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Systems Network Architecture

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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Systems Network Architecture ( SNA ) は、IBM1974年に作ったコンピュータ・ネットワークアーキテクチャである。

コンピュータとその資源を結ぶ、完全な w:protocol stack である。SNA はプロトコルの体系であり、自身そのものにプログラムは含まない。SNA の実装については、様々な形のコミュニケーションパッケージが出ており、最も有名なものは、メインフレーム環境において SNA communcations を実現する VTAM である。SNA は、政府の機関、銀行金融機関トランザクションネットワークに、2005年現在も使われている。IBM は2005年現在も SNA のサポートを続けている。が、SNA にとって最も基本的なハードウェアのひとつである 3745/3746 コミュニケーションコントローラーは市場から去っていった。2010 以来、3745/3746 への IBM のサポートもやがて終了するであろう。その結果として、SNA を使って構築されているネットワークは、TCP/IP へと置き換えられていくだろう。

利点と不利点

SNA はアプリケーションプログラムからリンクコントロールを除去した。その機能を、ネットワークコントロール専用のプログラムへ移した。このことは、以下に記す利点と不利点を生んだ。

利点

  • テレコミュニケーションネットワークにおける問題の局地化が容易になった。これは、コミュニケーションリンクに関わるソフトウェアの量が、相対的に少なくなったからである。
  • アプリケーションプログラムにコミュニケーションに関する機能を付け加えることが容易になった。ソフトウェアタイマーやプロセッサーへの割込みを要求する手に負えないリンクコントロールの部分をシステムソフトウェアや NCP へ移したからである。

不利点

  • SNA ではないネットワークへの接続が困難なこと。SNA の「現在のバージョン」でサポートされないコミュニケーションの仕組みを持つアプリケーションは、困難に直面した。IBM が w:X.25 を SNA のサポートに含める前は、X.25 ネットワークへの接続は困難であった。X.25 と SNA プロトコルのコンバージョンは、NCP ソフトウェアの修正または外部にプロトコルコンバーターを設置することによって可能となった。
  • 一見して、SNA ネットワークは、TCP/IP ネットワークと比較して非常に高価なものとして登場した。小さなネットワークにとっては、それは本当に高価なものだった。しかし成長していく大きなネットワークの複合体にとっては、SNA ストラクチャーは安価なネットワークパスを提供するものだった。

論理ユニットタイプ ( Logical Unit Types )

SNA は、様々な種類のデバイスを、各々 a Logical Unit grouping として同定する。LU0 は定義されていないデバイスまたはユーザーが自身で定義したプロトコルを意味する。LU1 はプリンターを意味する。LU2 はダム端末を意味する。LU3 は3270プロトコルを用いるプリンターを意味する。LU4 はバッチ端末を意味する。LU5 は定義されたことがない。LU6 は2つのアプリケーション間のプロトコルを意味する。LU7 は 5250 端末を用いたセッションのために用意されている。使われる最初の LU は、LU1 と LU2、そして w:LU6.2 である( LU6.2 は、アプリケーションとアプリケーションの会話のための進歩したプロトコルである)。


SNAとOSI参照モデル

SNAは7階層の考え方がある。

また、IBMだけでなく、国際標準としても、通信の考え方を規程する必要が出てきた為、ISOにより、1983年にOSI参照モデルが制定された。

このとき、ISOはIBMのSNAを参考にしたと云われているため、SNA・OSI参照モデルは似た構成になっている。

SNA
第7層 トランザクションサービス層
第6層 プレゼンテーションサービス層
第5層 データフローコントロール層
第4層 トランスミッションコントロール層
第3層 経路制御層
第2層 データリンクコントロール層
第1層 物理制御層
OSI参照モデル
第7層 アプリケーション層
第6層 プレゼンテーション層
第5層 セッション層
第4層 トランスポート層
第3層 ネットワーク層
第2層 データリンク層
第1層 物理層

関連項目

外部リンク