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遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズは、高橋和希原作の漫画遊☆戯☆王』に登場する架空のカードゲーム『マジック・アンド・ウィザーズ』をモチーフにして、コナミが製作・販売しているトレーディングカードゲーム。現在、カード販売総数が150億を超え、世界で最も行われているカードゲームとしてギネスに登録された。

基本的なルール

劇中に登場した架空のカードゲーム『マジック&ウィザーズ』と『遊戯王オフィシャルカードゲーム(OCG)デュエルモンスターズ』は、共に基本的なプレイ方法は同じである。

  • 各プレイヤーは下記の3種類のカードを任意に組み合わせ40枚以上の山(デッキまたはメインデッキ)及び15枚までの予備カードの山(サイドデッキ)を作成、メインデッキをよくシャッフルし、ターンごとに1枚カードを引いて(この行動をドローと呼ぶ)から行動を起こす。各プレイヤーのライフポイントは通常8000。(原作・アニメでは4000または2000。)
    • モンスターカード
    主に攻撃に使用するカード。通常モンスター(枠が黄色)のほか、特殊能力を持った効果モンスター(枠が茶色)、特定のモンスター同士を掛け合わせて召喚する融合モンスター(枠が紫色)、特定の魔法で召喚する儀式モンスター(枠が青色)の4種類が存在する。攻撃力と守備力が設定されており、特別な場合を除き「攻撃表示(表向き)」か「守備表示(裏向き)」として場に置く。
    効果モンスターの効果には自分のターンで発動する「通常効果」の他、フィールドに召喚されると同時に発動する「起動効果」、発動条件を満たす行動が引き金になって発動する「誘発効果」、誘発効果の発動タイミングが、自分か相手のターンかを選ばない「誘発即時効果」がある。
    • 魔法カード(OCGではまほうカード(一部マジックカード)、アニメではマジックカード)
    体力回復やモンスターの蘇生など様々な魔法効果が得られるカード。枠が緑色をしている。手札から直接使うか、事前に場に裏返しで伏せておき、任意のタイミングで発動し、場のカードに特殊効果を与える。
    自分のターンで発動する「通常魔法」、一度発動するとカードが破壊されるまで効果が持続する「永続魔法」、相手ターンであっても好きなときに発動出来る「速攻魔法」、モンスターに装備して使う「装備魔法」、フィールド全体に特殊効果をかける「フィールド魔法」がある。なお、速攻魔法を相手のターンで使用する場合のみ、罠と同じく一度フィールドに伏せなければ使用出来ないという制限がある。
    • 罠カード(トラップカード)
    主に相手プレイヤーの動きに対応して発動し、相手の行動を遮ったり制限を加えるような特殊効果を与える。枠がピンク色をしている。事前に場に裏返しで伏せておき、相手プレイヤーの動きに応じて発動させる。魔法カードと異なり、一旦フィールドに伏せなければ使用出来ず、特殊な場合を除き、伏せたターンには使えないが、伏せたターンを過ぎれば基本的にいつでも発動できる。
    罠には、基本的な「通常罠」、一度発動するとカードが破壊されるまで効果が持続する「永続罠」、相手のカードにチェーンする為の「カウンター罠」がある。


  • モンスターカードが攻撃表示同士であれば、攻撃力が低いモンスターカードが負けとなり場から墓地へ送られ、差分の数値がプレイヤーのライフポイントから引かれる。
  • 守備表示と攻撃表示同士の勝負であれば、守備表示カードの守備力が攻撃表示カードの攻撃力を上回っている場合、守備カードの勝利となり、攻撃側プレイヤーのライフポイントが減少する。(攻撃モンスターはそのまま)
  • 攻撃カードの攻撃力が上回っている場合、守備カードが場から墓地へ送られる。(ライフポイントの減少はない)
  • 場にモンスターカードが存在しない場合は、プレイヤーへの直接攻撃(ダイレクトアタック)として、攻撃側カードの攻撃力の数値がそのまま相手プレイヤーのライフポイントから引かれる。
  • 基本的に先に相手にライフポイントを0にされるか、デッキから新しいカードが引けなく(ドローできなく)なった方が負けとなる。
  • 基本的に3戦で1マッチと数え、1マッチで1プレイとする。各戦毎にサイドデッキのカードとメインデッキのカードを任意に組み替えることが出来る。
  • チェーン
本ゲームの魔法・罠・効果モンスターの効果には、それぞれスペルスピードという、発動の速さが決まっており、相手がこれらを発動したときに、より速いスペルスピードの魔法や罠を使って割り込んだり、別の魔法や罠などを便乗して発動することが出来るという、本ゲームの攻防で重要になるルール。カードの発動と効果を無効に出来る速いカードを使えば、相手の魔法や罠の発動を無効にすることが出来る。
  • スペルスピード1(普通の速さ)
魔法(速攻魔法以外)、効果モンスターの効果(誘発即時効果以外)
  • スペルスピード2(速い)
通常罠、速攻魔法、効果モンスターの効果(誘発即時効果)
  • スペルスピード3(最も速い) ※なお、スペルスピード3のカードには、同じ3のカードでチェーンが可能。
カウンター罠


