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沈黙の艦隊

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沈黙の艦隊』(ちんもくのかんたい)は、かわぐちかいじ漫画作品。

概要

週刊モーニング』(講談社)にて、1988年から1996年にかけて連載。潜水艦戦を描いた戦記物に、核戦争や国際政治等の問題提起を絡ませ、各方面から注目を集めた。タイトルの「沈黙の艦隊」とは、潜水艦の英訳「Silent Service」の直訳による。

単行本はモーニングKCで発刊され、全32巻で完結。その後、モーニングデラックス版として全11巻でも発刊されている。また、愛蔵版が全16巻発刊済み。他にも、登場人物の背景やその後に触れた特別編やファンブック的な解体新書もある。

1990年に、第14回講談社漫画賞一般部門を受賞。

1996年に全3巻のOVAとしてアニメ化された。主題歌は「夢の渚 ~The Silent Service~」で、歌っているのは笠原弘子。北米では最初の2話が1話分としてまとめられ販売されたが売り上げは良くなかった。第3話以降については未翻訳である。また、ニッポン放送などで単発ながらラジオドラマ化されている

空母や潜水艦等の写真をそのまま模したとして、その写真集を出版した写真家から訴えられ、かわぐち側が全面的に謝罪したこともある。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


ストーリー

米軍第7艦隊所属を条件に日米共同で開発された、日本初の原子力潜水艦が国家「やまと」として独立し、「やまと」元首の海江田四郎と、米大統領ニコラス・J・ベネット、その他日本の政治家などを中心とした、男たちの物語で、今なお多くのファンがいる。

解説

歴史との比較
連載当初は、冷戦下における米ソによる核管理体制と潜在的核戦争勃発にたいする問題提起が物語の核としてあったが、長期連載中に冷戦が終わってしまい、テーマの本質がぼやけてしまったことは否めない。潜水艦バトルものとして米映画『レッド・オクトーバーを追え!』の影響が大きいが、単なるエンターテイメント性として終わらず独自の国際政治観を提示した本書は高い評価をうけた。
物語は潜水艦戦と国際政治ものがほぼ半々で、天才艦長海江田とアメリカの歴戦の艦長との潜水艦戦が終わるごとに海江田が海面にでて新しい宣言(独立宣言、国連参加宣言など)を世界に発するという流れである。その宣言にたいていアメリカは反発、日本と国連は海江田を支持、欧州諸国は漁夫の利を狙うという構図である。
連載当初から話題にはなっていたが、一番注目されたのが、湾岸戦争が勃発して自衛隊派遣憲法9条問題などで大揺れした時期であり、1990年5月29日の衆議院内閣委員会では、山口那津男委員が、石川要三防衛庁長官に対し「防衛庁長官はこの作品はお読みになったことございますか」と質問までしている。また石原慎太郎が本書を「たいそう甘美な、そして危険な、しかし目をそむけることが出来ない書」と評している。
作品テーマ
最大のテーマは、「もしどこの国家にも属さない核戦略ミサイル及び攻撃型原潜部隊が、あらゆる核保有国に対する報復宣言をしたら、それは究極の核抑止力であり、地球上から核戦争(もしくは非核戦争)はなくなるのではないか。」という問題提起であり、その役を担ってきた米国は当然海江田を核テロリストとして抹殺しようとする。
他にも、本書で扱うテーマは重厚なもので、「国家とは何か」「人類は戦争を防止する国際システムを作れるのか」「国連の存在意義はあるのか」「西洋と東洋の政治思想の違い」「西洋列強の均衡地政学」「アメリカは軍産複合体に操られているのか」などそれまでの漫画とは一線を画するものであった。
連載開始当初は、一部の右翼評論家が「かわぐちかいじは現代の三島由紀夫である。」などと発言してその「右寄り」物語が話題になったが、連載中しだいに海江田の反ナショナリズムと国連中心主義があきらかになるにつれむしろ「左寄り」の物語と見るものも多かった。
作風
極めて男性中心的な漫画であり、30数巻に及ぶ長編にも関わらず女性がほとんど出てこない(脇役を除き、最終回にやっと女性が初登場)。歴史上ほぼ全ての戦争は男性によっておこなわれた破壊行為であり、それの始末をつけるのも男性の問題である、というメッセージともとれる。
長期にわたる連載でありながら、ストーリーにほとんど矛盾する点が無く(連載途中、ソ連がロシアへの移行や西ドイツからドイツへの移行など、いつの間にかストーリー上の同国の国名・指導者が変わっていたが、これは社会情勢の変化なので仕方ない)、その点もこの作品が高く評価される要因である。
足掛け8年、全32巻という長期に渡って繰り広げられる物語だが、劇中で実際に経過した時間はわずか2ヶ月であるということが無言でこの作品の深さを物語っている。

