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扇動

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扇動(せんどう)とは、社会や集団のなかで一部の少数の者が大多数のものに対して巧みな演説や論説などを駆使することによって群集心理を操作し、大多数の者を自分たちにとって都合のよい状態に置き換えるという行為のことである。煽動(せんどう)とも表記される。英語のアジテーション(agitation)を略して『アジ』と言うこともある。

歴史

国によっては扇動を行うことそのものが犯罪行為に該当する場合があり、ドイツには民衆扇動罪という罪が存在する。歴史上では、極めて大きな異質な団体などが出現したのは、一人の特質なカリスマ性を持った指導者が大衆を扇動したことが最大の原因であったという例がしばしば存在する。

また、ロシアの革命家ウラジーミル・レーニンが著した「宣伝・扇動」という名前の書物がある(日本版は国民文庫刊)。これだけでなく、社会主義国家(旧ソ連北朝鮮など)の指導政党には「宣伝扇動局」という部門がある。

日本

日本では煽動について「他人に犯罪その他の違法行為をなさしめるよう刺激を与える行為」と定義され、煽動罪として以下のものが規定されている。

教唆犯に類似するが、被煽動者が決意を有するに至ったことを必要とせず、煽動行為があればただちに処罰可能な独立共犯である点で異なる。そのため、日本国憲法第21条に規定された表現の自由と衝突する可能性もある。煽動罪に関する判例としては食糧緊急措置令違反事件や東京都教組事件や全農林警職法事件渋谷暴動事件がある。

関連項目