成田悠輔
なりた ゆうすけ 成田 悠輔 | |
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生誕 |
1986年(37 - 38歳) 日本・東京都北区 |
居住 |
日本 アメリカ合衆国 |
国籍 | 日本 |
研究分野 | 経済学(労働経済学、教育経済学、計量経済学)、公共政策、因果推論 |
研究機関 | イェール大学 |
出身校 |
東京大学大学院 マサチューセッツ工科大学(MIT)Ph.D. |
博士課程 指導教員 |
パラグ・パサック ヨシュア・アングリスト ダロン・アシモグル ニヒル・アガーワル |
他の指導教員 |
青木昌彦 神取道宏 松島斉 |
主な受賞歴 |
2008年度 東京大学経済学部大内兵衛賞(最優秀卒業論文) 2020年度 MIT Innovators Under 35 Japan 2020年 第3回日本オープンイノベーション大賞内閣総理大臣賞 2021年度 KDDI Foundation Award |
プロジェクト:人物伝 |
成田 悠輔(なりた ゆうすけ、1985年[1] - )は、日本の研究者、起業家、論客。イェール大学助教[2]。半熟仮想株式会社代表取締役。専門はデータ・アルゴリズム・数学・ポエムを使ったビジネスと、公共政策の想像とデザイン。
来歴
麻布中学校・高等学校卒業。極度の睡眠障害により小中高では不登校であった。麻布中学在学時には柄谷行人のNAMに出入りした[3]。高校卒業後、ギャルの多い専門学校で非常勤講師をしながら1年の浪人を経て、2005年に東京大学入学。2009年、東京大学経済学部を首席で卒業。2011年に東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。東京大学大学院在学中にVCASI研究助手。ヂンチ株式会社代表、一橋大学特任准教授、スタンフォード大学客員助教などを兼任。2016年、マサチューセッツ工科大学(MIT)Ph.D.取得[4]。2017年にイェール大学経済学部助教授就任[5]。独立行政法人経済産業研究所(RIETI)客員研究員。ZOZO、サイバーエージェントなどの組織と、共同研究や事業に携わる。
人物
- 一流だが一浪。
- 東京大学経済学部の最優秀卒業論文の中から数年に一度授与される「大内兵衛賞」を受賞した。
- 身長184cm。膝を揃えて行儀よく座り、首を上下に動かして頷きながら話を聞く。
- 車酔いしやすいタイプ。
- 妻は映画関係者。挙式は吉祥寺のチャペルで、タキシードを着た。
- 実弟の成田修造は、クラウドワークス創業者で取締役兼CINO(最高イノベーション責任者)。
- 麻布中高では山岳部に所属し、同級生のプロゲーマーであるときど(谷口一)と活動した。
評価
「日経テレ東大学」プロデューサーでテレビ東京・高橋弘樹は、成田を起用した理由として「成田さんは人づてに『変わった人がいる』と聞いたので、出演動画を拝見し、成田さんが執筆した文章も読みました。そこで『この人はヤバい』と感じ、すぐにオファーしました。なんというか...成田さんは詩人だと思います。言葉を使って社会を変えようとしている。配信動画では、耳から入る情報も強力な武器になるので適役です。〈中略〉お2人(注: 成田と西村博之)は他の人にないものを持っていると思います。それは、日本に対してしがらみが少ないこと。成田さんは日本のアカデミー業界に忖度する必要もないし、ひろゆきさんは、最悪全ての日本国民に嫌われても構わないとすら思っています。だからこそ、誰にも気を使わず、しがらみなく意見できる。そこが痛快だし、面白い」、日本経済新聞社の佐々木康は「ひろゆきさん、成田さんは自分勝手なイデオロギーではなく、世の中のデータをもとにお話をされるので、番組を任せても大丈夫という安心感があります」と評している[6]。
主張
「幸福なデータ奴隷」
データやエビデンスを活用することによって自己の存在理由や目的を発見し、最適化された行動を取ることで、人々は日常の小さな判断から解放され、真の幸福が訪れるという「幸福なデータ奴隷」論を提唱している[7]。
教育
日本のペーパーテスト偏重のエリート教育制度を、学力以外の多様性が保証されるという観点から評価している[8]。
アメリカの大学や教育が多様性を尊重し、幅広い人に機会を与えているという考えは「誤解 (misconception)」であると主張している[9]。
2021年11月の『報道ステーション』で「学歴中心の履歴書から経験中心の履歴書へ」と主張した平原依文に対して、「経験重視は、最も格差を作り出すタイプのもの」「(アメリカの高校生が)多様な経験と称するものを手に入れるために、2週間で100万円といった、経験を買うためのパッケージツアーなどに参加します」「家の豊かな子ほどその経験をしっかりと蓄えられる」と反論した[10]。
少子高齢化
『選挙ステーション2021』(テレビ朝日)では、「若者が政治に参加したり、選挙に行ったりしても、何も変わらない」「もっと言うと、今の日本の政治や、日本の社会の停滞は、若者の政治参加とか、選挙に行くとか、そんな程度の生ぬるいことで変わるような、そんな状況にないと思う。もっと何かとてつもない危機の状態に陥っていて、革命みたいなことが起きないと何も変化は起きない。例えば、若者しか投票できないような世代別の投票をつくり出すとか。もっと過激に言えば、若者が反乱を起こして、一定以上の年齢の人から投票権を奪い取るとか。あるいは、この国に絶望した若者が新しい独立国をつくり出して、自分たち自身で新しい政治制度を実現していくとか。革命レベルのことが起きないと、日本が本当に変わるってことはない。その革命“100”だとすると、政治に参加するとか、選挙に行くとかというのは、“3”とか“5”の焼け石に水程度の話だと思います」と語った[11]。
