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バダン総統

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バダン総統(バダンそうとう)は、『仮面ライダーZX』およびその派生作品に登場するキャラクター。

仮面ライダーZXと敵対するバダン帝国の支配者である。

ここでは、関連する安土じょう版や細井雄二版の漫画『仮面ライダーZX』での総統や、映画『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』での骸骨恐竜、大首領JUDO(漫画『仮面ライダーSPIRITS』でのバダンの支配者)についても記述する。

バダン総統

『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』でのバダン総統

テレビスペシャル『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』に登場。

阿修羅谷[1]で暗闇大使たちが倒されるとともに、10人ライダーの前に巨大な髑髏の姿で現れ、高笑いしながら彼らに別れを告げて姿を消した。その姿を目撃した海堂博士は「恐ろしい悪霊のエネルギー」と推測する[1][2][3]

「ショッカーからバダンまでの歴代組織を操ってきた存在[2]」や「過去の全て組織の頂点[3]のバダンを支配する存在」とされる。その声はショッカー首領と同一のモノだった[1]

後年の作品では、デルザー軍団までの組織を支配した大首領やそれ以降のB26暗黒星雲からやって来た生命体と同一の存在や関連のある存在として扱われることもある[4]

安土じょう版『仮面ライダーZX』でのバダン総統

第14回に登場。

この作品では巨大なコンピュータという設定であり[5]、アイアンギルド[6]などで攻撃する。劇中、暗闇大使からは「総統閣下」、ZXからは「バダンの親だま」と呼ばれるものの、バダン総統とは呼ばれていない[7]

バダン帝国の基地[8]内で、村雨良の姉のクローン(クローンロイド)を使い、村雨良(仮面ライダーZX)を誘き寄せるが、村雨しずかの記憶を取り戻したクローンロイドにより作戦は失敗、暗闇大使はクローンロイドを始末するものの、ZXに追い詰められ、電磁鞭の右腕[9]をZXとの戦闘で失ったことで、姿を現し暗闇大使を処刑する[7]。ZXを倒そうとするが、ZXに単眼を攻撃されて倒される[10]

細井雄二版『仮面ライダーZX』でのバダン総統

音声のみで登場[11]し、暗闇大使を日本基地の司令官に任命する[11]。その際、ショッカーの地獄大使についても評価する面を見せている[11]

また、別の回では、竜宝山にいたガラガランダについて暗闇大使に調査をさせている[12]

映画『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』でのバダン総統

仮面ライダーZX / 村雨良が暗闇大使に化けて潜入していることには気づいており、歴代ライダーとの最終決戦の際には肉食恐竜の頭部から人間の頭蓋骨が出てくる異形の怪物「骸骨恐竜」としての正体を現し、獣電竜ガブティラやトッキュウオーと戦う。

骸骨恐竜

名称は、「骸骨恐竜[13]」。

映画『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』での骸骨恐竜

悪霊のエネルギーの塊とされていたバダン総統の正体である恐竜型の怪物。炎を纏った肉食恐竜の骸骨の姿をしており、その頭部からは3つ目の人間の頭蓋骨が隠されている。

その巨体を生かした怪力と牙による噛み付き攻撃を得意とし、3つ目の骸骨から放つ高熱火炎弾を武器とする[14]

小説『S.I.C. HERO SAGA MASKDE RIDER DECADE EDITION -オーズの世界 -』での骸骨恐竜

小説『S.I.C. HERO SAGA MASKDE RIDER DECADE EDITION -オーズの世界 -』では、仮面ライダーディエンドを取り込んだライダーロボが、その能力をコピーしたことでカイジンライドによって召喚された。

『小説 仮面ライダー鎧武』での骸骨恐竜

小説 仮面ライダー鎧武』では、仮面ライダーセイヴァーの暴走形態が骸骨恐竜を想起させる形状となっている。

大首領JUDO

漫画『仮面ライダーSPIRITS』におけるBADANの支配者[15]

古代の地球に人類創世を促した3神の内、金色の神にして人類の敵。自らをすべての生命の長と名乗る。歴代の仮面ライダーたちが戦ってきたショッカーからBADANまでの組織を全て遠隔操作していた存在である[15][注釈 1]。ショッカーからデルザー軍団の大首領は現世でJUDOの意志を代行する影武者(大首領曰く自律プログラム)で、ネオショッカーからジンドグマの首領は、自らが呼び寄せた尖兵(暗闇大使やデルザー軍団と同格の存在)である。