主な登場人物

主人公

海江田四郎(声優津嘉山正種
本編の主人公。戦闘国家「やまと」元首。物語当初では海上自衛隊のディーゼル潜水艦「やまなみ」艦長。階級は二等海佐。
リムパックでは米空母「カールビンソン」を5回沈めた実績を持っていたが、「やまなみ」沈没事故により殉職し、海将補に二階級特進するも実は偽装工作で生存していた。そして日本初の原子力潜水艦シーバット」艦長に任命される。しかし、試験処女航海中に米ロス級原潜群に音響魚雷で威嚇して潜水艦ごと脱走。その後、原潜の戦闘国家「やまと」の独立宣言をする。日本とは友好条約を締結し、物語が進むにつれ、彼の目指すものが徐々に明かされていく。
冷静沈着にして大胆不敵。非常に高いカリスマ性を持ち、既存の戦略技術に捕らわれない超人的な操艦能力で次々と米ソ両艦隊を打ち破るなどして危機を脱出。「海の悪魔」「モビーディック」と言われた。好きな音楽はモーツァルトで、物語のなかで何度か聞くシーンが出てくる。ちなみに最初に聞いたのは「交響曲第41番 (モーツァルト)」。
妻と一人の子供がいる。亡き父・海江田巌は海上自衛隊の功労者。
深町洋(声優:大塚明夫
海上自衛隊のディーゼル潜水艦「たつなみ」艦長。階級は二等海佐。
海江田とは防衛大学校の同期でありライバルでもある。海江田と同様リムパックで米空母「カールビンソン」を5回撃沈した実績を持つ。東京湾の原潜「やまと」(「シーバット」)護衛では米ロス級原潜と戦闘。5隻中3隻(ハート・フォード、サンタフェなど)を戦闘不能に陥れるという海自潜水艦初の実戦を経験する。その後、日本政府より日本の親善大使や国連特別調停員及びニューヨーク和平特使として「やまと」に二回乗艦している。
一等海佐になっていてもおかしくないのにそうでないのは、彼の粗暴な言動にあると思われる。操艦技術は海江田に勝るとも劣らない能力を持ち、「たつなみ」沈没時、最後に脱出するときに乗員が残っていないか確認する様子から見ても(乗組員からも大きな人望を集めている描写もある)優秀な自衛官であることがうかがえる。海江田と並んで「シーバット」艦長候補だったが、アメリカは大胆な深町より、慎重さの海江田を抜擢した。
また、本編において海江田を追跡するなかで、見事に海江田の目的を次々に見破るなど、実は海江田に近い考え方も持っているようだ。作中で海江田が自身に対抗しえる能力を持っていると認めている唯一の人物。海江田がニューヨーク上陸後、家族以外では深町だけにメッセージを書いた手紙を送ったことからも伺える。
竹上登志雄(声優:阪脩
日本国内閣総理大臣
当初は日本民自党所属。議会を無視した形で海江田と友好条約を結び、「やまと」に浮きドック「サザンクロス」の提供や国連で「やまと」独立が承認されるまで、陸・海・空・両自衛隊及び原潜「やまと」の指揮権を国連に委ねるなどの対応をとる。それがもとで、与野党両方から批判を受け、衆議院を解散して総選挙を行う。その際に日本民自党を離れて自ら新民自党を結成し、党首に就任。総選挙後の首相指名選挙において再選された。最初のうちは「外交オンチ」、「本命までの短い政権」と酷評されていたが、「沈黙の艦隊」事件を通じて大きな政治家として成長することになる。
モデルはもちろん連載開始時の首相竹下登である。時代背景や名前から考えて、おそらく「民自党」のモデルは自民党であろう。しかし、竹上が総裁であるという記述はなく、民自党トップの名称が総裁か否かは不明。(ちなみに、竹上が離党後、民自党の事実上のトップとして行動していた海渡一郎の、総選挙前の党首討論出演時点での肩書きは幹事長のままであった)
ニコラス・J・ベネット(声優:上田敏也
アメリカ合衆国の第43代大統領
タカ派ギリシア移民の子孫。「強いアメリカ」を体現する、アメリカの象徴的存在でもある。最初は「シーバット」の反乱で海江田を早く捕まえ、彼に協力しようとする日本に再占領計画をつきつけて事件の決着をつけたがっているところも多くうかがえたが、本編後半においては、自身の思いや考えと、大統領として下すべき結論に悩み葛藤するところも見られるようになる。国連総会では、ついに海江田と握手することになる。
なお、話のなかで第3艦隊の壊滅や多くの原潜が撃沈及び大破され、大西洋艦隊の艦が多数戦闘不能になるなど計22万トンの艦艇の損失や350名の死傷者を出し、軍事面には非常に問題ありの大統領である。

