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逆転裁判

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  1. 逆転裁判』(ぎゃくてんさいばん)はカプコンから発売のゲームソフト名。本項で説明する。
  2. 逆転裁判』(ぎゃくてんさいばん)は海外ドラマ『冒険野郎マクガイバー』のシーズン5のエピソードの一つ"Rush to Judgement"の日本語版サブタイトル。(→冒険野郎マクガイバーのエピソード一覧

逆転裁判』(ぎゃくてんさいばん)は、カプコン法廷バトルのアドベンチャーゲームの名、及びそのシリーズ名。また、同作品に関連した漫画作品。

概要

逆転裁判は“法廷バトル”という新しいジャンル名を打ち出し発表されたゲームである(広義では“アドベンチャー”に含まれるとされる)。主に殺人事件をストーリーの中核として扱い、その真相の解明を目的としている点においてはミステリー物に近いものがあるが、捜査活動よりも裁判における検事弁護士の対峙や真犯人への追及という部分に重きが置かれている(ゲーム内での法律、法廷の進行等に関しては、演出効果の為に狙った独自の部分がある為、法廷小説物とも若干異なる)。

ゲームは、従来のアドベンチャーでも馴染みの深い移動と会話を繰り返して事件の情報や証拠品を得ていく「探偵パート」と、その探偵パートで得た証拠等を元に被告人弁護を行う「法廷パート」に分れている。この法廷パートこそが逆転裁判の斬新な部分であり醍醐味だが、先ずはシステムに親しんでもらうべく各シリーズ第1話は“難易度を低くおさえた法廷パートのみ”となっている。

主人公は弁護士の成歩堂龍一(以下、成歩堂)。原則的にプレイヤーは彼を自分の分身としてゲームの中の世界をあちこち歩きまわり、時には現場を観察し、時には様々な人の話を聞き、裁判のための下調べを行う。法廷では依頼人の無実を証明する為に、担当検事と向かい合いながら証人尋問を行い、証言内容の曖昧な点や法廷記録と食い違う点を探し、見つけた『矛盾』を追求する。

成歩堂や相手側の検事が発する「待った!」や「異議あり!」などのセリフは、通常のテキストと違い音声付きとなるが、なかでも成歩堂が「くらえ!」と、決定的な証拠を突き付ける瞬間、BGMが止まりボイスだけが響くこの瞬間こそが作中内のカタルシスの始まりである。

従来のアドベンチャーでは、テキストに多少おかしなところがあっても大目に見ることが出来たが、本作はプレイヤーが積極的に矛盾点を捜す性質上、粗のない練られた構成が開発に要求された。詳しくは、逆転裁判3の巧コラム、開発日記を参照。

このゲームに限らず、主人公が弁護士という作品は小説、マンガ、ドラマなどで無数にあるが、そういった作品では裁判で弁護する事で(この作品の場合常に完全無罪判決を目指しているため特に)もしも依頼者が本当に罪を犯していた場合には主人公が犯罪者を野に放ってしまうことになる。弁護士という仕事のそういう側面を描いた作品も世の中には勿論あるが、GBA用ソフトという基本的には子供向けと言っていい媒体で発表される本作品でそれは好ましいテーマとは言い難いため、主人公成歩堂には「無実の罪を晴らすための弁護には熱心だが、犯罪という卑劣な行為を憎む気持ちも人一倍強く持っている」という性格付けがなされた。その為、どのエピソードでも成歩堂が依頼を引きうけるのは「この依頼者は無実だ」と信じた場合に限られている(これは成歩堂の少年期の体験からくる「言われのない疑いに孤独に苦しむ人の味方になりたい」という主義によるもの。と、ゲーム内にて理由づけられている)。

初めの内のいくつかのエピソードではドラマ『刑事コロンボ』の様な倒叙形式で冒頭でまず真犯人の犯行シーンを見せ、依頼者が無実である事に関してプレイヤーに迷いを持たせない作りがとられている。また、証人尋問を行い、曖昧点や矛盾点を指摘し、事件の事実を明らかにし、依頼人の無実を証明する過程において真犯人が判明する事が多く、同じく弁護士を主人公とした作品『弁護士ペリー・メイスン』に似た構図だと言える(その他には、全体的に日本のミステリ作家・泡坂妻夫からの影響が見て取れる)。

冒頭でも少し触れたが、ゲーム中の法律は日本の現行法とは制作上の意図で変えられている。例えば、本作特有の裁判のシステム『序審法廷制度』(用語を参照)が最たるものだが、他にも大小さまざまに異なる点がある。ゲーム中、裁判長の手にある木槌は実際の日本の法廷では使われていないし、「異議あり」の発言も日本の法廷では稀である。言うとしても証人に向って叫ぶのではなく弁護士・検事が互いの質問・尋問に対して判事に申し立てるものである。

現在、「逆転裁判3」までがGBAおよびiモードにて提供され、2005年には第1作目をニンテンドーDS用にリメイクした「逆転裁判 蘇る逆転」が発売された。同ソフトには北米版である「Phoenix Wright:Ace Attorney」も収録されているが、もともとニンテンドーDSへの移植は「逆転裁判の海外進出」という構想から始まったものであり、後からの日本語版の制作決定によって「逆転裁判」「逆転裁判2」をつなぐエピソードとして第5話が追加された。2005年冬からはソースネクストからPC(Windows環境用)移植版も発売されている。

体験版

続編やSFCのリメイクが乱造されていたGBA市場において、全くの新規タイトルであった本作が注目される事は数少なかった。一応、東京ゲームショーや任天堂系列のみの任天堂スペースワールド等の体験会ではそれなりの評価を得たが、草の根的に広がる事はなかった。

そこでカプコンが考えた策が、インターネットの公式ホームページにてFlashによる体験版の公開である。複雑な操作を必要とせず、マウスだけで操作できるアドベンチャーだからこそ出来た離れ技であったが、インターネット環境さえあればゲームを体験できるという非常に優れた宣伝方法が、決して活字やCMでは伝えられないゲームの概要・魅力を余すことなく伝えることに成功した。この成功により、伝統的に全作品の公式HPでは体験版が公開されている。

