RUN (アルバム)
『RUN』 | ||||
---|---|---|---|---|
B'z の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | ||||
時間 | ||||
レーベル | BMGルームス | |||
プロデュース | 松本孝弘 | |||
チャート最高順位 | ||||
| ||||
ゴールドディスク | ||||
| ||||
B'z アルバム 年表 | ||||
| ||||
『RUN』収録のシングル | ||||
|
『RUN』(ラン)は、日本の音楽ユニット・B'zが1992年10月28日にBMGルームスからリリースした6作目のオリジナル・アルバムである。
解説
前作『IN THE LIFE』から約11ヶ月ぶりのリリース。
アルバムタイトルは発売直前までシングル曲の「ZERO」だったが、後に「RUN」という楽曲が製作され、そちらの方がタイトルに相応しいとして変更された。
B'zとして初めてライブツアーのサポートメンバーとのセッションから制作されたアルバムであり、この制作方式は後にリリースされる『Brotherhood』『THE CIRCLE』などに繋がることになる[注釈 1]。
初回盤はCDケースの成形色が黒色で、B'zの5枚綴りのフォトカード、フォトカードとCDケースを入れる紙製のスリーブケースが付属しており、レーベル面はメッキゴールド塗装となっているが、裏ジャケットが入っていない。通常盤は普通の透明のCDケースでレーベル面はメッキシルバー仕様である[2]。通常盤はレーベル違いでディスクトレイの成形色が2色存在し、BMGルームス盤がライトブラックで、ルームスレコーズ盤がホワイトである。「B'z」のロゴマークは前作『IN THE LIFE』同様、シングル『ALONE』から使用されたもの。オリジナルアルバムでこのロゴが使用されたのは本作と『IN THE LIFE』のみとなっている。
本作で現在までのB'zの王道的作風である「ハードロック」に初めて挑戦し、松本曰く「「ALONE」のようなメジャー系のバラードをやる気がなかった」という意図から明るい調子のバラードは収録されておらず[3]、「ハードロック」をテーマにしたため「BLOWIN'」も収録されなかった。アレンジはオーケストラ・ヒットを多くの曲で使用している。
初動で119万枚を売り上げ、『IN THE LIFE』が達成した当時の最大初動枚数(104万枚)の記録を自ら塗り替えた。
2018年に結成30周年記念として『DINOSAUR』までのオリジナル・アルバムと共にアナログレコード化された[4]。
収録曲
全作詞: 稲葉浩志、全作曲: 松本孝弘、全編曲: 松本孝弘・明石昌夫。 | ||
# | タイトル | 時間 |
---|---|---|
1. | 「THE GAMBLER」 | |
2. | 「ZERO」 | |
3. | 「紅い陽炎」 | |
4. | 「RUN」 | |
5. | 「Out Of Control」 | |
6. | 「NATIVE DANCE」 | |
7. | 「MR. ROLLING THUNDER」 | |
8. | 「さよならなんかは言わせない」 | |
9. | 「月光」 | |
10. | 「Baby, you're my home」 | |
合計時間: |
楽曲解説
曲の解説やタイアップ等はB'zで解説しているため一部簡潔に解説する。
- THE GAMBLER
- 1分ほどのオルガンの独奏から始まる。
- 歌詞に登場する主人公は豪快な人物に描かれている。稲葉浩志によると「自分が憧れている理想を詰め込んだ」とのこと。
- 『B'z SHOWCASE 2009 "B'z In Your Town"』で久し振りに演奏された。
- ZERO
- 11thシングルで、本作の先行シングル。
- アルバム制作で最初に出来た楽曲で[5]、上記のように「RUN」が出来る前はアルバムの表題曲だった。
- 紅い陽炎
- 歌詞のテーマは不倫。
- アルバムツアーでは「月光」と日替わりで演奏された。
- RUN
- タイトル曲で、バンドメンバーやスタッフなどチームをテーマにした楽曲[3]。
- ファンに人気の高い楽曲で、ベスト・アルバム『B'z The Best "Treasure"』(1998年)と『B'z The Best "ULTRA Treasure"』(2008年)の収録曲を決める際のファン投票では、共に12位となり収録されている[6][7]。
- 『B'z The Best "Treasure"』には再録した「RUN -1998 style-」が収録されている。このバージョンは1998年に日産「アベニール」CMソングとして使用された[8]。また、原曲は2005年に稲葉の地元である岡山県で開催された第60回国民体育大会のテーマソングとして使用された[9]。
- ライブでは、アンコールや最終曲として披露されることが多く、アウトロが追加されることが多い。
