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名鉄1000系電車

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各車両共通事項
基本情報
運用者 名古屋鉄道
製造所 日本車輌製造
製造年 1988年 - 1997年
主要諸元
軌間 1,067 mm (狭軌
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
最高運転速度 120 km/h
設計最高速度 130 もしくは 135 km/h
全幅 2,740 mm
駆動方式 中空軸平行カルダン駆動方式
歯車比 4.82
制動装置 回生ブレーキ併用電磁直通ブレーキ
保安装置 M式ATSデッドマン装置
EB装置
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名鉄1000系電車(めいてつ1000けいでんしゃ)は、1988年昭和63年)に登場した名古屋鉄道特急形車両である。

本項では一般車の1200系や増結車両の1800系7500系の機器を流用して製造された1030系1230系1850系、同編成から改造された1380系についても記述する。なお、1000系・1200系のリニューアルが開始された2015年度以降は1200系が1000系(特別車)・1200系(一般車)を合わせた編成全体の総称となっている[1]

解説の便宜上、個別の編成を表す場合は豊橋方先頭車の車両番号を用いて「1001F」(末尾の「F」は編成を意味するFormationの頭文字)のように表記する。

概要

1960年代から1970年代半ばの頃の名鉄特急7000系(パノラマカー)が中心となって運用されてきたが、当時の特急は基本的に特別料金不要の種別であったことや、特急の他に急行や普通などにも使用されていたことから、本格的な有料特急専用車両ではなかった。バブル景気真っ只中の1988年に登場した本系列はデッキ付きで全席リクライニングシートなど特急専用車両を指向して作られているのが特長である。

愛称もパノラマカーの後継と位置付けられており、普通列車用に改造された1380系と一部特別車特急の増結用1800系・1850系を除き「パノラマSuper」を名乗る。後に登場し、同じく「パノラマSuper」を名乗っていた名鉄1600系電車については当該系列の記事を参照。

1000系

名鉄1000系電車
パノラマsuper
名鉄1000系
基本情報
運用者 名古屋鉄道
製造所 日本車輌製造
製造年 1988年 - 1997年
製造数 21編成84両
運用開始 1988年7月8日
主要諸元
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1500V
最高運転速度 120 km/h
設計最高速度 130 km/h
起動加速度 2.0 km/h/s (特別車4両60km/hまで)
2.3 km/h/s (特別車2両60km/hまで)
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.2 km/h/s
編成定員 216名(特別車4両)
108名(特別車2両)
編成重量 149.0 - 156.0 t (特別車4両)
77.0 - 79.0 t (特別車2両)
全長 先頭車 20,380 mm
中間車 19,730 mm
全幅 2,740 mm
全高 一般客室屋根高 3,520 mm
冷房装置上面 3,884 mm
パンタグラフ折畳 4,025 mm
主電動機 複巻整流子電動機 TDK8225A
主電動機出力 150kW × 4
歯車比 4.82
編成出力 150kW×8=1,200kW(特別車4両)
150kW×4=600kW(特別車2両)
定格速度 全界磁 55 km/h
8%弱界磁 102 km/h
制御方式 界磁チョッパ制御
制動装置 回生併用電磁直通空気ブレーキ
保安装置 M式ATS
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名古屋本線東西直通40周年にあたる1988年7月8日[注釈 1]に営業運転を開始した。設計コンセプトは「ハイ・アメニティ(快適性)・エキスプレス」。折からの好景気もあり、一挙に4両組成9本36両が投入された。以後、1997年(平成9年)までの9年間に合計で4両組成21本84両が落成している。

車体外観

車体長19m級(先頭車は20m級)で各車両2つドアを持つ特急型の車体である。車体材質には普通鋼を用いており白と赤を基調とした塗り分けがなされている。8800系電車(パノラマDX)と比べると、白はクリーム色がかっておらず純白に近く、車体裾(台枠)部分は8800系のグレーに対してベージュとなっている。先頭部分には展望席(パノラマシート)が設置されており、運転台を1階部分に設置し、展望席を中2階とする8800系(パノラマDX)の流れを汲むハイデッカー構造だが、前面窓・側窓ともに曲面ガラスとなり洗練度が増している。灯具類は、従来のシールドビーム前灯とLED標識灯(・尾灯)にシールドビームのフォグランプを加えた3連式となり、間に「パノラマSuper」の愛称表示を備える。車体幅はほぼ限界一杯の2,740mmとし、さらに8800系に比べて側構の内傾が緩く立っている。そのため、一般客室部分の屋根高さは従来通り低めだが断面積は拡大された。編成中1か所(モ1050)に車掌室を備える。

内装

全車両が特別車仕様で回転式リクライニングシート(展望室部分は回転せず)をシートピッチ1,000mmで設置、回転機構は手動の他に自動も可能で終着駅での時間短縮に用いられている。側窓は8800系から採用された隅のRが大きい幅1700mm(一部に狭窓あり)・天地寸法900mmの独立型固定窓である。また、編成中1か所(当時の3号車および8両編成時7号車:モ1150)にトイレを備える。

旅客用案内装置として、デッキと客室の境にLED表示器を設置しており、列車種別や停車駅、走行中は列車速度、中日新聞によるニュース、名鉄からのお知らせなどを流している。ニュースなどのデータ更新は主要駅に設置されているデータ転送装置から受信する。また、ラジオの受信が可能で屋根上にはアンテナが設けられている。このほかに登場時はカード公衆電話と清涼飲料水の自動販売機も設置していたが、いずれも後年撤去された。

側扉は車内側に折れる仕様の2枚折戸で、3次車以前は幅800mm(展望室次位のみ940mm)であったが、4次車以降では開閉時の安全性を高める目的で15mmずつ拡大され、幅815mm(展望室次位のみ955mm)となった[2]

冷房装置は、インバータ制御の東芝 RPU-4414(15,000kcal/h)を各車2基搭載する。7000・7500系や8800系2次車と異なり展望室も本装置のみで冷房する。このほか、熱交換型換気装置(ロスナイ)を併用している。