そして、非公式かつ著作権など法的な面で問題のある事だが、その体験版以上に売り上げに貢献したと言われるFlash作品が存在する。公式の体験版は第一話の冒頭のみで、「証拠を提示し、相手の矛盾を突く」というシステムが理解できた所で終了するのだが、この作品をプレイしたとある2ちゃんねらーがFlashでパロディー作品として第一話分を公開してしまった。登場人物を2ちゃんねるのキャラクターに置き換えた以外は話の筋、トリックは全く同じであり、タイトルロゴも一部変わっている程度であった。このFlashは評判を呼び、2ちゃんねるの様々な板にURLが貼られた結果、『逆転裁判』の知名度は局地的に上がっていった。また同様に、二次創作として各種キャラクターを当てはめたパロディーも広まる事となったが大半が体験版と同じ、ないしは若干のアレンジを加えた第一話を踏襲している事からも、カプコンの体験版戦略は成功したと見て間違いないだろう。

以上2つの公式・非公式体験版の存在が、GBAの中では珍しくこの作品が完全新作でありながらスマッシュヒットとなった理由に大きく関わっていたと推測できる。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


シリーズ一覧

ゲームボーイアドバンスニンテンドーDS等で発売されている。これまでのシリーズ作品のディレクターシナリオは全編を通して巧舟が担当している。

第1作目「逆転裁判」の舞台設定は現代ではなく近未来、2016年となっている。これは劇中の時効寸前の殺人事件『DL6号事件』の発生が2001年12月28日である事と、当時の公訴時効刑事訴訟法第250条)が15年(殺人罪の最高の法定刑死刑の公訴時効)である事から特定できる(ちなみに現実の日本の法律では、2005年1月1日以降に発生した事件に関しては死刑の公訴時効は25年に延長されている。ゲーム中でも同じかどうかは不明)。「2」は「1」の一年後であるため2017年、「3」はそのまたさらに一年後で2018年を舞台にしている事になる。

  • 逆転裁判4(NDS 2006年度の発売を未定)

「3」の7年後、2025年が舞台。「3」のエンディングで千尋から「教える事はもう無い」と言われるまでになった成歩堂は主人公を退き、新たな主人公・王泥喜法介≪おどろき ほうすけ≫が登場する予定である。裁判長や亜内検事などは続投。

以下は移植作品(ソースネクストから販売)

このほかに、携帯電話用アプリがある。

逆転裁判

逆転裁判
ジャンル 法廷バトル
対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売元 カプコン
人数 1人
メディア GBAROM
発売日 2001年10月12日
売上本数
テンプレートを表示

シリーズ第1作目。全4話。続編が出る予定はなかったため、4話でほぼすべての伏線を回収している。システムはこの時点でほぼ完成されており、続編2作において大きな変更は見られない。

第1話:初めての逆転
綾里法律事務所所属の新米弁護士、成歩堂龍一の初裁判。某アパートで殺人事件が起こった。被告は被害者の恋人で成歩堂の友人・矢張。成歩堂は矢張を救うことができるのか。
最初の事件ということもあり、いわゆる倒叙物を取り入れることでプレイヤーはもう犯人を知っているうえ、証言の矛盾を見つけるのも簡単で、難易度は最も低いが、完成度は高い。ディレクターの巧舟も「これはある種、『逆転裁判』を代表するエピソード」と語っている。
第2話:逆転姉妹
「綾里法律事務所」で成歩堂の師匠、綾里千尋が撲殺された。その犯人として、被害者の妹で霊媒師のタマゴ、綾里真宵が逮捕された。彼女が犯人ではないと信じる成歩堂は弁護を引き受ける。
第3話:逆転のトノサマン
テレビ番組のヒーロー、トノサマンが怪人アクダイカーンを倒した!…テレビではごく当たりまえのことが、現実に起こってしまった!番組のファンである真宵に引っ張られ、成歩堂は調査を開始する…。
第4話:逆転、そしてサヨナラ
ライバルでもあり旧友でもある御剣検事が殺人容疑で逮捕されてしまう。御剣の弁護を成歩堂が引き受けようとするのだが…。

逆転裁判2

逆転裁判2
ジャンル 法廷バトル
対応機種 ゲームボーイアドバンス
ニンテンドーDS
発売元 カプコン
人数 1人
メディア GBAROM
DSカード
発売日 GBA版:2002年10月18日
DS版:2006年10月26日
対象年齢 CERO: A(全年齢)
売上本数
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霊媒行為の扱いが前作と比べ、シナリオ上非常に大きくなっている。

この「2」は当初全5話の構成でスタートしたが、ROM容量の不足からやむなく収録エピソードを一つ削る事が決まり、全体の構成がやりなおしになり開発全体がかなり難航したという話がある。その影響かはさだかではないが第2話に非常に奇妙な点がある事が有名である。

変更点

  • 「1」では「つきつける」コマンドの対象は証拠品ファイル内のものだけだったが、この「2」から人物ファイルもつきつけられるようになった。
  • 法廷パートでの尋問時に、方向キーで証人の証言内容を先へ送ろうとした時、うっかりキーを押し過ぎてループさせてしまうというミス(スキップができない成歩堂のセリフが入った後、証言内容の先頭に戻ってしまう)が「1」で良く発生したが、「2」でこれに対して防止措置がとられた。ほんの些細な変更だが、かなりプレイのしやすさを向上させている。
  • 法廷パートで間違ったタイミングや証拠で「異議あり!」をとなえてしまった場合、「1」ではどんな間違いでも重みが同じで1回の裁判につき4回のペナルティまで許されるという回数制だったが、「2」からはゲージ制に変更された。失敗した状況によって裁判長などが任意でペナルティの大きさを決めるようになっており、非常に重大な局面でミスをするとそこまで全くミス無く進めていてもその一回の失敗でゲームオーバーになるといった状況さえ何度かある。

