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クリスチャントゥデイ

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株式会社 クリスチャントゥデイ[1]
Christian Today Co., Ltd.[1]
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
101-0032
東京都千代田区岩本町2-13-6
ミツボシ第3ビル4階[1]
設立 2002年5月20日[1]
業種 情報・通信業
法人番号 2010001107254 ウィキデータを編集
事業内容 新聞の発行・出版・その他[1]
代表者 代表取締役社長 矢田喬大[1]
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クリスチャントゥデイ(英語:Christian Today)は、日本のキリスト教新聞インターネットメディア。

クリスチャン・メディア・コーポレーション(CMC)は、キリスト教メディアの世界的ネットワークとしてアメリカ、イギリス、日本、韓国等の世界各国の主要土地に記者を有し、新聞を発行している[2]。日本クリスチャントゥデイはそのネットワークの一部であり、過去には韓国クリスチャントゥデイ、(米国)クリスチャンポスト及びベレコムから資金援助を受けていた[3]。 傘下のアメリカクリスチャンポスト英語版とは記事の提携関係があるが、名前の似ているキリスト教雑誌「クリスチャニティ・トゥデイ」とは関係はない。

沿革

  • 2002年5月20日 創業、インターネット上での報道を開始。創業者は高柳泉(元東京ソフィア教会牧師[2]、現名古屋恩寵キリスト教会牧師)
  • 2004年4月11日 新聞「クリスチャントゥデイ」創刊、その後休刊
  • 2009年7月26日 日本プロテスタント宣教150周年を記念して、新聞「クリスチャントゥデイ」を復刊(現在、休刊中)
  • 2011年7月29日 峯野龍弘を会長とする新体制発足[4]
  • 2013年11月29日 出版事業を開始
  • 2014年4月1日 宮村武夫が編集長に就任[5]
  • 2017年4月1日 元いのちのことば社職員の雜賀信行が編集長[6]、前編集長の宮村武夫が論説主幹に就任[7]
  • 2018年2月1日 宮村武夫が編集長に再任[8]
  • 2019年8月19日 宮村武夫死去[9]
  • 2019年11月30日 峯野龍弘退任
  • 2019年12月1日 井出北斗が編集長に就任

堀内顕牧師(論説委員特別顧問)、折田政博牧師(論説委員顧問)ら、プロテスタントの中でも福音派の牧師達が主要な役職に就いている[10]

  • 代表取締役社長・・・矢田喬大(東京ソフィア教会元賛美リーダー、イエス青年会元会長[2] 現淀橋教会員)
  • 論説委員
  • 編集部
    • 井出北斗(編集長、元東京ソフィア教会教会員)
    • 内田周作(副編集長、淀橋教会員)

紙面・論調

基本信条・報道理念

基本信条では、「キリスト教報道機関として、一般クリスチャン大衆に向けての公正かつ迅速な情報提供を信条とします」「新約聖書マタイによる福音書5章37節「あなたがたは、『はい』は『はい』、『いいえ』は『いいえ』とだけ言いなさい」という声明に基づき、イエス・キリストの御言葉こそ真実であると宣べ伝えることを全業務の本拠とします」などとしている。

また、報道理念では「福音による個人変革と社会変革を標榜」「オンライン報道の使命」を掲げており、実践的四大方針として、

  1. 福音主義の堅持
  2. 宣教第一主義
  3. 教会一致とグローバルな視点の提示
  4. 福音文化の普及と社会貢献

の4つを掲げている。

報道内容・論調

国内ニュースは、プロテスタントと関係のあるニュース、中でも福音派教会派)に関係のあるニュースが主要な位置を占めているが、エキュメニカル派社会派)、カトリック、正教会、コプト教会のニュースも扱っている。国際ニュースは、国内の他のキリスト教系新聞よりも豊富で、こちらも同じく福音派の報道が目立つが、世界教会協議会(WCC)などエキュメニカル派のニュースも扱っている。世界キリスト教情報からの配信も受けており、「CJC」とクレジットが付いた記事は世界キリスト教情報からの配信記事である。世界キリスト教情報ではカトリックのニュースが多く(主に、ローマ教皇の動きなど)、そのため、国際ニュースでもカトリックのニュースをある程度カバーしている。また、キリスト教と直接関わりがなくても、社会的に話題となっている問題、事件などは報じている。

