オーストラリア国立博物館
この項目「オーストラリア国立博物館」は途中まで翻訳されたものです。(原文:en:National Museum of Australia) 翻訳作業に協力して下さる方を求めています。ノートページや履歴、翻訳のガイドラインも参照してください。要約欄への翻訳情報の記入をお忘れなく。(2021年9月) |
オーストラリア国立博物館 National Museum of Australia | |
---|---|
正面に立つザ・ループ | |
施設情報 | |
愛称 | NMA |
専門分野 | オーストラリアの歴史、自然、民俗 |
館長 |
Mathew Trinca 職員256名[1] |
管理運営 | オーストラリア政府 |
開館 |
2001年 収集開始は1980年 |
所在地 | オーストラリア キャンベラ首都特別地域アクトン市、ローソン・クレセント |
アクセス | アクトン岬のバーリー・グリフィン湖畔に位置する。自家用車、市営バス、無料循環バス、タクシー、自転車などを利用。 |
外部リンク | http://www.nma.gov.au |
プロジェクト:GLAM |
オーストラリア国立博物館(オーストラリアこくりつはくぶつかん、National Museum of Australia)は、オーストラリアの首都キャンベラにある国立博物館。この国の社会史の資料の保存と解釈に取り組み、重要な課題や人々、出来事について調査する[2]。
歴史
1980年、オーストラリア政府はオーストラリア国立博物館法に基づき組織を設け、恒久的な建物を持たないまま収集事業を続ける[3]。2001年3月11日、専用の建屋が王立キャンベラ病院の跡地に正式に開館した[4]。
建築
博物館の建物は建築プロジェクトの管理者で設計士ハワード・ラガット(Howard Raggatt )が手がけ、オーストラリア人がそれぞれ抱いている人生譚を象徴する縄の結び目を基本テーマとする。ラガットは語った。「オーストラリアの物語は1つではなく、多くが絡み合っていると捉えた。1本の定型化された物語ではなく、矛盾をはらんだいくつかの像が撚り合わされ(よりあわされ)、単に違いを解くと言うよりも、違いを心から受け入れることでもある[5]。
本館を中心の結び目に見立て、綱の端もしくは断片が伸展する。そのうち、大きく弧を描くように伸びて通路の屋根を形作る一端は、en:AIATSISの横を通ると地面に接し、まるで巨大なリボンがほどけたようにゆったりとしたカールで終わる。形はちょうど国の内陸に位置する天然のランドマークそっくりであり、「en:Uluru の軸」という概念で都市計画家ウォルター・バーリー・グリフィンが博物館とキャンベラの都心を結び、オーストラリアの先住民の精神との結びつきを象徴する。
さらに以下の建物群と関連づけがされている[6]。
- バーリー・グリフィン設計の回廊、ニューマン大学 (メルボルン)
- シドニー・オペラハウス – ヨーン・ウツソンが手がけた部分とその他の部分の両方。
- フェリックス・キャンデラの貝のカーブ。
- 玄関ホールからはエーロ・サーリネンのニューヨークのJFK国際空港termを連想する
- 正面の彫刻アーチはリチャード・セラ
- 「オーストラリアの夢の庭」という坪庭は、さまざまな異なる地図製作法を表現する
- 壁の装飾は、シドニーで話題になった手書き文字「エターニティ」の断片を使った – 街のあちこちの歩道に黄色のチョークでこの言葉を30年にわたって落書きした人物アーサー・ステイスを想起させる。
- ダニエル・リベスキンド設計のベルリン・ユダヤ博物館(ドイツ・1999年開設)からの連想はもっとも議論が分かれる。
「もつれた概念」の発想を採用したスキームという統合のコンセプトには、次のようにさまざまな参照が組み込まれた。
- 「哲学テープ」 – ビア・マドック の発想。
- 『ブルー・ポールズ』 – ジャクソン・ポロックの絵画
- ブール数列、結び目、アリアドネーの系
- 先住民のドリームタイム – 虹蛇が天地を創造したという物語[注釈 1]
当館の基本図はユダヤ教のダビデの星を分割し、リベスキンドがベルリンの博物館設計に際して描いたジグザグの線を正確に再現している。オーストラリアの雑誌『ザ・ブレティン』 2000年6月号が初めて盗用の類推を掲載し、写し取られたと知ってリベスキンドは怒りを隠さなかったという。対する設計家ラガットは、剽窃ではなく引用であると反論した[7]。当時のドーン・ケイシー館長 Dawn Casey は評議会でこの設計案を承認したとき、誰もこめられたシンボルに気づかなかったと述べた[8]。
建物の外壁に使われた耐食性アルミパネルの多くには、点字その他の単語を装飾としてほど押してある。メッセージには「友情「彼女の方が正しい」などが含まれ、「謝罪します」や「私たちがおかした皆殺しを許してほしい」など、物議を呼びそうな言葉や言い回しも含まれた。これら論争の種となりそうなメッセージは読み取れないように、点字を銀色の円盤で覆ってある[9]。
この主題は正面玄関の形に引き継がれる。長方体の建物の表面には、結び目を中から押しつけ輪郭が浮き出たかのように見える。非対称から脱けだした複合体は博物館らしくない外観を意図しており、ドキッとするような色づかいや角度、見たこともない空間、思いがけないところに凸部があったり、予測を裏切る表面処理を施してある。
正確な分類は難しいとしても、当博物館本館はチャールズ・ジェンクス(アメリカ)の「新しいパラダイム」の一例と捉えることができ[10]、また脱構築主義建築の特徴も見出される。
点字で表した言葉の中に、Resurrection city「復活の日」があり、その意味はこの敷地にかつて立っていた王立キャンベラ病院を取り壊して更地(さらち)に博物館を築いたことなのか、あるいは オーストラリア先住民とヨーロッパ系入植者との和解なのか。この語句は同じ建築家ラゲットの別の建物(メルボルン)群ではタイルにラベルとして記されている(ストーリー会館 )。ラゲットはそのメッセージについて述べた。「この建物にとっては何か大きなものを目指しており、その周囲の追想の数々にも関わるのだと思う」[11]。
