山下武
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山下 武(やました たけし、1926年4月3日 - 2009年6月13日)は東京生まれの文芸評論家、演出家。古本関係の著述活動で著名であった。
人物
各丁に書き込まれているせりふの中身は画面のストーリー上に沿っているものではなく、おおよそ笑いを主としており、洒落や地口、画面上での描かれ様に対しての登場人物自身の感想などがすべての画面に書き込まれている。たとえば、石塔ノ火(せきとう の ひ)は石塔が化けてお歯黒をつけた女の姿になって出没していたものを武士が刀で斬ったという話が描かれているが、そのことを記した短い本文の後に書き込まれたせりふは、武士は大道商人のひとつであった歯磨き売り(大きな刀をふるって通行人をあつめて販売していた)を意識したせりふ、妖怪側はそんな歯磨き売りを知らぬ顔していった通行人という体のせりふがそれぞれ書かれており、画面上での構造(刀を抜いて道で立っている男がいるという図)から連想された喜劇的な展開が描かれている。
著書
- 『異象の夜に』審美社、1970
- 『書物万華鏡』実業之日本社、1980
- 『青春読書日記』同、1981
- 『父・柳家金語楼』同、1983
- 『日本文章史論』啓文社、1985
- 『古書礼賛』青弓社、1986
- 『忘れられた作家・忘れられた本』松籟社、1987
- 『古書縦横』青弓社、1988
- 『古書発掘』同、1989
- 『古書のある風景』同、1990
- 『探偵小説の饗宴』同
- 『幻の作家たち-消え去りし文学へ寄せるオマージュ』冬樹社、1991
- 『古書の誘惑』青弓社、1991
- 『異端的神秘主義序説』同、1992
- 『古書の味覚』青弓社、1993
- 『幽霊たちは<実在>を夢見る』刀水書房、1993
- 『古書のざわめき』青弓社、1993
- 『書物熱愛』実業之日本社、1993
- 『古書を求めて』青弓社、1994
- 『「新青年」をめぐる作家たち』筑摩書房、1996
- 『古書を旅する』青弓社、1997
- 『風化させない戦争体験の記録』 大空社 1999
- 『嗚呼、懐かしの金語樓』 小学館 2000
- 『大正テレビ寄席の芸人たち』 東京堂出版 2001
- 『20世紀日本怪異文学誌 ドッペルゲンガー文学考』 有楽出版社 2003
- 『夭折の天才群像 神に召された少年少女たち』 本の友社 2004
- 『人の読まない本を読む 赤耀館読書漫録』 本の友社 2005
- 『書斎の憂愁』 日本古書通信社 2009