コンテンツにスキップ

ダイエー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。ベッチョナイ (会話 | 投稿記録) による 2006年10月27日 (金) 06:09個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎関連会社・団体)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

株式会社ダイエー
The Daiei, Inc.
種類 株式会社
市場情報
本社所在地

本店
兵庫県神戸市中央区港島中町4-1-1

東京本社
東京都江東区東陽2-2-20 東陽町ビル
設立 1957年4月10日
業種 小売業
法人番号 4140001005666 ウィキデータを編集
事業内容 商品の小売・卸売業ほか
代表者 林文子(代表取締役会長)
西見徹(代表取締役社長)
資本金 565億1700万円(2006年2月28日現在)
売上高 単体1兆1754億6800万円、連結1兆4315億0800万円(2006年2月)
従業員数 6979人(2006年2月28日現在)
決算期 毎年2月末日
主要株主 丸紅株式会社33.67%(2006年8月4日現在)
主要子会社 株式会社オーエムシーカード
関係する人物 中内功(創業者)
外部リンク www.daiei.co.jp
テンプレートを表示

ダイエーは、全国的に店舗をもつゼネラルマーチャンダイズストア(GMS)。事業再建計画により、食品スーパーマーケット(SM)に近い業態への変更が進められている。

概要

社名は株式会社ダイエー(英文表記:The Daiei, Inc.)。登記上本店は神戸市中央区港島中町4丁目1番1(神戸ポートアイランド内)。実質的な本社機能は東京都江東区東陽2丁目2番20号に所在する。また、旧ダイエーグループ本社ビル(大阪府吹田市豊津町9番1号の江坂東洋物産ビル)に、一部の事業所が残っている。一時期、ダイエー成増店に、少数のグループが本社機能を移転させた。

1970年代に大きく発展し、1980年代には小売業以外にもホテルプロ野球旅客出版金融など事業分野の多角化に乗り出し、バブル崩壊後の1990年代に至っても「価格破壊」をスローガンに拡張路線を進めたが、1990年代後半から業績悪化が表面化し、21世紀に入ってからは産業再生法の適用及び産業再生機構からの支援を受けて、非主力事業の譲渡や、コア事業である小売部門の縮小などの再建策が行われている。経営不振後は「バブルの負の遺産の象徴」として語られる向きもあるが、高度経済成長下の時代においては、新しい業態を開発し、流通業界を牽引する役割を果たしていた。

パチンコや外食チェーンストアを展開している会社ダイエー観光(本社愛知県豊橋市)、同じくパチンコ店などの遊技場経営を行っている株式会社ダイエー(本社福島県会津若松市)、福岡県山口県などでスーパーマーケットなどを展開するスーパー大栄(本社北九州市八幡西区)、また過去に存在した映画会社大映、および同社がオーナーであったプロ野球チームの大映スターズ→大映ユニオンズなど、"ダイエー"と呼ばれる企業は複数あるが、いずれも同社とは一切関係がない。

名前の由来は、創業者・中内功の祖父・中内栄の名前の「栄」に、「大」をつけた「大栄」であり、「大阪より栄える」という意味もこめられている。また、1975年から2005年11月30日までダイエーグループのスーパーマーケット共通に使われていた(グループ企業のマルエツでは現在も使われている)「D」のシンボルマークは、「上弦の月」をイメージさせるとともに、真円の一部が欠けたデザインとすることで、不完全な円=「永遠の未完成」(=成長し続ける)を意図している。

2005年12月1日から、新しいキャッチコピーごはんがおいしくなるスーパー」の採用とともに、ロゴ(社章)・シンボルマークが一新された。ロゴの「Daiei」は「daiei」になり、その書体も、Helvetica(ゴシック体)から、丸みを感じさせる書体に変更された。シンボルマークは、「Dマーク」に代わり、発見や歓びを表わす「!(感嘆符)」とdaieiの「d」とを組み合わせた(そしてハート型も連想する)イメージに変更されたが、コーポレートカラーのオレンジは、あえて変更されずに継承されている。

また、ダイエーグループだけで販売されている「エレーヌ ヘアスプレー」は、コストパフォーマンスや使い勝手のよさから人気商品となっている。たびたびローソンで発売している、酷似パッケージの「エレラ ヘアスプレー」と混同されることが多い。