上であげた変更点の他に完全な新要素『サイコ・ロック』が導入され、法廷パートでの矛盾の指摘だけでなく、探偵パートにおいても秘密を抱えた人物に対して証拠品をつきつけて話を聞き出す場面が作られた。逆転裁判シリーズは基本的には非常にユーザーに親切な設計で、例えば探偵パートで調査上何か進展があった場合などには分りやすく気づかせてくれるし、やりのこしが一つも無くなって初めて法廷パートに進むようになっている。しかしこのサイコ・ロックは“今、手元に必要な証拠がそろっているのか、それともまだ調査が足りないのか”が実際始めてみるまで分らない。珍しく不親切なこの“手探り感”を是ととるか非ととるかはユーザーによって分かれるところであろうが、法廷パートと違いサイコ・ロックではいくら間違えてもゲームオーバーにはならないので気軽に構えてプレイするのが良いという事は言える。

今年(2006年)10月に予定されているDS版であるが「蘇る~」の第1話~第4話に加えられた変更と同様にタッチペン対応の証拠品リストやマイクでの音声認識機能はあるものの、新シナリオその他の追加要素は特に無い純粋な移植作品になるらしい。

第1話:失われた逆転
婦人警官が殺人容疑で起訴された。その弁護を引き受けた成歩堂だったが、何者かによる襲撃で裁判直前に記憶喪失になってしまう…。
第2話:再会、そして逆転
医療ミスで14人もの死者を出した「霧崎医院」の院長・霧崎哲郎が、自らの潔白を綾里真宵の霊媒で証明する為、成歩堂法律事務所を訪れた。成歩堂は霧崎医師とともに、真宵のいる倉院の里を訪れるが、霊媒中に霧崎が殺害されてしまう…。
「1」では話の順番とシナリオの時間経過が一致していたが、「2」以降必ずしもそうではなくなる。この事件は第1話「失われた逆転」の2ヶ月前に発生した事になっている。
第3話:逆転サーカス
サーカスを観に来た成歩堂達。ところがその翌日、同サーカスの団長が殺害され、花形である天才マジシャン、マックスことマキシミリアン・ギャラクティカが逮捕されてしまう。
第4話:さらば、逆転
大スター、王都楼真悟が殺人容疑で逮捕された。依頼を受けた成歩堂は調査を開始するが、助手の真宵が「真犯人」に誘拐されてしまう…。
シリーズ中で最も証拠品の数が多く難解で、「蘇る~」までの全てのシナリオの中でも難易度ではこの「さらば、逆転」が最高だという声が高い。シリーズ中で最も意外な結末、そしてまたシリーズ唯一バッドエンドが存在する事でユーザーを驚かせた。

逆転裁判3

逆転裁判3
ジャンル 法廷バトル
対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売元 カプコン
人数 1人
メディア GBAROM
発売日 2003年1月23日
対象年齢 対象年齢12歳以上
売上本数
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成歩堂の師匠、綾里千尋の新人時代の様子が少し描かれる。前作にもまして霊媒の扱いが大きくなり、ストーリーのみならず事件の中核に直接関わるようになった。

ゲームシステム自体は前作からほとんど変更は無いが、「2」では探偵パートでのみだった“一度クリアしたエピソードのメッセージスキップ”が法廷パートでも可能になっている。シナリオ・トリックの面については前作に比べると矛盾点もわかりやすく、一回でゲームオーバーになるところも減らされている。

なお、このゲームは2003年1月25日1月29日および1月31日2月5日東京駅新大阪駅構内で東海道新幹線利用者向けに朝10時から夜24時にかけてゲームボーイアドバンスSPと共にソフトを無料貸し出しすると言う鉄道サービスとしては世界で初めての試みも行われた(航空機では既にゲームボーイの貸し出しなどは以前から子供向けに多く行われている)。ちなみにこのサービスのキャッチコピーは「新大阪に着くまでに犯人を見つけ出せるか!?」であった。これに影響を受けたのか2006年にPSP東北新幹線で同様の試みを行っている。

第1話:思い出の逆転
成歩堂の師匠である、綾里千尋の若き時代の物語。千尋が1年ぶりに引き受けた依頼人は、殺人容疑をかけられた大学生時代の成歩堂であった…。
おなじみのチュートリアルであるが、このシナリオではプレイヤーは成歩堂ではなく、終始綾里千尋として法廷に立つ。
第2話:盗まれた逆転
「倉院の里秘宝展」で展示する予定であった秘宝「倉院の壷」が、怪人☆仮面マスクによって盗まれた。壷を取り戻すために調査を開始する成歩堂たちだが…。
第3話:逆転のレシピ
成歩堂の雑な弁護で、あるウエイトレスが有罪になったという。まったく身に覚えのない成歩堂は調査を開始する。
「2」で容量の都合上削られたシナリオがようやく形になったものがこの話である。
第4話:始まりの逆転
今から6年前、誘拐殺人の死刑囚が脱獄し、その死刑判決を決定付けた警察官を殺害した。新米弁護士・綾里千尋の初審理。
成歩堂が過去の記録を調べているという一種の回想形式で描かれる。成歩堂の姿が見られるのは冒頭と終わりで少しだけで、プレイヤーは再び千尋として法廷へ。第1話以外で全編が法廷パートという構成が珍しい。
第5話:華麗なる逆転
真宵と春美は霊力を鍛えるために霊場に行く保護者として付き添ってもらいたいと成歩堂に懇願するが、彼は乗り気でなかった。しかし、その霊場を特集した雑誌の写真には、かつての事件で有罪になったはずの人物の姿があった。これがどういうことなのかを確かめるため、その霊場「葉桜院」に向かうが…。
ゲームで描かれた中では成歩堂の最後の(時間の流れの上での)事件である。霊媒が事件の核心を占めている事には賛否両論がある。

