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稲荷駅

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稲荷駅
駅舎外観(2018年5月)
いなり
Inari
JR-D02 東福寺 (1.6 km)
(2.3 km) JR藤森 JR-D04
地図
所在地 京都市伏見区深草稲荷御前町
北緯34度58分0.6秒 東経135度46分15.06秒 / 北緯34.966833度 東経135.7708500度 / 34.966833; 135.7708500 (稲荷駅)
駅番号 JR-D03
所属事業者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
所属路線 D 奈良線
キロ程 2.7 km(京都[* 1]起点)
電報略号 イナ
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
乗車人員
-統計年度-
9,318人/日(降車客含まず)
-2018年-
開業年月日 1879年明治12年)8月18日
備考 業務委託駅
みどりの券売機プラス設置駅
京 京都市内
  1. ^ 正式な起点は木津駅
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ホーム(2020年4月5日)
改札口(2020年4月5日)
ランプ小屋
初詣客で混雑する駅前(2016年1月1日)

稲荷駅(いなりえき)は、京都府京都市伏見区深草稲荷御前町にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)奈良線である。駅番号はJR-D03

伏見稲荷大社への最寄り駅で、正月や紅葉シーズンには一部のみやこ路快速が臨時停車する。

歴史

1879年、後に東海道本線となる京都駅 - 大谷駅間の鉄道が開業した際に開設された。翌年には大谷から大津まで延伸、1889年には新橋駅 - 神戸駅間が全通し、東海道本線の駅となった。

1921年に東海道本線の馬場(現在の膳所駅) - 京都駅間が新逢坂山トンネル・東山トンネル経由の現在線に切り替えられ、同時に残る京都駅 - 稲荷駅間が桃山駅からの奈良線の新線と接続され同線に編入(詳細は路線記事を参照のこと)されたため、稲荷駅は奈良線の駅となった。

年表

駅構造

相対式ホーム2面2線を持つ地上駅で、分岐器絶対信号機を持たないため、停留所に分類されていたが、2018年4月ごろに配線変更を行わず駅前後の信号機が絶対信号機に変更されたため、停留所ではなくなった。曲線部にあるためホームがカーブしている。駅舎は2番のりば(下り)側にあり、反対側の1番のりば(上り)へは跨線橋で連絡している。2008年12月にエレベーターと非常ボタンの使用が開始され、バリアフリー化された。

1935年昭和10年)に竣工したコンクリート造りの駅舎を有する。伏見稲荷大社の最寄り駅ということもあり、駅の柱が一部朱色に塗られている。また、構内にはかつてこの駅が東海道本線の駅であった名残の国鉄最古のランプ小屋準鉄道記念物)が現存している。内部には当駅や奈良線に関する備品類が収蔵されている。なおランプ小屋の建築年については、1900年(明治33年)とする研究家による異説が存在する。

宇治駅が管理し、JR西日本交通サービスが駅業務を受託している業務委託駅である。ICカード乗車券ICOCA」を利用できる(相互利用可能ICカードはICOCAの項を参照)。JRの特定都区市内制度における「京都市内」の駅で、第1回近畿の駅百選に選定されている。

のりば

のりば 路線 方向 行先
1 D 奈良線 上り 京都方面
2 下り 宇治奈良方面

利用状況

京都府統計書によると、1日の平均乗車人員は以下の通りである。近年、伏見稲荷大社を訪れる外国人観光客が増加しており、個人で訪れる外国人の多くが当駅を利用している。また、JR奈良線の利便性が向上したことに伴い、龍谷大学深草学舎の学生の利用も増加傾向である。ただし、2014年の2学期から立命館中学校・高等学校が移転し、同校の学生の利用がなくなった。跡地には2016年に新たな京都市立京都工学院高等学校が設立された。

前述のように、正月は伏見稲荷大社への初詣客で激しい混雑となるため、京都駅や宇治駅からJR西日本の社員が派遣されて臨時改札を設けるなどの駅構内整理に当たり、またみやこ路快速の臨時停車と増結を行うなどして捌いている。また、近年は伏見稲荷大社が外国人観光客に人気となり、正月三が日以外にも利用が非常に多くなっているが、駅構内はバリアフリー化されたものの狭小で普通電車は4両編成と短く、行楽シーズンは乗降に時間がかかり、列車に大幅な遅れが出たり、積み残しが発生している状況である。

年度 一日平均
乗車人員
1999年 4,203
2000年 4,266
2001年 4,471
2002年 4,567
2003年 4,759
2004年 4,951
2005年 5,055
2006年 5,233
2007年 5,406
2008年 5,452
2009年 5,375
2010年 5,608
2011年 5,896
2012年 6,492
2013年 7,016
2014年 7,285
2015年 8,683
2016年 9,041
2017年 9,523
2018年 9,318

年度別1日平均乗車人員(1930年代—1940年代)

各年度の1日平均乗車人員は下表の通り[5]

年度 1日平均
乗車人員
1931年(昭和06年) 173
1932年(昭和07年) 184
1933年(昭和08年) 226
1934年(昭和09年) 231
1935年(昭和10年) 272
1936年(昭和11年) 256
1937年(昭和12年) 265
1938年(昭和13年) 348
1939年(昭和14年) 364
1940年(昭和15年) 320
1941年(昭和16年) 435

駅周辺

駅を出るとすぐ、伏見稲荷大社への参道が続く。伊藤若冲五百羅漢と墓のある石峯寺 (京都市)は、南東へ徒歩8分ほど。

路線バス

稲荷大社前
バス停は駅前ではなく、駅から350m西方の師団街道沿いにある
勧進橋
駅から1km西方の国道24号線上にある

隣の駅

西日本旅客鉄道
D 奈良線
みやこ路快速・快速・区間快速
通過
普通
東福寺駅 (JR-D02) - 稲荷駅 (JR-D03) - JR藤森駅 (JR-D04)
  • 正月三が日の初詣シーズンには、みやこ路快速が臨時停車する。また、その他の行楽シーズンにおいてもみやこ路快速が臨時停車することがある。

かつて存在した路線

鉄道省(国有鉄道)
東海道本線(旧線)
山科駅 - 稲荷駅 (- 京都駅
  • 当時の山科駅は現在と位置が異なる。また当駅が東海道本線所属だった当時は、東福寺駅は未開業であった。

脚注

  1. ^ 天王寺鉄道管理局三十年写真史 P274「駅の変せん」
  2. ^ 天王寺鉄道管理局三十年写真史 P229年表
  3. ^ 「ICOCA」いよいよデビュー! 〜 平成15年11月1日(土)よりサービス開始いたします 〜インターネットアーカイブ) - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2003年8月30日
  4. ^ a b 稲荷駅 駅情報:JRおでかけネット”. 西日本旅客鉄道. 2020年1月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月28日閲覧。
  5. ^ 京都市統計書より、記載された数値を当該年度の日数で除して算出。

関連項目

参考文献

アラディン建築 -赤煉瓦のランプ小屋- 臼井茂信 (鉄道ファン1989年7月号)
土木史研究 講演集Vol‐26 2006年  稲荷駅ランプ小屋の建設年代について 小野田滋

外部リンク