救世軍少佐・山谷真との裁判闘争

事件の発端

2006年ころ、救世軍の少佐(牧師山谷真ブログ上で、クリスチャントゥデイは統一協会学舎長および鮮文大学設立に関与した経歴を持つ張在亨が設立したメディアであり異端的教義を教えている、などの疑惑を提起、同社をカルトであると主張しはじめ、インターネット上で論争が激化した。 山谷はインターネット上で論戦を継続する動機として、次の三点を挙げている。

  • 「第一は、CT の問題性について教界に周知する」
  • 「第二は、k 氏(後述)ご両親より、CT の問題性の追及をネット上にて継続して欲しいとの依頼による」
  • 「第三は、CT の異端カルト性を認識して問題意識を持っている人たちとの国内外のネットワークを形成する」[11]

根拠とされた元信徒のノート

山谷は、クリスチャントゥデイ社員で東京ソフィア教会元信徒のKの自筆ノートを、異端信仰の最重要の根拠のひとつとしてブログに掲示した。

これに対し元信徒Kは2006年11月19日、山谷への反論として「信仰弁証文」を公表し、

  • 「この文章は、私がそれを居眠りしながら聞いたため間違って理解し、宣教師に違うと指摘されたものです。だから下に×があるのです。」
  • 「『新しいキリストがどこかで誕生しているにもかかわらず』など、人間としてキリストが再び現れるとは教えていません。」
  • 人のノートを勝手に使ったうえに、そのまま宣教師が教えたかのように書かれています。
  • ダビデ張牧師をキリストと信じたことは一度もありません。私のキリストはイエス様だけ。再臨のキリストはイエス・キリストご本人のみです。」
  • 「聖書講義が恵み深い内容だったので、聴講しながらノートを取るようになりました。ノートを取った講義には通常の講義のほか、異端対策講義もありました。異端の教義の異常性と矛盾点を学ぶ良い機会でした。」
  • 「私の約20冊の聖書講義ノートを目が回るほど見ていれば、途中何行かだけを見て誤解してしまうこともあるでしょう。しかし私はその誤解に対して、『あなたの解釈は実際の講義内容とは異なっている』と、信仰告白とともに解説したはずです。それに対して謝罪をするのが、牧師とされる人の道義として然るべき態度のはずです。謝罪がないばかりでなく、インターネットの匿名性を隠れ蓑にしてあちこち公表するというのは、牧師として明らかに道徳性に欠けている行為です。

などと述べ、山谷による一連の動きを「異端捏造事件」であると主張した[12]

救世軍との協議・調停申し立て

2007年1月25日、救世軍太田晴久の仲介により、クリスチャントゥデイ側と山谷側の会談が行われた(高柳山谷会談)。この会談の中で太田は、クリスチャントゥデイ側がキリスト教信仰を明確に示すための文言である「信仰告白」を持っていない点を指摘し、信仰告白を公にするなら一連の疑惑が解消する可能性があることを示唆した[13]
2007年4月、クリスチャントゥデイは山谷に対し東京簡易裁判所に1000万円の損害賠償を請求し調停申立を行ったが、調停は不調に終わった。
2007年6月27日、クリスチャントゥデイ安原力と救世軍太田晴久との間に次のような合意が結ばれた。「太田師は、クリスチャントゥデイが張ダビデ牧師を再臨のキリストとして信じる信仰をもっているのではないかという疑惑について、クリスチャントゥデイの信仰告白の発表により、そのような信仰がないことを確認し、この疑惑は解消したと理解した。」[14]

東京地裁への提訴と判決

2008年4月、クリスチャントゥデイは山谷に対し、名誉棄損などで210万円の損害賠償を求める民事訴訟東京地方裁判所に起こした(平成 20 年(ワ)第 10777 号)。
2013年11月13日、東京地方裁判所は判決を下し

  • 「認定事実のとおり、張在亨が自らを再臨主であるとの異端的教義を伝道している疑惑が広まったが、張在亨の再臨疑惑については,韓国キリスト教総連合会の異端対策委員会(CCK)が、証拠がなく事実でなく異端性が全くないとの判断を示し,世界福音同盟においても同趣旨の通知が公表されたことにも照らせば、原告会社において張在亨が再臨主であるとの異端的教義が信奉され教え込まれていると認めるには足りない
  • 「認定事実のとおり、張在亨は統一教会が関係する学校ないし大学に勤務し神学を教授していた経歴が認められるもの、CCKが2002年から統一教会疑惑についての調査を行い、1997年以降の嫌疑を立証できざず張在亨の疑惑についての問題は終結したことを公表したことが認められるので、『張在享が2006年時点でも統一教会の幹部信者であった』との表現は、真実性を認めることが出来ない