建築施工と監理はレンドリース で、完成年は2001年である[12]。
展示内容
5万年のアボリジニの遺産、1788年以来の植民者の定住、オーストラリアの連邦時代 や2000年シドニーオリンピックなどの主要な出来事を紹介する[13]。先住民が樹皮に描いた絵画の世界最大のコレクションや石器、チャンピオン競走馬ファーラップ号の心臓、ホールデン第1号の試作を収蔵する[14]。
またオーストラリアの民俗をテーマに、ブッシュレンジャーから海難救助(surf lifesaving)まで展示会を企画し、巡回展示を組織する[15]。出版事業は書籍、展示図録、機関誌を発行し、研究センターはオーストラリアの過去、現在、未来について発想や議論の活発なフォーラムとして学際的なアプローチから歴史に取り組む[16]。
新しい革新的な技術を取り入れて、特に地域社会に向けた普及活動プログラムは国際的な評判を高めている。2003年から2008年まで、博物館は学生の政治フォーラム「トークバック教室」を主催した[17]。
所在地はアクトン郊外の半島であり、オーストラリア国立大学に隣接する。かつてバーリー・グリフィン Lake Burley Griffin 湖畔の敷地には王立キャンベラ病院が立ち、老朽化から取り壊しが決まり、1997年7月13日に爆破解体を公開したところ死者が出る という悲劇的な経緯があった[4]。
観光大賞を受賞
恒例のオーストラリア観光大賞において、2005年と2006年に「オーストラリアの主な観光名所」Australia's Major Tourist Attraction に選定された[18][19]。キャンベラ首都特別区の主な観光名所の指定は、2003年-2007年の5年連続で受けている[20][21]。
アクセス
バス: 市営バスACTIONの観光ルート 81番・891番で国立博物館前下車、徒歩200 m。バス停はレノックス交差点を挟み、平日は7号線、週末は934号線に移る。無料の循環バス101番は館から徒歩およそ15分のニュー・アクトンに停車。キャンベラ1日ツアー[22]には博物館に立ち寄る日程もある(2017年5月時点)。
徒歩もしくは自転車: アクトン市内とバーリー・グリフィン湖畔を結ぶ遊歩道[23]を利用。歩行者と自転車の共用道である。自転車ラックは正面玄関脇に設置。
タクシー、シェアライド: 正面玄関脇のループの下、タクシー乗り場の標識のところで待ち合わせ。各社の電話番号。
- キャンベラ・エリート Canberra Elite、13 22 27
- キャベクスプレス Cabxpress、1300 222 977
- ウーバー・キャンベラ Uber Canberra、ネット予約
駐車場
博物館の来館者向けの駐車場は専用のほか、共用駐車場がある。(地図[24]は PDF 353kb)
専用駐車場:1時間$2.50 または1日料金$12(平日午前8時半から午後5時)。発券機は休憩コーナーにあり、硬貨またはクレジットカード利用可(Visa、MasterCard)。紙幣は使えない。博物館の受付で両替できる。
共用駐車場:専用駐車場が満車のときは、以下の施設を利用できる。
- 博物館に隣接したローソン・クレセントのシビック Civic またはニュー・アクトン。徒歩またはバスで来館。
- オーストラリア国立大学 (ANU) の時間制共用駐車場。フェローズ通り Fellows Road からマクドナルド・プレース McDonald Place に入ると、RG マッケンジービル Menzies Building 前にある。来館にはリバーシッジ街 Liversidge Street 沿いに約15分、レノックス交差点を目指す。大学の駐車場地図がダウンロードできる[25](PDF形式、423kb)。
- 無料駐車場:週末と国民の休日。平日はオートバイ、障害者用のスペースは料金を取らない[26]。
駐車券は市内各地の国営首都公社(NCA)が管理する駐車場でも利用できる[27]。パーリアメンタリー・トライアングル地区内のクエスタコン Questacon 、オールドバーリャメント・ハウス Old Parliament House のNCA カーパークを利用できる。ただし国立美術館、国立肖像画美術館、ACT 市庁舎は除外。
脚注
- ^ APS Statistical Bulletin 2015-2016 (Report). Australian Public Service Commission. September 2016. 2021年10月5日閲覧。
- ^ “Research Centre”. web.archive.org. National Museum of Australia. 2017年5月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月6日閲覧。
- ^ PMC. “National Museum of Australia Act 1980” (英語). www.legislation.gov.au. 2021年10月6日閲覧。
- ^ a b Gorrey, Megan (13 July 2014). “Katie Bender remembered 17 years after Canberra hospital implosion”. Canberra Times 9 September 2017閲覧。
- ^ Ashton Raggatt McDougall, Robert Peck von Hartel Trethowan Architects. (2002年). “National Museum of Australia – in the architects' words [オーストラリア国立博物館 – 建築家自身の言葉で]”. Project entry. architecture.com.au. 1 December 2006閲覧。