- Out Of Control
- 歌詞には社会風刺が含まれており、稲葉曰く「長髪のお兄ちゃんのボヤキ」だという[3]。
- 2007年に行われたツアー『B'z SHOWCASE 2007 "19"』及び、『B'z SHOWCASE 2007 "B'z In Your Town"』で久し振りに演奏された。
- NATIVE DANCE
- MR. ROLLING THUNDER
- さよならなんかは言わせない
- 月光
- 稲葉は作詞のアイデアが出ず苦戦していたが、ギターソロからインスピレーションを受けて「月光」と名付けられた[14]。
- バラード・ベスト・アルバム『The Ballads 〜Love & B'z〜』にも収録され、ベスト・アルバム『B'z The Best "ULTRA Treasure"』のファン投票では19位にランクインして収録された[7]。
- 1993年に行われたライブ『B'z LIVE-GYM Pleasure '93 "JAP THE RIPPER』以降は、全く演奏されなかったが、『B'z LIVE-GYM The Final Pleasure "IT'S SHOWTIME!!"』のツアー前に行われた「Final Pleasureで聴きたい1曲」の投票では2位となり、2003年の渚園公演で10年ぶりに演奏された。その後も『B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 -ENDLESS SUMMER-』(ホール公演)、『B'z LIVE-GYM Pleasure 2018 -HINOTORI-』で演奏された。
- Baby, you're my home
- 本作唯一のアンプラグドナンバー。手拍子、アコースティック・ギター、男性コーラス群やブルースハープの伴奏が独特の雰囲気を出している。間奏、エンディングでのブルースハープは加藤友彦。
- 当初はもっとロックなアレンジだったが、松本曰く「何かちょっと違うなと感じて、思い切って180°変えて、アコースティックにした」。
- アルバムツアー以降長らく演奏されなかったが、『B'z LIVE-GYM 2015 -EPIC NIGHT-』(ホール・アリーナ公演)で約22年ぶりに演奏され、その5年後に行われた無観客配信ライブ『B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820-』のDay1でも演奏された[15][16]。
- ZERO (LIVE ver.)
- 台湾盤、香港盤にのみ収録されているボーナストラック。音源は過去の映像作品のもの。
- RUN (LIVE ver.)
- 台湾盤、香港盤にのみ収録されているボーナストラック。音源は過去の映像作品のもの。
タイアップ
シングル曲については各作品の項目を参照
- 『第60回国民体育大会・晴れの国おかやま国体』イメージソング(#4)
- 『第5回全国障害者スポーツ大会・輝いて!おかやま大会』イメージソング(#4)
参加ミュージシャン
- 松本孝弘:ギター、全曲作曲・編曲
- 稲葉浩志:ボーカル、全曲作詞
- 明石昌夫:マニピュレーター、ベース[5][注釈 4]、全曲編曲
- 田中一光:ドラム
- 増田隆宣:キーボード(#1.3.5.6.9)
- 勝田かず樹(DIMENSION):サックス(#1.2.4.6.7)
- 下神竜哉:トランペット(#1.6.7)
- 澤野博敬:トランペット(#1.2.6.7)
- 野村裕幸:トロンボーン(#1.2.6.7)
- 加藤友彦:ブルースハープ(#10)
ライブ映像作品
シングル曲については各作品の項目を参照
RUN
- LIVE RIPPER
- once upon a time in 横浜 〜B'z LIVE GYM'99 "Brotherhood"〜
- Typhoon No.15 〜B'z LIVE-GYM The Final Pleasure "IT'S SHOWTIME!!" in 渚園〜
- B'z LIVE-GYM 2006 "MONSTER'S GARAGE"
- B'z LIVE in なんば
- B'z LIVE-GYM Hidden Pleasure 〜Typhoon No.20〜
- B'z LIVE-GYM Pleasure 2008 -GLORY DAYS-
- B'z LIVE in なんば 2006 & B'z SHOWCASE 2007 -19- at Zepp Tokyo
- B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 ENDLESS SUMMER -XXV BEST-
- B'z LIVE-GYM Pleasure 2018 -HINOTORI-
- B'z SHOWCASE 2020 -5 ERAS 8820- Day1〜5