その正体は暗黒星雲から飛来[15]した生命体で、アマテラスとツクヨミと共に太古の地球に降り立った宇宙からの来訪者。最初に降臨した古の日本列島から人類を創造した、言うなれば人類の創造主「」そのものである。古代日本においては「スサノオ」と呼ばれ、神として崇められると同時に恐れられていたが、裏切ったツクヨミにより"虚空の牢獄"と呼ばれる別次元に幽閉されていた[15]。その目的は、自ら育て上げた地球人類を餌(竜の贄)[15]とすることであったが、幽閉後は別次元から出ることも目的となる[15]

元の次元に戻るため、神話の時代から人類へ度々干渉を行い、人類の科学を促進させていく[17]。神話時代の名前は、「スサノオ」と呼ばれ[15]、この干渉により、キバ一族などの古代の改造技術[18]や、アマゾンの古代の秘宝とされている[18]。特にエジプトでは、マシーン大元帥やエジプタスなどの古代怪人の例から、ファラオを操り、ピラミッドを作らせていたとされている[18]

科学技術の向上により、人類が自身の分身となる存在を製造できる技術に達したところで、それは製造されていく。仮面ライダー1号からスーパー1までの改造人間もその試作機でしかなかったと設定されており[19][17][注釈 2]、ゼクロス(仮面ライダーZX)として神の器の製造は完成する[20]。ZXの身体は彼の姿を模して作られた為、JUDOの姿は全身に至るまでZXと全く同じ(正確には、鏡で映したようにモールドが全て「裏返し」)である。

日本各地に黒いピラミッドと共に黄金のドクロの姿で現れた際には「人類抹殺」を公言し、人々の間にバダンシンドロームを発症させた。暗闇大使が企てた、アマテラスの残骸を使用した"虚空の牢獄"を破壊して復活する作戦に意欲を見せたものの、ツクヨミが一時的に"虚空の牢獄"の封印を解き、V3の命を賭けた火柱キックを受けたアマテラスの誘爆により復活は阻止され、アマテラスを捕らえようとした左腕も吹き飛ばされた。再びツクヨミが作り上げた牢獄の中で、ツクヨミに招かれた村雨と対面する。村雨(ZX)の眼前でライダーマン以外の歴代ライダーの最初期の姿へと変身してみせ(#戯れを参照)。

ZXと違い特定のポーズをとらなくても常に最大の光を放つことができる(ただし、発光したことがあるのは過去2度のみ、そのうち一度はZXに憑依したときである)。

底の知れなさを見せ、“戯れ”で人間を竜に喰らわせZXと戦う他、ツクヨミの思惑も愉しく感じている。また、ZXとの戦いでは一度は自分を追い詰めたZXに対して初めて恐怖を感じたが、それさえも許容してみせた。自らに恐怖を味わわせた唯一の者ZXとの戦いを望み、それこそが進化に至る道だと考えている(『新』26話)。だが、歴代仮面ライダーが戦いの中で獲得した可能性や進化と向き合おうとしない姿勢にZXこと良は否定の態度を表している。

その後『新』61話において、時空破断装置(竜)を制御し、エネルギー体のみで"牢獄"に侵入してきたライダーマンと対決する。圧倒的な強さでライダーマンの操る竜を次々と撃破して彼を追い込んでいき、最後の手段であるドラゴンアームさえも自身の心臓の鼓動音による衝撃で破壊し、ライダーマンを破る。しかし、ライダーマンのコントロールアームのみが残り、更に闘いの中で結城の語った「孤独」という感情に興味を示し、コントロールアームにメモリーキューブを埋め込んで彼を生かして帰す。その後、メモリーキューブを埋め込んだコントロールアームを核として、現世における仮の姿として一応の復活を果たす。

大首領のJUDOの姿が仮面ライダーというアイディアは、『仮面ライダーBLACK』クライマックスのNG設定[注釈 3]を基にしている[19]。JUDOの名は『仮面ライダーZX』での10号ライダーの仮称に由来する[19]。初期案では、スサノオではなくヒルコをモチーフとしていた[21]