- ^ a b Rimmer, Matthew (December 2002 2002). “Crystal Palaces: Copyright Law and Public Architecture”. Bond Law review. ボンド大学. 20 May 2006時点のオリジナルよりアーカイブ。15 June 2006閲覧。
- ^ Sudjic, Deyan (4 March 2001). “Australia looks back in allegory at its inglorious past”. Architecture (ロンドン: ザ・ガーディアン) 11 June 2006閲覧。
- ^ 初出は『Quadrant』。 (2001年). “How not to run a museum”. thesydney line. 20 August 2006時点のオリジナルよりアーカイブ。11 June 2006閲覧。
- ^ Devine, Miranda (2 April 2006). “Disclosed at last, the embedded messages that adorn museum”. Opinion (シドニー・モーニング・ヘラルド) 11 June 2006閲覧。
- ^ マイケル・カスカートとの会話におけるチャールズ・ジェンクスの発言。“Charles Jencks in conversation with Michael Cathcart”. ABC Radio National (February 2001). Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ “Episode 1: Keeping the faith (Program transcript)”. In the mind of the architect. en:Australian Broadcasting Corporation (2000年). 12 June 2006閲覧。
- ^ {{cite web|url=http://www.onesteel.com/images/db_images/casestudies/entertain3ossp.pdf |format=pdf|title=Onesteel Solutions, 'The National Museum of Australia: Innovative Design and Construction']
- ^ “National Museum of Australia - Home” (英語). www.nma.gov.au. 2021年10月6日閲覧。
- ^ “Collection” (英語). www.nma.gov.au. National Museum of Australia. 2021年10月6日閲覧。
- ^ “What’s on” (英語). www.nma.gov.au. National Museum of Australia. 2021年10月6日閲覧。
- ^ “Explore” (英語). www.nma.gov.au. National Museum of Australia. 2021年10月6日閲覧。
- ^ “Aussie and US teenagers take on the PM 「オーストラリアとアメリカのティーンエイジャーが首相と討論—オーストラリア首相ジョン・ハワードとトークバッククラスルーム」、オーストラリア国立博物館記者発表資料” (英語). web.archive.org. National Museum of Australia (2003年6月2日). 2017年12月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月6日閲覧。
- ^ “Australian Tourism Awards: Archive of winners” (英語). 2012年4月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月26日閲覧。[出典無効]
- ^ “List of 2006 WINNERS : Major Tourist Attractions”. tourismalliance.org. 2007年12月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月26日閲覧。
- ^ Canberra and Capital Region Tourism Awards: Past winners[出典無効]
- ^ “Past Tourism Award winners: 2003–2006 results”. tams.act.gov.au. The Canberra and Capital Region Tourism Awards. Territory and Municipal Services (2007年10月24日). 2007年10月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月26日閲覧。
- ^ “Explorer Buses Canberra”. web.archive.org. Canberra Day Tours (2017年5月31日). 2017年6月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月6日閲覧。
- ^ “ACT cycling & walking map”. web.archive.org. アクトン市役所 (2017年6月15日). 2017年6月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月6日閲覧。