逆転裁判 蘇る逆転

逆転裁判 蘇る逆転
ジャンル 法廷バトル
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 カプコン
人数 1人
メディア DSカード
発売日 2005年9月15日
対象年齢 CERO: B(対象年齢12歳以上)
PEGI: 7+(対象年齢7歳以上)
売上本数
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GBA版逆転裁判の移植に、GBA版のエンディングと逆転裁判2の間に起こった新シナリオ1話を加えたもの。ミステリ系の作品である本作に霊媒という超常現象の要素が入っている事には、以前から一部ユーザーの不評の声が無いではなかった。それを受けてかこの追加シナリオでは霊媒の出来る人物がいない時期が選ばれ、『カガク捜査』という新しい路線が提示されている。

第1話:初めての逆転
第2話:逆転姉妹
第3話:逆転のトノサマン
第4話:逆転、そしてサヨナラ
この1~4話のシナリオはGBA版と全く同一であるが、本体の機能を活かして法廷記録が別画面での1ページあたり8個の表示に変更され素早く選択できるようになっていたり、マイクを使った音声入力で「待った!」「異議あり!」が可能だったりとユーザーインターフェースには改良がなされている。
第5話:蘇る逆転
成歩堂が2か月ぶりに引き受けた依頼は、検察局地下駐車場における捜査官の殺害事件の被告人。しかし、その殺人事件と同じ日の同じ時間に、同じ捜査官が、離れた場所にある警察局にて殺害されたという奇妙な事件が起こっていた。そしてさらには2年前に御剣がかかわった事件捜査における、証拠隠蔽・捏造疑惑も明らかになっていく…。
証拠品はさまざまな方向から調べられるようにポリゴンで表示されるようになっており、他にも指紋採取ではタッチパネルでアルミ粉をかけマイクで吹き飛ばすなどといったDSならではの要素が盛り込まれている。

逆転裁判4(仮称)

逆転裁判4
ジャンル 法廷バトル
対応機種 ニンテンドーDS
発売元 カプコン
人数 1人
メディア DSカード
発売日 2006年予定
対象年齢 未定
売上本数
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ニンテンドーDS用ソフトで発売日は2006年度の予定。 『逆転裁判3』の7年後の世界で、新キャラクターの「王泥喜法介」≪おどろき ほうすけ≫が主人公。助手は謎の魔術師の「みぬき」。