『ABEMA Prime』では、日本経済について「高齢化があっても、そこそこ成長している国はある。シンガポールや韓国、ドイツが典型だ。なので、日本も全く無理ではないと思う」としながら、「だが、サービス業が壊滅的にダメで、サービス業の生産性をどうやって上げて根本的に体質転換するか。ここが問題になるのかなという気がしている」と語った。
高齢化について「唯一の解決策ははっきりしている」として、「結局、高齢者の集団自決、集団切腹みたいなのしかないんじゃないか。僕はこれを大真面目に言っていて、やっぱり人間は引き際が重要だと思う。別に物理的な切腹ではなくて、社会的な切腹でもいい。過去の功績を使って居座り続ける人がいろいろなレイヤーで多すぎる。これがこの国の明らかな問題だ」と語り、スタジオのアナウンサーや専門家を驚かせた[12]。
ベーシック・インカム
『ABEMA Prime』でベーシックインカムの導入については、「僕たちは心が弱い。少しお金をもらったぐらいだと働くことを辞められない。何か働いていないと、自分のアイデンティティーが揺らいでしまうとか、何か働いていないと世の中とか社会に対する責任を果たしていないみたいに、未だに僕たちは思っている。本当に重要なのは、働いたり、お金を稼いだりしなくても、特に気にせず自信を持って生きていけるような人間をどう作るかだ。それを実現するためには、ベーシックインカムというのはあまり役に立たないのではないか」と語った[13]。
著書
論文
単著
- 『22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる』(2022/07/07、SBクリエイティブSB新書)ISBN 978-4815615604
共著
翻訳
- (小川一仁、川越敏司、佐々木俊一郎と共訳)ハーバート・ギンタス『ゲーム理論による社会科学の統合』(NTT出版〈叢書制度を考える〉, 2011年 ISBN 9784757122406)
- 『迷走しない!英語論文の書き方 秘密は「構造」作りにあり』(2022/01、ヴァランヤ・チョーベー著・成田悠輔監訳・布施雄士訳、講談社)ISBN 4065259797
寄稿
Forbes JAPAN | 日本経済新聞 | 日経ビジネス | 日経ヴェリタス |
朝日新聞 | 朝日新聞デジタル | 朝日新聞GROBE+ | 東洋経済オンライン |
遅いインターネット | 世界思想(世界思想社教学社) | 文學界(文藝春秋) | 群像(講談社) |
現代新書(講談社) | kotoba(集英社) | AI白書(KADOKAWA) |
出演
ウェブ番組
- ABEMA Prime(2021年12月17日 -、 ABEMA ) 不定期MC[14]
- ABEMAヒルズ (2021年12月23日- 、 ABEMA ) ワンショットを映し続ける「成田悠輔カメラ」がYouTube配信されることがある。
テレビ番組
- こちら『トレンディマーケット』編集部(2022年5月22日-、日本テレビ)
- サンデージャポン (2022年3月27日、2022年5月22日、2022年6月19日、2022年8月14日、2022年9月11日、TBS)
- ビートたけしのTVタックル(2022年5月15日、2022年6月26日、2022年7月3日、2022年7月10日、2022年8月21日、テレビ朝日)
- 選挙ステーション(2021年10月31日、テレビ朝日)
- カズレーザーと学ぶ。~話題のニュースからみえる人間のアレコレ~(2022年2月27日、日本テレビ)
- クローズアップ現代(2022年3月17日、2022年10月4日、NHK)
- 日曜日の初耳学 (2022年4月17日、2022年5月29日、2022年8月14日、TBS)
- スッキリ(2022年5月13日、2022年6月3日、日本テレビ)
- 凪咲とザコシ (2022年6月7日、テレビ朝日)
- バラいろダンディ(2022年6月20日、2022年8月17日、TOKYO MX)
- 選挙の日2022(2022年7月10日、TBS)
- サバイバーズ~経済の激流を生き延びる「人生の改革者」(2022年7月1日、テレビ東京)
- ハートネットTV(2022年7月13日、NHK Eテレ)
- ありえへん∞世界SP (2022年7月19日、テレビ東京)
- 世界一受けたい授業2時間スペシャル!(2022年7月23日、日本テレビ)
- うちむら見える化TV~日本人の大ギモン2022見える化成功決定的瞬間連発SP~(2022年7月26日、テレビ東京)
- 一柳良雄が問う 日本の未来(2022年8月6日、2022年8月20日、BSテレビ東京)
- Nスタ(2022年8月11日、2022年9月27日、TBS)
- 羽鳥慎一モーニングショー(2022年8月12日、2022年8月26日、テレビ朝日) - 金曜日レギュラー長嶋一茂の代理出演。
- はなしちゃお!~性と生の学問(2022年8月19日、NHK Eテレ)
