アランフエス王宮
アランフエス王宮 | |
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概要 | |
建築様式 | スペイン・ルネッサンス様式 |
所在地 | スペイン、マドリード |
自治体 | アランフエス |
国 | スペイン |
開業 | 1523年 |
設計・建設 | |
建築家 | ファン・バウティスタ・デ・トレド、 ファンデエレーラ、 フランチェスコ・サバティーニ、 ジュゼッペ・グリッチ、 ラファエルコントレラスムニョス |
アランフエス王宮(スペイン語:Palacio Real de Aranjuez、en)は、16世紀にフェリペ2世の命で建設が始められたスペイン王国の王宮である[1]。設計は、エル・エスコリアルと同じくフアン・バウティスタ・デ・トレドとフアン・デ・エレラによる。18世紀のフェルナンド6世の治世に完成し、カルロス3世によって拡張された。
概要
アランフェス王宮はスペインの首都マドリードから南に約60kmの海抜約489mの高原にある。「カステーリャの地域のオアシス」とも呼ばれる宮殿建築と庭園を持つ。 スペイン王国のハプスブルク家の時代から王宮として使用されていたという長い歴史を持つ宮殿であるアランフェスの王宮は、レコンキスタを完遂したカステーリャ女王、イザベル1世と夫のフェルナンド2世もこの宮殿を好んで訪れていたとされている。
現在の宮殿建築は、16世紀にフェリペ2世の命で建設が始められたものである。建築に携わった建築家は、あのサン・ロレンゾ・デ・エスコリアル修道院を計画・指揮した、ファン・デ・トレドである。アランフェス王宮のバロック様式の建物をルネッサンス様式の建物として飾り付けた様式の建物は、サン・ロレンゾの建物と類似していると指摘される。 王宮からタホ川に沿って広がる庭園(es)は、森や庭からなり、多くの泉や像で飾られている。王宮正面の「パルテレ庭園」、タホ川と人工の川に囲まれた「島の庭園」、タホ川に沿って延びる150haの「王子の庭園」などからなる。かつては王室の農業試験場でもあり、スペイン黄金時代に世界から集めた植物が栽培されていた。
庭園だけでなく、宮殿には多くの部屋がある。特にカルロス3世の「陶器の間」は著名である。その他に、鏡の間、玉座の間も重要な部屋部屋であった。 また、この宮殿には付属して王族衣装博物館もある。そこには華麗な王族達の衣装が展示されている。 その他にラブラドール宮が庭園に付属して計画され、18世紀のネオ・クラシック様の建築となっている。
世界遺産
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タホ川から見た王宮 | |||
英名 | Aranjuez Cultural Landscape | ||
仏名 | Paysage culturel d’Aranjuez | ||
登録区分 | 文化遺産 | ||
登録基準 | (2), (4) | ||
登録年 | 2001年 | ||
公式サイト | [世界遺産センター] | ||
使用方法・表示 |
2001年、王宮と庭園を含む風景は「アランフエスの文化的景観」としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された。自然と人工物からなる景観が何百年も維持され発展してきたことが評価された。経緯は、いかのとおりである。
この世界遺産は世界遺産登録基準のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。
- (2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
- (4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
ギャラリー
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王宮正面
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アポロンの泉(島の庭園)
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中国風のあずまや(王子の庭園)
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農夫の家(離宮)
脚注
- ^ 川成洋『スペイン文化読本』丸善出版、2016年、177頁。ISBN 978-4-621-08995-8。