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茜色

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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茜色とは、薬用・染料植物アカネの根で染めた暗い赤色をさす。夕暮れ時の空の形容などに良く用いる。

アカネを染料として得る色には他に、緋色があるが、こちらは鮮やかな赤色で茜色よりはるかに明るい。 やや明るい茜色を英語ではマダー(madder:セイヨウアカネのこと)と呼ぶ。


茜染め

日本茜が属する茜科には六千種近い種類があり、それぞれ茶色と黄色の染料として使用可能なコーヒークチナシもこの科に属する。

日本茜のオレンジ色の根には、鮮やかな緋色を出す赤色色素プルプリンのほかにも何種類もの化学物質が含まれている。 これらの化学物質から色素を抽出するのはかなり手間がかかるため、緋色の染色法は江戸時代初期に一度途絶え、茜の色といえば暗い赤色になった。 その上日本茜の根は細く、必要量を得るのに苦労するため、草木染などを専門とする人でも中国で薬用に栽培されている生薬の茜根を輸入して使うことが多い。 アカネの薬用効果は止血や通経など、血液にまつわるものが多い。

ちなみに、現在一般に用いられる西洋茜の根に含まれるのは同じ赤色色素でもアリザリンというもので、それぞれの色調は微妙に違う。