- 欲望の資本主義 2022夏 特別編(2022年8月21日、NHK BS1)
- ゴゴスマ(2022年8月25日、2022年9月27日、TBS)
- ぺこぱポジティブNEWS(2022年9月4日、2022年9月9日、テレビ朝日)
- 千鳥のクセがスゴいネタGP2時間SP(2022年9月15日、フジテレビ)
- 日経スペシャル SDGsが変えるミライ〜小谷真生子の地球大調査〜(2022年9月25日、BSテレビ東京)
ラジオ
- AWESOME COLORS(2022年6月17日、J-WAVE )ナビゲーター:長谷川ミラ
- ロンドンブーツ1号2号 田村淳のNewsCLUB(2022年7月30日、文化放送)
- ORIENT STAR TIME AND TIDE(2022年8月27日、J-WAVE)ナビゲーター:市川紗椰
- INNOVATION WORLD(2022年9月23日、J-WAVE) ナビゲーター:川田十夢
雑誌・WEBマガジン
WIRED日本版(コンデナスト・ジャパン) | MITテクノロジーレビュー(KADOKAWA) | 東京カレンダー(東京カレンダー) |
AERA(朝日新聞出版) | 週刊プレイボーイ(集英社) | 潮(潮出版社) |
Oggi(小学館) | HIGHSNOBIETY(CAELUM) | MEN'S NON-NO WEB |
教室の窓 ‐ 小学校・中学校教育情報誌(東京書籍) |
脚注
- ^ 玉川透 (2020年10月22日). “イエール大・成田悠輔助教授「選挙も政治家も、本当に必要ですか」”. The Asahi Shimbun Company. 2021年11月16日閲覧。 “成田悠輔・米イエール大学助教授(34)に、民主主義の未来の姿を聞きました。”
- ^ “Yusuke Narita | Department of Economics” (英語). economics.yale.edu. 2022年5月24日閲覧。
- ^ 日本経済新聞社・日経BP社. “残念家庭の不登校児が麻布へ 先端文化人と交流で転機|キャリア|NIKKEI STYLE”. NIKKEI STYLE. 2021年12月20日閲覧。
- ^ “yusuke narita October 14, 2021”. 成田悠輔. 2021年11月16日閲覧。
- ^ “Yusuke Narita | Department of Economics” (英語). economics.yale.edu. 2022年6月12日閲覧。
- ^ “経済をバラエティー感覚で学ぶ!MCはひろゆきと成田悠輔。YouTubeチャンネル「日経テレ東大学」が...”. テレ東プラス (2022年3月29日). 2022年4月4日閲覧。
- ^ “生きる目的や倫理は蒸発する 人類が行きつく「幸福なデータ奴隷」とは?”. Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン) (2019年3月25日). 2022年1月26日閲覧。
- ^ “Interview with Visiting Faculty- 13 - Center for Economic Institutions(Recorded on May 12, 2021)”. cei.ier.hit-u.ac.jp. 2022年5月2日閲覧。
- ^ “Interview with Visiting Faculty- 13 - Center for Economic Institutions(Recorded on May 12, 2021)”. cei.ier.hit-u.ac.jp. 2022年5月2日閲覧。
- ^ “衆院選挙の夜に考える2“格差を解決する方法””. テレ朝news. 2022年8月29日閲覧。
- ^ “衆院選挙の夜に考える1“若者の投票率上げる方法””. テレ朝news (2021年11月1日). 2022年4月13日閲覧。
- ^ ひろゆき氏&成田悠輔氏の「ニッポン改造論」 おばあちゃん一人のために“橋”は作るべき? ABEMA TIMES(2021年12月31日)」
- ^ “「僕たちは心が弱い」成田悠輔氏がベーシックインカム導入に反対の理由 ひろゆき氏が反論”. ABEMA TIMES (2021年12月21日). 2022年6月14日閲覧。
- ^ “ABEMA夜のニュース番組『ABEMA Prime』がリニューアル!MCに成田悠輔・柏木由紀・宇垣美里のレギュラー出演が決定”. CINEMA Life! シネマライフ|映画情報 (2022年4月4日). 2022年4月23日閲覧。
関連項目
- 経済産業研究所(RIETI)
- 東京財団仮想制度研究所(VCASI)
- エビデンスに基づく政策 - Evidence Based Policy Making(EBPM)
外部リンク
- Yusuke Narita - Yale University
- Yusuke Narita - 公式ホームページ
- 成田悠輔 (@narita_yusuke) - X(旧Twitter)
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- 成田悠輔 (yusuke.narita) - Facebook
- 成田悠輔|Official Columnist - Forbes JAPAN(フォーブスジャパン)