自慰史観
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自慰史観とは、自虐史観という用語に対抗する意味合いを持つ俗語。
概要
「自国の歴史に於ける負の部分を否定ないし隠蔽ないし矮小化し、正の部分を過大評価する歴史観である」ということで、「自慰(オナニー)の如き自己満足的な歴史観である」という意味をこめて、特定のある歴史観に対する蔑称として限定的に使われる。多くの場合は自由主義史観や歴史修正主義に対して、偏向した歴史観であるという評価を反映させて用いられる呼称である。⇔自虐史観
少なくとも、安易にこの用語を使うことは人格を疑われかねないので、公衆の面前で無思慮に使うことは避けた方が賢明であるといえよう。
語源
日本の歴史においては、歴史修正主義同様に戦後民主主義教育が生み出した歴史観を自虐史観として批判する勢力に対抗して作られた用語。なお、自慰史観に変えて他国の人々を傷付けると言う意味で「他虐史観」と呼ぶ人もある。「侵略史観」・「戦争肯定史観」と呼ぶ人もいる。
特徴
自虐史観主義者が指摘する「自慰史観」の特徴は、「自虐史観」の特徴とされた論点の裏返しであり、次が挙げられる。
- 自国の歴史に於ける正の部分を強調させるのと同時に、負の部分を歪曲し正当化させる。修正主義のレトリックを参照せよ。
- 皇国史観や軍国主義を擁護する。
- かつての太平洋戦争(大東亜戦争)・十五年戦争・植民地支配を部分肯定、または全面肯定する。
- 東京裁判を戦勝国・連合国側の立場による裁判と位置づけ、全否定する。
- 靖国神社のA級戦犯合祀におおむね賛成である。
- 伝統・道徳を好んで持ち出す一方で、弱者やマイノリティーに対し「甘えている」とする傾向が高い。
- 過去の皇室の伝統を重視しており、女系天皇に反対である。
- 天皇制および日本の伝統を持論の権威付けに利用する。
- 排外主義的であり、とりわけ韓国、北朝鮮、中国といった“反日”諸国に苛烈である。逆に日本が占領・統治した時代を肯定する台湾や南太平洋の島嶼諸国を“親日”と持ち上げる。
- 保守主義を自称しながら、人権、進歩、自由、民主主義自体に否定的である。
- 閉塞的自同律(トートロジー)に終始している。
- 革命には反対であるのに、明治維新だけは肯定する。
- 思想の違う人間に対する言葉が罵倒的との指摘がある。
- 国旗・国歌に執拗に拘泥する。伝統の概念を、その二つに集約させようとする極めて浅薄な思考である。皇民化教育を現代の教育現場に、無理に導入し、それを道義と錯覚させようとする。
- 靖国神社首相公式参拝と天皇親拝を希望している。
- 中国の中華主義を批判しながら、自国文化中心主義(エスノセントリズム)に耽っている。アジア唯一の先進国、そして植民地支配からの解放国という傲りが在る。
参照:ドイツ歴史家論争・フィッシャー論争・ゴールドハーゲン論争・エノラ・ゲイ論争