プライベートブランド

多くのプライベートブランドを有するが、一部のみを挙げる。

現存するブランド

  • セービング(Savings)
    現在、主力となっているブランド。品目は食料品から日用雑貨まで様々である。旧ロゴデザインは、黒地に大文字の白抜きで、Iの部分のオレンジが縦に波のようになっていた(以前は食品がオレンジ、日用品が緑、衣料品が青と色分けされていた)。
    現在のロゴは、iを逆さにして!のようにし、パッケージによって、ロゴの地の色を変えている。
  • すこやか育ち
    栽培・飼育方法にこだわった、生鮮食料品を中心とするブランド。青果物の栽培情報をウェブサイトで検索できるようにするなど、「安心」を前面に打ち出している。
  • おいしくたべたい!
    2006年3月9日から展開されている新しいブランド。品目は加工食品が中心。低価格を売りにしたセービングとは対照的に、味や素材にこだわり、高付加価値をアピールしている。
  • キャプテンクック(Captain Cook)
    かつては食料品の主力ブランドであった。ほとんどの商品が「セービング」ブランドに移行したが、2006年6月現在も、一部の商品に使われている。
  • サリブ(SALIV)
    日用品、生活雑貨などに使われているブランド。かつては家電製品もこのブランドで発売されていた。
  • 愛着仕様
    シンプルさを売りにしたブランド。当初は無印良品に似たコンセプトで様々な商品を展開していたが、後に婦人衣料へ特化。
  • フィット(FIT)
    衛生用品に使われているブランド。
  • コルティナ(COLTINA)
    家電製品、生活雑貨等に使用。

かつて使われていたブランド

  • ブブ(BUBU)
    1970年、13型テレビを当時としては破格の5万円台で発売し、大変な話題となったが、その際に使われたブランドである。テレビ以外にも様々な家電製品がこのブランドで発売されたが、後に「サリブ」ブランドが家電PBのメインとなる。
  • 暮らしの88
    100円ショップと同等の商品を、より安価に提供する事を目指した商品。