主要登場人物

[ ]内はゲーム中に表示される名称。アルファベットで書かれているものは英語版での名前。

  • 成歩堂 龍一≪なるほどう りゅういち≫[ナルホド][Phoenix Wright]
本編の主人公。刑事事件専門の弁護士。小学生の頃に学級裁判がきっかけで御剣怜侍、矢張政志の二人と親しくなった。大学生(芸術学部)時代、てっきり弁護士になるとばかり思っていた御剣が検事になった事、そして彼に関する黒いウワサが流れている事を耳にし、自身が弁護士になることを決意。その後、法学部ではなかったにもかかわらず奇跡的に現役で司法試験に一発合格し、弁護士となって綾里千尋の下につく。なおその大学時代に一度、身に憶えの無い殺人容疑で逮捕されており、千尋の弁護を受けた事がある(ただし「1」「2」においてはこの設定は無い)。自身の弁護士としての初法廷では殺人の濡れ衣をきせられた矢張を弁護し無罪を勝ち取った。
法廷で、証言者に対し尋問をしまくり、ゆさぶりをかけまくり、そして証拠をつきつけまくるその姿に、師匠である千尋から「恐怖のツッコミ男」とあだ名された。千尋が事件で亡くなって以降は、彼女の妹・綾里真宵とともに成歩堂法律事務所を立ち上げ、弁護士活動を続けている。ギザギザの髪型がトレードマークで、子供の頃から同じ髪型。音楽家坂本龍一から名前を取っている。開発当初の名前は「爽果なるほど≪そうか なるほど≫」だった。声をあてているのは本作のディレクター・シナリオ担当の巧舟
  • 綾里 千尋≪あやさと ちひろ≫[チヒロ][Mia Fey]
成歩堂の師匠。代々霊媒師という家系に生まれたが、ある事件で母親が失踪した事を機に家を離れ弁護士の道を志し、資格取得後は星影宇宙ノ介弁護士に師事した。後に独立し綾里法律事務所を開くと、そこで主人公・成歩堂を指導しつつ自身も敏腕弁護士として活動していたが、「1」の第2話「逆転姉妹」にて“英語混じりのおかしな喋り方をする謎の男”に自分の事務所内で殺害される。この非常に早い退場でユーザーを驚かせたが、その後も霊媒能力のある真宵、春美どちらかの身体を借りてはたびたびゲーム中に登場し、未熟な成歩堂になにかと力添えをしてくれる。ちなみに真宵らが習得している倉院流霊媒道の霊媒術は、故人の霊が降りてくると身体を貸す霊媒本人の意識は完全に途絶え何も分らない状態となり、顔だちや体格は完全に故人と同じになるというもの。そのため霊媒時には成歩堂など生前の千尋の姿を知る人物なら(プレイヤーも含めて)外見ですぐ千尋だと分る。おそらく千尋自身もこの霊媒術を完全に習得していたと思われるが、ゲーム中千尋の霊媒シーンが描かれたことは無い。
星影法律事務所に身をおいていた頃、そこで出会ったコーヒー好きでキザな物言いの先輩弁護士・神乃木荘龍≪かみのぎ そうりゅう≫と恋人になった、と「3」で星影弁護士が成歩堂に語ったが、千尋本人がそれについて何かを発言した事は無く、細かい事情は明かになっていない。声をあてているのは開発サポート業務担当の河原深雪
  • 綾里 真宵≪あやさと まよい≫[マヨイ][Maya Fey]
綾里千尋ので倉院流の霊媒師。ただし「1」の時点ではまだ未熟で“修行中の”と自分で付け足していた。姉の存命中にはまだ成歩堂と面識は無く、夜の事務所で遺体となった姉の側で泣きじゃくっているのを発見されたのが初めての対面となった。その直後、真犯人の偽装工作のため千尋殺害の容疑者として逮捕されてしまったが、成歩堂の活躍によって無事に疑いは晴らされ、それ以来なにかと成歩堂と行動をともにしている。登場当初まだ17才だったがその年齢を考慮しても多分に子供っぽい性格で好奇心旺盛。いろんなものに興味を持つたちで、時々法廷で成歩堂より先に証言内容に疑問を持ちヒントをくれる事がある。好きな食べ物はみそラーメンのチャーシュー大盛り。加えて言うとお菓子も好きで、みそラーメンとお菓子は別腹らしい。特撮TV番組、トノサマンシリーズの熱心なファン。
千尋と同じく霊媒の家系に生まれたが、弁護士になった姉の千尋の方が霊力は強かったらしい。倉院流霊媒道は家元制をとっており、本来は姉であり霊力でも勝る千尋が継ぐはずだったが、現在は真宵が倉院流霊媒道の次期家元である(当代の家元は、失踪中ではあるが姉妹の母、綾里舞子)。母の失踪に姉の死だけでも相当なものだが自身もシリーズ中で何回も犯人扱いされたり誘拐されたり、不運な目にあう事が多い。
  • 綾里 春美≪あやさと はるみ≫[ハルミ][Pearl Fey]
「2」で登場した、やや古風な言葉使いの少女。千尋・真宵姉妹の従妹にあたり、二人からは「はみちゃん」と呼ばれる。綾里家分家の娘でありながら本家の真宵を凌ぐほどの霊力を有しており、真宵の勾玉に霊力を込め、成歩堂にサイコ・ロックの力(他人の心の中にある“秘密にしておきたい事”が錠前の形で見える力)を与えた。
母親である綾里キミ子に箱入り娘として大事に育てられたためかなり世間知らずなところがあり、倉院の里の外の事物をよく知らない。最後に「し」がつく職業名(弁護士、魔術師など)を聞くと、「…それは霊媒師とはいかなる関係にあたるのですか?」と聞いてくる。成歩堂と真宵が恋人同士だと勘違いしているため、成歩堂が他の女の人と親しげに接していると成歩堂に容赦無くビンタを浴びせる。彼女にもまた千尋の霊が度々降りてくるのだが、成人の千尋とまだ10才にもならない春美の身体とでは、真宵に霊媒された場合よりも体格の差、ひいては服のサイズの違いが一段と激しいため、初めて春美に霊媒された時に千尋の口から「ちょっと、ムネがキツいわ」という言葉があった。
  • 御剣 怜侍≪みつるぎ れいじ≫[ミツルギ][Miles Edgeworth]
成歩堂の小学校以来の親友にして、検事局きっての天才検事。しかしながら天才のわりに物の名前などはよく間違える。成歩堂、矢張らと付き合いのあった少年の頃は弁護士の父の影響を受けて同じ道へ進むかに思われた彼だったが、その尊敬する父・御剣信≪みつるぎ しん≫が殺害された(これが上述の『DL6号事件』である)事から180度の方向転換をする事となる。弱冠20歳での就任以来、いかなる手を使ってでも冷徹に被告を有罪にしてきた。
犯罪者を極端なまでに憎むようになっていた彼だが、ある事件の裁判において成歩堂と法廷で再会し、対決したことをきっかけに少しずつ変化を見せはじめる。「2」では自分自身を見つめなおす為にと短い手紙を残して関係者の前から姿を消し、約1年もの間消息を絶っていた。ちなみにその手紙は他人からはどう見ても遺書としか取れない内容で周囲の人物を青ざめさせたのだが、当の御剣はそういう誤解の起こる可能性は全く考えていなかったようである。「3」では海外研修を行っていたが、矢張から成歩堂の事故を聞きつけ緊急帰国。その後風邪で法廷に出られなくなった成歩堂から弁護士バッチを預かり代理として弁護人も務めた。ある事件がきっかけで、日本の司法制度に疑問を抱いている。弱点は地震とオバチャン。声をあてているのは本作のキャラデザイン担当の岩元辰郎
  • 矢張 政志≪やはり まさし≫[ヤハリ][Larry Butz]