として、クリスチャントゥデイが削除を要求した87箇所のうち46カ所を名誉棄損表現と認めた。また、

  • キリスト教に関する情報提供を目的とする団体にとって、カルト団体である旨の評価がされることは、その活動の信憑性を著しく損なうおそれがある」とし、
  • また山谷の行為は「意見ないし論評としての域を逸脱したものとして違法性が認められる

として、95万円の損害賠償の支払いと名誉棄損表現の削除を命じた[15]
東京地裁判決の主文認定事実は下記のとおりである[16]

主文

  • 被告は、原告株式会社クリスチャントゥデイに対し、55万円及びこれに対する平成20年4月29日から支払い済みまで5分の割合による金員を支払え。
  • 被告は、原告高柳泉に対し、25万円及びこれに対する同日から支払い済みまで5年の割合による金員を支払え。
  • 被告は、原告矢田喬大に対し、15万円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
  • 被告はインターネットで被告が管理するウェブサイト「MAJOR MAK’S DIALY」並びにアカウント名「ct-cult,newcollegiate」及び「dga」に記載された文言のうち、別紙主張整理表の「番号」欄の各「該当箇所」欄記載のブログにおける各「表現内容」欄に引用された文言(一部を除く)を削除せよ。
  • 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
  • 訴訟費用は、これを2分し、その1を被告の負担し、その余を原告らの負担とする。
  • この判決は、第1項、第2項及び第3項に限り、仮に執行することができる。

認定事実

(1)「張在亨が来臨(再臨)のキリストである」との教義は、キリスト教においては異端的な教義である(弁論の全趣旨)。
(2)張在亨の疑惑調査

  • 韓国基督教総連合会(以下「CCK」という。)は、同会の会員である大韓イエス教長老会合同福音総会長の張在亨(同人は、「ダビデ張」、「張在洞」などと称される人物である。以下、同人物については「張在亨」という。)について、統一教会に関係している疑惑があるとして、異端対策委員会を設置し、調査した。上記調査が開始されたことは、韓国のオンライン新聞である「News N Joy」に掲載され、キリスト教界に知れ渡たることとなった。日本におけるキリスト教福音派の組織である日本福音同盟(JEA)は、平成16年6月17日、その加盟盟団体に対し、原告会社についての調査結果として、韓国新聞社「韓国基督公報」による次の報告があつた旨を通知し、原告会社による取材を一切受けないことを決定した。

「韓国クリスチャン新聞の常任理事、張在洞牧師は、統一教会の核心メンバーであることが判明。このことについての記事が韓国のオンライン新聞であるNews N Joyに出ている.基督公報の取材によれば、海外ネットワークとして日本と中国に力を入れているらしい。張在洞牧師は現在、合同福音教団の総会長ですが、韓国基督教総連合会から異端として調査中である。(クリスチャン新聞提供)」
これを受けて、救世軍は、同月18日、被告を含めた救世軍関係者に対して、「『クリスチャントゥデイ』新間の件」と題するフアックスを送信し、上記日本福音同盟による調査結果を配布した。

  • 張在亨は、CCKの異端対策委員会に対し、統一教会関連団体で働いていたことがあり、これを深く悔い改めて懺悔する旨記載した「悔い改めの自筆覚書」を提出し、上記異端対策委員会は、 8月12日に全体会議を開き、上記覚書の内容を公開した。CCKの異端対策委員会は、平成17年9月6日、調査の結果、「張在亨が1997年以降統一教会と関係をもつた形跡はない」旨の声明を発表し、これは日本福音協会のホームページにも掲載された。
  • CCKの異端対策委員会は、平成21年及び平成22年に、張在亨が自らを再臨主(世界の終末の日にキリストとして再びこの世に現れる者のこと。)とする疑惑について、調査及び再調査を行ったところ、「嫌疑なし」の結果となった。CCKは、平成23年、張在亨の統一教会疑惑及び再臨主疑惑について、無嫌疑であり、問題は終結したことを公表した。正統派キリスト教徒の最大組織である世界福音同盟(WEA)は、同年、その加盟団体である日本福音同盟に対して、張在亨の疑惑は解消された旨を通知した。なお、 CCKから分裂した韓国教会連合(CCIK)は、張在亨の疑惑の追及を継続している。

