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暗黒時代 (横浜ベイスターズ)

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横浜ベイスターズの「暗黒時代」(よこはまベイスターズのあんこくじだい)は、日本プロ野球セントラル・リーグに所属する横浜ベイスターズ(現:横浜DeNAベイスターズ)が、2002年から2015年までの14シーズンのうち10回のリーグ最下位13回のBクラス入りとなった低迷期を指す俗称である[1]

概要

「暗黒時代」の14シーズンのうち、優勝はおろかAクラス入り(上位3位入賞)を果たしたのは2005年の1回のみであり、Bクラス入りは13回、そのうち10回は最下位という結果に終わっている。また、5位とのゲーム差がかけ離れておることが多く、特に2003年には5位広島とのゲーム差が22.5ゲーム差も離されており、プロ野球球団としては話にならない状態であった。

「暗黒時代」の横浜ベイスターズの年度別成績

監督 レギュラーシーズン 備考

2002 セ・リーグ 森祇晶 6 49 86 5 .363 この年から親会社がマルハからTBSへと変更
2003 山下大輔 6 45 94 1 .324
2004 6 59 76 3 .437
2005 牛島和彦 3 69 70 7 .496 暗黒時代唯一のAクラス入り
2006 6 58 84 4 .408
2007 大矢明彦 4 71 72 1 .497
2008 6 48 94 2 .338
2009 6 51 93 0 .354
2010 尾花高夫 6 48 95 1 .336 シーズンオフにTBSホールディングスが球団売却交渉を住生活グループと行うも、決裂し、失敗に終わる
2011 6 47 86 11 .353 シーズンオフにTBSホールディングスがベイスターズをDeNAへと売却をしたことにより、親会社がTBSからDeNAへと変更
2012 中畑清 6 46 85 13 .351 シーズン前に球団名が横浜ベイスターズから横浜DeNAベイスターズへと変更
2013 5 64 79 1 .448
2014 5 67 75 2 .472
2015 6 62 80 1 .437 セ・パ交流戦での歴代最低勝率を記録(.176)
通算:14年 784 1169 52 .400 日本一 0回
A

ク ラ ス

1位 0回 1

2位 0回
3位 1回
B

ク ラ ス

4位 1回 13

5位 2回
6位 10回

沿革

一瞬の黄金期(1998年〜2001年)

1998年(優勝)

1998年の横浜ベイスターズは、権藤博の指揮下で、阪神との開幕戦を3連勝、スタートダッシュを決めるかと思われたが波に乗りきれず、5月終了時点では貯金3の3位。しかし、6月後半から1番石井、2番・波留、3番・鈴木、4番・ローズ、5番・駒田と言った選手を主力とする強力打線「マシンガン打線」が爆発するようになり、6月16日の阪神戦から8連勝して首位に立った。8月後半になると負けが続く日も出てきたが、10月8日の阪神戦(甲子園)に勝利して38年ぶりのセ・リーグ優勝を飾った。また、絶対的守護神の佐々木主浩は、「ハマの大魔神」と呼ばれ、この言葉はこの年の流行語大賞年間大賞を受賞している。さらに同年の日本シリーズ西武を破り(4勝2敗)、日本一を達成している。

1998年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 広島 -- 広島 -- 横浜 -- 横浜 -- 横浜 -- 横浜 --
2位 中日 0.5 中日 1.0 巨人 2.0 中日 3.5 中日 2.0 中日 4.0
3位 横浜 3.0 横浜 1.5 中日 3.0 巨人 8.0 巨人 8.0 巨人 6.0
4位 巨人 3.5 巨人 1.5 広島 6.5 ヤクルト 10.5 ヤクルト 9.0 ヤクルト 13.0
5位 阪神 阪神 6.0 ヤクルト 8.5 広島 11.5 広島 15.5 広島 19.0
6位 ヤクルト 7.5 ヤクルト 8.0 阪神 10.0 阪神 17.5 阪神 22.5 阪神 27.0
期間
成績
9勝9敗
勝率.500
13勝10敗
勝率.565
13勝6敗
勝率.684
12勝5敗1分
勝率.706
13勝11敗
勝率.542
19勝15敗
勝率.559
1998年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 横浜ベイスターズ 79 56 1 .585 優勝
2位 中日ドラゴンズ 75 60 1 .556 4.0
3位 読売ジャイアンツ 73 62 0 .541 6.0
4位 ヤクルトスワローズ 66 69 0 .489 13.0
5位 広島東洋カープ 60 75 0 .444 19.0
6位 阪神タイガース 52 83 0 .385 27.0

1999年(3位)