フリーター。成歩堂の小学校以来の親友にして弁護士人生最初の依頼人でもあるが、その報酬は結局踏み倒したらしい。この世界きっての女好きでナンパに熱心な人物だが成果はあまりよくなく、時に交際までこぎつける事があっても結局はすぐにふられてばかりいる。女性の好みについてはかなりストライクゾーンが広いらしく、真宵はおろか狩魔冥まで視野に入れて行動しているが、春美については「同じ名前の彼女は二人作れない」と範囲から除外している。なおその際春美の年齢については全く判断材料にしなかった様である。
事件のカゲに、ヤッパリ矢張』と言われるほど、なにかしら事件に巻き込まれるスーパートラブルメーカー。例えば事件に直接関わっていたわけではないが、綾里千尋が殺害された時の凶器の置時計は矢張が作ったものであり、しかもその時計が殺人の凶器になるのは二度目だった。似顔絵を描くのが得意。左利きらしい。「バカにするな!俺だって中学は出ているんだ!」というセリフが何度かあり、素直に解釈するならば高校は出ていない様子。「2」ではある理由からチベットに行っていたため未登場。マンジュウ売り、警備員など職を転々としていたが、「3」の終盤では絵本作家・天流斎エリスに弟子入りして自らも天流斎マシスと名乗るように。「絵本の世界に新風を巻き起こす」と言っていたが「3」の後の話である漫画版第1話では絵本を描いている気配は感じられない。なおその漫画版でも最初の依頼人となった。
ちなみにネーミングの由来は「やっぱり、まさしく」である。
  • 裁判長≪さいばんちょう≫[サイバンチョ][Judge]
地方裁判所の裁判長。本名は不明(「2」の第1話「失われた逆転」にて、彼の名刺を入手するシーンがあるが、草書体で書かれていたせいで成歩堂には結局読めずじまいだった。なお証拠ファイルでの画像は成歩堂の名刺の画像の使いまわしなため本名の手がかりにはなりそうにない)。長いヒゲがトレードマーク。警察局長官・厳徒海慈≪がんと かいじ≫や、検事・狩魔豪とは同期生にあたる。裁判長にもかかわらず人の意見に左右されやすい性格だが、どういう訳か最後には正しい判決を下す。法曹界では「不思議で不気味な裁判長」「浮気で移り気な裁判長」と言われている。ゲーム内屈指のボケ役であり、「3」の第3話で成歩堂とは長い付き合いでありながら、顔も態度もちっとも似てないニセ成歩堂を本物と信じたまま裁判を一通り済ませてしまうという失態を犯した事がある。
弟がいることが分っているがその弟も裁判官をしており、そして同じく本名が不明である。孫の存在も判明しており、その孫が『タチミ・サーカス』のスター、マキシミリアン・ギャラクティカ(通称マックス)の大ファンであるという。表記が「1」では「サイバンカン」だったが、「2」から「サイバンチョ」に変更された(登場人物の会話では「1」の頃から裁判長と普通に呼ばれていた。発言者欄に表示される名が本名そのままでなく省略されたものになっているのは他には成歩堂の“ナルホド”や糸鋸の“イトノコ”があるが、裁判長の場合彼らと違い誰からもサイバンチョとは呼ばれていない。強いて言えば「1」に登場したキャラである小中大≪こなか まさる≫が“ミスタ・サイバンチョ”とおかしな英語混じりの呼び方をしていたが、おそらくそれとは関係が無い。たまたま発言者欄に表示出来るのが6文字までだったためと思われる)。
  • 糸鋸 圭介≪いとのこぎり けいすけ≫[イトノコ][Dick Gumshoe]
所轄署所属の殺人事件初動捜査担当刑事。いかつい身体に角刈りの体育会系風な人物で語尾に『~ッス』とつけて話す。およそ刑事としては完璧すぎる外見と完璧には程遠い頭脳(本人は「ちゃんと二流…いや一流の大学を出ているッス」と言う)を持つ男。証拠を見落としたりなどといったドジが多いところがタマに傷で、ヘマをするたびに狩魔や御剣に給料を下げられてショボくれる、少しかわいそうな人物。「蘇る逆転」でボーナスは2400円ということが発覚する。ソーメンが好物(というよりも給料が少ないので食べられるものがそれぐらいしかない)。左耳に赤鉛筆を挟んでいるが、これは開発当初に「競馬好き」という設定があったためであり、実際はギャンブルは宝くじの当選番号発表をラジオで聴いているシーンがあるのみである。
大抵、裁判の最初の証人として出てくる。難しい漢字や科学捜査等の分野が苦手だが、機械にはそれなりに詳しい時もあり、小学生の時に電波探知機を作った事もある。安月給で問題を多く起こしながら長く刑事を続けられているのは、世渡りがうまい(自称)ため。事実、署内での信用は厚い。御剣とともに仕事することが多く、大きな信頼も寄せていたため、御剣に捏造疑惑がかかったときには「御剣のいちばん近くで仕事をしている捜査官」という理由で捜査班からハズされることになった。ちなみにネーミングの由来は“糸鋸”という姓は“御剣”より切れ味が悪そうだから、下の名は巧舟が自分の好きなサザンオールスターズ桑田佳祐から音を取ったらしい。
  • 星影 宇宙ノ介≪ほしかげ そらのすけ≫[ホシカゲ][Marvin Grossberg]
星影法律事務所を構える弁護士で、綾里千尋の師匠。千尋からは星影先生と呼ばれ尊敬を向けられていたが、実は千尋の母が失踪した原因に関わっており、それを言えずに苦しんでいた。丸々とした体型をして、「ウォッホォン!」というエラい人特有の咳払いをする。機嫌の良い時はよく「青春の日々はァ…青いレモンの香りィ…」と口ずさみ、ピンチに陥ると尻の痛みをうったえ始める。星影弁護士から見ると成歩堂は弟子の弟子、いわゆる孫弟子にあたるが、実は関係はそれだけでなく成歩堂が大学生時代に被告になった裁判の弁護は本当は千尋ではなく星影弁護士が担当する筈だった(ただし「3」以降の設定であるため「1」の時点では二人はお互いをロクに名前も知らない初対面の相手として接している)。
  • 亜内 武文≪あうち たけふみ≫[アウチ][Winston Payne]
シリーズを通して第1話での相手を務めてくれる検事(「3」では第2話と第3話にも登場するが、プレイヤーの相手としてではない)。「4」でも引き続き登場するが、髪型がもの凄いことになっている。昔は“新人つぶし”として恐れられた名手であったが、ある法廷を境に押しが弱くなり、立派なリーゼントだった髪型も服装も大きく変わってしまって今ではすっかり目立たない存在に。成歩堂弁護士にめっぽう弱く、彼が有名になったのは自分のお陰だと思っているが、成歩堂自身にはすっかり忘れられている。美人の奥さんと千尋と同じ年頃の娘がいる。開発当初は彼が弁護士の役で、私立探偵の「爽果なるほど(成歩堂の前身)」の集めた証拠品を彼が使って無罪を勝ち取るという設定だったらしい。名前の由来は日本語の「痛いっ!」に相当する英語の「Ouch!(アウチ!)」からと思われる(英語版での苗字“Payne”も「痛み」を意味する単語「Pain」のもじりから)。声をあてているのはサウンド・SE担当の浜亘
  • 大場 カオル≪おおば かおる≫[オバチャン][Wendy Oldbag]
