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ベンジルアルコール

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ベンジルアルコール
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識別情報
CAS登録番号 100-51-6
E番号 E1519 (追加化合物)
KEGG D00077
特性
化学式 C6H5CH2OH
モル質量 108.14
外観 無色の液体
密度 1.046 g/cm3
相対蒸気密度 3.7
融点

−15.3

沸点

205

溶解度 g/100 mL ( ℃)
溶解度 g/100 mL ( ℃)
出典
ICSC
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ベンジルアルコール (benzyl alcohol) は、示性式 C6H5CH2OH、分子量 108.14 の芳香族アルコール融点 −15.3 ℃、沸点 205 ℃ の無色の液体。CAS登録番号は [100-51-6]。フェニルメタノール(phenylmethanol) とも呼ばれる。

性質と反応

単体は無色透明の液体で、ほのかな心地よい芳香臭がある。比重 1.046 で水溶性は低く (4 g/100 mL)、とほとんど分離する。

溶剤として優れており、毒性が低く、蒸気圧が小さい。アルコールエーテルに溶けやすい。空気中で酸化されて安息香酸に変化する。

酢酸安息香酸セバシン酸などの酸と反応することで、エステルなどの化合物を生成する。特にエステルの酢酸ベンジルは、ジャスミンイランイランの芳香成分として有名。

用途

ベンジルアルコールは、インク、塗料、ラッカーエポキシ樹脂塗膜などの溶剤として用いられる。石鹸香料に用いるさまざまなエステルの原料としても使用される。写真の現像のほか、香りが良いことから殺菌剤としても用いられている。揮発保留剤としても使われる。

製法

実験的には、ベンズアルデヒド (C6H5CHO) を触媒下で水素化したり、還元剤を使って還元したりすると得られる。

また、炭酸ナトリウム(ソーダ灰)の存在下、塩化ベンジル (C6H5CH2Cl) を加水分解することで製造できる。