  • 特殊な勝利条件
    当ゲームには下記の5類のカードに特殊な勝利条件が存在する。その多くが後述の、公式大会における「禁止・制限・準制限カード」に指定されている。
    • 「封印されしエクゾディア」・・・モンスター「封印されしエクゾディア」と、他の特定の4枚のカードを手札に揃えた時点で自動的に勝利となる。
    • 「ウィジャ盤」・・・特定の5枚のカードを5ターンで揃えれば自動的に勝利となる。
    • 「ラストバトル!」・・・発動すると発動したターンの終わりに自分のフィールドにモンスターを残せば自動的に勝利となる(どちらも残せば引き分け)。
    • 「終焉のカウントダウン」・・・発動すると20ターン後に自動的に勝利となる。
    • 「ヴィクトリー・ドラゴン」・・・このカードでプレイヤーへの直接攻撃を決めて勝利した場合、1戦でも1マッチに勝利したと計算する。

原作との主なルールの違い

原作に登場する「マジック&ウィザース」を実際のゲームとして構成したこのゲームであるが、バランスを考えて原作のルールを再現していない部分も散見される。

  • カードの秘匿発動
原作では魔法/罠カードを相手に告示せずに発動させておき、相手プレイヤーの行動時に「実は発動していた」等と宣言するような行動が許されたが、バランスの面から実際のゲームでは不可。
  • 『トゥーン・ワールド』の扱い
原作で「マジック&ウィザース」のデザイナーであるペガサスが使用した、『トゥーン』と名のつくカードは、「同じトゥーンと名の付くモンスターでなければ倒せない/守備ターンにはトゥーンの世界へ隠れてしまって攻撃が当たらない」等といった一方的な効能があったが、これらも不公平であるため実際のゲームでは扱われていない。
  • 魔法・罠の扱い方
原作において魔法、及び罠カードは、1ターンに1枚のみセットできる。また、手札からの魔法カードは1ターンに1度しか発動できない。そして、伏せてあれば相手ターンでもあらゆる魔法カードが使用可能。実際のゲームでは、伏せカードの制限、魔法カード発動の制限はない。(ただし、魔法カードで相手ターンに使用できるのは速攻魔法のみ。)アニメ版では途中からこちらのルールに変更された。おそらく、原作のルール通り手札からの魔法カード発動の制限が設けられていたら「ガーディアン・エルマ」のような悲劇は起こらなかっただろう。
  • エスケープ
魔法・罠・モンスターの効果で攻撃対象のモンスターが消えたり、モンスターの位置が代わった場合などで、攻撃が無効となる。原作での代表例は、29巻の遊戯VS海馬戦、31巻の遊戯VSマリク戦、遊戯王R2巻の遊戯VS月行戦など。実際のゲームでは、このような特殊ルールは存在せず、対象となるモンスターが消えた場合は対象が別のモンスターに入れ替わったり、プレイヤーへの直接攻撃になる。
  • 融合
原作においては、融合モンスターカードという物が存在しないので、基本的にどんなモンスターの組み合わせでも融合できるようだが、召喚ターンに攻撃できないというデメリットが存在する上に、フィールド上に存在しているモンスターでなければならない。実物では融合モンスターカードが存在し、決められたモンスター同士を融合させなければ召喚できないが、召喚ターンに攻撃ができ融合素材モンスターは手札にあるだけでよい。(このルールも、アニメ版では魔法・罠カードのルールと同様になった。)