「1」で登場した年齢不詳(本人が言うには「ハタチから数えていない」らしい)の女性。一人称が“オバチャン”で他の人にもそう呼ばせており、そのためユーザー間でも通常はオバチャンで通っている。「1」では撮影所、「2」ではホテルという場所の違いはあるが「1」「2」ともに職業は警備員。「1」では普通の制服姿だったが、「2」ではすっぽり頭を覆う丸いヘルメットを被り胸には大きなレコーダー風の機械を下げ、宇宙服のような姿で登場した。「1」「2」と違い「3」ではシナリオ上のちゃんとした出番は無かったが、エンディングでは姿を見せている(例の宇宙服姿で)。人の噂とお喋りが大好きで、ノってくると聞き手を無視してマシンガンのごときスピードで喋りまくる。ただし内容の大半は愚痴(これは大げさで無く、本当にユーザーが画面のテキストを目で追い切れないほどの速さである。攻略に関係する情報は含まれていないので無理をして読まなくてもゲームの進行に支障はない)。
長いものには巻かれるタイプで権力には弱い。そのためか刑事である糸鋸刑事には非常に親切…に見えたが、実際は糸鋸から捜査中の情報を聞き出す目的あっての事だった。アッサリと情報を漏らしてしまった糸鋸についてはオバチャンいわく「プロの警備員としてみればあの男はダメだね」だそうである。また権力の他に男前にもめっぽう弱く、両方を兼ね備えた御剣を前にすると常には見られぬ“乙女の顔”をし、彼に向って「ミッちゃん」と呼びかける。その執着には並々ならぬものがあるようで「2」では専属のボディガードになろうとした(そして断わられた)事があり、DS版「1」で追加の第5話「蘇る逆転」では御剣に豪華な花とトノサマンのフィギュアをプレゼントしていた。ネーミングの由来は「大場ちゃん」と「オバチャン」の音が似ている事、それと「大馬鹿おる(居る)」からだとされる。
  • 狩魔 豪≪かるま ごう≫[カルマ][Manfred von Karma]
「1」の最終話で成歩堂と対峙した65歳のベテラン検事。御剣怜侍の師であり、就任以来40年にわたり有罪以外の判決を出した事の無い“カンペキな経歴”を持つ、生きた伝説とでも言うべき人物。“完璧である事”、そして“勝利する事”に異常なまでに執着しており、判決を勝ち取るために裏で証拠や証言の偽装、捏造、隠滅等(当然ながらこのゲームの世界においても違法である)を延々と実行してきた人物だったが、最後には成歩堂に破れ去り、積み重ねて来た一切の栄光を失った。その後シリーズにおいて彼の弟子たちが成歩堂の前に度々立ちはだかる事となる。
家族構成の詳細は不明だが、まずは続編で登場した娘の狩魔冥がおり、そして少なくとももう1人の娘と、リュウという犬を飼っている7歳の孫娘がいる筈である。なお「3」において既に故人である事が登場人物の会話から分っている(具体的にいつ亡くなったのかは不明。「2」の時期に既に故人という可能性もある)。声をあてているのは元社員(「1」の音楽作曲者)の杉森雅和
  • 狩魔 冥≪かるま めい≫[カルマ][Franzisca von Karma]
「2」で登場したライバル検事で、「1」に登場した狩魔豪の娘。真宵と同い年だが飛び級制度のあるアメリカで育ち13歳で検事になったため、キャリアの長さは成歩堂を遥かに上回る。経緯を考えれば当然ながら、登場時から一方的に成歩堂の事を知っており敵意をあからさまにしていた。検事としてのスタイルは父譲りで、証拠の握り潰しや証言の操作などが主戦法。全てにおいて完璧を良しとするのも父同様である。常にムチを携えており、自分に対し文句をつける者があれば弁護士、証人、裁判長、何者であろうと容赦ない一撃をくらわせる(流石にこのゲームの世界でも法廷での暴力の行使は当たり前の事では無いようなのだが、何故だかまかり通っている)。成歩堂を完膚なきまでにねじ伏せて反論の余地なき完璧な有罪判決を得る事に執念を燃やしているが、“反論の余地のない”という部分に固執するあまり、半端な状況で有罪を言い渡そうとした裁判長をあえてさえぎり審理を続行させ、結果、逆転を許してしまうなど、父親と比べると形にこだわり過ぎるがゆえの詰めの甘さが見てとれる。
「2」の第4話で、このゲームの主要キャラには珍しく“狙撃される”という非常に危険な目にあったが、命に別状は無かった(ちなみにこの時弾が当ったのは右肩)。父の弟子であった御剣の事を冥は成歩堂に対して「弟のようなもの」と述べたが、当の御剣はとあるシーンの冥との会話で「メイ」と下の名で呼び捨てにしており、成歩堂に対しての強がりでそう言っただけの可能性が高い。法廷で良く見られる姿だが、考えこむ時に『腕組みし、右手で左腕の袖を握り締める』という父と同じ癖を持っている。声をあてているのは開発サポート業務担当の諏訪部ゆかり
  • ゴドー≪ごどー≫[ゴドー]
「3」で登場したライバル検事。赤く発光する3本のラインが入ったバイザーのような仮面を文字通り“何時でも何処でも”着用している(一度、最初に立った法廷で裁判長に注意されたがそれでも外さなかった)。成歩堂の方ではまったく心当たりが無かったが、なぜか「2」の狩魔冥同様に一方的に成歩堂の事を知っており、敵対的な態度を見せる。本名、国籍、年齢、素顔、経歴、一切が不明というかなり謎多き人物で、それで一体どうやって検事になれたのかもやはり不明。熱く苦いブラックのコーヒーを好み、色に関する話題は苦手。一回の審理中に飲むコーヒーは『17杯まで』と決めているらしい(それでも一日に飲む量としてはかなり多くカフェイン中毒の危険性がある。なお現実の法廷では飲食は一切禁止されている)。
初登場時“完全無敗・伝説の検事”と自らを称したが、それもそのはず、続く裁判長との会話によれば彼が検事席に立つのはその日が初めてで、負けた事があるわけが無かった。しかし初っ端こそそんな先が思いやられるようなやりとりを披露してくれたゴドーではあるが、『検事局ナンバー1の天才検事・御剣怜侍が研修のため日本を離れる際、その“最強”の称号をゴドーにたくしていった』という評判も彼にはあり、結局のところ彼が大言壮語だけの人物でない事は直後の審理において十分に証明される事となる。その検事としてのスタイルは、狩魔の流れを汲まないらしく非合法な手段は使わずごくまっとうな方法のみで犯罪の立証を行うというもので、まさに本作きっての正統派敏腕検事と言える(ただ、時々審理中に成歩堂めがけて中味の液体ごとマグカップを投げつけるという、やや無茶な行動をとる事はあるが)。
周囲の雰囲気がどうであろうと意に介さず、何か話す時はハードボイルド小説にでも出てきそうなキザな言い回しを好んで使う。初登場以降、敵対感情ゆえか成歩堂が弁護を務める審理では必ず検事席に立つゴドーだが、“ニセ成歩堂事件”の際は亜内検事が法廷に立っていた所を見るにゴドーだけは成り済ましに気づいていたものと思われる。声をあてているのは『ビューティフルジョー』シリーズのディレクターなどを務める神谷英樹
  • 宝月 茜≪ほうづき あかね≫[アカネ][Ema Skye]
『蘇る逆転』に登場するキャラクター。綾里真宵に似た雰囲気を持っており、行動・発言等も似ているが血縁関係はないらしい。将来科学捜査官を目指しており(自己紹介では、はっきりと『科学捜査官の宝月茜』と言っている。)、カガク捜査にこだわる高校生。そのためなのか、ルミノール試薬などを常備している。赤いメガネがトレードマーク。検事である宝月巴の妹である。胸についているバッジは酸素と水素をあらわす(あわせて水)。