憑依時

仮面ライダーZX(村雨良)と暗闇の子(暗闇大使の細胞が組み込まれた怪人ジゴクロイド、カマキロイド、カニロイドの3体)とが連続して戦う中で、「神の器」に適合した村雨良の体に憑依[22]

一条ルミを襲いながら、その父・一条博士がZXの体を作ったことやその仮面ライダーZXの手により一条博士が殺されたことが明かされていく[22]

村雨しずか(村雨良の姉)によってJUDOを止め、一条博士が作ったメモリーキューブを一条ルミが仮面ライダーZXのベルトに入れたことで憑依は解除される。

戯れ

仮面ライダー第1号の姿でライダーキックを放つまでは、左腕が無い状態。ライダーキックを放った後は、落ちていた自身の腕を付けた状態となっている(そのため、左腕のみJUDO(ZXと同デザイン)のもの)。

仮面ライダー第1号
JUDOが幽閉されていた別次元(通称「牢獄」)で、「牢獄」に迷い込んだ村雨良に対して「戯れ」として変身した姿[23]。姿は初期の姿(仮面ライダー旧1号の姿)となっている[23]
仮面ライダー第2号
仮面ライダー第1号に変身したJUDOが仮面ライダー2号の変身ポーズをとり変身した姿[23]。姿は初期の姿(仮面ライダー旧2号の姿)となっている[23]
仮面ライダー第3号
仮面ライダー第2号に変身したJUDOが仮面ライダーV3の変身ポーズをとり変身した姿[23]
仮面ライダー第5号
仮面ライダー第3号に変身したJUDOが仮面ライダーXのセタップにより変身した姿[23]。続く仮面ライダー第6号への変身時には、左腕にギギの腕輪を着けた姿も披露している[23]
同時に「牢獄」内の砂漠を大海原へと変えている[23]
仮面ライダー第6号
仮面ライダー第5号に変身したJUDOが仮面ライダーアマゾンの変身ポーズをとり変身した姿[23]。続く仮面ライダー第7号への変身時には、両手にコイルアームが着いた姿も披露している[23]
仮面ライダー第7号
仮面ライダー第6号に変身したJUDOが仮面ライダーストロンガーの変身ポーズをとり変身した姿[23]
仮面ライダー第8号
仮面ライダー第7号に変身したJUDOがスカイライダーの変身ポーズをとり変身した姿[23]。姿は強化前の姿となっている[23]
同時に「牢獄」内を地面の無い空のみの空間に変えている[23]
仮面ライダー第9号
仮面ライダー第8号に変身したJUDOが仮面ライダースーパー1の変身制御コンピューターにより変身した姿[23]
同時に「牢獄」内を宇宙空間(土星アステロイドベルト)に変えている[23]

ホムンクルス

大首領JUDOが現世で活動するべく、仮初めの姿として作り出したホムンクルス。『新』67話において、JUDOがエネルギー体のコントロールアームにメモリーキューブを埋め込んで現世に送り返したことで、現世におけるコントロールアームが結城の右腕から分離。周囲の脳髄や瓦礫を食らい吸収することで肉体を形作り、東京湾に落下したサザングロスと共に降臨した。

その姿は全身の色素が無く白いことと、両目が複眼になっていることを除けば、良と瓜二つの姿をしている[注釈 4]。現れた直後は衣服を纏っていない状態だったが、良の姿を見てすぐに同じ服を模倣している。体内にはメモリーキューブが埋め込まれたコントロールアームが存在している。

仮初めの姿とはいえJUDOであることに間違いなく、指が僅かに触れただけでZXの肩を砕く等、高い戦闘能力を誇る。しかし、仮の肉体である為かJUDO本人の力を完全に制御できていないらしく、何度か攻撃を繰り返しているだけで逆に自身の拳が砕けてしまうほど負荷が掛かっている。だが、周囲の物質と同化する能力を持っており、これにより欠点を補っている。