38年ぶりのセ・リーグ優勝と日本一を達成したチームは、球団史上初の連覇達成を期待されたが、4月9日の巨人戦で初勝利するまでは、開幕6連敗を喫する。それでも5月以降は巻き返し、7月には3位に浮上するも、打線は前年から本塁打数が40本増加するも、いくら打線が好調でも先発陣が打ちこまれる試合は相変わらず続き、優勝した中日に10ゲーム差を付けられて、3位でシーズンを終えた。シーズン終了後、ロッテ自由契約になった小宮山悟を獲得。一方で佐々木がFA権の行使を宣言し、MLBシアトル・マリナーズへ移籍。

1999年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 中日 -- 中日 -- 中日 -- 中日 -- 中日 -- 中日 --
2位 巨人 5.0 阪神 2.5 巨人 2.0 巨人 5.0 巨人 3.0 巨人 6.0
3位 阪神 広島 5.0 阪神 4.5 横浜 8.0 横浜 8.5 横浜 10.0
4位 広島 6.5 ヤクルト 広島 4.5 ヤクルト 11.5 ヤクルト 13.5 ヤクルト 15.0
5位 ヤクルト 巨人 7.0 横浜 5.0 阪神 12.5 阪神 15.0 広島 24.0
6位 横浜 7.0 横浜 7.5 ヤクルト 8.0 広島 14.0 広島 20.0 阪神 26.0
1999年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 中日ドラゴンズ 81 54 0 .600 優勝
2位 読売ジャイアンツ 75 60 0 .556 6.0
3位 横浜ベイスターズ 71 64 0 .526 10.0
4位 ヤクルトスワローズ 66 69 0 .489 15.0
5位 広島東洋カープ 57 78 0 .422 24.0
6位 阪神タイガース 55 80 0 .407 26.0

2000年(3位)

6月までは混戦模様で一度は首位に立ち、2年ぶりの優勝が期待された。6月以降は巨人が独走すると中日との2位争いに終始したが、最後は2年連続の3位でシーズンを終了。チームは波留敏夫がケガで戦列を離れるなどの誤算続きで終えた。投手陣はマリナーズへ移籍した佐々木の抜けた穴をルーキーの木塚敦志がカバーし、チーム防御率は前年の4.44から3.92と、やや改善されてまで持ち直したが、被本塁打も多く目立った。この年を最後に権藤監督が勇退し、西武黄金時代の名将・森祇晶が新監督に就任する。

2000年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 広島 -- ヤクルト -- 巨人 -- 巨人 -- 巨人 -- 巨人 --
2位 阪神 2.0 巨人 0.5 中日 3.0 中日 6.0 中日 6.5 中日 8.0
3位 巨人 3.0 中日 広島 3.0 横浜 8.5 横浜 8.5 横浜 9.0
4位 横浜 広島 2.0 ヤクルト 3.5 広島 10.0 広島 12.5 ヤクルト 12.0
5位 ヤクルト 4.5 横浜 2.5 横浜 6.0 ヤクルト 10.5 ヤクルト 14.5 広島 13.0
6位 中日 5.5 阪神 3.5 阪神 8.5 阪神 13.0 阪神 15.0 阪神 21.0
2000年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 読売ジャイアンツ 78 57 0 .578 優勝
2位 中日ドラゴンズ 70 65 0 .519 8.0
3位 横浜ベイスターズ 69 66 1 .511 9.0
4位 ヤクルトスワローズ 66 69 1 .489 12.0
5位 広島東洋カープ 65 70 1 .481 13.0
6位 阪神タイガース 57 78 1 .422 21.0

2001年(3位)

森祇晶の指揮の元、機動力とサインプレー重視の野球でチーム再建を図り3年ぶりの優勝を狙うが、それまでの権藤の放任野球からの転換に選手が慣れず、負けが先行する。それでもチームは6月に12勝9敗と勝ち越すと、7月には12勝4敗1分の貯金8で終了。8月以降は中日がAクラス争いから脱落し、広島との一騎打ちとなる。最終的にこの年のみ勝ち数優先のルールで勝ち星が広島より1つ多かったため、何とか逃げ切ることに成功した。勝率は4位の広島より7厘低いも関わらずというルール恩恵を受け5年連続のAクラス、3年連続3位となった。しかし、シーズンオフに正捕手として君臨した谷繁元信が森監督との確執で中日にFA移籍。この谷繫の移籍がきっかけでベイスターズの長きにわたる暗黒時代が始まるのであった[2]