(4)張在亨の経歴

  • 張在亨は、昭和24年10月30日、大韓民国で出生し、昭和47年から昭和52年1月まで、統一教会の学生組織である原理研究会の新村学舎の責任者として、活動し、昭和50年2月8日には統一教会の合同結婚式に参加していた。張在亨は、昭和57年3月、統一教会の学生組織である国際基督教学生連合会の事務局長に就任した。統一教会は、昭和60年頃、成和神学校を設立し、同校を母体として鮮文大学を設立することを計画し、同大学の設立準備委員会を組成したところ、張在亨は同委員会に参加した。張在亨は、昭和61年9月、成和神学校企画室学生担当に就任し、翌年3月、成和神学校企画室長に就任した。昭和63年9月1日、統一教会の神学校である統一神学校と成和神学校が合併し、平成元年、張在亨は成和神学校学生部長兼教務課長に就任し、同校で神学の教授を担当するようになった。平成3年3月4日、成和神学校が成和大学に改編されたところ、張在亨は、神学教授として同大学に勤務し、平成5年12月29日、同大学が鮮文大学に改称した後も、平成10年1月まで同大学に勤務していた。
  • 張在亨は、大韓イエス教長老会国際合同総会の総務、大韓イエス教長老会合同福音の総会長、豪州サザンクロス神学校教授などを経て、イエス青年会、アポストロス・キャンパス・ミニストリー(ACM。以下「ACM」という。)を設立し、世界福音同盟(WEA)の北米支部理事を務めている。張在亨は、アメリカのカルフォルニア州サンフランシスコ市のオリヴェット大学を創立し、その学長に就任していた。

(5)各種団体及び人物の関係

  • 大韓イエス教長老会合同福音は、張在亨が韓国において設立した教団であり、張在亨が指導者として総会長を務めている。
  • EAPCは、平成4年年、若者への宣教運動を目的として、ACMの後援によって創立された国体であり、アメリカ等に多数の教会を設立している。
  • 東京ソフィア教会は、平成10年1月頃、大韓イエス教長者会合同福音の宣教師であるAが設立し、平成17年1月頃まで存続した教会である。東京ソフィア教会は、後に、日本キリスト教長老教会に所属することを明示するようになった。日本キリスト教長老教会は、大韓イエス教長老会合同福音により派遣された宣教師が組成した複数の教会の集まり(教団)であり、平成15年7月頃に日本キリスト教長老教会と称するようになった。Aは、平成15年4月又は5月頃、原告Tを、大韓イエス教長老会合同福音の日本における代表者として日本代表使役者の地位に任命した。
  • 日本キリスト教長老教会のホームページには、「青年宣教」として、ACMのホームページヘのリンクが添付されているところ、同ホームベージの画面の下には、「Copyright」として、EAPCの名称が記載されている。
  • 東京ソフィア教会の所在地は、平成15年3月末までは①東京都文京区本郷2丁目26番8号フカナビル3階であり、同年4月以降は、②東京都新宿区山吹町352番22グローサ・ユウ新宿ビル3階であつた。上記①は、原告会社の設立当時の原告Tの住所、株式会社ベレコム(以下「ベレコム」という。)の所在地と同―であり、上記②は、原告会社設立当時の本店所在地と同一であり、原告Tが同ビルの3、4階の賃貸借契約を締結した。原告会社は、設立時(平成15年5月15日)、上記②のビルの4階を本店所在地としていたが、同年12月頃、東京都渋谷区神泉町18-8SHOTOビル204号に移転し、その後は、東京ソフィア教会が上記②のビルの3、4階を使用していた。平成19年(2007年)4月10日、韓国クリスチャントゥデイの住所は、原告会社の住所(東京都千代田区西神田2丁目7-6川合ビル3階38号)と同一であつた。T山谷会談の直前、原告Tの名刺には、原告会社の住所地として韓国クリスチャントゥデイの日本における連絡先が記載されていた。
  • 東京ソフィア教会の電話番号の登録者は、Aであり、その後の東京ソフィア教会の電話番号の登録者は、原告Tである。また、ACM、東京ソフィア教会、原告Tの電話番号として使用されていた電話番号の登録者は原告Tである。
  • 原告会社は、設立時に、韓国クリスチャントゥデイ及びクリスチャンポストから資金援助を受けた。また、活動資金がひっ迫した際に、韓国クリスチャントゥデイ及びベレコムから資金援助を受けた。
  • 張在亨は、平成12年、オリヴェット神学校(Olivet Theological College & Seminary)を設立し、同校は、平成16年2月、オリヴェット大学(Olivet University)に改編された。張在事は、平成18年7月頃まで、同大学の理事長であり、それ以降は総長の地位にある。OUは、そのホームページにおいて、宗派がEAPCである旨記載している。
  • 原告Tは、UCLA在学中にACMの伝道を受け、OUの前身であるOTCSに入学し、平成15年3月23日に卒業して日本に帰国し、同年4月頃、大韓イエス教長老会合同福音の宣教師であるAから日本代表使役者に任命され、東京ソフィア教会の伝道師として活動していた。原告Tは、同年5月17日、大韓イエス教長老会合同福音において、張在亨から牧師の按手を受け、同年秋頃まで東京ソフィア教会の牧師としての活動に従事していた.原告Tは、同月15日、原告会社を設立し、代表取締役に就任した。原告Yは、株式会社ベレコムの取締役であり、東京ソフィア教会の第5回賛美礼拝における賛美リーダーであった者で、ACM千葉センター代表者、イエス青年会の会長でもあった。原告会社の設立当初の住所地は、東京都新宿区山吹町352番22グローサ・ユウ新宿であり、ACMの本部も同所に所在した。原告会社の記者である I は、東京ソフィア教会の信者であった。