登場時は全般にカジュアル指向の内装で、カーテンは赤とクリーム色の縦縞ツートン、客室妻面の化粧版は白色系であった。また、現在も座席のヘッドレストに付く脱着式クッション(枕)は当初は青色で、かつヘッドレストカバーは付けられず露出していた。

運転・走行機器

 
ク1000形・ク1100形の台車
:FS048形 1011F - 1016F・1111F - 1116Fに限ってFS039形から交換された
:1017号以降のSS026F形

GTO界磁チョッパ制御で、モーターは定格出力150kWの直流複巻電動機(TDK8225A・340V, 490A, 1700rpm)が用いられる。これは5700系6500系と同じシステムである。歯車比は5700系と同一の82:17 (4.82) で、ブレーキの強化により最高速度は110km/hから120km/hに向上した(1990年より実施)。1994年製の1017編成以降はボルスタレス台車を装着し、ユニットブレーキを採用した。

技術的には、同じく電磁直通ブレーキシステムを有する5700系・5300系5500系6000系・6500系・6800系7000系7700系7100系、さらには8800系との総括制御(連結)運転が可能である[注釈 2]

一部特別車編成用の車両については、組成変更後1993年までに台車が当初から増圧ブレーキ・ABS対応設計(付随台車も片押し制輪子)のものに交換された[注釈 3]。該当車の一部特別車は同様にユニットブレーキを備えた。また、特別車側では増・解結を行わないため、前頭の電気連結器は1200系に移設されている。さらにTcに搭載されていたC-1000型電動空気圧縮機も撤去され、1200系に搭載のC-2000型2台で6両分を賄うように変更された。冷房のインバータ制御化に伴い採用されたDC-DCコンバータは引き続きTcに搭載されている。

警笛には「パノラマカー」7000系以来の伝統であるミュージックホーンを装備するが、8800系と同様にICによるデジタル制御となった。8800系で顕著だったビブラートが軽減されている。また、空気笛は鉄道線では初の高低2音吹鳴(デュアルトーン)である[注釈 4]

更新改造

落成した84両のうち、4両編成6本(24両)は1991年(平成3年)から1992年(平成4年)にかけて2両ずつに分割され、岐阜方の2両を豊橋駅向きに方向転換の上、新規製造の1200系4両と組み合わされ、一部特別車組成とした6両組成12本へと改組された。このときトイレの有無など2種類の編成が生まれた(A編成とB編成)。

一部特別車編成はのちに中部国際空港アクセス輸送にも使われるようになったため、自動販売機を撤去し、そこと電話室の跡地に荷物置き場が設置された。また、組成変更時に床面がカーペット張りとなり、客室妻面の化粧版が白色系から濃ベージュへと変更された(現在全廃の1017F以降は当初から濃ベージュ)。他には座席のモケットや脱着枕、ヘッドレストカバー、日除けカーテンも登場時より変化している。

名鉄は2015年(平成27年)度設備投資計画において3編成をリニューアルすることを発表した。実施内容は客室内の改装、トイレの洋式化などで、車体の塗装パターンも変更される[3]。リニューアル工事の最初の編成は1112Fで、2015年8月22日に舞木検査場で記念撮影会が行われた[4]

この改装で「パノラマsuper」のヘッドマークが外され、ヘッドマーク部にはLED行先方向表示器が取り付けられたが、車両愛称自体は車内案内などで引き続き用いている[1]。また、リニューアルを機に編成全体の総称を「1200系」とした[1]

2016年(平成28年)度以降も年間3編成ペースで更新改造が予定されており、改造された車両は約15年程度の使用年数を考慮している[5]

リニューアル編成の内装の変化
特別車車内(改装前)
特別車車内(改装前)
特別車車内(改装後)
特別車車内(改装後)
展望席(改装前)
展望席(改装前)
展望席(改装後)
展望席(改装後)

廃車

「全車特別車」編成は、名鉄の特急政策の見直し(2000系で運行される「ミュースカイ」を除く全ての特急の一部特別車化)により、2007年(平成19年)夏から廃車が始まり、順次5000系(2代)への機器流用が行われ、ダイヤ改正前日の2008年(平成20年)12月26日をもって全車が運用を離脱した[注釈 5]。この全車特別車編成の廃車により岐阜方の展望席が消滅した。

1200系

名鉄1200系電車
パノラマsuper
名鉄1200系
(2006年9月9日 / 有松 - 左京山)
基本情報
運用者 名古屋鉄道
製造所 日本車輌製造
製造年 1991年
製造数 48両
主要諸元
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1500V
最高運転速度 120 km/h
設計最高速度 130 km/h
起動加速度 2.3 km/h/s (60km/hまで)
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.2 km/h/s*1
編成定員 471(座席216または218)名
編成重量 216.9 - 217.4 t (6両)
編成長 116,600 mm (6両編成)
全長 先頭車 18,900 mm
中間車 18,830 mm
3号車のみ 19,930 mm
全幅 2,740 mm
全高 屋根高 3,560 mm
冷房装置上面 3,880 mm
パンタグラフ折畳 4,065 mm
主電動機 複巻整流子電動機 TDK8225A
主電動機出力 150 kW × 4
歯車比 4.82
編成出力 1,800kW
制御方式 界磁チョッパ制御
制動装置 回生併用電磁直通空気ブレーキ
保安装置 M式ATS
備考 *1 - 他形式併結時は4.0kmh/s
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登場までの経緯

前述の1000系は登場当初は単独で運用を組んでいたが、1990年(平成2年)以降は5000系列・7000系列を一般席車(現:一般車)として連結しての営業運転が実施されていた。しかし、座席指定車(現:特別車)とする1000系は常に4両で一般車より多くなることもあった[注釈 6]にも拘らず車両間の通り抜けができないため誤乗(特別車への乗車には座席指定券(現:ミューチケット)が必要である。)が絶えなかったこと、最高速度が110km/hと本系列のみで組成された編成の120km/hより低くなる[注釈 7]ため所要時間が長くなるなどの理由で、新たな一般車を製造することになった。こうして1000系に対する専用の一般車として1991年に1200系が誕生した。48両が落成し、12本の編成に組み込まれた。

