監修『日本と世界の愛犬図鑑 2007』辰巳出版、2006年、55ページ。
- ^ 中島眞理監修・写真『学研版 犬のカタログ2004』学習研究社、2004年、67ページ
- ^ 藤原尚太郎『日本と世界の愛犬図鑑 最新版』辰巳出版、2013年、45ページ。
関連項目
外部リンク
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ポケット・ビーグル(Pocket Beagle)とは、現在は絶滅した小型のビーグルのことである。ドワーフ・ビーグル(Dwarf Beagle)などとも呼ばれていて、かつてはイギリスの貴族のお気に入りの狩猟犬の一種であった。
歴史
歴史は古く、1500年代後半にイギリスの貴族が馬の鞍の横に下げたバックの中に入るほどの小さな猟犬を作り出すためにビーグルを小型化したものである。
ポケットサイズで且つ大型のハウンドも入ることができない険しい場所でも狩りのできる犬種となり、エリザベス1世やジョージ3世、ジョージ4世もこの犬のパック(群れ)を所持していたことか知られている。そのため、一時期は「エリザベサン・ビーグル(Elizabethan Beagle)と呼ばれたこともあった。
かつてはこのように王家や貴族に愛されていたが、狩猟犬のニーズは時代とともに変わり、大型のものが好まれるようになると事態は一変した。いつしか需要が減ってゆき、復活の声も一時期あったのだがブリーディングシステムに問題が発生して1935年に最後の一頭が死んでこの犬種は歴史に幕を閉じる事となった。
然し、近年の絶滅犬種ブームにより、健康な状態で小型化を行う再構築作業が進められている。
特徴
ビーグルの小型版ではあるが、少々胴が長く足は細い。人によく慣れ、群れのメンバーを大切にする性格を持つ。ビーグルほど食に対して貪欲ではなかった。被毛は短く色はハウンドカラーが一般的である。体高はおよそ24センチほどしかない。
参考
- 『デズモンド・モリスの犬種事典』(誠文堂新光社)デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年 ~122、123ページ