(6) クリスチヤントゥデイは、キリスト教メデイアの世界的ネットワークとして、アメリカ、イギリス、 日本、韓国等の世界各国の主要土地に記者を有し、新間を発行している。原告会社は、上記ネットワークの一部として、 日本において「クリスチヤントゥデイ」という新聞を発行する組織である。
(7)聖書講義ノート

  • Kは、東京ソフィア教会の信徒であつた平成14年頃、教会での講義内容を記載したノートを作成した。上記ノートには、「イエスキリストではなく、来臨のキリスト」などと記載されており、この記載は、「イエスキリスト」が再臨することを教義とするキリスト教とは異なり、異端的な教義に基づく記載である。被告は、Kの両親がKのアパートで発見したノートの一部として、上記ノートを受領した。
  • Kは、原告会社の記者であり、編集長であつた。
  • この点、原告らは、本件ノートがKによって作成されたか不明であり、形式的証拠力がない旨主張するが、原告会社が発行したインターネット新聞「クリスチャントゥデイ」において、Kが本件ノートを作成したと名乗り出た旨の記載があることに加え、原告会社の記者であるIが作成した匿名のブログ「Sola Gratia」において、被告が問題としているノー卜は所有者がKであることを前提とした記載があること、原告Tは、Kと連絡が取れるにもかかわらず、全く本件ノートの作成経緯やその内容についてKに確認していないなどと供述していることにも照らせば、本件ノートそれ自体は、Kの所有物であり、同人が作成したものであると認めることができる。

被告の控訴断念と敗訴確定

これを受け、被告である山谷真は控訴を断念することを表明し、即日、名誉毀損とされた表現を自身のブログから削除するとともに、損害賠償金121万5348 円(遅延損害金を含む)をクリスチャントゥデイに支払い、被告の敗訴が確定した。(後にクリスチャントゥデイはこの賠償金の全額を救世軍の社会鍋に寄付した[17]。)
また、原告のクリスチャントゥデイ側は「東京地裁は山谷氏に95万円の賠償と、名誉棄損表現にあたる記述の削除を命じる判決を言い渡した」と報じた[18]

仮処分命令

2013年、上記の判決後もブログを継続していた山谷に対し、クリスチャントゥデイはさらに26箇所の表現について掲載禁止を求めて仮処分の申立て(平成 25 年(ヨ)第 4140 号)を行ったが、2014年2月に東京地方裁判所はクリスチャントゥデイの主張を認め、山谷に対してこれらの表現を掲載してはならないとの命令を下した[19]
この結果、山谷のブログの記事は全て削除されるに至っている。

クリスチャン新聞編集顧問・根田祥一との論争

クリスチャン新聞編集長(現・編集顧問)根田祥一は、上記の裁判の結果について、同紙の記名記事をはじめFacebookなどを通し、下記のような主張を活発に発信し続けている(なお根田が主張し続ける以下の表現のうちの全部または一部は、すでに記述した仮処分命令で、追加で削除を命じられた毀損表現に該当する可能性があることには注意が必要である[20])。