車体外観

通勤需要を考慮したものとなっており、展望室の省略(通常の運転台)、デッキの廃止と両開き3ドア化が図られている。側窓は1000系と共通デザインでガラス幅1350mm・間柱幅200mmの独立式固定窓である。扉(d - 乗務員室扉、D - 客用扉)と窓(数字)の配置は先頭車の場合dD2D2D1で、扉間寸法は5860mm(扉幅を除けば4560mm)となり6500系などよりも20cm長い。床面高さは1000系より4cm低い1,110mmだが、窓框高さを4cm上げて765mmとしたため、側窓の縦位置は統一された。車掌台またはトイレのある3号車のみ全長が19.5m級となり、特別車とは逆にオーバーハングが長いため旧・日本国有鉄道(国鉄)の21m級車両と同様に車端の角を面取り状に絞ってある。前面は、5700系に始まる客室からの眺望を考慮した大型曲面ガラス使用の形状で、愛称表示や灯具周りを1000系に似せている。

内装

座席は転換クロスシートに扉付近収納式補助座席を装備する。転換クロスシートはセミバケットタイプで吊り下げ式暖房器を装備し、足元スペースも拡大したが、側窓2枚に座席3脚というデザインの関係で窓のピッチと合致しない箇所がある。名古屋本線と競合する東海旅客鉄道(JR東海)が東海道本線新快速用として一足先に投入した311系と同様の3扉転換クロス車[注釈 8]だが、車体長が短いこともあって補助座席の比率が多め(2人掛8脚)となっている。なお、補助座席は5700系・5300系のものと類似の形状で、席を立っても自動収納されない点が異なっていたが、2013年に改造され使用しない時は収納されるようになった。先頭車の乗務員室背後のみ2人掛けのロングシートで、1992年以降に落成した車両はその運転台側が車椅子スペースとなっている。座席のモケットは本系列で初採用となった織物様の紫系で、以降7000系、5700系などの転換クロスシートにも波及した。客室窓の内枠は特別車と同様のFRP製である。客室照明は5700系と同様の埋め込みカバー付きだが、これも特別車と同様に少し中心に寄っている。化粧板は本系列固有の白色系を採用している。床敷物も固有の柄入りダークグリーンとクリーム色のツートンである。天井は高さ2,150mmだが、両隅(荷棚上方)の丸みがかなり小さく、冷房は補助送風機であるラインデリアからの直接吹き出しをやめて特別車と同じラインフロー(スリットフロー)式となった。ただし扉の上部に冷気攪拌用のラインデリアを装備する。冷房装置は8800系以降と同形態[注釈 9]だが、特別車とともにインバータ制御となった集約分散式で、特別車と同型式の RPU-4414 だが能力を17,000kcal/h×2に増大し[注釈 10]、ロスナイは省略された。車端部にはLED案内表示器が設置されている。

運転・走行機器

車両性能は1000系に準じているが、5700系のような1M車を含まないためMT比は4M2Tで編成出力が高く、起動加速度は2.3km/h/sと1000系特別車のみの4両組成より若干の向上にとどめたが、高速域の加速力は3500系などと同等となっている。台車は、1030-1230系・1800系・1850系も含めて1000番台一般車では全車でボルスタレス台車が本格採用された。当初のボルスタレス台車は電動台車がSS126系・付随台車がSS026系で、1995年頃にヨーダンパが追加設置され、さらに2004年からは、他系列も含めて電動台車に限り強度を増したSS165系(SS165B・SS165C)へと交換された。補助電源装置は1000系・1030系と同様のDC-DCコンバータ、電動空気圧縮機はC-2000型を採用している。なお、A編成と後述する1030-1230系では、2号車・3号車のM1-M2ユニットの向きが通常とは逆になっている。

4両組成で運用していた1000系を2両ずつに分割して本系列を連結した(1030-1230系は7500系の機器流用)関係で、2・3号車のトイレ・洗面所と車掌室の配置が入れ替わっている編成が9本あり、2号車に車掌室・3号車にトイレと洗面所のある車両はA編成と呼ばれて1200番台、2号車にトイレと洗面所・3号車に車掌室のある車両はB編成と呼ばれて1300番台となっている。1000系・1030系に合わせて車両番号の下2桁は11 - 16・61 - 66・31 - 34・81 - 84となっている[注釈 11]。また豊橋方から順に付番する慣例に基づいて、中間車である3・4号車が系列名の1200番台形式となった珍しい例でもある。4・5号車には車掌の車内巡回時にもドア操作が可能なように車掌スイッチが装備されている。また、4号車は弱冷房車である。これは中京圏鉄道事業者では初めて設定されたものである。号車表示は、特別車の1000系も含めて2200系営業開始後に同系列と同じ7セグメントマグサイン風のステッカーに変更された。また、当初は設置されていなかった転落防止幌も、2013年12月から順次設置されている。

更新改造

1200系もまた2015年度以降のリニューアル工事によって外観、内装が大幅に変更されることになっている[3]。外観は特別車側と同じく赤を基調としたデザインとなり、「パノラマsuper」のパネルも外されその箇所のみ白く塗装されている[1]。車内は座席のモケットが300系以来の柄となり2200系一般車と仕様が統一されたほか、3号車豊橋方(特別車に隣接する区画)の転換クロスシート席を撤去して車椅子スペースを確保、A編成は2人掛け、B編成は3人掛けのロングシートをつけている[1]。また、放送設備も自動化されている[1]。A編成の3号車はトイレスペースを拡大した関係で豊橋方の窓が埋められ、客室長も短縮された。