関連キャラクター

ショッカー首領、岩石大首領
それぞれ『仮面ライダー』と『仮面ライダーストロンガー』に登場する悪の組織の首領。ショッカー首領と岩石大首領は関係性が示されているのに対し、これらのキャラクターとバダン総統の関係は不明。ただし、「歴代組織を影で操る存在」「演じた声優が同じ」[1]などの共通点が多いキャラクターでもある。詳しくはショッカー首領#関連キャラクターを参照。
地獄大使
仮面ライダー』に登場するキャラクター。原典では別キャラクターであるが、S.I.C. HERO SAGA『MASKED RIDER ZX EDITION -FORGET MEMORIE'S-』での悪霊のエネルギーは、仮面ライダーたちに倒された歴代幹部の魂が集まったもので、その中心にいたのが地獄大使。
村雨良 / 仮面ライダーZX
『仮面ライダーZX』に登場するキャラクター。原典では別キャラクターであるが、『仮面ライダーSPIRITS』では現世に現れるための神の器として描かれている[20]
アマテラス、ツクヨミ
『仮面ライダーSPIRITS』に登場するキャラクター。神話時代、大首領JUDO(スサノオ)とともに暗黒星雲から地球に飛来したが、アマテラスは破壊され、ツクヨミはJUDOを幽閉した後にその封印に力を使いながら人類を見守ってきた[24][25]

脚注

注釈

  1. ^ 『仮面ライダーSPIRITS 超絶黙示録』掲載のたかしげ宙のコラムでは、アドルフ・ヒトラーを裏で操っていたこと推測している[16]
  2. ^ 仮面ライダー4号ことライダーマンのみはイレギュラーの存在として下記の「戯れ」でも含まれていない。
  3. ^ 『超絶黙示録』によると、シャドームーンが緑色の仮面ライダーに、創世王(書籍ではゴルゴム大首領)が金色の仮面ライダーになり、三つ巴の戦いを繰り広げるという展開。
  4. ^ 結城は、JUDOの埋め込んだメモリーキューブが良の遺伝子を記憶しており、結果ZXボディの適合者である良のコピーを作り出したと予想している。

出典

  1. ^ a b c d 悪の系譜 2003, p. 80.
  2. ^ a b 常識 2012, p. 103.
  3. ^ a b 悪の系譜 2003, p. 82.
  4. ^ 超絶黙示録 2010, p. 180.
  5. ^ 漫画版ZX 2004, pp. 562–563.
  6. ^ 漫画版ZX 2004, pp. 564–565.
  7. ^ a b 漫画版ZX 2004, p. 562.
  8. ^ 漫画版ZX 2004, p. 550.
  9. ^ 漫画版ZX 2004, p. 561.
  10. ^ 漫画版ZX 2004, p. 565.
  11. ^ a b c 漫画版ZX 2004, p. 154.
  12. ^ 漫画版ZX 2004, p. 189.
  13. ^ 『平成ライダー対昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』パンフレット 2014年3月29日発行 構成・文:用田邦憲 編集・発行:東映事業推進部
  14. ^ Blu-ray/DVDコレクターズパック特典ディスクのDATA FILEより。
  15. ^ a b c d e f g 超絶黙示録 2010, p. 174.
  16. ^ 超絶黙示録 2010, p. 121, たかしげ宙「特別寄稿 バダンの行動における関連事件の報告書」.
  17. ^ a b 超絶黙示録 2010, p. 120.
  18. ^ a b c 超絶黙示録 2010, p. 121.
  19. ^ a b c 超絶黙示録 2010, p. 51.
  20. ^ a b 超絶黙示録 2010, p. 161.
  21. ^ 超絶黙示録 2010, p. 53.
  22. ^ a b 超絶黙示録 2010, p. 15.
  23. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 超絶黙示録 2010, p. 163.
  24. ^ 超絶黙示録 2010, p. 155.
  25. ^ 超絶黙示録 2010, p. 183.

参考文献

  • 『仮面ライダー 悪の系譜』樹想社 編、樹想社、2003年5月8日。ISBN 4-87777-049-6 
  • 石ノ森章太郎細井雄二山田ゴロ安土じょう『仮面ライダーZX』ミリオン出版、2004年10月20日。ISBN 4-06-367093-7 
  • 『仮面ライダーSPIRITS超絶黙示録』講談社、2010年1月15日。ISBN 4-06-375822-1{{ISBN2}}のパラメータエラー: 無効なISBNです。 
  • 和田英夫一ノ瀬謹和ガイガン山崎真田遼史竹内雅彦本名貴浩『仮面ライダーの常識』双葉社、2012年8月12日。ISBN 4-575-30446-6{{ISBN2}}のパラメータエラー: 無効なISBNです。 

関連項目