- ^ “Location and parking”. web.archive.org. National Museum of Australia (2017年6月6日). 2017年6月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月6日閲覧。
- ^ “How to use Cell O Park” (pdf). web.archive.org. オーストラリア国立博物館 (2017年6月12日). 2021年10月6日閲覧。
- ^ “Parking Management Map, Acton” (pdf). web.archive.org. オーストラリア国立博物館 (2017年6月12日). 2017年6月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月6日閲覧。
- ^ “National Capital Authority” (pdf). web.archive.org (2017年6月14日). 2017年6月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月6日閲覧。
関連項目
- イギリス海軍調査船インベスティゲーター号(1798年)の錨 館蔵品。初めてオーストラリア大陸を周回した調査船の錨(いかり)。オーストラリア海域を調査中、綱を切って捨てたものを引き上げた。船は大英帝国海軍に所属した時代、クセノフォン と呼ばれた。
- 外輪船エンタプライズ 当館が所蔵する外輪船。1878年建造で、動態保存している。
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- オーストラリア国立博物館 - Google 文化機関ベータ版に掲載
- 公式アカウントのフォトストリーム Flickr
- オンデマンド配信の音声記録 当館で開催した講演会、フォーラム、学術会議の録音
- 建物の開館後の記録(1980年–) Trove, People and Organisation の録画(1)。オーストラリア国立図書館所蔵
- 専用の建物がなかった時代の記録 Trove, People and Organisation の録画(2)。オーストラリア国立図書館所蔵
関連資料
本文の出典ではないもの。分類別、発行年順。
- 書籍
- National Museum of Australia. Land, Nation, People: Stories from the National Museum of Australia. キャンベラ:オーストラリア国立博物館出版局、2004年。全144頁。
- 論文
- ルーク・テイラー「〈館内合同研究会〉オーストラリア・アボリジニのX線画にみるシンボリズム」久保 正敏(訳)『民博通信』国立民族学博物館、1996年3月、第72号、66-71ページ。ISSN 0386-2836、NAID 110000351206。執筆者はオーストラリア国立博物館所属。
- Smith, Mike "Environmental History in the National Museum of Australia". Public History Review no. 8, 2000, pp. 27-43.
- Robin, Libby, "Collections and the Nation: Science, History and the National Museum of Australia". Historical Records of Australian Science. volume 14, number 3, 2003, pp. 251-289.
- Hamby, Louise. "The Reluctant Collector: Lloyd Warner". The Makers and Making of Indigenous Australian Museum Collections. Peterson, Nicolas ; Allen, Lindy ; Hamby, Louise (eds.) カールトン:メルボルン大学出版局、2008年、pp. 355-382.
- Kaus, David, "It is a Treat at Any Time to Study Nature: an Introduction to the Collections of Herbert Basedow". Australian Systematic Botany Society Newsletter. vol. 138, 2009, pp. 7-18.
- Shephard, Denis. "Geophysical Instruments in the National Historical Collection". Preview. vol. 163, 2013, pp. 21-27.
- 評論
- Sherratt, Tim. "Review : National Museum of Australia, Land, Nation, People: Stories from the National Museum of Australia". Historical Records of Australian Science vol. 16, no. 1, 2005, pp. 122-124.
座標: 南緯35度17分35.2秒 東経149度7分15.6秒 / 南緯35.293111度 東経149.121000度
引用エラー: 「注釈」という名前のグループの <ref>
タグがありますが、対応する <references group="注釈"/>
タグが見つかりません