リニューアル編成の内装の変化(B編成)
一般車座席(改装前)
一般車座席(改装前)
一般車座席(改装後)
一般車座席(改装後)
モ1381豊橋方(改装前)
モ1381豊橋方(改装前)
モ1362豊橋方(改装後)
モ1362豊橋方(改装後)

1800系・1850系

1800系 (2009年6月20日 / 犬山遊園 - 新鵜沼) 1850系 (2008年11月17日 / 呼続)
1800系
(2009年6月20日 / 犬山遊園 - 新鵜沼)
1850系
(2008年11月17日 / 呼続)

1800系は名古屋本線一部特別車特急のラッシュ時における一般席増結用車両として1200系1次車と同時期の1991年に5本が製造された。翌年には廃車された7500系の機器を流用した1850系が3本製造され、さらに1996年に1800系2次車4本が製造され、この2形式は合わせて2両編成12本(24両)の陣容となった。

車体外観・内装

一般車のみで組成した2両編成で一見1200系と似ており、基本的に1200系・1230系に準じるが、先頭部の「パノラマSuper」の電照パネルがなく、ミュージックホーンも装備しておらず、ドアの開閉前の注意喚起付きの自動放送や日本語と英語の2ヶ国語対応の自動放送装置も搭載していない。そのため、1800系ならびに1850系が先頭車となる特急(名鉄名古屋・名鉄岐阜・犬山方面)はミュージックホーンを鳴らすことができない。また車内案内表示器において電車のデザインの内容は1200系と同一であるが、1380系と併結して運用に入ったときのみ、1200系のものから3500系・3700系と同じものとなり、1200系・1230系との併結時にはそれらの編成の自動放送が流れる。

運転・走行機器

制御方式は界磁添加励磁制御で、6800系や5700系6両組成の1M車(モ5650形)と同じ方式であり、歯車比は1000系やモ5650形と同じ4.82として120km/h走行にも対応している。限流値を上げて起動加速度を2.2km/h/sとし、1200系と極力足並みを揃えた。補助電源装置は1000-1200系と異なり、当時標準のSIV(70kVA)をク1800に搭載する。その関係で冷房装置も他系列と同様の稼働率制御(型式 RPU-4013)となっている。

一般席増結用車両にも、後述する1230系のように7500系の走行用機器を一部に使った編成が存在しているが、これらは1850系と呼ばれている。機器の流用元は7500系のうち運転台付き中間車7566・7665を挟んでいた7515Fである。制御装置は1230系と同じ他励界磁制御であるが、本系列では限流値を下げて加速度を1800系と同じ2.2km/h/sとしている。

更新改造

1800系のリニューアル工事も2017年度から実施されている。工事内容は外観、内装ともに1200系に実施された内容に準じている[6]

廃車

1850系は3編成6両が在籍していたが、2015年6月3日に岐南駅でオーバーラン事故が発生し、その翌日の6月4日から3編成全てが、運用離脱、休車となった。その後、岐南駅で発生したオーバーラン事故の原因が特定されたため、同年7月8日に1851F、1852Fの2編成は運用復帰したが、1853Fは岐南駅オーバーラン事故の当該車両だったこともあり、国土交通省中部運輸局から保全命令が発出され、営業運転には復帰せず犬山検査場新川検査支区で休車留置が続いていた(2016年1月12日付で廃車[7])。

その後1852Fが2016年8月22日付で除籍・解体されたため[8]、2017年4月時点で在籍しているのは1850系は1851Fの1編成のみである[9][10]

1030系・1230系

名鉄1030系・1230系電車
パノラマsuper
名鉄1030系
(2009年8月29日/ 本宿 - 名電長沢)
基本情報
運用者 名古屋鉄道
製造所 日本車輌製造
製造年 1992年
製造数 4編成24両
主要諸元
編成 6両編成
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1500V
最高運転速度 120 km/h
設計最高速度 130 km/h
起動加速度 2.3 km/h/s (60km/hまで)
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.2 km/h/s*1
編成定員 特別車2両:108名
一般車4両:471(座席216)名
編成重量 224.5 t (6両)
編成長 116,600 mm (6両編成)
全長 特別車:先頭車 20,380 mm
中間車 19,730 mm
一般車:先頭車 18,900 mm
中間車 18,830 mm
3号車のみ 19,930 mm
全幅 2,740 mm
全高 特別車:冷房装置上面 3,884 mm
パンタグラフ折畳 4,025 mm
一般車:冷房装置上面 3,880 mm
パンタグラフ折畳 4,065 mm
主電動機 複巻整流子電動機 TDK848-0A
主電動機出力 75 kW × 4
歯車比 4.82
編成出力 1,800kW
定格速度 全界磁 77 km/h
20%弱界磁 138 km/h
制御方式 他励界磁制御界磁チョッパ制御
制動装置 回生併用電磁直通空気ブレーキ
保安装置 M式ATS
備考 *1他形式併結時は4.0km/h/s
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本系列は、一部指定席(現・特別車)特急の編成不足を補うため、1992年10月廃車された7500系の走行用機器を一部使用して製造された車両である。6両編成4本(24両)が落成した。

車体外観

1000系‐1200系とほぼ同一の車体で見分けることは難しいものの、屋根上のパンタグラフの設置車両やラジオアンテナの位置(1000系・1200系が2号車に対し3号車に設置されている)は異なる。

内装は1000系・1200系に準ずる。トイレ・洗面所、車掌室の設置位置は使い勝手の良さから1200系B編成に準じるため、車両番号は1100・1300番台となっている。

