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連声

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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連声(れんじょう)とは日本語で、2つの音が連続するときの音変化。フランス語でいうリエゾンにあたる。特に、漢語鼻音または内破音(現在ツまたはチで表される漢字末音)に母音半母音が続く場合に、次の音の前に前の子音をもう1回重ねることをいう。

  • 陰陽師 おんようじ→おんみょうじ
  • 三位 さんい→さんみ
  • 観音 かんおん→かんのん
  • 云々 うんうん→うんぬん
  • 雪隠 せついん→せっちん

鎌倉時代から室町時代にかけて、漢語が日本語の中で普通に使われるようになったため、発音しやすいように一般化した方法である。

陰、三は古くはom、samと発音したので、m音を重ねた。また雪は単独ではset(室町時代の発音ではshet、tは内破音)と発音したので、t音を重ねてsettinと発音したのである。

室町時代には、漢語のあとに助詞がついた場合にもその間で連声が起こった。例えば

  • 念仏を→ねんぶっと
  • 今日は→こんにった
  • 冥見を→みょうけんの

これらは現在、狂言やごく一部の方言にしか残っていない。

江戸時代になると、内破音は独立の音節ツまたはチで、末尾鼻音は撥音(ン、母音・半母音の前ではそれに応じた鼻母音になった)で発音されるようになり、連声はあまり一般的でなくなった。