  • 「裁判費用も原告被告で2分するなど、いわば『引き分け』の判断」[21]
  • 「CT側が削除を要求したブログ記事の表現は87か所に及ぶが、判決はこのうち41か所について真実・相当性、公共性・公益性が認められ」ている。
  • 被告のブログの中の「統一教会核心メンバーであった張在亨氏が、自分自身を『来臨のキリスト』として若者たちに教え込み、張氏が設立した関連団体と関連企業に献身させて、無賃労働をさせている上、そうした実態を糊塗しつつ、世界福音同盟(WEA)への浸透を企て、成功を収めつつある、という疑惑」との表現については、「真実であると信じるにつき相当な理由があった」と東京地裁が「認めた」。[22]

根田祥一によるこれらの主張に対して、クリスチャントゥデイは下記のような反論を展開している。

  • 「46カ所にも及ぶ名誉棄損表現を認めた今回の判決を重く受け止めるべきだが、根田氏はこの判決内容自体を著しく歪曲し、まるで引き分けたかのように伝えた。」[23]
  • 「今回の判決により、クリスチャントゥデイを異端・カルト団体と指摘し、従業員がマインドコントロールを受けているなどと主張してきた山谷氏の数々の記述は、『合理的な根拠があるとはいえない』『裏付ける証拠はない』『意見ないし論評としての域を逸脱したものとして違法性が認められる』などと、明らかな名誉棄損行為と認められた。」「同氏がブログ上でクリスチャントゥデイに対する名誉棄損行為を始めてから約8年を経てようやく、山谷氏敗訴のかたちで事件の決着がついた。」[15][17]
  • 「本紙のほぼ完全勝訴だった裁判を、クリスチャン新聞で編集長だった根田氏が、引き分けと報道した。」[24]

韓国キリスト教界の動向

韓国基督教総連合会(CCK)

東京地裁判決の「認定事実 (2)張在亨の疑惑調査」を参照。

韓国教会連合(CCIK)

2013年11月の東京地裁の判決では「CCKから分裂した韓国教会連合(CCIK)は、張在亨の疑惑の追及を継続している」などとされていたが、すでにCCIKは2013年3月に役員会において「張在亨牧師と関連キリスト教メディアを異端とすることは出来ない」と発表していた[25]
その後も、2014年の時点でもCCIK発行の資料に各加盟教団の張在亨異端疑惑についての過去の総会決議が掲載[26]されるなどしていたたものの、2019年6月には「張在亨牧師と韓国クリスチャントゥデイを異端規定していない」とする公文書を韓国クリスチャントゥデイに回付している[27]
さらに2019年9月、

  • 「News N Joyが『CCIKが張在亨を異端決定した』と報道したことの事実確認をCCIKに対して行ったが、『張在亨牧師を異端決定はしていない』との答申があった」、
  • 「9月5日に韓国教会百周年記念館で行われた大韓イエス教長老会統合の異端対策委員会では、本紙には問題がなく、張在亨牧師の再臨主疑惑はすでに解消されことが明確にされた」との報道が、韓国クリスチャントゥデイからなされた[28]

この報道以降、少なくともCCIKという包括団体の次元では、張在亨の異端疑惑追及が行われている事実は確認できない。

日本国内のキリスト教界の動向

2018年1月27日、日本基督教団は総会議長(石橋秀雄)名で、「クリスチャントゥデイに対する疑惑が解消されるまで、クリスチャントゥデイと一切の関係を持たない」とした2008年の議長声明を引き継ぎ、「クリスチャントゥデイなど張在亨牧師関係グループに対して、キリスト教として同一の線に立つことは出来ないとの判断を再確認」する議長声明を新たに発表した[29]
2018年2月24日、日本基督教団統一原理問題全国連絡会は「クリスチャントゥデイなど張在亨牧師関係グループに関する説明会」を開催し、脱会者と称する人物の証言ビデオを公開するなどした。[30]

2019年3月28日、ウェスレアン・ホーリネス教団は第20回教団総会において、

  • 「この企業の被害者と言われる方々を含む多方面からの情報を集めて確証を得る努力」をしてきた、
  • 「しかし未だ確証を得るには至っておらず、真偽についての結論は出せない」、
  • 「今後さらに、調査委員会を設け、真偽を明らかにする」

などとする「クリスチャントゥデイに関する見解」を発表した[31]

