コンテンツにスキップ

エアポート (列車)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。野田オリックス (会話 | 投稿記録) による 2017年4月7日 (金) 15:35個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

エアポート
733系電車による快速「エアポート」
733系電車による快速「エアポート」
概要
日本の旗 日本
種類 快速列車
現況 運行中
地域 北海道
運行開始 1992年7月1日
運営者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
路線
起点 新千歳空港駅
終点 札幌駅小樽駅
手稲駅ほしみ駅石狩当別駅への直通列車あり
使用路線 千歳線函館本線
技術
車両 721系電車札幌運転所・小樽系統)
733系電車(札幌運転所・小樽系統)
軌間 1,067 mm
電化 交流20,000 V・50 Hz
最高速度 120 km/h
テンプレートを表示

エアポートとは、北海道旅客鉄道(JR北海道)が、新千歳空港駅 - 札幌駅小樽駅間を千歳線函館本線経由で運行する快速列車。札幌近郊路線図で用いられる記号はA[1]

概要

1988年3月に新千歳空港が開港したのを機に、空港アクセス列車として、千歳空港駅(現在の南千歳駅)・苫小牧駅 - 札幌駅間で運転開始された快速「空港ライナー」が前身にあたる。1992年7月には新千歳空港ターミナルビルの完成にあわせて千歳空港駅 - 新千歳空港駅間が延伸開業したため新千歳空港駅への乗入れを開始し、大幅な増発のうえ、列車名も「エアポート」に改称された。

運行概況

733系の側面種別・行先表示(日本語)
 
733系の側面種別・行先表示(英語)

新千歳空港駅 - 札幌駅間を最高速度120 km/h、所要37分(早朝・夜間の一部列車を除く)[2][3] [4]で結び、新千歳空港発8 - 20時台、札幌発8 - 19時台は15分間隔で運転されている。空港利用客に限らず、全区間を通して沿線の都市から札幌への通勤・通学者にも幅広く利用されている。

  • 3桁ないし2桁の号数(「エアポートxxx号」)は、百位および十位が新千歳空港駅および札幌駅それぞれの発車時間帯を、一位は発車順を表し、下りが奇数で、1時間あたり4本の場合は順に1 - 7、上りが偶数で、同様に0 - 6となる(例:新千歳空港発16時台の1本目は「161号」、札幌発8時台の1本目は「80号」)[注 1]
  • 日中は1時間あたり4往復のうち、2往復が新千歳空港駅 - 札幌駅 - 小樽駅間(30分間隔)、残る2往復が新千歳空港駅 - 札幌駅間のみの運転である。新千歳空港行き列車の札幌駅発車ホームは、改札口から最も近い5・6番線に統一されている。
  • 朝および夜間(札幌駅発着がおおむね6 - 9時台および20 - 23時台)の列車は札幌駅以西の区間が普通列車(各駅停車)としての運行となり、これらは小樽駅のほか手稲駅ほしみ駅札沼線(学園都市線)の石狩当別駅が始発・終着となる列車も設定されている。
  • 新千歳空港到着の航空便に遅延が生じた場合は、札幌行きの最終列車である快速「エアポート」227号(列車番号3987M。新千歳空港発22時53分)の発車を遅らせる場合がある。航空便の遅延が著しい場合は最終列車を定刻に発車させ、後続の臨時列車として手稲行き普通列車を運転する場合がある。ただし、臨時列車は札幌駅や手稲駅までの輸送を主とし、他線区への接続までは考慮されない。

停車駅

新千歳空港駅 - 南千歳駅 - 千歳駅 - 恵庭駅 - 北広島駅 - 新札幌駅 - (白石駅) - 札幌駅 - 琴似駅 - 手稲駅 - 小樽築港駅 - 南小樽駅 - 小樽駅
  • 白石駅には早朝・夜間の一部列車のみ停車。