運転・走行機器

名鉄1230系
先頭車両屋根上にパンタグラフがある

1000系・1200系は電動車 (M) 4両と付随車 (T) 2両からなる組成であるのに対し、この3本は全車両が電動車となっている。

制御方式は7500系と同じ他励界磁制御で、モーターは75kW(340V・245A・2,400rpm)の直流複巻電動機である。ただし、指定席車(現在の特別車)用となる豊橋方2両の1030系については補助電源装置がMG(電動発電機)から1000系・1200系と同様のDC-DCコンバータに変更されたため、他励界磁制御装置はGTOサイリスタを利用したものが新製されたことで界磁チョッパ制御となった。歯車比は7500系の4.93から1000系と同じ4.82へとわずかに変更されている。回生ブレーキは、常に8台の電動機を直列に接続して使用する。そのため、100km/h以上の高速域では端子電圧と弱め界磁率の制限から回生ブレーキ力が絞られ、低速側での打ち切り速度も定格速度に比例して約50km/hと高いため、1000系よりも若干違和感があり、惰行時についても回生ブレーキに備えて電動機が直列に接続されて待機する。また再力行は直列段から順に起動をするため、惰行制御力が落ちる。弱め界磁起動で出始めはスムーズだが、抵抗制御段数が少なく中途加速が少し粗い[注釈 12]という性質も7500系から受け継いでいる。営業最高速度は120km/h、設計最高速度は動力性能上は7500系とほとんど変わらない[注釈 13]ものの、低床構造ではない上にブレーキが1000系・1200系と同じシステムのため、130km/hとされている。

1000系・1200系編成と共通運用されており、判別はしにくいが上記の他には、

  • 特別車ユニットの台車(1030系はボルスタレス台車:型式は当初SS 126C → SS 165Cへ交換)
  • 偶数号車海側床下の主抵抗器が薄型で、レール面との隙間が大きい
  • 特別車先頭下部スカートにあるグリルの付いた開口部(空気笛)とラジオアンテナならびに車掌室の関係:1030-1230系では開口部が正面から向かって右にあるとラジオアンテナと車掌室の位置が一般車側(3号車)、1000-1200系(B編成)では開口部が左にあれば車掌室の位置が一般車側(3号車)・ラジオアンテナの位置が特別車側(2号車)。1000-1200系(A編成)はその逆で開口部が右・ラジオアンテナと車掌室が2号車にある。なおこの開口部は本来の正規向きではすべて山側にあるもので、現用車両では方向転換を受けたク1100形とモ1700形のみが例外となる。

などが識別点である。

機器の流用元は1131Fが7500系7523Fで、1132Fが7517F、1133Fが7521F、1134Fが7519Fである。

改造

1030系はのちに1000系同様の中部国際空港アクセス輸送にも使われるようになったため、自動販売機と電話室を撤去した跡地に荷物置き場を設置した。台車も1995年頃にヨーダンパが追加設置され、さらに2004年からは、他系列を含めて強度を増したSS165系(SS165B・SS165C)へと換装された。また号車表示についても、2200系の運行開始に伴い、同系列・1000-1200系と同様の7セグメントマグサイン風のステッカーに変更され、1000-1200系同様に「ドアを閉めます、御注意ください」とドアの閉まる前の注意喚起の自動放送が追加された。

廃車

6両編成4本が在籍していたが、そのうち1134Fは2002年の衝突脱線事故で特別車2両が廃車となった。1134Fの残る一般車4両が一般車両に格下げされ、次項の1380系となった。同編成は元々予備車確保のための増備車だったことから、この事故廃車に伴う代替新造は行われていない。なお1131Fは、一般車1381についても、補助電源装置がMGから2代目3300系の廃車発生品であるSIVに換装されており、1132号でも、事故廃車になった1134号に使われていた台車に換装されている。

2015年より2200系を代替車とする形で廃車が順次進められており、2017年4月時点で在籍する1030系は1131Fの1編成のみとなっている[9](1131Fは1200系リニューアル工事期間中の補充編成として当面在籍する予定)[10]

1380系

1380系 (2008年6月11日 / 鵜沼宿 - 羽場) モ1384号の運転台接合部 改造種車の台枠寸法に合わせたため、1200・1800系に比べ乗務員扉と客扉の間が広い。 (2008年4月15日 / 神宮前駅)
1380系
(2008年6月11日 / 鵜沼宿 - 羽場)
モ1384号の運転台接合部
改造種車の台枠寸法に合わせたため、1200・1800系に比べ乗務員扉と客扉の間が広い。
(2008年4月15日 / 神宮前駅)

一部指定席(現特別車)特急編成増備のため、1993年に7500系7519Fから機器を流用し、1030系・1230系の1134Fとして落成した。

2002年9月26日、当該編成が名古屋本線奥田駅 - 大里駅間を走行中に踏切から進入して線路上を走行していた自動車と衝突、脱線した(名古屋鉄道踏切衝突脱線事故)。特別車部分(1030系)2両は大破したため廃車とし、比較的損傷が少なかった岐阜方4両(全車両1230系)のうち豊橋方のモ1384に運転台を新設する工事を行い、新たな固定編成に修理・改造されたのがこの1380系で、1本のみの特異な存在でもある。1000系/1200系および1030系/1230系の増結用とされる1800系・1850系とは異なり、特急運用ではなく単独で普通運用に就いていることから、一般に豊橋方先頭車の形式称号をもって1380系と呼称されている。

2015年9月に運用離脱し、同年9月14日付で除籍・廃車解体された[7]

車体外観

モ1384に新設された運転台はモ1134から流用したもので、基本的に1230系と同じものである。この運転台部分はもともと車掌台が設置されていた関係でドアまでの距離が元からの先頭車よりも950 mm長くなっている(車両全長も同じだけ長い19,850 mm)。

格下げに伴い塗色は赤一色となり、先頭部の「パノラマSuper」表示やミュージックホーンも撤去され、塗色を除けば1850系の4両組成版といった趣である。なお、長年名鉄の象徴であった「赤い電車」が登場したのも特急車以外ではこれが最後となり、それ以降は既に300系で採用されているオールステンレス製車体へ移行した。