「現役従業員声明」

2018年2月8日、当時のクリスチャントゥデイ編集長を含む7人のスタッフが連名で「異端疑惑は誤解だと主張してきた矢田氏たちを信じて、その働きの一翼を担ってきたことは慚愧に堪えない」、「読者並びに関係者の皆さまには心からお詫び申し上げたい」などと主張する『クリスチャントゥデイ異端疑惑をめぐる弊社従業員声明』を公表した[32][33]

「ビオラの会」などの自称「脱会者」の活動

2018年9月、「日本キリスト教長老教会(旧)の元信者ら」と称する「ビオラの会」は、

  • ダビデ牧師や上の立場にいる宣教師の指示が絶対服従・学生の身分で多額のローン・支配関係があったことによる精神的な苦痛
  • 聖婚を強要されたことによる苦痛
  • 株式会社クリスチャントゥデイ、株式会社ベレコム、ブレスキャスト、ジュビリーミッション、ACM(現在はAM)等で無報酬の状態で、契約書、報酬の有無に関する説明、保証など一切なかったこと
  • ダビデ牧師が設立したオリベット大学の授業料を支払ったが実質授業はあまり受けることがなかったこと

など「人権侵害、被害を訴えたい」とする声明をキリスト新聞公式サイトに発表した[34]

また、2019年2月からブログ「ダビデ牧師と共同体を考える会」[35]において、匿名者により「脱会者による証言」としてクリスチャントゥデイを批判する立場から投稿がなされていたが[36]、2020年1月7日以降このブログは閲覧不能になっている[37]

クリスチャントゥデイによる対抗報道

2018年2月18日に、クリスチャントゥデイは「現役従業員声明」の背後にクリスチャン新聞編集顧問根田祥一の扇動があった疑いがある、と報じた[38]

2018年10月26日、「『ビオラの会』は今年7月に結成されたと伝えられているが、その内容はすでに十数年前に提起された問題を焼き直ししたようなもので、『疑惑再熱』を願う一部の人々がけしかけたようにも見える」、また「メンバーは全員が匿名で、本紙に寄せられた情報によると、日本の別のキリスト教紙は声明を入手していたが、匿名で会の実態が分からず、掲載を見送った」などと報じた[39]

2018年12月29日、クリスチャントゥデイは「キリスト新聞の記事には、いわゆる『ビオラの会』と呼ばれ、その実体が不明な団体に所属しているとする人物が登場する」が、 「本紙がその内部情報を入手して数日間にわたり調査した結果、本紙元スタッフの中橋祐貴氏が『カルトプログラミング』の手法を使って組織した仮想の団体であることを確認した」、と報じた[40]

2019年10月2日、クリスチャントゥデイは「(『ビオラの会』の代表世話人である)日本キリスト教異端相談所所長の張清益牧師が、自らが牧会する単立とねりキリスト教会(東京都足立区)に通っていた複数の信徒に対し、暴行を加えていたことが、元信徒らの証言で明らかになった」、と報じた[41]

2019年10月9日、クリスチャントゥデイは『ビオラの会』の代表世話人・張清益を宣教師として派遣していた韓国の教会が「派遣をすでに打ち切っていることを明らかにした」、「派遣打ち切りの具体的な理由については明らかにしなかったが、張氏に何らかの不祥事があったのか確認しても、否定はしなかった」、「張氏の所属教団である大韓イエス教長老会(合同)の宣教会も、張氏の暴行問題が報じられたことを重大に受け止め、調査することを明らかにしている」、などと報じた[42]

2019年11月25日には、「2017年に単立とねりキリスト教会において、他の女性信徒も張清益牧師から暴行を受けた」と報じた[43]。さらに、女性信徒1名については警察の捜査が行なわれた、とも報じた[44](その後、張清益は書類送検され、2020年1月9日東京地検はこれを不起訴処分とした[45])。

2019年12月3日、クリスチャントゥデイは「2018年12月に韓国のNews N Joyが報じた、異端疑惑の証拠とされる聖書講義のノートを、異端カルト110番編集長の中橋祐貴氏が自分で書いたと述べ事実上の捏造であったことを認め、またNews N Joyの取材の席には根田祥一氏も同席しており、根田氏の主導が鮮明になった」と報じた[46]