使用車両・編成

2016年3月26日現在の編成図
快速「エアポート」
← 新千歳空港

札幌・小樽・石狩当別 →
1 2 3 4 5 6
凡例
指=普通車座席指定席uシート
自=普通車自由席

札幌駅・手稲駅・小樽駅・石狩当別駅発着列車には721系電車(3000・4000・5000番台)および733系電車(3000番台)が区別なく共通運用されている。いずれも3ドアの6両編成であるが、721系(近郊形車両)は転換式クロスシート主体、733系(通勤形車両)はロングシートであるため、定員が異なる。

  • 全列車とも、4号車に指定席の「uシート」を連結している。uシートは運賃+520円の料金で乗車でき、座席指定券みどりの窓口および主要駅の指定席券売機、札幌駅・新千歳空港駅のuシート指定券売機で購入する。指定席券売機では、KitacaSuicaなどのICカードは使用できなかったが、自動券売機の更新により新千歳空港駅の一部の券売機で使用できるようになった。なお、普通列車として運転される区間のみ乗車する場合は、uシートも含め全車自由席である。
  • 785系・789系投入前の1992年から2002年までは781系電車が使用されていた。当時の旭川駅発着列車はエル特急「ライラック」で運行されており、間合い運用として新千歳空港駅 - 札幌駅間のみ運転される一部の列車(2002年3月ダイヤ改正以前の90号と197号)にも781系が使用されていた。現行のダイヤで使用されている785系と789系では、快速エアポートの運用は行われていない。

