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大阪府都市開発5000系電車

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大阪府都市開発5000系電車
基本情報
製造所 川崎重工業
東急車輛製造
製造年 1990年
製造数 40両
運用開始 1990年
主要諸元
軌間 1067 mm
電気方式 直流1500V(架空電車線方式
全長 20,725 mm
全幅 2,744(先頭車)2,740(中間車) mm
全高 4,160 mm
車体 アルミニウム合金
駆動方式 WNドライブ
制御装置 GTO-VVVFインバータ
制動装置

回生ブレーキ併用

電気指令式空気ブレーキ
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大阪府都市開発5000系電車(おおさかふとしかいはつ5000けいでんしゃ)は大阪府都市開発(現・泉北高速鉄道)が保有する通勤形電車の一形式。1990年に営業運転を開始した。

概要

SS-132型台車
電気連結器と前照灯を装備した5600形
(せんぼくトレインフェスタ2015会場にて)

これまで相互乗り入れ先の南海電気鉄道の車両をベースとした車両を導入してきた同社にとって初のオリジナル設計となった車両であり、同社、そして直通先の南海で唯一の8両固定編成・非貫通車である。なお、5600形(4・5号車)は電気連結器前照灯を装備している。

制御装置は同社で初めてGTO素子を用いたVVVFインバータ制御を採用、ブレーキは電気指令式、台車はボルスタレス台車となった。なお登場当初は南海2000系をベースとした制御装置であったが、後に南海1000系をベースとしたものに換装された。

車体はアルミ合金製ながら白色に全塗装されている。ラインカラーは窓下に青の濃淡2本のラインが入り、窓上には濃青のラインが入っている。また、窓上のラインは運転台後方の扉の後ろの窓部分で太く斜め下に降りて窓下のラインに合流している[1](このデザインは後に南海電気鉄道が車体塗色を変更する際に影響を与えたと言われている[誰によって?])。1996年7000系営業運転開始と同時に、先頭車側面の濃青のラインの窓下部分に「SEMBOKU」のロゴを貼り付けた。

なお、5501編成の和泉中央方の4両と5509編成は東急車輛製造[2]製、他は川崎重工業製である。

内装

座席は赤色(優先座席は灰色)のモケットを使用したロングシートで、3000系ではパイプ製だった座席仕切りを改善、棚は網棚に戻った。また、扉開閉時のドアチャイムやドア上のLED式の情報案内表示[3](千鳥配置)も設置され、5501編成を除き中間車には車椅子スペースが用意された。車内案内表示器のLEDスクロールの速さは7000系と比べて少し遅めで、準急または区間急行なんば行き列車での停車駅案内では、なんばも案内される(7000系の場合は一駅手前の停車駅である新今宮まで案内される)。

リニューアル工事

5000系リニューアル車 中百舌鳥にて

本形式は製造から20年以上が経過しており、設備や内装の劣化が深刻化したため、2015年より5501編成を始めとするリニューアル工事が施行されている。

リニューアル内容は以下の通り。

  • 前照灯・尾灯・標識灯をLEDに交換
  • 乗降扉の交換(客室側はステンレス無塗装)
  • 和泉中央方先頭車に車いすスペースを設置
  • 車内案内表示器を4ヶ国語対応のLCDディスプレイに変更[4](表示デザインは7020系のものとは異なり、京阪電気鉄道で使用されているデザインに近い)
  • 座席モケットを7020系に準じたものに交換
  • 大型の座席仕切りを設置
  • 化粧板・床材の張り換え

なお、制御装置は更新されていない。車体の塗装は全剥離し再塗装された。

5501編成は2015年4月より営業運転に復帰し、2016年4月には2編成目となる5503編成も営業運転に復帰している。

特別塗装車

1999年5月5日より、大阪府堺市大阪府立大型児童館ビッグバン開館(同年6月)を記念し、館長である漫画家松本零士のデザインによる特別塗装車が5505編成に施された。車体には同館のイメージキャラクターである「ベアル」と「メロウ」が描かれていた。この塗装は当初は2001年4月位までの予定であったが、好評のため2005年に塗装を修繕し引き続き運行した。

2009年に、同館開業10周年を機にこの編成の愛称を公募を開始した[5]。6月21日に松本も臨席して愛称発表式が行われ[6]、「ハッピーベアル」とすることが発表された[7]。発表後、前面窓裾に愛称のロゴステッカーが貼り付けられた。

