コンテンツにスキップ

カズグリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。こんせ (会話 | 投稿記録) による 2018年12月20日 (木) 07:39個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

カズグリカズクリ(数栗)とは、クリ(栗)の突然変異種で、岩手県花巻市の1ヶ所にのみ生育する。日本国の天然記念物に指定されている[1][2]

カズクリ

概要

本来、普通のクリは花序[注 1]の先の部分に多数の雄花があり、基部に雌花が1~2個であるが、カズグリにおいては、すべてが雌花であり、花序に多数のイガをつける特徴がある[1]。これは、突然変異を起こし、雄花がすべて雌花に変異したものと考えられている[1]。一本の花序に多数のイガを付けるが、結実するのは基部の1~3花である[1]1925年大正14年)には、すでに岩手県の調査が入ったように、存在が知られており[4]1927年昭和2年)にカズグリ自生地として、国の天然記念物に指定されている[5]

自生地・現況

2010年平成22年)現在、カズグリは、岩手県花巻市東和町石鳩岡の数栗稲荷神社境内にあるのみである[1]。原木は枯れ、現存するのは接木によって増殖した7本のみである[2]

脚注

注釈

  1. ^ 単独ではなく、多数の花が枝状に連なってついた状態[3]

出典

  1. ^ a b c d e 花井正光、桂雄三、本間暁:監修、『自然紀行・日本の天然記念物』、講談社、2003年、P54、ISBN 4-06-211899-8
  2. ^ a b 加藤陸奥雄沼田眞、渡部景隆、畑正憲:監修、『日本の天然記念物』、講談社、1995年、P310、ISBN 4-06-180589-4
  3. ^ ヴェルナー・ラウ著、『植物形態の事典 新装版』、朝倉書店、2009年、P117
  4. ^ 岩手県教育委員会編集、『岩手県史蹟名勝天然記念物調査』、国書刊行会、1984年、P691
  5. ^ 文化庁・国指定文化財等データベース・カズグリ自生地

座標: 北緯39度24分41.8秒 東経141度16分36.1秒 / 北緯39.411611度 東経141.276694度 / 39.411611; 141.276694