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地主神社

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地主神社
所在地 京都府京都市東山区清水一丁目
位置 北緯34度59分42.86秒 東経135度47分06.52秒 / 北緯34.9952389度 東経135.7851444度 / 34.9952389; 135.7851444 (地主神社)座標: 北緯34度59分42.86秒 東経135度47分06.52秒 / 北緯34.9952389度 東経135.7851444度 / 34.9952389; 135.7851444 (地主神社)
主祭神 大国主命
素戔嗚命
奇稲田姫命
足摩乳命
手摩乳命
創建 不詳
例祭 5月5日(地主祭り)
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本殿(重要文化財)
拝殿(重要文化財、画像は北面、南面は懸造になる)
総門(重要文化財)
境内(左奥は拝殿)
恋占いの石
手水所
恋の願かけ絵馬

地主神社(じしゅじんじゃ)

  1. 神社や寺院が建立される際に、その土地の地主神を祀るために建立された神社。神社の境内に末社として建てられている場合や、寺院に隣接して立地している場合がある。寺院に隣接している地主神社は、本来は隣接する寺院の一部(鎮守社)であったのが、明治の神仏分離で独立した経緯のあるものがほとんどである。なお、この場合は「じぬしじんじゃ」と読む所もある。
  2. 京都府京都市東山区にある神社清水寺に隣接する。全国に数ある地主神社の中でも特に著名。本項ではこの地主神社について述べる。

概要

清水寺の清水の舞台を出て直ぐ左手にある神社で、江戸時代までは清水寺の鎮守社であった。大国主を主祭神とし、縁結びの神さまとして若い女性やカップルに人気のスポットである。

祭神

大国主命を主祭神として、父母神の素戔嗚命奇稲田姫命、奇稲田姫命の父母神の足摩乳命・手摩乳命を正殿に、大田大神(芸能と長寿の神)、乙羽竜神(旅行・交通安全の神)、思兼大神(知恵と才能の神)を相殿に祀る。ただし「地主神社」という社名から、本来は当地の地主神を祀る神社であるとする説もある。

末社

栗光稲荷社
商売繁盛の神。
祓戸社
祭神は祓戸大神
おかげ明神
一願成就の守り神で女性の信仰を集めるという。
撫で大国
撫でると御利益があるという大黒天
水かけ地蔵
水をかけて祈願すると御利益があるという。
良縁大国
縁結びの神。

歴史

社伝によれば、創建は日本建国以前の神代とされる。実際、境内の「恋占いの石」は原子物理学者ライル・ボースト英語版博士による科学的な年代測定で縄文時代のものであることが判明している。

平安時代には嵯峨天皇円融天皇白河天皇が行幸した。天禄元年(970年)、円融天皇行幸の際、勅命により臨時祭が行われた。これが今日の当社例大祭「地主祭り」の起源である。

明治に入り神仏分離令により清水寺から独立し、近代社格制度のもと郷社に列格した。

第二次世界大戦後は、京都周辺の旧民社を中心とする神社が加盟する神社本教に所属しており、平成11年(1999年)からは当社宮司が神社本教主管(代表)を務めている。

施設

現在の社殿は、徳川家光寛永10年(1633年)に造営したものである。本殿、拝殿、総門は国の重要文化財に指定されており、平成6年(1994年)には、歴史的経緯から清水寺の一部という形で世界遺産古都京都の文化財」に登録された。

境内には10メートルほど離れてたつ2つの守護石「恋占いの石」があり、目をつぶって、その石から石に辿り着けば恋が叶うとされている。

地主桜

境内は「地主桜」と呼ばれるの名所で、弘仁2年(811年)に嵯峨天皇が行幸した際、一重と八重が同じ枝に咲いていた地主神社の桜の美しさに3度車を返したことから「御車返しの桜」とも呼ばれ、以後、嵯峨天皇は地主神社に桜を毎年献上させた。当時の貴族社会では花見の花としては梅が一般的だったが、弘仁3年には嵯峨天皇が桜の花宴を開いたという記述が『日本後紀』にあり(日本初の桜の花見の公式記録)、これが日本人の桜好きの原点と言われる[1]謡曲『田村』(清水寺創建の縁起物語と坂上田村麻呂蝦夷征伐を描いた作品)で「地主権現の花盛り、それ花の名所多しと言えども、この寺の地主の桜にしくはなし」と歌われたほか、『熊野 (能)』『梁塵秘抄』『閑吟集』などでも地主桜の美しさが称賛されている。「えんむすび祈願さくら祭」では白川女による献花と『田村』『熊野』の奉納が行なわれる[2]

現在見られる境内の桜は後年に佐野藤右衛門が移植したソメイヨシノ[3]。春にさくら祭りが開催されている[4]

文化財

重要文化財

  • 地主神社(3棟および土地)

祭事

毎月第1日曜日14時より「えんむすび地主祭り」が行われている。

地主神社が登場する作品

交通アクセス

外部サイト

  1. ^ 『歴史ヒストリア』NHK, 2015年3月25日
  2. ^ 『京都の「ご利益」徹底ガイド』丘眞奈美、PHP研究所, 2007
  3. ^ 『桜と日本人』小川和佑、新潮社, 1993
  4. ^ えんむすび祈願 さくら祭り地主神社