沿革

ダイエー発祥地である大阪市旭区千林商店街(2004年3月撮影)
ファイル:ダイエー京橋店1.jpg
ダイエー・京橋店(大阪市都島区
ダイエーショッパーズ福岡店(福岡市中央区)新ロゴ
  • 1957年4月 - 創業者・中内功が「大栄薬品工業株式会社」を神戸市長田区片山町5-5に設立。
  • 1957年9月 - 1号店が千林駅前(大阪市旭区千林町)に開店(1974年閉店。トポス千林店は1961年7月開店の別店舗、2005年10月31日閉店)。
  • 1958年1月 - 本店を大阪市旭区千林町3-236に移転。
  • 1958年12月 - 三宮店(神戸市)を開店。チェーン店展開の開始。
  • 1959年3月 - 「株式会社主婦の店」に社名変更。
  • 1962年3月 - 公募により初代シンボルマークを制定(3月16日の新聞広告より使用)。
  • 1962年7月 - 「株式会社主婦の店ダイエー」に社名変更。
  • 1963年1月 - 西宮市に西宮本部社屋が完成。流通センターや食肉加工センターを併設。
  • 1963年2月 - 「株式会社フクオカダイエー」を設立。九州ヘ進出(3月10日に天神店を開店)。
  • 1963年7月 - 専門店複合型のショッピングセンター「SSDDS(セルフサービス・ディスカウント・デパートメントストア)」(のち三宮第一店)を開店。
  • 1964年1月 - 「株式会社一徳」(後に「株式会社トウキョウダイエー」に社名変更)を買収。首都圏へ進出。
  • 1964年2月 - 「四国ダイエー株式会社」を設立。四国へ進出。
  • 1968年11月30日 - 日本初の本格的郊外型ショッピングセンター(香里店)を開店。
  • 1969年8月 - 「株式会社フクオカダイエー」、「株式会社トウキョウダイエー」および「四国ダイエー株式会社」と合併。全国店舗の親会社への集約を開始。
  • 1969年11月 - 「和泉商工株式会社」を買収、「株式会社ダイエー」に商号変更。同月、本部を西宮から大阪・中津に移転。
  • 1970年2月 - 「株式会社サンコー」と業務提携(後に「株式会社マルエツ」を合併)。
  • 1970年3月 - 株式の額面変更のため、「株式会社ダイエー」を形式上の存続会社として合併。
  • 1970年11月 - 5万円台の格安カラーテレビ「ブブ13型」を発売。翌年製造元の株式会社クラウンと資本提携。
  • 1971年9月 - 本店を大阪市大淀区中津本通1-2に移転。
  • 1972年8月 - 三越を抜き、小売業売上高日本一を達成。
  • 1973年5月 - 「株式会社サカエ」(現在のグルメシティ近畿)と提携。
  • 1973年11月 - 札幌店を開店。北海道へ進出。
  • 1975年4月 - 「ダイエーローソン株式会社」を設立。コンビニエンスストア業界へ進出。
  • 1975年5月 - 本店を吹田市豊津町9-1に移転。
  • 1975年6月 - コンビニエンスストア「ローソン」1号店、桜塚店(豊中市)を開店。
  • 1975年10月21日 - Daieiの頭文字“D”と「上弦の月」をイメージしたシンボルマークとロゴを制定、24日開店の一宮店より使用開始。
  • 1975年 - 那覇ショッパーズプラザ(のちのダイナハ→ダイエー那覇店:2005年11月20日閉店)を開店。
  • 1978年5月 - ダイエーメンバーズカード(1983年5月にはグループ企業にも拡大させた「オレンジメンバーズカード」、現在のOMCカード)を発行。
  • 1980年2月 - 売上高が業界初の1兆円を突破。
  • 1980年12月 - ダイエー開発商品をオリジナルブランド「セービング(SAVINGS)」として発売。
  • 1981年9月 - 「株式会社九州ダイエー」(1980年設立)と「株式会社ユニード」を合併し、「株式会社ユニードダイエー」発足を発表。
  • 1982年3月 - 「株式会社十字屋」と業務提携。
  • 1984年4月 - フランスの百貨店「プランタン」との合弁会社、「オ・プランタン・ジャポン」を設立し、プランタン銀座を開店(ただしこれより以前の1981年に、プランタン神戸を、現在の三宮オーパの地に開店している)。
  • 1984年9月 - 本店を神戸市中央区港島中町4-1-1に移転。
  • 1985年6月 - 雑誌「オレンジページ」創刊。
  • 1987年 - 会社更生法を申請していた、ミシンメーカーのリッカーの再建支援を引き受け。
  • 1988年9月 - 南海電気鉄道からプロ野球「南海ホークス」の経営権を譲り受けることを決定。
  • 1988年11月 - 福岡ダイエーホークス(FDH)が発足。
  • 1993年4月 - プロ野球団取得の後に発表していた福岡ツインドームシティ構想の一環である、開閉式ドーム「福岡ドーム」が開業。平和台球場に代わりFDHの本拠地となる。
  • 1994年3月 - 「株式会社ダイエー」、「株式会社忠実屋」(首都圏)、「株式会社ユニードダイエー」(九州)、「株式会社ダイナハ」(沖縄県)が合併。SMでの日本初のナショナルチェーンが完成。
  • 1995年1月 - 阪神・淡路大震災発生。神戸・三宮などの阪神地区の店舗が被災。ダイエー三宮第一店(リビング館)(解体)・ダイエー三宮オフプライス館(旧ダイエーレディス→女館)(解体)・ダイエーさんのみや男館(解体)・ダイエーさんのみや電器館パレックス(退去)を集約してサンボーホール内に三宮南店を暫定開業後、同年4月に三宮駅前店をプランタン神戸本館(震災により営業終了)跡地に開店。プランタン神戸ヤング館も震災により営業終了し、跡地に三宮オーパを同年10月に開店。このほか、震災復旧に際し、「Kou'S」神戸ハーバーランド店がポートアイランドエキゾチックタウン内のバンドール店舗へ移転し再オープン。一方、ダイエーハーバーランド店は2階から6階がメガバンドールに変更され、ダイエー自体は「Kou'S」跡地である1階と地下1階へ縮小しての移動となった。ほか、ダイエー西神戸店・ダイエー住吉店・トポス東山店が解体撤去。
  • 1995年4月 - ホークスタウンを開業。(当初はシーホーク・ホテル&リゾートのみだったが、2000年に商業施設が「ホークスタウンモール」としてオープンした。)