日本政府関係者

海原渉(声優:若本規夫
日本国の官房長官
影の総理と呼ばれる海原大悟の実子。海原大悟の判断により、「シーバット」計画には不参加であった。天津とは昔からの仲である。やまと問題の処理においては、かなり強硬な姿勢でアメリカと交渉した。政界再編においては竹上の新民自党を結成に参加。総選挙後に外務大臣となった模様。
天津航一郎(声優:村山明
日本国外務次官(外務事務次官)。
「やまと」事件において浮きドック「サザンクロス」の発注や、駐日米大使館・ハワイ国連安保理で海原と共にアメリカとの交渉を行う。
海渡一郎
日本民自党幹事長
「やまと」政策を巡って竹上と対立し、竹上の離党及び新民自党結成後、彼に代わって民自党を率いる。親米追従路線に近い全面協力策や、衆院選挙後に合従連衡のために金銭をばら撒くやり方など、「古いタイプの政治家」としての描かれ方が強い。
河之内英樹
日本社民党副書記長。
海原とは同期。衆議院解散後、「世界社会主義」を掲げ総選挙に向けて公民クラブ・革産党ら各野党議員を集めて革新連合を結成し、日本独自の社会主義国家を目指す。しかし、総選挙後の首相指名選挙を目前に海渡の策略により、各野党議員を次々に奪われ少数党派となる。仕方なく少数で革新連合を率い野党に徹しようとするも、革新保守連立政権を目指す大滝に叱咤・説得され、指名選挙当日には殆どの票を竹上に回すことで見事彼に再選を果たさせる。その後は革新保守政権のため新民自党と連立、入閣した模様。
大滝淳
民自党の派閥である鏡水会の幹事長。
後に鏡水会ごと民自党を離党し、政党化した「日本鏡水会」の党首に就任。政軍分離、軍備永久放棄、常設国連軍創設を政策として主張。「やまと保険」を提唱し、北極海沖でACNテレビ・クルーと共に海江田と会見し、海江田から「やまと保険」の了承を得る。総選挙後は新民自党に合流し、幹事長に就任。さらに、国連の「沈黙の艦隊実行委員会」委員長に就任した。
浜本啓介(声優:広瀬正志
日本国運輸大臣
日本政府から親善大使として最初に「やまと」に乗艦。海江田の考えを信じ、友好条約締結の準備に乗り出す。衆議院総選挙では竹上と同じく新民自党に入り、見事当選を果たす。
倉池栄
大蔵省事務次官。
イギリスロンドンで大滝と共に「やまと保険」成立のためライズ保険会社との交渉を行う。

原子力潜水艦「やまと」関係者

山中栄治(声優:麦人
「やまと」副長。階級は三等海佐。「やまなみ」の副長でもあった。
真面目で海江田への信頼が篤い。操艦能力も深町が認めるほど優秀。
海江田の国連総会参加時は、代わりに「やまと」の指揮を執る。
内海(声優:稲葉実、(VOYAGE3)千葉一伸
「やまと」航海長。階級は三等海佐。「やまなみ」の航海長でもあった。
溝口拓男(声優:中博史
「やまと」ソナーマン。「やまなみ」のソナーマンでもあった。
南波が「自分の次に耳の良い」と認めるライバル同士。

