コンテンツにスキップ

山陽タクシー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Purple Quartz (会話 | 投稿記録) による 2017年10月25日 (水) 14:21個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (Gatsun (会話) による ID:66058901 の版を取り消し 大幅な除去理由を要約欄にどうぞ)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

山陽タクシー株式会社
Sanyo Taxi Co.,Ltd.

左がシンボルマーク、右が社章
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
655-0881
兵庫県神戸市垂水区東垂水町流田710番地
設立 1960年11月25日
業種 運輸業
法人番号 9140001016147 ウィキデータを編集
事業内容 一般乗用旅客自動車運送事業
自動車整備鈑金塗装事業
土地建物事業
代表者 代表取締役社長 滝本 剛
資本金 3,000万円
従業員数 260名
主要株主 山陽電気鉄道100%
(同社の連結子会社
外部リンク sanyo-taxi.jp
テンプレートを表示

山陽タクシー株式会社(さんようタクシー、 英称:Sanyo Taxi Co., Ltd.)は、兵庫県神戸市垂水区東垂水町流田710番地に本社を置き、神戸市明石市においてタクシー業・自動車整備鈑金塗装業・土地建物業を経営しており、山陽電気鉄道の100%出資子会社である。

概要

垂水営業所・明石営業所・学園南営業所があり、主要な自社専用乗場は山陽塩屋駅山陽垂水駅マリンピア神戸山陽明石駅

車両数は121台で従業員数は260人。

迎車可能エリアは、神戸市垂水区全域と、隣接する一部エリアとなっている神戸市須磨区西部や神戸市西区東部と明石市東部までに及ぶ。このエリアは人口密集地帯で、極めて坂道の多い地形ということもあり旧来から利用者は多い。そのため、エリア内のショッピングモールや病院、老人介護施設などの福祉施設には無料通話の配車センター直通公衆電話を設置し、市民の足としての役割を担っている。

また、1995年(平成7年)1月17日に起きた阪神・淡路大震災の時には自社への被害が小さかったため、いち早く垂水営業所および明石営業所の社員浴場を一般開放するなどして、地元住民の被災生活を支えた。

同じ名称で存在する岡山県の山陽タクシー、広島県の山陽タクシーとは無関係である。

少子高齢化対策

2009年(平成21年)には、昨今の重要な問題となっている少子化高齢化にスポットライトを当て、その対策の一環として妊婦に向けたサービスの充実を図るため、公式ウェブサイトでの妊婦さん専用顧客登録の開始によって陣痛が始まった時などの救急対応を心掛けた新たな配車サービスを開始した。

高齢化対策としても同様に、公式ウェブサイトにアクセスして必要事項を記入し顧客登録を行う、または、電話での顧客登録を行うと同様のサービスが受けられ、救急車の呼べないような怪我や急病などの緊急時に配車センターへ依頼をすればスムーズに自宅前へと配車され、掛かり付けの病院へ直行するようなシステムとなっている。

また、最近では犬や猫などのペットを飼って家族の一員として大切にしている人も増えているため、ペットの体調不良などの場合にも同様にこのサービスを利用する人も多く、顧客登録ファームにその旨を記入しておけば緊急時に自宅前から掛かり付けの動物病院へ直行してくれる。 なお、その際にはキャリーバッグやケージに入れること、大型ならタオルケットなどでやさしく包み、公共交通機関の利用者として最低限のマナーを守る必要がある。

ウイルス対策

2010年(平成22年)に起きたインフルエンザの全国的な流行で、店頭からマスクや除菌用スプレーなどが品薄となった事態を受けて、全車両にSHARP社製の車載用プラズマクラスターイオン発生機を導入し、空気の浄化と脱臭効果で車内を安全で快適な状態に保ち、また、除菌用スプレーを常備品としてインフルエンザなどの流行病へのウイルス対策を行っている。

被災者の就労支援

2011年(平成23年)3月11日に起きた東日本大震災を受けて、同じく阪神・淡路大震災の被災地の企業という見地から、被災者就労支援としてスカイプによるウェブ面接を取り入れ、被災地からの遠隔面接によって兵庫県内への移住支援の一端を担っている。(問合せでの事前申し入れが必要) 現在は社員寮がなく住居の提供は行っていないが、グループ企業には山電不動産などがあるため、居住に関する心配も少ない。

スマートフォンアプリの導入

富士通テン株式会社が開発したタクシー業界初の自社専用配車スマートフォンアプリである『山陽タクシー』をダウンロードして使用すれば、自分のスマートフォンと車両のGPSが連動してお互いの現在位置情報がマップでタイムリーに確認でき、最も近くにいる車両をピックアップして自動で配車するシステムとなっている。 利用者からのオートメーションになったことで現地到着までにかかる時間がさらに短縮され、しかも到着時までをリアルタイムで追跡確認できるようになり、これまで誰もが抱えていた乗車までのプロセスの不便さが解消されたことで、よりスムーズで簡単に乗車できるようになった。