用語

  • 【倉院流霊媒道】
女性のみだが、非常に霊力の強い家系である綾里家に伝わる“本物の”霊媒術。ゲームの世界に倉院流以外の流派が存在するのかは不明。なおゲーム中のオカルトや霊能力の設定は(ゲーム中の裁判の制度などがそうであるように)現実の世界で知られているものとは全然違う、本作独自のものになっている。
  • 【サイコ・ロック(心理錠)】
霊力のこもる勾玉を持った人間に“人の心の中の秘密にしておきたい事”が鎖と錠前という形をとって見えているもの。見える錠前の数が隠しておきたいという気持ちの強さを意味し、多いほど聞き出すのは困難。基本的にその時勾玉を持っている人間一人にしかサイコ・ロックは見えない。
  • 【序審法廷制度】
増加する犯罪に対し、迅速に処理できるように(少なくとも、2016年から数年前に)制定された制度。逆転裁判の世界における刑事事件の審理は、起訴された容疑者が有罪か無罪かをわずか3日で審理する“序審”と、有罪が確定した被告の量刑などを(おそらくは現実世界の審理同様、長い時間をかけて)問う“本審”とに分れている制度の事。ゲームにおいて成歩堂が判決を争そっているのは全て序審の方である。
  • 【トノサマンシリーズ】
真宵が夢中になっている特撮ヒーロー番組。2016年度の『大江戸戦士トノサマン』に始まり、2017年度『小江戸戦士ヒメサマン』、2018年度『大江戸戦士トノサマン・丙(へい)』に繋がる。劇中の世界では子供たちに絶大な人気を誇っている。
  • 【成歩堂法律事務所】
成歩堂の事務所。綾里法律事務所を改装し、継承したもので住所や基本的な仕様は同じ。
  • 【ホテル・バンドー】
「1」では小さなビジネスホテルで名前も「板東ホテル」だったが、千尋の事件で真犯人が部屋を使った事が話題をよんで人気のホテルとなり、シリーズを重ねるごとにどんどん大きくなっている。「2」で出てくるホテル・バンドー・インペリアルは成歩堂法律事務所の隣にあるものとは違い、街の中心部に立っているものである。「3」ではバンドーランドの開発まで進めている。
  • 【勾玉】
綾里家に伝わるもので、現在は真宵が所有する勾玉。そのままではただの石だが春美に霊力をこめて貰う事でサイコ・ロックを見るための重要アイテムになる。

関連商品

逆転裁判シリーズのサウンドトラックはたのみこむのリクエストによって商品化された。参考
  • その他
    • 『逆転裁判』法廷フィギュアコレクション(2006年5月発売)
ラインナップは成歩堂龍一、綾里千尋、綾里真宵、御剣怜侍、狩魔冥、ゴドーの六種類+シークレット一種の全七種類。

漫画版「逆転裁判」

2006年8月11日発売の別冊ヤングマガジン17号から連載開始。

逆転裁判3の後の時期を描いている。

第1話:風と共に逆転

主な登場人物は成歩堂、真宵、春美、矢張、亜内、裁判長。
千尋、御剣、糸鋸、冥などは登場せず。

  • 冒頭のシーンが凶器と思われる刃物を握った人物の姿、そして定番の「何で私がこんな目に」のセリフ(ただしゲームと違い姿は終始シルエットで顔ははっきりしない)
  • 調査を行う探偵パートと呼ぶべきものが無く、推理材料はほぼ法廷で出揃う
  • 霊媒行為やサイコ・ロックは無し
  • 担当検事は亜内検事

これらの点から判断するに、各シリーズの第1話の構成を踏襲したようである。 キャラクターの設定などゲーム版とは矛盾した点が見られるが真宵のボケや矢張の過激な行動などゲーム版を彷彿とさせる描写も含まれている。また成歩堂が「異議あり!」と叫ぶシーンや真犯人を追い詰めるシーンの成歩堂のアップなどはページの半分以上の大きさで描かれており、ゲーム版よりもかなりインパクトが強く感じられる。

外部リンク

携帯アプリ版