内装

基本的に1230系と同じく、3つドアの転換クロスシートである。一部特別車特急では4号車が弱冷房車に設定されていることは前記したが、本系列の元4号車→現2号車は弱冷房車の設定は取り消され、それを示すステッカーも撤去された。なお、運転台を設置したモ1384には元・車掌台の次位に窓と転換クロスシートが設置されていたが、運転台の設置に伴い空間が縮小したため[注釈 14]窓は埋め込まれ、客室内は運転室に向かって右側が3人掛けロングシート、左側が車椅子スペースとされた。また、仕切り壁の窓のうち運転席背面の1枚だけが青色の着色ガラスとなっている。

車内案内表示器の速度計機能において表示される電車のデザインは、1200系のものから3500系・3700系と同じものに変わっている。モ1384の空気笛は廃車となったモ1134の装置を流用し、デジタル式の号車番号表示器は、7000系・5700系などの他系列(5000系と1800系を除く)と併結した時に号車番号の認識ができないため非表示の処理が施されていたが、5000系登場の際に再び表示されるようになった。

運転・走行機器

ブレーキ増圧システムを使用停止としたため最高速度は120km/hから110km/hに変更されたが、5000系登場の際に120km/hに戻された。

補助電源装置は2代目3300系の廃車発生品であるSIVに変わっており、台車も2004年に1000系1017F-1021F同様のSS165Fに交換されている。また電動空気圧縮機は、モ1384にC-1000型が新規に搭載されたがモ1584はC-2000型のままで、1組成中に2種類混在する。

使用列車

1000系4両編成

このタイプは全車特別車と呼ばれ、2008年(平成20年)12月限りで全車両が運用を離脱している。最末期には3本が残り、犬山線を中心とした以下の区間で特急列車として運用されていた。

このうち前者には2本つなげた8両編成での運用があった。1000系4両編成は名古屋本線や犬山線と言った幹線区間はもちろん、かつては西尾線尾西線津島線河和線などのローカル線区にも定期列車として乗り入れており、空港線三河線には臨時列車などでの入線実績があるなど名鉄の多くの線区を走破している[注釈 15]。 廃車後、1001Fと一部特別車に組成された1011F - 1016F以外の車両が5000系へ改造されている。

1000-1200系A・B編成、1030-1230系

このタイプは一部特別車と呼ばれ、2015年現在は以下の線区で特急列車として運用されている。かつては一部特別車特急の運行線区が限られていたため、運用は長らく名古屋本線に限定されていたが、一部特別車特急の運行範囲拡大により2005年1月29日からは常滑線空港線[注釈 16][注釈 17]で、2007年6月30日からは犬山線広見線河和線知多新線での運行が開始された。2008年6月29日からは西尾線でも朝夜に各1本運行されている。イベント時には各務原線にも入線することがある。

折り返しや送り込みの関係で急行、準急や普通として運用されることもあるが、特別車には乗車できない[注釈 18]。なお、両者は共通運用とされる。現在でも事故などによりダイヤが乱れた際には、空港線や豊川線に入線することもある。

1800系・1850系

全車一般車特急に充当された1800系(1850系)2+2編成

一部特別車編成の6両に本系列2両を連結した8両編成で上記の線区で特急運用に使われる。ただし、同じく以下の線区で単独もしくは2本繋げた4連で普通列車で運用される。

  • 名古屋本線(須ヶ口駅 - 名鉄岐阜駅間、枇杷島分岐点 - 豊明駅間)
  • 犬山線 (早朝と深夜に1往復ずつ。)
    • 各務原線
    • 広見線(犬山駅 - 新可児駅)
  • 常滑線(神宮前駅 - 太田川駅)
    • 河和線
    • 知多新線

2011年3月のダイヤ改正以降、本系列2両を連結した4両編成による全車一般車特急が1往復割り当てられていた[11]が、2015年6月20日の運用変更で3100系または3150系による運用に入れ替わった[12]

かつては尾西線北端部、広見線末端部、三河線(海線)での運用や、3本つなげた6両編成での急行運用もあった。また、同じく線区で特急運用に使われている3100系3150系系列とは完全に運用が分けられており、朝ラッシュから夜ラッシュまでの本線急行・準急運用には入らない。5000系、1380系、5700系、5300系とは連結が可能で、定期運用は組まれていないもののまれに行うことがある。

1380系

1000系・1200系や1800系系列とは完全に運用が分けられており、特急運用には入らない(ただし、特急の代走運用に入ることは可能)。以下の線区で急行や普通として運用されていた。

  • 名古屋本線 (名鉄名古屋駅 - 東岡崎駅)
  • 犬山線
    • 各務原線

登場当初は犬山線と名古屋本線の一部区間での限定運用となっていたが、徐々に走行路線は増えつつあり、これまで各務原線、津島線・西尾線系統の列車に充当されてきた。かつては広見線での運用が主体だった時期もあった。常滑の花火大会開催時に常滑線・空港線を経由して中部国際空港駅に1800系を連結して運用に入ったことがある[13]。なお、突発的な臨時運用として、名古屋本線豊橋駅や知多新線まで乗り入れた実績がある。5000系、1800・1850系、5700・5300系とは連結が可能。2011年3月ダイヤ改正以降しばらくは豊明駅留置の予備車となっていたが、4月下旬に定期運用が復活し、平日は主に広見線のほか東岡崎駅-犬山駅間の普通、各務原線で運用され、日中および休日は基本的に各務原線のみで運転されていた。


編成表

2008年末時点の車両番号を基本として記載する[14]。以降の変遷については備考欄を参照されたい。 先述の通り、1991年~1992年にかけて1000系2次車・3次車4両編成6本を分割し、新造された1200系48両とともに各6両の1000系-1200系A編成6本・B編成6本としている(表中の黄地・水色地)。2002年には、6両編成であった1134Fのうち特別車2両を廃車して一般車のみの1380系4両編成としている(表中の緑地)。