沿革

  • 1980年昭和55年)10月1日:千歳空港駅(現在の南千歳駅)開業に伴うダイヤ改正で、札幌駅 - 千歳空港駅間に711系を使用した列車名称なしの快速列車が1日3往復設定される。
  • 1988年(昭和63年)3月13日:札幌方面と千歳空港方面を結ぶ快速列車として「空港ライナー」が設定される。同時に、それまで運転されていた名称なしの快速列車も「空港ライナー」に組み込まれた。
    • 停車駅は以下の2通りで設定された。
      • 札幌駅 - 白石駅 - 新札幌駅 - 北広島駅 - 千歳駅 - 千歳空港駅 - 沼ノ端駅 - 苫小牧駅(終日運転で大半は千歳空港駅折り返し。また、苫小牧駅以西まで運行する場合、その区間は各駅停車)
      • 札幌駅 - 新札幌駅 - 北広島駅 - 島松駅 - 恵み野駅 - 恵庭駅 - 長都駅 - 千歳駅 - 千歳空港駅(主に朝・夜の運転)
    • 小樽駅発着で全区間快速運転をする列車は、「マリンライナー」の名称で設定された。
  • 1992年平成4年)7月1日:新千歳空港駅の開業に伴い、列車名称を「エアポート」に改称。15分間隔での運行開始。エル特急「ライラック」の札幌駅 - 室蘭駅間を「すずらん」に分割、「ライラック」の札幌駅 - 新千歳空港駅間を「エアポート」として延長。
  • 1997年(平成9年)3月22日:この日のダイヤ改正で、増発された朝の一部列車に711系電車が暫定的に使用される。
    • 711系で運転される列車は全車自由席であった。これは721系の車両不足のために生じたもので、731系電車の増備によって721系が捻出されたため、短期間で解消された。
  • 1998年(平成10年)12月8日:この日限りで721系運行列車での"Airport"表記のヘッドマーク掲出を終了。
  • 2000年(平成12年)
    • 3月11日:札幌駅 - 小樽駅間の快速「マリンライナー」が廃止されたのに伴い、小樽駅発着の「エアポート」を増発。これによって小樽駅発着列車は従来の日中60分間隔から30分間隔の運転に変更。停車駅に琴似駅を追加。
    • 11月上旬:「エアポート」用の721系に指定席「uシート」の連結開始[5]。4号車の半室のみの設定。同時に、従来は新千歳空港駅 - 札幌駅間のみの設定(札幌駅 - 小樽駅間は自由席扱い)だった指定席が小樽駅までの全区間に拡大された。
  • 2001年(平成13年)7月1日:エル特急「ライラック」・快速「エアポート」用の781系に指定席「uシート」の連結開始[6]。4号車の半室のみの設定。
  • 2002年(平成14年)3月16日:ダイヤ改正により次のように変更[7]
    • 最高速度を130km/hに向上し、停車駅に恵庭駅を追加。
    • 旭川駅 - 新千歳空港駅間のうち、特急運行区間の列車をエル特急「ライラック」(781系電車)からエル特急「スーパーホワイトアロー」(785系電車)へ変更。
    • 785系電車に「uシート」用新製車モハ785形500番台・モハ784形500番台を連結、基本編成が781系時代の4両から5両へ増車された。
  • 2003年(平成15年)9月15日:快速「エアポート」用721系の編成を次のように変更[8]。2004年3月13日のダイヤ改正までに全編成が工事完了。
    • 721系電車「uシート」の設置拡大。増備車(4000・5000番台)の導入と従来車両の増席を行い、4号車の全車を「uシート」とする。
    • 多機能トイレ車椅子スペースなど、バリアフリー化を施した自由席新型車両(デッキなし)を導入。
  • 2004年(平成16年)3月13日:新千歳空港行き列車の札幌駅発車ホームを5・6番線に統一。札幌駅・新千歳空港駅に「uシート」専用の指定席券売機を設置[9]
  • 2006年(平成18年)3月18日:7時台に新千歳空港発を1本増発。夜間の下り「エアポート」の白石駅への停車を拡大。小樽駅発車ホームを4・5番線に統一[10]
  • 2007年(平成19年)10月1日:旭川駅発着列車に789系1000番台を投入し、785系との共通運用を開始[11]。721系前面・側面の種別・行先表示が新デザインへ変更。新千歳空港行きの表記には「飛行機マーク」が添えられる。
  • 2008年(平成20年)3月15日:羽田空港からの始発便到着に合わせ、新千歳空港発の「エアポート」を1本、21時台に新千歳空港駅発着の1往復(「スーパーカムイ」直通)をそれぞれ増発[12]
  • 2012年(平成24年)10月27日札沼線(学園都市線)直通石狩当別発着の列車が1日1往復設定(学園都市線内は各駅停車として運行)[13][14]
  • 2013年(平成25年)11月1日:千歳線を走行する特急列車の最高速度引き下げによる、ダイヤ修正[15]。当初は、「エアポート」も最高速度を120km/hに引き下げる予定であったが[16][17][18]、この時点では見送られた[19]
  • 2014年(平成26年)
  • 2016年(平成28年)3月26日:ダイヤ改正により、エル特急「スーパーカムイ」との直通運転を廃止。これに伴い、全列車が3ドア車6両編成(721系または733系)に統一される[24][25][26]

脚注

注釈

  1. ^ ただし、2013年11月のダイヤ修正では新千歳空港22時00分発が21時59分発に変更されたが、221号のままであった。2014年8月のダイヤ修正では新千歳空港21時59分発が22時00分発に変更された。
  2. ^ 小樽 - 旭川間で使用されている711系を置き換えるのが目的である。