Out Of Control
NATIVE DANCE
- LIVE RIPPER
- B'z LIVE-GYM Pleasure 2008 -GLORY DAYS-
- B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 ENDLESS SUMMER -XXV BEST-
さよならなんかは言わせない
- LIVE RIPPER(DVD盤のみ収録)
- B'z LIVE-GYM 2001 -ELEVEN-
- B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 ENDLESS SUMMER -XXV BEST-
月光
- LIVE RIPPER
- Typhoon No.15 〜B'z LIVE-GYM The Final Pleasure "IT'S SHOWTIME!!" in 渚園〜
- B'z LIVE-GYM Pleasure 2013 ENDLESS SUMMER -XXV BEST-[注釈 5]
- B'z LIVE-GYM Pleasure 2018 -HINOTORI-
Baby, you're my home
脚注
注釈
出典
- ^ 「日本レコード協会 ミリオン以上認定作品」『The Record』第442号、日本レコード協会、1996年9月1日、4頁。
- ^ “MUSIC FREAK MAGAZINE - B'z Dictionary(「限定」の項)”. エムアールエム. 2019年10月6日閲覧。
- ^ a b c B'z The Book 1998, p. 27.
- ^ “B'z、アルバム全20作品をアナログ化。大型エキシビションで販売”. rockin'on.com (ロッキング・オン). (2018年3月22日) 2018年11月10日閲覧。
- ^ a b B'z The Book 1998, p. 26.
- ^ a b c 『music freak magazine & Es Flash Back B'z XXV Memories I』エムアールエム、2013年、237頁。
- ^ a b c “B'z The Beat “ULTRA Treasure”リクエスト集計最終結果 TOP30”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2008年7月16日) 2020年6月14日閲覧。
- ^ “アベニール(1990/05〜1998/08・RW10型)(1998/08〜2005/09・RW11型) CMについて教えて。”. 日産自動車. 2022年2月1日閲覧。
- ^ “知事記者会見”. 岡山県 (2002年7月8日). 2002年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月6日閲覧。
- ^ “MUSIC FREAK MAGAZINE - B'z Dictionary(「NATIVE DANCE」の項)”. エムアールエム. 2019年9月28日閲覧。
- ^ “B'zがMr.Children、GLAYとコラボ繰り広げた「UNITE」熱い競演を配信でも”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2021年9月30日) 2021年9月30日閲覧。
- ^ “B'z、主催『UNITE #01』全公演終了!配信ライブのスタートも間近”. OKMusic (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2021年9月30日) 2021年9月30日閲覧。
- ^ “B'zがMr.Children、GLAYとコラボ繰り広げた「UNITE」熱い競演を配信でも”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2021年9月30日) 2021年9月30日閲覧。
- ^ B'z The Book 1998, p. 28.
- ^ “ヒット曲連発のB'z無観客ライブ「5 ERAS」開幕!ファンへの感謝と仲間との絆を伝える”. 音楽ナタリー (株式会社ナターシャ). (2020年11月2日) 2020年11月3日閲覧。
- ^ “【レポート】B'z、5週連続無観客配信ライブ<-5 ERAS 8820- Day1>に大いなる感動「みなさんの胸に届くように」”. BARKS (ジャパンミュージックネットワーク株式会社). (2020年11月2日) 2020年11月3日閲覧。
参考文献
- 『Treasure : B'z Chronicle 1988〜1998 10th anniversary special issue』ROOMS RECORDS、1998年9月20日。
外部リンク
- B'z DISCOGRAPHY 『RUN』 ※楽曲の試聴が可能