脚注

  1. ^ a b c d e f 会社概要
  2. ^ a b c 20131113 クリスチャントゥデイ山谷少佐裁判東京地裁判決”. sinso_christianto. 2019年11月20日閲覧。
  3. ^ 山谷裁判判決主文及び認定事実 | 牧師のブログ
  4. ^ クリスチャントゥデイ新体制発足、会長に峯野龍弘氏
  5. ^ 宮村武夫氏がクリスチャントゥデイ新編集長に就任 役員、論説委員らが歓迎
  6. ^ 信じて心燃やされる者に―編集長就任あいさつ 雜賀信行
  7. ^ 感謝、そしてこれから―論説主幹就任あいさつ 宮村武夫
  8. ^ 宮村武夫氏死去
  9. ^ 宮村武夫氏死去
  10. ^ 論説委員・役員
  11. ^ 「昆布山谷往復書簡」2007年12月11日17時43分
  12. ^ 東京ソフィア教会元信徒K氏の証言 牧師のブログ
  13. ^ 高柳山谷会談音声記録
  14. ^ CT山谷会談に関する太田安原合意署名
  15. ^ a b 山谷裁判判決全文|牧師のブログ
  16. ^ クリスチャントゥデイ山谷少佐裁判東京地裁判決
  17. ^ a b 名誉棄損で賠償命令の山谷真牧師、控訴断念し敗訴確定 賠償金など計121万円支払う|クリスチャントゥデイ
  18. ^ クリスチャントゥデイの名誉を棄損 山谷真牧師に賠償命令
  19. ^ 20140204 仮処分決定
  20. ^ 20140204 仮処分決定
  21. ^ クリスチャントゥデイ裁判:名誉棄損“引き分け”--東京地裁 謝罪請求は棄却|クリスチャン新聞
  22. ^ クリスチャントゥデイ対山谷裁判 東京地裁判決「来臨キリスト疑惑」事実認定|クリスチャン新聞
  23. ^ 根田祥一クリスチャン新聞編集長、山谷真氏敗訴の法廷判決を歪曲し否認[リンク切れ]
  24. ^ 中橋祐貴氏、事実上のノート捏造認める 根田祥一氏が真っ先に釈明
  25. ^ CCIK、異端関連問題に慎重な態度を示す | キリスト教教界ニュース(韓国語)
  26. ^ 韓国教会連合刊『正しい信仰のための異端予防白書・総合資料Ⅰ』2014年, pp.314-316.
  27. ^ 韓国教会連合が張在亨牧師と韓国クリスチャントゥデイを異端規定していないとする2019年6月発行の公文書 | カルトウォッチ
  28. ^ 教界 本紙と設立者に対する疑惑解消再確認 크리스천투데이
  29. ^ 【4875号】クリスチャントゥデイなど張在亨牧師グループに関する声明
  30. ^ 日本基督教団統一原理問題全国連絡会配布資料
  31. ^ 2019年ウェスレアン・ホーリネス教団年会 感謝報告
  32. ^ 「クリスチャントゥデイ」現役従業員が連名で声明|2018年2月8日 キリスト新聞社ホームページ
  33. ^ クリスチャントゥデイのスタッフがお詫び声明 しかし声明は削除 編集長は更迭|やや日刊カルト新聞
  34. ^ ダビデ張グループ脱会者が緊急声明 消えぬ苦痛 報復に怯える日々|キリスト新聞
  35. ^ クリスチャントゥデイ問題 ウェスレアン・ホーリネス教団 〝真偽明らかにする〟調査委員会を設置 教団年会で議論紛糾 2019年3月28日 キリスト新聞
  36. ^ Face book
  37. ^ ダビデ牧師と共同体を考える会
  38. ^ 根田祥一氏による「魔女狩り」騒動に関して|クリスチャントゥデイ
  39. ^ クリスチャントゥデイ2018年10月26日号
  40. ^ クリスチャントゥデイ「カルトプログラマーの虚偽情報に基づいて異端フレーム工作に加担したキリスト新聞」
  41. ^ クリスチャントゥデイ2019年10月2日号
  42. ^ クリスチャントゥデイ2019年10月9日号
  43. ^ 張清益牧師暴行問題、告発者が詳細明かす クリスチャントゥデイ2019年11月25日号
  44. ^ 張清益・異端カルト110番代表の信徒暴行問題、警察が捜査
  45. ^ 本サイト代表、張清益の不起訴が確定
  46. ^ 中橋祐貴氏、事実上のノート捏造認める 根田祥一氏が真っ先に釈明 クリスチャントゥデイ

外部リンク