2015年から進行しているリニューアル工事の影響により、2017年10月1日をもって運行を終了した。同年9月20日よりメッセージステッカーが貼り付けられ、運行終了後は10月7日開催の「せんぼくトレインフェスタ2017」会場で7000系フロンティア号とともに展示された[8][9]

運用

泉北高速鉄道線南海高野線への直通列車に使用される。

2005年10月16日のダイヤ改正後、日中データイム時に8両編成で運転される列車が激減したため、8両固定編成である同車の運用も相応に減少したが2015年12月5日のダイヤ改正で日中の運用を再開している。また、2017年8月26日のダイヤ改正では大半が8両編成で運転されるためさらに運用が増えている。現在では中百舌鳥駅 - 和泉中央駅間の折り返し運転の他、準急、区間急行などに使用されている。2015年12月5日からは女性専用車両が難波方から4両目(4号車、5600形)に、平日朝時間帯の難波行き区間急行(和泉中央駅 - 天下茶屋駅間)のみ設定されている。

登場当初は線内運転のみの運用であり、南海高野線への乗り入れは1992年のダイヤ改正からである。また、高野線は今宮戎駅萩ノ茶屋駅と、岸里玉出駅 - 浅香山駅間のプラットホーム有効長が6両編成までの対応[10]である為、高野線に乗り入れる各駅停車の運用は全くない。

在籍数

2016年現在、5編成40両が在籍する。

編成表

編成番号/形式 1号車
5501
2号車
5001
3号車
5101
4号車
5601
5号車
5602
6号車
5102
7号車
5002
8号車
5502
備考
5501F 5501 5001 5101 5601 5602 5102 5002 5502 リニューアル編成
5503F 5503 5003 5103 5603 5604 5104 5004 5504 リニューアル編成
5505F 5505 5005 5105 5605 5606 5106 5006 5506 特別塗装車「ハッピーベアル」
(1999年5月5日 - 2017年10月1日)
5507F 5507 5007 5107 5607 5608 5108 5008 5608
5509F 5509 5009 5109 5609 5610 5110 5010 5510 パチンコ店ラッピング
備考 弱冷車 女性専用車 弱冷車

関連項目

松本零士による特別デザイン車両が存在する(した)他社の鉄道車両

上記のうち、忍者列車の2系列以外は松本の作品『銀河鉄道999』をモチーフにしたものである。

脚注

  1. ^ 北大阪急行電鉄8000形電車は運転台後方の扉の部分で太く斜め下に降りている。
  2. ^ 現事業・総合車両製作所横浜事業所
  3. ^ 登場時は現在のものとは仕様が異なっていた。
  4. ^ 併記されている号車番号は、なんば方の先頭車が1号車のため「泉北ライナー」「こうや/りんかん」とは順序が逆である。
  5. ^ "泉北高速鉄道5000系ペイント列車愛称募集" (Press release). 泉北高速鉄道. 2009-2-23. 2012-11-2閲覧 {{cite press release2}}: |accessdate=の日付が不正です。 (説明)
  6. ^ "「ペイント列車」愛称発表式及び松本零士氏一日駅長を開催します!" (Press release). 泉北高速鉄道. 2009-5-26. 2012-11-2閲覧 {{cite press release2}}: |accessdate=の日付が不正です。 (説明)
  7. ^ "ペイント列車の愛称が『ハッピーベアル』に決定しました!" (Press release). 泉北高速鉄道. 2009-6-21. 2012-11-2閲覧 {{cite press release2}}: |accessdate=の日付が不正です。 (説明)
  8. ^ "ありがとう「ハッピーベアル」~ラッピング車両「ハッピーベアル」の運行を終了します~" (Press release). 泉北高速鉄道. 15 September 2017. 2017年9月15日閲覧
  9. ^ 泉北高速鉄道「フロンティア号」「ハッピーベアル」10/7イベントで揃い踏み - マイナビニュース、2017年10月3日
  10. ^ 岸里玉出駅は高架化前に使用されていた部分が帝塚山側に残っておりプラットホームそのものは長いが、その部分は柵で閉鎖されており、6両編成を超える部分の車両で乗降することは事実上不可能である。

外部リンク