ルールの管理

カードが増加するに従い、カード間の効能の矛盾点やゲームバランスの狂いなどが生じることを防ぐため、現在ではコナミ内に所在する「遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ事務局」がルールの解釈や管理を行っている。

  • 新エキスパートルール
現行の基本的な公式ルールであり、一般的なプレイをはじめ公式大会でもこのルールに則って実施される。
  • ジュニアルール
ルールを簡略化し、低年齢層にも分かりやすく楽しめるようにした簡易ルール。

講習会

事務局主催の、初心者向けのルール解説と実技の講習会。カードを持っていなくても参加が出来る。会場や開催時期は公式HPで更改されている。

禁止・制限・準制限カード

公式大会などではゲームバランスを考慮し、極端な勝率や大会プレイとしては不条理な戦況を生み出すおそれのあるカードの使用を制限・禁止している。これらの禁止・制限カードリストは半年に一度更新され、公式HP等で発表される。最終更新は2006年3月1日。2006年8月18日現在、同年9月1日に発効される禁止制限カードは発表済み。

  • 禁止カード・・・一切使用が禁止されているカード
  • 制限カード・・・1枚のみデッキ及びサイドデッキに入れることが出来るカード
  • 準制限カード・・2枚までデッキ及びサイドデッキに入れることが出来るカード

公式大会

  • 遊戯王ワールド・チャンピオンシップ
遊戯王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ事務局とコナミが主催する最大規模の大会で、世界選手権試合。
日本においては国内公式大会「デュエリストキング・トーナメント」を勝ち抜き、国内ランキング上位100名以内にランキングされた者同士で代表選考試合が行われ、上位4名が本戦に出場することが出来る。
当ゲームが発売されている諸外国でも同様の選考を経て選出された選手が参加し、最終的に世界一を決めるトーナメント戦が行われる。
  • デュエリストキング・トーナメント
国内各地で開催される最も一般的な公式トーナメント試合。ルールは「新エキスパートルール」で行われ、結果は国内ランキングに反映される。当大会で国内上位100名以内にランキングされれば、前述のワールドチャンピオンシップ選手候補の資格を得る。開催情報は随時公式HPで更改されている。
  • デュエリスト・トーナメント/小学生大会
小学生限定の国内公式大会だが、上位大会と同じ「新エキスパートルール」で行われ、勝ち抜けば国内ランキングにも反映される。開催情報は随時公式HPで更改されている。
  • デュエリスト・トーナメント/ジュニアクラス
小学生限定の国内公式大会であるが、「ジュニアルール」で行われ、国内ランキングはジュニア部門として反映される。開催情報は随時公式HPで更改されている。


カードについて

当ゲームのカードは、基本的には下記の2通りで発売されている。

  • ストラクチャーデッキ
    あらかじめ40枚の構成で箱詰め販売されているデッキで、これだけで直ぐに遊べるように構成されている。原作のキャラクター達に因んで複数種が発売され、新作も定期的に発売されている。
  • パック
    カードをランダムに5枚づつ組み合わせて封入したパック。複数種が発売され、新作も定期的に発売されている。カードを買う場合はこれが主流。

入手が特殊なものの一例

  • 公式大会
    公式大会に出場することで貰えるものや、入賞することで貰えるものがある。中でも上位入賞者や優勝者にしか交付されない、世界に数枚しかないプラチナカードはマニアの間で大変な人気と価値があり、取引のレートも非常に高い。
  • 購入特典
    雑誌の購読特典やコンピュータゲーム等に同梱されたもの。確実にウルトラレア以上。当ゲームをバックアップする雑誌「Vジャンプ」などは、特典カードを不定期で付録させたり、「森の番人グリーン・バブーン」等のように年間購読の契約をした読者にのみ送られるカードなども存在する。また、一部のゲームには予約特典のカードもある。
  • イベント
    イベント会場限定で発売されたり、配付されるカード。東京ドーム等で開催された遊戯王のイベント等では、会場限定のカードが発売されている。また一部関係者や招待客に上映会が開催された劇場版「光のピラミッド」では、「ワタポン」の日本語版カードが配付されたが、流通数が非常に少なく、レートも高額になっている。
  • 応募者限定(リミテッドエディションなど)
    人気カードの別イラスト版や、マンガ等のカードが収録された。
  • プレミアムパック
    1パックの封入枚数が5枚以上で、確実にレアカードが入っている。イベントで先行発売され、その後市販される(会場限定の場合もある)。マンガ等のカードが入る事が多い。