海上自衛隊関係者

赤垣三郎(声優:秋元羊介
海上幕僚長。階級は海将。
「シーバット」計画に関わった人物の一人で沖縄沖及び東京湾海戦で竹上と共に関わる。その後は天津と共に深町ら「たつなみ」クルーの「やまと」派遣をサポートする。
田所進(声優:緒方賢一
第2潜水戦隊群司令。階級は海将補。
深町らに「たつなみ」で「やまと」の追跡及び護衛を命じたり、また「やまと」のニューヨーク入港の際にニューヨークへの派遣を命じる。
沼田徳治(声優:加藤治
第2護衛艦隊司令。階級は一等海佐。
旗艦であるはるな型護衛艦「はるな」にて自衛隊として初の実戦(沖縄沖及び東京湾海戦)を指揮する。海江田が「アメリカ海軍に対峙して自衛艦隊をフルに運用できる唯一の自衛官」と評するほどの有能な人物。
速見健次(声優:飛田展男
「たつなみ」副長。階級は三等海佐。
理知的な性格の人物で、粗暴な深町を抑える役目を務め、名コンビぶりを披露した。
「たつなみ」沈没後は国連特別調停員及びニューヨーク和平特使の一員としてニューヨークへ向かう。
渡瀬吾郎(声優:塩屋翼
「たつなみ」航海長。階級は三等海佐。
「たつなみ」沈没後は国連特別調停員及びニューヨーク和平特使の一員としてニューヨークへ向かう。
南波栄一(声優:中村大樹
「たつなみ」ソナーマン。階級は曹長。
性能的に劣る「たつなみ」が米原潜と互角に戦えたのは彼の「耳」の力も大きい。
「やまなみ」沈没事故の謎を解くため、深町の命令でテープの修正を行う。