出典

  1. ^ 札幌近郊路線図” (PDF). 北海道旅客鉄道. 2015年4月13日閲覧。
  2. ^ 2002年(平成14年)3月16日から2014年8月29日までは、最高速度130 km/h、所要36分。
  3. ^ "平成26年8月ダイヤ改正について" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 4 July 2014. 2015年10月20日閲覧
  4. ^ 「快速エアポート」旭川・小樽・札幌→新千歳空港 JR時刻表 (2007.10改正), 大学生協, (2007), http://www.hokkaido.seikyou.ne.jp/travel/domestic/timetable/jr/jr.html 2015年10月20日閲覧。 
  5. ^ "721系快速エアポートの指定席に「uシート」新登場!〜特急なみの快適な居住空間をお届けします〜" (Press release). 北海道旅客鉄道. 26 October 2000. 2014年7月20日閲覧
  6. ^ "平成13年7月ダイヤ改正について" (Press release). 北海道旅客鉄道. 25 April 2001. 2014年7月5日閲覧
  7. ^ "平成14年3月ダイヤ改正について" (Press release). 北海道旅客鉄道. 28 November 2001. 2014年7月5日閲覧
  8. ^ "〜好評のuシート座席が倍増、バリアフリーに対応し、より利用しやすく〜 快速「エアポート」に新型車両を導入します" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 10 September 2003. 2014年7月5日閲覧
  9. ^ "平成16年3月ダイヤ改正について" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 26 December 2003. 2014年7月5日閲覧
  10. ^ "平成18年3月ダイヤ改正について" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 22 December 2005. 2010年7月23日閲覧
  11. ^ "平成19年10月ダイヤ改正について" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 11 July 2007. 2014年7月5日閲覧
  12. ^ "平成20年3月ダイヤ改正について" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 20 December 2007. 2014年7月5日閲覧
  13. ^ "平成24年10月ダイヤ改正について" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 3 August 2012. 2012年8月17日閲覧
  14. ^ まちへ、そらへ、近づく学園都市線 10.27 ダイヤ改正。”. 北海道旅客鉄道. 2012年10月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年2月22日閲覧。
  15. ^ 『JTB時刻表 2013年10月号』
  16. ^ "安全性向上に向けた輸送サービス抑制へのご理解について" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 4 September 2013. 2013年9月5日閲覧
  17. ^ "11月以降のダイヤについて" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 20 September 2013. 2014年7月5日閲覧
  18. ^ “特急10〜20キロ減速 JR北海道11月改正 8本を減便”. 北海道新聞(どうしんウェブ) (北海道新聞社). (2013年9月4日). オリジナルの2013年9月21日時点におけるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20130921053631/http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/489466.html 2013年9月21日閲覧。 
  19. ^ “JR北海道:一部特急を減速・減便 11月ダイヤ改正発表”. 毎日新聞毎日jp (毎日新聞社). (2013年9月20日). オリジナルの2013年11月3日時点におけるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20131103204155/http://mainichi.jp/select/news/20130921k0000m040081000c.html 2013年11月3日閲覧。 
  20. ^ a b "733系電車増備と快速「エアポート」への投入について" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 14 May 2014. 2014年7月5日閲覧
  21. ^ “ゆったりロングシート、運行開始 快速エアポートに新車両”. 北海道新聞(どうしんウェブ) (北海道新聞社). (2014年7月20日). オリジナルの2014年7月28日時点におけるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20140728012840/http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/552274.html 2014年7月28日閲覧。 
  22. ^ "平成26年8月ダイヤ改正について" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 4 July 2014. 2014年7月5日閲覧
  23. ^ “JR北海道、快速エアポート減速 来月ダイヤ改正、スーパーとかちも”. 北海道新聞(どうしんウェブ) (北海道新聞社). (2014年7月4日). オリジナルの2014年7月4日時点におけるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20140704031321/http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/549202.html 2014年7月4日閲覧。 
  24. ^ “JR 旭川―新千歳直通廃止へ:地域”. 読売新聞YOMIURI ONLINE (読売新聞社). (2015年3月22日). http://www.yomiuri.co.jp/hokkaido/news/20150322-OYTNT50022.html 2015年3月22日閲覧。 [リンク切れ]
  25. ^ “スーパーカムイ、新千歳空港直通廃止 来年3月ダイヤ改正で”. 北海道新聞(どうしんウェブ) (北海道新聞社). (2015年3月21日). オリジナルの2015年4月13日時点におけるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20150413071946/http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/economy/economy/1-0114110.html 2015年4月13日閲覧。 
  26. ^ "平成28年3月ダイヤ改正について" (PDF) (Press release). 北海道旅客鉄道. 18 December 2015. 2015年12月18日閲覧

関連項目

外部リンク