レアカード

カードの一部には、少数生産にて箔押しや光沢調、レリーフ調などの装飾が施されたレアカードが存在し、希少品は数千~中には100万円を超えるプレミアム価格で取引されているものもある。

レアカードにも下記のようなグレードが存在する。

  • レアカード
    カードの名称部分が銀の箔押し。第4シリーズ以降の通常版はパックを購入すればほとんど(ウルトラ、アルティメットが封入されない場合)1袋に1枚の割合で封入されている。
  • スーパーレア(プレミアムパックでのみパラレルレア版あり)
    カードの名称部分はノーマルカードと同じ色調
    カードイラストが光沢調
  • ウルトラレア
    カードの名称部分が金の箔押し
    カードイラストが光沢調
  • ウルトラシークレットレア(初期のジャンプ応募者全員サービス、一部のイベント配布カードのみ。ヴァリュアブルブックで確認可。)
    カードの名称部分が偏光調の銀の箔押し
    カードイラストが光沢調
  • シークレットレア
    カードの名称部分が偏光調の銀の箔押し
    カードイラストが光沢調であり、その上から絹目調の光沢
  • パラレルレア
    カードの名称部分が金の箔押し(プレミアムパック3のパラレルレアは箔押しが無く、Vジャンプ限定の「E・HERO フレイム・ウィングマン」パラレルレア版のみ通常のレアと同じ銀の箔押しとなっている)
    カードイラストが光沢調
    カード全体に縦横の光沢線が入っている。
    (大会優勝者配布カード及び自販機にのみ、カード全体に縦横の光沢線が入っているパラレル仕様のノーマルカードが存在する。これはパラレルレアではない。名称部分が箔押しで無く、カードイラストも光沢調ではないため、区別することは容易。実はこのカードの存在に関する記述は無く、公式カードリストなどでも表記されていない(大会限定版・イベント配布版は通常版のカードとは別のナンバーが印字されている)。ファン間では「自販機パラ」等の通称で呼ばれる。)
  • アルティメットレア(レリーフレアとも呼ばれる)
    カードの名称部分が金の箔押し
    属性マーク(モンスターカードはレベルの星マークも)がレリーフ調
    カードイラストがレリーフ調
  • プラチナレア(未公認)
    シークレットレアの絹目調の光沢が、カードイラストの外へはみ出しているエラーカードのこと。一部ファンの間で「プラチナレア」の通り名で存在が取り質されてきたが、コナミが製造エラーであると公言したため、このグレードは存在しない。オークションなどでは今でもこのグレード名で取引されている物もある。

外国語仕様のカード

当ゲームの海外進出に従い、カードにも様々な外国語仕様のものが発売され、一部は日本国内でも通常に販売されている。これらは公式大会でも使用可能であるが、カード裏面のデザインが一部異なるため、裏面が見えないカードスリーブ(カードケース)に入れることが条件となっている。

OCG以外のカードゲーム

1998年当時、テレビ朝日版のテレビアニメが放送された際に玩具版権を持っていたバンダイより発売された、自販機専用商品のカードゲーム。基本的なルールはOCGと同じであるが、カードデザインは裏面が紫を基調とした渦巻き柄、表面が一律肌色で、モンスターや魔法など種類によってカードのカラーリングに差異をつけてはいなかった。99年に発売が終了し、総数は約200種類。なお東映が製作した劇場用映画第1作では、前売り特典として劇中で海馬瀬人が使用した魔法カードが配付された。

こちらのカードにしか存在しないモンスターなどが存在するが、現在はオークションなどで僅かに取引されている程度で、このカードの存在自体が忘れ去られている。


関連項目

外部リンク