苻敞

苻敞（ふ しょう、? - 386年）は、五胡十六国時代の前秦の皇族で、第5代皇帝の苻登の父である。苻堅の従兄に当たる。

『晋書』によると、苻敞は従叔父の苻健から、司馬太尉、隴東郡太守、建節将軍に任命された。そして、357年に従兄の苻莄眉と苻菁が帝位を狙うも、露見して苻生によって殺害された。苻敞は従弟の苻法・苻堅兄弟に従って、従兄の苻洛と共に暴君の苻生が奥間で泥酔している最中に、これを殺害したという。これ以来、苻敞への苻堅からの信頼は絶大になったという。

385年に従兄の苻洛が謀反で殺害され、また苻堅も後秦の姚萇に殺害されると、苻敞は嫡子の苻登を残して、従子の苻丕がいる晋陽に逃亡したという。以降は苻丕と従弟の苻纂と共に行動した。だが翌年に東晋の馮該将軍と激戦して、苻丕とまとめて捕虜となった。やがて、彼等は建康に連行されて処刑された。