アメリカ海軍関係者

スタイガー(声優:大塚周夫
アメリカ太平洋軍司令。階級は大将。
「シーバット(やまと)」脱走に伴い、第3艦隊・第7艦隊を投入して拿捕及び撃沈を謀る。
ボールドウィン
アメリカ大西洋艦隊司令。階級は少将。
マスコミの前でとても優秀な演説をする。
アラン・B・ランシング(声優:小林清志
第3艦隊司令。階級は少将。
旗艦であるミッドウェイ級通常空母「ミッドウェイ」で指揮を執る。沖縄沖海戦では、「やまと」を擁護する日本の海上自衛隊第2護衛艦隊を攻撃し、タイコンデロガ級イージス艦「ヴァリ・フォージ」のハープーンでしらね型護衛艦「くらま」を沈めるも、チャフ入りのハープーン・ミサイルで身動きが取れなくなった上でその隙に「ミッドウェイ」を沈められ、次々に艦艇を失う。
リチャード・ボイス(声優:小村哲生
第7艦隊司令。階級は大佐。
ニミッツ級原子力空母「カール・ヴィンソン」で指揮を執る。「シーバット」を拿捕又は撃沈を謀るが海江田の戦闘国家「やまと」独立宣言に翻弄される。
ノーマン・キング・ベイツ(声優:田中秀幸
シーウルフ級原子力潜水艦「キング」艦長。階級は少将。
ベイツ・ファミリーの長男でジョンの義兄。ジョンとの連携プレイで「やまと」との北極海海戦中、魚雷を受け戦死する。次期大統領候補の一人であり、ベネットは彼を戦地に送ったことを悔やんでいた。
アレックス・P・ナガブチ
キティーホーク級通常空母「ジョン・F・ケネディ」艦長。階級は大佐。
日系アメリカ人で軍人の父を持つ。ネルソンと比べて理知的で聡明。ローリング・サンダー作戦で「やまと」に挑むが失敗。対潜ヘリ攻撃隊で新たに挑むが、五ヶ国原潜の登場と「やまと」のニューヨーク港への強行突破に敗れる。
ケリー・J・ネルソン
ニミッツ級原子力空母「エイブラハム・リンカーン」艦長。階級は大佐。
攻撃的で頭に血が上りやすい熱血漢でアメリカを象徴する人物の一人。ナイアガラ・フォールズ作戦などで襲いかかるも「やまと」には探信音による戦略で終始翻弄されていた。
テレンス・B・カーバー(声優:筈見純
タイコンデロガ級イージス艦「ヴェラ・ガルフ」艦長。階級は大佐。
アスロックで「やまと」を攻撃するも無弾頭魚雷の攻撃を受け、敗れる。
ジョン・アレキサンダー・ベイツ(声優:堀内賢雄
シーウルフ級原子力潜水艦「アレキサンダー」艦長。階級は大佐。
ベイツ・ファミリーの養子。オーロラ作戦で海江田に「今まで遭遇した中で最強の艦」と言わしめる勇猛果敢な戦術で「やまと」を苦しめたが、肉弾を回避して部下の命を最優先に考え、敗れる。義兄のノーマンに絶大な信頼を寄せており、もし彼が大統領になったら自らは統合参謀本部議長になろうと考えていた。
デビット・ライアン(声優:徳丸完
「シーバット(やまと)」オブザーバー。階級は大佐。「やまと」独立宣言をはじめとする海江田の行動に反感を覚えるも後に理解し、「サザンクロス」沈没の際に「サザンクロス」クルーと共に陸上自衛隊のCH-47で脱出する。
ヘンドリック・ドール(声優:稲葉実
アメリカ国防総省統合参謀本部議長
北極海海戦及びニューヨーク沖海戦時に作戦の指揮を執る。後に彼も海江田の思想に興味を抱くようになる。彼のモデルはコリン・パウエル及びノーマン・シュワルツコフと思われる。
余談だが、統合参謀本部議長にはさきほどの北極海及びニューヨーク沖海戦のような軍事作戦に対する指揮権は無く、実質的には大統領や国防長官が握っており、統合参謀本部議長は彼らに助言するためのオブザーバーにすぎない。

アメリカ政府関係者

アンディ・リード
アメリカ合衆国副大統領
海江田の超国家原潜艦隊や世界政府の創設に可能性があることを感じ、彼を支持したことで敵視していたベネットと対立する。
ハロルド・D・ベイカー(声優:中多和宏
アメリカ合衆国国務長官
ベネットの側近としてやまとに関する外交政策をとる。
ジャック・ターナー(声優:松本大
アメリカ合衆国大統領特別補佐官。
沖縄沖海戦時の海原らとの日米緊急首脳会談上では汗一つかかない態度を見せる。

イギリス海軍・政府関係者

クリス・ストリンガー
イギリス海軍トラファルガー級原潜「タービュレント」艦長。階級は大佐。
豪快で率直な人物。イギリス海軍屈指のエリート。各国原潜のなかで最初に「やまと」に理解を示し、リーダー的役割をになった。
ジョセフ・ローリィ
イギリス首相
原潜「タービュレント」の「やまと」擁護による沈黙の艦隊結成に承認する。
ジュリアス・ロードン
イギリス大手保険会社「ライズ」社筆頭アンダーライター。
大滝の「やまと保険」に対し、世界中のインフレ発生を理由に反対するが大滝の保険内容と信念に賛同し、受け入れることに。ちなみに「ライズ」の由来はイギリスに実在する保険会社「ロイズ」からとったものである。
ゴッドフリー・ローレンス
ライズ保険委員会副会長。
ロードンが発表する大滝の「やまと保険」の内容について常設国連軍誕生とアメリカに代わって「やまと」の存続による加盟国間の新たなる安保体制の誕生に関心を示し、容認。ワシントン・サミット時は「やまと保険」を実行すべくローリィと同行する。