迎車可能エリア外にいる時(目的地が営業エリア方面の場合)にも、営業エリア外で空車状態の自社車両を検索し、距離を探って配車可能かどうかが数秒で自動的に判別されるので、アプリを起動するだけで無駄な時間や手間をかけることなく確認できる。

社章・シンボルマーク

親会社である山陽電気鉄道の社章・シンボルマークを使用しており、山陽タクシーが使用しているシンボルマークは現行のものではなく、車両の行灯に現行のものを使用すると目立ちにくいために1983年制定の旧シンボルマーク(太陽マーク)をそのまま引き継いで使用している。

社章
社章

社章

1983年制定の旧シンボルマーク(太陽マーク)
1983年制定の旧シンボルマーク(太陽マーク)

1983年制定の旧シンボルマーク(太陽マーク)

2007年制定の新シンボルマーク
2007年制定の新シンボルマーク

2007年制定の新シンボルマーク

車両

山陽カラーと言われているボディの下半分が紺で上半分が白いツートンカラーと、ブラックボディの二種類の車両があり、車種はトヨタ・クラウンコンフォート

山陽カラーについては、ネイビーブルーとクリームイエローの山陽電気鉄道820・850形電車を参照。

ブルーはかつての電車の色合いに近いが、上半分の白系はクリームというよりオフホワイトになっている。この塗り分けは、一時は山陽電車の自動販売機までもが採用しており、その当時を思い起こさせる歴史のあるものである。 色合いはかつての電車より若干明るめではあるが、山陽電車のイメージと言えば下半分が青のツートンであるため、その気品漂うよい伝統を現在も受け継いでいる。

一時的に大半の車両が黒塗りになったことがあったが、現在またツートン車両が増えてきており、これには他社との差別化を図るために原点回帰し、古くからの馴染み客に遠目からでも見分けてもらえて、選んで乗ってもらおうという意味合いがある。

タクシーチケット

運賃の支払い方法は現金またはタクシーチケットで行い、クレジットカードは使用できない。 山陽タクシーで取扱いしているタクシーチケットは以下の通り。なお、使用期限がある場合は期日を過ぎると使用できない。

クレジット会社発行のタクシーチケット

  • VISAタクシーチケット
  • JCBタクシーチケット
  • MUFGタクシーチケット
  • DCタクシーチケット
  • JTBタクシーチケット
  • 愛のタクシーチケット(オムロン)