凡例
Tc…制御車、Mc…制御電動車、M…電動車、T…付随車
Chop…制御装置(界磁チョッパ制御)(1800系は界磁添加励磁制御)、CONT…制御装置(他励界磁制御)
DC-DC…補助電源装置(DC-DCコンバータ)、SIV…補助電源装置(静止形インバータ)、MG…補助電源装置(電動発電機)
CP…電動空気圧縮機、PT…集電装置
1000系
[14]
← 豊橋
岐阜 →
製造次数 備考
形式 ク1000 モ1050 モ1150 ク1100
区分 Tc1 M2 M1 Tc2
車両番号
1001 1051 1151 1101 1次車 2009年6月廃車[15]
1002 1052 1152 1102 2009年廃車。機器・台車を5000系5006Fに転用。
1003 1053 1153 1103 2008年廃車。機器・台車を5000系5003Fに転用。
1004 1054 1154 1104 2009年廃車。機器・台車を5000系5007Fに転用。
1005 1055 1155 1105 2008年廃車。機器・台車を5000系5002Fに転用。
1006 1056 1156 1106 2008年廃車。機器・台車を5000系5005Fに転用。
1007 1057 1157 1107 2009年廃車。機器・台車を5000系5008Fに転用。
1008 1058 1158 1108 2008年廃車。機器・台車を5000系5001Fに転用。
1009 1059 1159 1109 2008年廃車。機器・台車を5000系5004Fに転用。
1010 1060 1160 1110 2次車 2009年廃車。機器・台車を5000系5009Fに転用。
1011 1061 1161 1111 1992年10月1200系併結、1992年10月台車交換。
1012 1062 1162 1112 1992年11月1200系併結、1992年10月台車交換。
1013 1063 1163 1113 3次車 1991年8月1200系併結、1993年4月台車交換。
1014 1064 1164 1114 1991年8月1200系併結、1993年4月台車交換。
1015 1065 1165 1115 1991年9月1200系併結、1992年1月台車交換。
1016 1066 1166 1116 1991年9月1200系併結、1992年3月台車交換。
1017 1067 1167 1117 4次車 2008年廃車。機器・台車を5000系5010Fに転用。
1018 1068 1168 1118 2008年廃車。機器・台車を5000系5011Fに転用。
1019 1069 1169 1119 2009年廃車。機器・台車を5000系5012Fに転用。
1020 1070 1170 1120 5次車 2008年廃車。機器・台車を5000系5013Fに転用。
1021 1071 1171 1121 2009年廃車。機器・台車を5000系5014Fに転用。
搭載機器 DC-DC,CP Chop,PT PT DC-DC,CP    
1000系-1200系 A編成
[14]
← 豊橋
岐阜 →
1200系
製造次数
備考
形式 ク1000 モ1050 モ1250 サ1200 モ1450 モ1400
区分 Tc1 M2 M1' T M2' Mc1
車両番号
1011 1061 1261 1211 1461 1411 2次車  
1012 1062 1262 1212 1462 1412 2017年9月12日リニューアル工事竣工[16]
1013 1063 1263 1213 1463 1413 1次車  
1014 1064 1264 1214 1464 1414  
1015 1065 1265 1215 1465 1415 2016年8月30日リニューアル工事竣工[5][8]
1016 1066 1266 1216 1466 1416  
搭載機器 DC-DC Chop,PT PT DC-DC,CP Chop,PT DC-DC,CP    
1000系-1200系 B編成
[14]
← 豊橋
岐阜 →
1200系
製造次数
備考
形式 ク1100 モ1150 モ1350 サ1200 モ1450 モ1400
区分 Tc2 M1 M2'' T M2' Mc1
車両番号
1111 1161 1361 1311 1561 1511 2次車 2015年12月24日リニューアル工事竣工[5]
1112 1162 1362 1312 1562 1512 2015年8月21日リニューアル工事竣工[5]
1113 1163 1363 1313 1563 1513 1次車 2016年3月31日リニューアル工事竣工[5]
1114 1164 1364 1314 1564 1514 2016年12月28日リニューアル工事竣工[8][17]
1115 1165 1365 1315 1565 1515  
1116 1166 1366 1316 1566 1516  
搭載機器 DC-DC PT Chop,PT DC-DC,CP Chop,PT DC-DC,CP    
1030系-1230系
[14]
← 豊橋
岐阜 →
製造次数 備考
形式 モ1130 モ1180 モ1380 モ1230 モ1480 モ1430
区分 Mc1 M2 M1' M2' M1 Mc2
車両番号
1131 1181 1381 1331 1581 1531 1次車 2005年9月補助電源装置交換 (MG→SIV)
1132 1182 1382 1332 1582 1532 2016年7月20日廃車[10]
1133 1183 1383 1333 1583 1533 2015年7月7日廃車[10]
1134 1184 1384 1334 1584 1534 2次車 特別車:2002年9月廃車。
一般車:2003年9月塗装変更、2005年1月補助電源装置交換 (MG→SIV)
搭載機器 DC-DC,CP Chop,PT MG CONT,PT MG,CP CONT,PT    
1380系
[14]
← 豊橋
岐阜 →
備考
形式 モ1380 モ1230 モ1480 モ1430
区分 Mc1' M2' M1 Mc2
車両番号
1384 1334 1584 1534 2015年9月14日廃車[10]
搭載機器 SIV,CP CONT,PT SIV,CP CONT,PT  
1800系
[14]
← 豊橋
岐阜 →
製造次数 備考
形式 ク1800 モ1900
区分 Tc Mc
車両番号
1801 1901 1次車  
1802 1902 2017年9月30日リニューアル工事竣工[16]
1803 1903  
1804 1904  
1805 1905  
1806 1906 2次車  
1807 1907  
1808 1908 2017年5月リニューアル工事竣工[6]
1809 1909  
搭載機器 SIV,CP Chop,PT    
1850系
[14]
← 豊橋
岐阜 →
備考
形式 モ1850 モ1950
区分 Mc1 Mc2
車両番号
1851 1951  
1852 1952 2016年8月22日廃車[10][8]
1853 1953 2016年1月12日廃車[10]
搭載機器 MG,CP CONT,PT  