ロシア(ソ連)海軍関係者

ユーリ・アンドロポフ
ソ連海軍太平洋艦隊司令。
キエフ級航空巡洋艦「ミンスク」で指揮を執り、米第3艦隊と共に「やまと」撃沈に出るも「ミンスク」に隠れながらの攻撃により次々と艦艇を失う。なお、彼の名前は1982~1984年のソ連最高指導者と全く同姓同名であるが、他の多くのキャラクターが実在人物をアレンジしている中、そのように命名した意図は不明。
アンドレイ・ロブコフ
ソ連海軍アルファ級原潜「レッド・スコルピオン」艦長。階級は大佐。
フローティング・アンテナを使った戦法で米原潜2艦を大破させるも「やまと」には裏を書かれ、敗れる。
ミハイル・セルゲイビッチ
ソ連海軍シエラ級原潜艦長。政治将校で階級は大佐。
「やまと」が「レッド・スコルピオン」との戦いに勝利し、海江田に同盟締結を試みるが拒否され、止む無くロブコフに撃沈を命じるが・・・。

ロシア(ソ連)政府関係者

ミハイル・マレンコフ(声優:秋元羊介
ロシア(ソビエト)連邦共和国大統領。
「やまと」の北極海通過に基づき、ベネットとのホットラインで話し合った結果、テレビを通じた共同声明で北極海に展開中の米(オハイオ級)ソ(タイフーン級)両戦略ミサイル原潜を一時撤退することを発表する。
ユーリ・ゴルシコフ
駐日ソ連大使。
ターナーとの極秘会談で彼から「レッド・スコルピオン」の米原潜攻撃を不問に付すのと同時に「やまと」撃沈の共同作戦を持ちかけられ、引き受ける。
ビクトル・ロザク
ロシア(ソ連)国防議長。
北極海の米ソ戦略ミサイル原潜一時撤退やワシントン・サミットでマレンコフと共に行動する。

フランス海軍・政府関係者

ジャン・ルオー・メルビル
フランス海軍リュビ級原潜「エムロード」艦長。
各国原潜が「やまと」に向かう中、ただ本艦だけは待機するよう命じた。
ピエール・モルガン
フランス大統領。
シャルル・アリダ
フランス外相。
米ソのミサイル原潜撤退の共同声明で海原からフランスを中心とした核軍縮の実現を促され、「やまと」支持で日本の世論が一つに纏まることを条件に引き受ける。ワシントン・サミットではモルガンと同行する。

ドイツ・中国関係者

ルードヴィヒ・キージンガー
ドイツ連邦共和国大統領。
なお、現実世界ではドイツの大統領は儀礼的な存在であり、現実世界のサミットでは、ドイツからは首相が出席する。
張有為(チャンヨウウェイ)
中華人民共和国国家主席

国際連合関係者

ジョージ・アダムス
国連事務総長
ニュージーランド人の親日家。海江田のやまと独立宣言及び国連加盟宣言をサポートする。
リチャード・ローゼンバーグ
アメリカ国連大使。
国連安保理にて日本側の「やまと」擁護を痛烈に批判する。

その他

アンドリュー・ギル
ニューヨーク市長
海江田のニューヨーク入港の際に尚も攻撃を続けようとする政府及び軍に反旗を翻し、「やまと」との友好同盟締結のためマスコミを通じてアメリカからの市の独立国家化を宣言する。また「やまと」擁護を市民に訴える。ナガブチとは旧友。
リー・ゴールドウェル
軍需産業イースト・ウェスト・ダイナミックス社社長。
ニューヨーク沖海戦での海江田の行動に深い関心と敵対心を抱き、また軍事費を削減したベネットをも敵視する。「やまと」の国連参加では軍備永久放棄実現を恐れ、各国のマスコミやアメリカ政府への圧力を通じて反「やまと」キャンペーンを促して牽制を目論む。軍産複合体代表の一人。
セシル・デミル
米テレビ局ACN社長。
ボブに海江田の真意を問うべく「やまと」乗艦を命じる。また、海江田の主張する核廃絶・世界政府構想などの可否を確かめるべく、全世界のマスメディアを通じて世界市民投票を実施する。モデルはCNN社長のテッド・ターナーである。
ボブ・マッケイ
米テレビ局ACNレポーター。
大滝と共に北極圏で、またニューヨークで「やまと」に二度接触する。「やまと」乗艦時に「やまと」国民となって他のクルーらと共に「やまと」を中心としたネットワーク網を創ろうとする。

関連項目