  • 1996年2月 - 業態別に準分社化したカンパニー制度を導入。食品SM業態の店舗を順次「グルメシティ」に改称。
  • 1997年12月 - 持株会社「株式会社ダイエーホールディングコーポレーション」(DHC)に子会社などを移管。中内功がグループCEO、長男の中内潤がCOOに就任。
  • 1999年7月 - ハワイのアラモアナ・ショッピングセンターを米投資企業に売却。
  • 1999年 - 前年の経常赤字への転落を受けて、味の素社長を務めた鳥羽董(ただす)が副社長から社長に、中内功は会長に就任。
  • 2000年 - 鳥羽社長が、自身の保有株式の売買に絡むインサイダー取引疑惑から引責辞任。同年、本部の一部機能を成増店に移転。
  • 2000年9月7日 - ダイエー開発商品『暮らしの88』(88円均一)を発売開始。
  • 2000年12月 - ニコニコ堂と業務提携(2002年6月11日に提携解消)。
  • 2001年 - 中内功がグループの職を全て辞任し、ダイエーからリクルートに移籍していた高木邦夫が社長に就任。
  • 2003年12月 - 福岡ドームとシーホークホテル&リゾートをアメリカの投資持株会社「コロニー・キャピタル社」に譲渡することを発表。
  • 2004年 - ダイエー開発商品『暮らしの88』を発売終了。
  • 2004年 - ダイエー開発商品『バリュー』(100円均一)を発売開始。
  • 2004年10月12日 - 今後の経営方針について産業再生機構の支援を得ずに、自主再建で臨む方針を発表。
  • 2004年10月13日 - 主力の取引銀行3社(UFJ三井住友みずほ)が、産業再生機構を利用しない場合は追加支援を行わない方針を強く示したため、同機構にて再建に取り組むことを決定。
  • 2004年11月30日 - ダイエーの持つFDH株式98%を50億円でソフトバンクに譲渡することを決定(残り2%は元オーナー中内正が保有)。ダイエーは3年間、同球団を利用した特別セールを無料で行うことができるとした。
  • 2004年12月24日 - プロ野球オーナー会議にてFDHのソフトバンクへの譲渡が承認。
  • 2004年12月28日 - 産業再生機構はダイエーと傘下の11社(十字屋、キャナルシティ・オーパ、中合、サカエ、九州スーパーマーケットダイエー、日本流通リース、浦安中央開発、オレンジエステート、セリティーフーズ、デイリートップ、西神オリエンタル開発)の支援を正式決定。
  • 2005年 - ダイエー開発商品『バリュー』を発売終了。
  • 2005年1月28日 - ソフトバンクにFDH株式を正式に譲渡。
  • 2005年2月1日 - 閉鎖・撤退の店舗のリストを公表、計53店舗が閉店対象になる。
  • 2005年3月 - 産業再生機構は支援スポンサーとして、丸紅を中心とした企業グループに事実上内定したことを発表。
  • 2005年3月30日 - 前ビー・エム・ダブリュー東京社長の林文子が、会長兼CEOに就任。
  • 2005年4月11日 - 傘下の55ステーションが、会社更生法の適用を東京地方裁判所に申請。
  • 2005年8月31日 - 香里店閉店(日本初の本格的郊外型ショッピングセンターとして開店)。
  • 2005年9月19日 - 創業者の中内功が死去、享年83。
  • 2005年11月20日 - 沖縄県のダイエー那覇店、浦添店が閉店。
  • 2005年11月30日 - この日までに仙台店以外の東北地方、北陸・中国・四国地方の全店舗(下関店、フランチャイズを除く)を閉鎖。
  • 2005年12月1日 - 社章・ロゴマーク、スローガンなど、CIを変更。
  • 2005年12月8日 - ハワイオアフ島にある4店舗、および現地子会社をドン・キホーテに売却する事で合意。
  • 2005年12月10日 - 東京都世田谷区に新規業態の食品SM、「フーディアム三軒茶屋」を開店。(グルメシティ関東が運営)
  • 2006年2月23日 - ハワイ現地法人および店舗のドン・キホーテへの売却手続終了。同日をもって全ての海外事業から撤退。
  • 2006年3月9日 - 食品におけるダイエー開発商品を、オリジナルブランド「おいしくたべたい」として発売開始。
  • 2006年6月5日 - 本社機能を東京都江東区東陽2丁目2番20号に移転。
  • 2006年6月8日 - ダイエー開発商品「セービング」を15年ぶりにリニューアルして発売開始。
  • 2006年7月28日 - 丸紅が産業再生機構の保有する発行済み株式33.6%を全株取得する事で合意(同年8月4日付で異動)。
  • 2006年10月13日 - ファーストリテイリングのブランド「ジーユー」1号店が、ダイエー南行徳店内に開店。
  • 2006年10月13日 - 丸紅と共同で、イオン株式会社に対して2007年3月末までの独占交渉権を与え、ダイエーとイオンの資本・業務提携に関する検討を開始することで合意。

事業譲渡・グループ再建状況

2005年10月14日現在 矢印右側は事業譲受先)

1995年
1998年
1999年
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2006年
  • オレンジマーケット
  • 天津大栄国際貿易(中国に食品店12店舗構えていた) → 北京物美商業集団股フェン有限公司
  • ダイエーUSA(ハワイにスーパーマーケットを4店舗構えていた) → ドン・キホーテ
  • 西神オリエンタルホテル(西神オリエンタル開発)→ ジェイ・ピー・ティー(SPC。運営はホスピタリティパートナーズ)
    一度ヒューザーへの売却が決定していたが、構造計算書偽造問題の影響で譲渡を中止。
  • 大栄商事(保険代理業) → オーエムシーカードへ合併
  • 渋谷ツエンティワン → ダイエー本体と合併(オーエムシーカードの筆頭株主へ)
  • パンドラ(元シヅオカヤ→忠実屋系、パチンコ事業) → アメニティーズ(9月29日付)

店舗

現在の店舗

閉店した店舗

関連会社・団体

関連項目

外部リンク

Template:日本の大手GMS