2017年4月1日現在、1000・1200系は12編成72両、1030系は1編成6両、1800系は9編成18両、1851Fは1編成2両の合計98両が在籍している[9]

ラッピング・特殊塗装など

ファイル:IMG 0013.jpg
犬山時代絵巻号

その他

名鉄社内において、1000系以前から存在する2扉クロスシート車は「SR車(スーパーロマンスカー)」と呼称されており、単に「スーパー」と称したのでは紛らわしいため、1000系列の略称を「PS」としている。なお、名鉄内における運用上の略号は1000-1200系と1030-1230系を総称して「B2」とされ、現在では全廃となっている1000系全車特別車編成は「B4」とされていた。

一部駅での8両または6両編成の1000系列の停止位置目標は「PS8」または「PS6」と表記される。

車体連結面転落防止幌の取付工事は2012年度から順次開始され、2016年4月現在は1000・1200系では1011F - 1016Fと1111F - 1116Fに、1030・1230系では1131Fと1380系1384Fに、1800系では1801F・1803F - 1809Fにそれぞれ行われている[19][20][21][7]

脚注

注釈

  1. ^ この日は岐阜市で「ぎふ中部未来博」が開幕した日でもあった。
  2. ^ 歯車比などが大きく異なる6000系列との連結は基本的に回送列車や入替運転時のみ(その場合でも直列ノッチしか使用しない)であり、過去の一部指定席特急においては行われなかった。また8800系も通常の営業運転で連結する運用はなかった。
  3. ^ 同時期に製造されていた6500系・6800系計24両(オールロングシート仕様)がFS548・FS048台車を履いて落成し、1992年から翌年にかけて相互に交換した。なお、1010F以前の全車特別車編成は既存のFS539・FS039台車のまま120km/h対応に改造され、その機能は5000系(2代)に更新後も継続使用されている。
  4. ^ 名鉄としての初採用は前年の600V鉄軌道線直通用モ770形であった。
  5. ^ 名鉄によると、この措置は、ハイデッカー展望室構造がバリアフリー化推進の障害になるためという理由付けもなされている。
  6. ^ 当時一般席車として連結された車両のうち5300系・5500系の一部と7100系は2両組成であった。
  7. ^ 1990年当時一部の文献に「120km/h運転は1000系と5700・5300系の編成で行われる」等の記述が見られるが、実際には試運転を除き、5700系・5300系が営業最高速度を120km/hに引き上げた事実は無い。
  8. ^ さらに元を質せば山陽5000系(ただし初期車は固定クロス)や近鉄5200系あたりが奔りである。
  9. ^ 但し、この時点では車両限界が従来通りで最大高さを3886mmに収めるため、屋根が高くなった分だけ室外機カバーが若干薄くなっている。
  10. ^ 1200系のみ。1230系・1800系・1850系の装置は稼働率制御で15,000kcal/h×2(補助電源装置がSIVまたはMGのため)。
  11. ^ 従って本系列には車番の下二桁が01 - 10や51 - 60の車両は存在しない。また当初は1000系の中でも当時最新の増備車と組成させたため、製造順序は末尾13 - 16・63 - 66の車両が1991年、11 - 12・61 - 62・31 - 33・81 - 83の車両が1992年と遡っている。
  12. ^ 直列10段・並列9段(直列1段目は弱め界磁起動ノッチ)。並列段は1000系より多いが、分巻き界磁巻き線が多く設計された複巻電動機の特性のため、進段時のトルク変動が大きい。また、全車電動車編成のうえ限流値が高いため、架線電圧降下が起き易い。更に、1000-1200系編成より並列全界磁ノッチの高速性が低いため、フルノッチ(弱め界磁)を多用することになり、1800系でも1030-1230系と併結時および1000-1200系も1850系と併結した場合は全界磁ノッチの高速性が低下するため、フルノッチを多用することになる。
  13. ^ 高速特性を1000-1200系に合わせるため、最弱め界磁率を6%から20%へと変更した。なお1850系は1800系に合わせるため30%(120km/h)まで抑えている。
  14. ^ 仕切り壁から第1扉前端までの寸法は、中間車時代の2220mmから1980mmへと短縮。ちなみに元からの先頭車は1030mm。いずれもこの部分のロングシートは1人当たりの幅が460mmである。
  15. ^ 1000系および1030系(特別車)は先頭車の全長が20m超で、台車間距離が長く曲線での車体偏倚が大きいため、急カーブのある西尾線の吉良吉田駅には入線できない。そのためかつて運行された1000系の全車特別車特急は西尾発着で、西尾以南へ直通する特急には8800系や1600系(1999年以前は7000系も)が充てられた。
  16. ^ この両線では原則として豊橋 - 中部国際空港間の列車(登場時は豊橋発着の全列車と一部の金山発着の列車、2007年6月30日の改正以降は豊橋発着の2往復のみ)担当していた。
  17. ^ 当系列は日本語と英語の2ヶ国語対応自動放送装置が設置されておらず、英語放送を行えなかったため、1700系が出揃うと同時に空港特急からは運用を外された。ただし、後に当系列もリニューアルを実施した編成にのみ日本語と英語の2ヶ国語対応自動放送装置が設置され、英語放送を行うようになった。
  18. ^ 1000系の登場当初、豊橋駅から特急として折り返すため朝の時間帯に2 - 3本の豊橋行き急行が国府または伊奈で1000系に車両交換し、指定席車(現在の特別車)に料金なしで乗車することができた。極めて例外的な措置であり、現在は事故・故障に伴う不通時などを除き、特別車の一般車扱いは一切行われていない。

出典

  1. ^ a b c d e f 山津正明 (2015年8月29日). “名鉄1200系リニューアル車両公開! 「パノラマSuper」愛称は残る? 写真44枚”. マイナビニュース. http://news.mynavi.jp/news/2015/08/29/036/ 2015年8月31日閲覧。 
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参考文献

関連項目

外部リンク