ワイドネットワーク関係のタクシーチケット

  • 兵庫県タクシー事業協同組合
  • ワイドネットワーク

自社タクシーチケット

  • 山陽タクシーチケット

沿革

  • 1960年(昭和35年)11月25日に設立され、当初は本社を西代に置き、営業所を舞子明石に設置した。トヨペットクラウン3台とダットサンブルーバード7台の計10台を所有し、西代5台、舞子2台、明石3台と配置して1960年(昭和35年)12月10日に開業した。
  • 1961年(昭和36年)8月に須磨垂水に営業所を開設。
  • 1962年(昭和37年)3月には新たに兵庫板宿に営業所を開設。
  • 1965年(昭和40年)3月末時点で認可車両数は43台に増えてはいたが営業成績は不振が続き、採算が取れない状態だった須磨と板宿の両営業所を廃止した。国鉄(現在のJR西日本)の垂水駅前及び舞子駅前にも積極的に進出するとともに、車両の自社整備を目的として西代車庫構内に車両整備工場を新設するなどの施策を打ったことで業績は好転した。
  • 1971年(昭和46年)5月には神戸市垂水区東垂水町に収容能力60台の新垂水車庫を開設。
  • 1972年(昭和47年)7月には明石市田町に収容能力44台の明石車庫を開設し、山陽電気鉄道におけるタクシー事業の地域的基盤をこの時期に固めた。当時の各営業所別の車両数は、本社(西代)31台、垂水34台、明石28台の合計93台だった。
  • 2009年(平成21年)には、少子高齢化対策の一環として、妊婦高齢者に向けたサービスの充実を図るため、公式ウェブサイトからの専用顧客登録による救急対応を心掛けた配車サービスを開始した。
  • 小泉政権時代に推し進めた規制緩和によってタクシー事業にも新規参入が相次いだことで供給過多に陥り、それによって全国的な社会問題となっている都市部の過剰なタクシー車両数の削減を定めたタクシー事業適正化・活性化特措法による国土交通省の減車要請では、業績を考慮せず平等に全事業者一律での減車を求められたため、自社車両稼働率96パーセントの状態のままでは乗務員の人員削減もせざるを得ない状況になるため減車に応じることができなかった。そのため、乗務員の保護対策案として2010年(平成22年)8月に、当時廃業予定だったゑび須タクシー株式会社(神戸市須磨区)から車両20台を営業権付きで譲渡譲受し、うち17台を近畿運輸局に減休車し減車対応とした。また、同年に起きたインフルエンザの全国的な流行を受けて、車内における安全と快適な環境づくりに重点を置き、ウイルス対策のため全車両にSHARP社製の車載用プラズマクラスターイオン発生機を導入した。
  • 2011年(平成23年)にはNHK総合テレビ大河ドラマ平清盛』の放送が決定したことに伴い、このドラマの舞台の一つである神戸市、明石市の地域活性化を目的としてSHARP社製の縦型デジタルサイネージを垂水駅前に導入し、営業エリア内の企業や店舗のPR広告などのコンテンツ作成業務委託を含むタウン情報の提供を開始した。また、翌年2012年に神戸市が手掛けたイベント『KOBE de 清盛2012』の観光スポット『ドラマ館・歴史館』や史跡など、平安時代を生きた清盛ゆかりの地を巡る観光ツアープランも運行を開始した。(このプランは2012年末で終了)なお、現在は神戸市、明石市、淡路島の観光スポットを巡る日帰りツアープランが随時運行しており、デジタルサイネージコンテンツから行きたい名所の候補を数か所選ぶと、車両の貸切り時間に応じた各シーズンにマッチするオリジナルプランを組んでくれる。
  • 2012年(平成24年)末には、鈑金塗装工場の拡大と充実を図るため、神戸市垂水区名谷町の有限会社垂水鈑金塗装工業を吸収合併した。それによって自社車両の整備や鈑金塗装だけでなく、一般向けのサービスや事業者向けのサービスなど全ての業務が自社で行えるようになった。
  • 2013年(平成25年)11月8日には、スマートフォンアプリを利用したタクシー配車システムの運用を開始した。
  • 2015年4月には、親会社の山陽電気鉄道が所有する神戸市垂水区小束山周辺の土地開発に伴い、以前から購入予定だった土地の換地としてその一部に学園南営業所を新設し、施設内に鈑金塗装工場を移転した。

土地建物事業

兵庫県明石市田町1丁目10番10号に月極貸駐車場を所有しており、収容台数は屋根付きが31台、屋根なしが20台。

飲食サービス事業

総合生活産業を営む山陽電鉄グループは、1970年代に増収対策の一環として各社の独自経営で新規事業の展開を図ることを目的として、主要駅構内、駅前での飲食サービス事業に進出した。山陽タクシーも同事業に進出し、以下の店舗を経営した。

  • 1974年(昭和49年)2月には、山陽垂水駅高架下に立ち食いそばの店「山陽そば」を出店。
  • 1985年(昭和60年)12月には、山陽垂水駅高架下にお好み焼きの店「さんじゅじゅ」を出店。

自社で手掛けた飲食サービス事業は兼ねてから好調であったが、グループ企業の抱える同事業での赤字一掃を目的として山陽電鉄グループ各社の均等化を図って再編成したため、現在は山陽タクシーから飲食サービス事業が切り離されており、同事業を大阪山陽タクシーへ移管している。

参考文献

  • “山陽電気鉄道が百年史 420ページで8000円”. 朝日新聞デジタル. (2008年1月18日). http://www.asahi.com/komimi/TKY200801170199.html 
  • 山陽電気鉄道株式会社 総合企画部『山陽電気鉄道百年史』山陽電気鉄道株式会社〈社史〉、2007年11月。 全国書誌番号:000009203706
  • 山陽電気鉄道百年史”. 国立国会図書館. 2014年12月9日閲覧。
  • "空気への配慮もタクシー会社のサービス、安心してご乗車いただいています" (PDF) (Press release). 山陽タクシー株式会社. 2010-04. 2014-12-09閲覧 {{cite press release2}}: |date=の日付が不正です。 (説明)
  • "山陽タクシーで巡る『KOBE de 清盛2012』清盛ゆかりの地 観光ツアー" (PDF) (Press release). 山陽タクシー株式会社. 2012-03. 2014-12-09閲覧 {{cite press release2}}: |date=の日付が不正です。 (説明)
  • "スマートフォンでのタクシー配車サービス開始!" (PDF) (Press release). 山陽タクシー株式会社. 7 November 2013. 2014年12月9日閲覧

関連会社

山陽電気鉄道グループ企業

外部リンク