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下灘駅

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下灘駅
駅舎
しもなだ
Shimonada
S08 伊予上灘 (5.3 km)
(2.6 km) S10
所在地 愛媛県伊予市双海町大久保
北緯33度39分18.81秒 東経132度35分21.60秒 / 北緯33.6552250度 東経132.5893333度 / 33.6552250; 132.5893333
駅番号 S09
所属事業者 四国旅客鉄道(JR四国)
所属路線 予讃線(愛ある伊予灘線)
キロ程 222.4 km(高松起点)
電報略号 シモ
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
乗降人員
-統計年度-
60人/日
-2006年-
開業年月日 1935年昭和10年)6月9日
備考 無人駅
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ホーム

下灘駅(しもなだえき)は、愛媛県伊予市双海町大久保にある、四国旅客鉄道(JR四国)予讃線(愛ある伊予灘線)のである。駅番号S09。標高11 m[1]。観光列車・伊予灘ものがたりが運転停車する。

ホームから広い海(伊予灘)を眺めることができ、駅周辺は鉄道写真の撮影名所の一つとして鉄道ファンの間に知られている。海面を埋め立てる形で国道378号が開通するまでは[1]、ホームの下にすぐ波が打ち寄せるほど線路と海岸が近接した「日本一海に近い駅」だった。

駅構造

単式ホーム1面1線を有する地上駅である。元は島式ホーム1面2線だったが、向井原 - 内子間の新線開業後に駅舎側の1線を撤去して現在のようになった。かつて終着駅であったため、構内は比較的広く、側線もある。

開業当初からの木造駅舎が改装されながら残っている。駅舎内部には待合所の他、今は使われていない出札口などがある。

簡易委託駅だが[1]、出札業務の受託を行っていた駅前のたばこ店が休業したため、事実上の駅員無配置駅となっている。

駅周辺

国道378号線が開通する前の下灘駅(1974年)

駅は下灘の集落から1キロメートルほど東にある。駅から国道沿いに西へ行くと海を埋め立てて造った港があり、周辺は役所の支所や郵便局、小学校などがあり、賑やかである。そこからさらに豊田川上流の方へ行くと中学校がある。

利用状況

  • 1日平均の乗降人員は60人である(2006年度) 。

下灘駅の利用状況の変遷を下表に示す[2]

  • 輸送実績(乗降人員)の単位は人であり、年度での総計値を示す[2]
  • 表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。
年度別利用状況(下灘駅)
年 度 当駅分輸送実績(乗降人員):人/年度 特 記 事 項
通勤定期 通学定期 定期外 合 計
2005年(平成17年) 42,340 ←←←← 8,760 51,100  
2006年(平成18年) 36,500 ←←←← 7,300 43,800  
2007年(平成19年) 37,332 ←←←← 8,052 45,384  
2008年(平成20年) 33,580 ←←←← 8,030 41,610  
2009年(平成21年) 32,850 ←←←← 7,300 40,150  
2010年(平成22年)   ←←←←      
2011年(平成23年)   ←←←←      
2012年(平成24年)   ←←←←      

ロケの舞台としての下灘駅

  • 青春18きっぷのポスターに3度採用されている[3]
    ポスターによく登場するアングル
    • ポスターの写真撮影の際に駅名標をひっくり返し、撮影後に元に戻したが、ポスター通りの風景を求める旅行者の声によって裏表共に駅名標が書かれたものを使用するようになった。
    • 前述のとおり窓口業務を行っていないため、青春18きっぷを購入することはできない。
  • 映画『よさこい旅行』(1969年、瀬川昌治監督)では、フランキー堺演じる主人公が勤務する架空の「土佐大原駅」として使用された。
  • 映画『男はつらいよ』シリーズの第19作『寅次郎と殿様』の冒頭シーンのロケに使われた。渥美清扮する車寅次郎がベンチで眠り、駅員の「列車がきますよ」という声に起こされる、という設定だった。
  • 財津和夫出演のロッテガムのテレビCMに登場した。[いつ?]
  • 2006年7月3日に放送されたテレビドラマ『HERO 特別篇』で、主人公・久利生公平(木村拓哉)が任地(山口県の設定)を離れるシーンに当駅がロケで使われた。
  • 2007年8月8日ザ・ベストハウス123で「一度は降りてみたい!日本の美しい無人駅BEST3」として紹介された。順位は2位で、選者は横見浩彦。なお、同ランキングの1位は飯田線の「小和田駅」であった。
  • 2009年1月1日のNHK総合「鶴瓶の家族に乾杯お正月スペシャル」では、2008年11月17日に愛媛県伊予市を訪れた笑福亭鶴瓶とゲストの古田敦也のロケ開始待ち合わせ場所として登場した。この際、地元住民が鶴瓶らに対し、当駅がHERO特別編のロケに使われたことを紹介した。
  • 2010年8月 - 9月発売の鈴木愛理℃-ute)の写真集「登校日」とDVD「夏休み」のロケに使われた。
  • 2016年10月21日放送のNHK総合「ドキュメント72時間『四国 海だけの小さな駅で』」において、当駅を舞台に撮影が行われた[4]

イベント

  • 駅のホームを舞台代わりに利用した音楽イベント「夕焼けプラットホームコンサート」が毎年9月の第1土曜日に開催されている。「内山線」(内子経由の新線)開通の1986年(昭和61年)に始まり、駅の利用が少なくなればやがて廃線にされるのではないかとの危機感から、旧双海町産業課の若松進一(当時。現観光カリスマ)らの手によって実現にこぎ付けたものである。

歴史

当駅は1935年(昭和10年)6月9日に国鉄予讃本線が伊予上灘駅から当駅まで一駅分だけ延伸したのと同時に下灘駅として開業した。当初は終着駅であったが、開業のおよそ4ヶ月後の10月6日には当駅から伊予長浜駅までが開通したため、終着駅ではなくなった。

1986年(昭和61年)3月3日には向井原 - 内子間の新線開通により向井原から伊予長浜を経て伊予大洲に至る線路が幹線としての役割を喪失したため、当駅においても優等列車が通ることはなくなった。

その後、当駅は1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化を経て現在に至っている。なお、予讃本線は1988年(昭和63年)6月1日に予讃線に改称となった。

年表

ギャラリー

隣の駅

四国旅客鉄道
予讃線(愛ある伊予灘線)
伊予上灘駅 (S08) - 下灘駅 (S09) - 串駅 (S10)

脚注

  1. ^ a b c 全国鉄道事情大研究 四国篇』76頁。
  2. ^ a b 伊予市内のJR駅利用状況”. 伊予市役所. 2014年11月9日閲覧。
  3. ^ JR下灘駅 | 観光スポット一覧”. 伊予市. 2015年8月24日閲覧。
  4. ^ NHK-ドキュメント72時間-2016年バックナンバー

参考文献

  • 川島令三全国鉄道事情大研究 四国篇』草思社、2007年8月17日、46-102頁。ISBN 978-4-7942-1615-1 

関連項目

外部リンク