2001年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 巨人 17勝 -- 巨人 31勝 -- 巨人 42勝 -- ヤクルト 48勝 -- ヤクルト 63勝 -- ヤクルト 76勝 --
2位 ヤクルト 13勝 2.0 ヤクルト 27勝 1.0 ヤクルト 40勝 -2.5 巨人 48勝 5.0 巨人 62勝 7.5 巨人 75勝 3.0
3位 中日 13勝 4.0 中日 26勝 3.0 中日 33勝 7.0 横浜 41勝 8.0 横浜 51勝 13.5 横浜 69勝 8.0
4位 阪神 11勝 6.0 広島 22勝 5.0 広島 30勝 6.0 中日 41勝 9.0 中日 51勝 15.0 広島 68勝 7.5
5位 広島 10勝 5.0 阪神 19勝 10.0 横浜 29勝 10.0 阪神 39勝 12.5 広島 49勝 13.5 中日 62勝 15.0
6位 横浜 9勝 7.0 横浜 17勝 11.0 阪神 28勝 12.5 広島 36勝 10.5 阪神 47勝 14.5 阪神 57勝 20.5

※このシーズンは勝利数優先で順位を決定。

2001年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 ヤクルトスワローズ 76 58 6 .567 優勝
2位 読売ジャイアンツ 75 63 2 .543 3.0
3位 横浜ベイスターズ 69 67 4 .507 8.0
4位 広島東洋カープ 68 65 7 .511 7.5
5位 中日ドラゴンズ 62 74 4 .456 15.0
6位 阪神タイガース 57 80 3 .416 20.5

*順位は勝率に関係なく勝利数順で決定


「暗黒時代」の横浜ベイスターズ(2002年〜2011年)

[注 1]

2002年(6位)

シーズン前に親会社がマルハからTBSへと変更。1998年以来の優勝を目指すチームは、中日から中村武志を獲得。しかし、シーズンが始まると開幕からいきなり5連敗、さらに5月には13連敗を喫し、セ・リーグでは1965年サンケイ1980年の中日、1985年のヤクルト、1991年の阪神に次いで全日程で最下位に終わった。シーズン全体でもこの年優勝した巨人に35.5ゲーム、5位の広島にも14.5ゲーム差をつけられてのダントツ最下位だった。チーム打率.240、本塁打97本(本塁打数5位阪神が122本)、チーム得点472は全てリーグ最下位。チーム防御率も4.09でリーグ5位と投打ともに低迷。そしてシーズン終盤に森監督は解任され、以降、シーズン終了まで黒江透修ヘッドコーチが監督代行を務めた。結局、ベイスターズは1994年以来8年ぶりに単独最下位へと転落。だが、この低迷劇は、まだ暗黒時代の始まりに過ぎなかった。オフにはタイロン・ウッズなどの大型補強を敢行した。

2002年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 阪神 - 阪神 - 巨人 - 巨人 - 巨人 - 巨人 -
2位 巨人 2.0 巨人 0.5 ヤクルト 2.0 阪神 10.5 ヤクルト 6.5 ヤクルト 11.0
3位 広島 3.5 ヤクルト 4.0 阪神 4.5 ヤクルト 11.0 中日 13.5 中日 15.5
4位 ヤクルト 4.5 中日 5.0 中日 5.5 広島 11.5 阪神 16.0 阪神 19.0
5位 中日 7.5 広島 6.5 広島 中日 13.5 広島 18.0 広島 21.0
6位 横浜 9.5 横浜 17.0 横浜 15.5 横浜 22.5 横浜 30.0 横浜 35.5
2002年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 読売ジャイアンツ 86 52 2 .623 優勝
2位 ヤクルトスワローズ 74 62 4 .544 11.0
3位 中日ドラゴンズ 69 66 5 .511 15.5
4位 阪神タイガース 66 70 4 .485 19.0
5位 広島東洋カープ 64 72 4 .471 21.0
6位 横浜ベイスターズ 49 86 5 .363 35.5

2003年(6位)

山下大輔がこの年から監督に就任。福岡ダイエーからFA宣言していた若田部健一や、スティーブ・コックスを獲得する大型補強を敢行し、「大ちゃんス打線」と銘打った攻撃優先オーダーで開幕を迎えたが、開幕戦で阪神に勝利して以来、投打が噛み合わず4月末時点で5勝20敗の勝率2割。補強した選手の殆どが戦力にならず、4月25日以降は二度と最下位から抜け出すことなく、何もいいところなくシーズン終了。このシーズンは星野仙一率いる阪神が首位を独走する中、横浜は対阪神戦を6勝22敗と大きく負け越すことになった。圧倒的に優勝した阪神とは真逆に、圧倒的に最下位となる羽目になった。ちなみに、5位広島とのゲーム差が22.5ゲーム差も離されている。オフには遠藤一彦森繁和両投手コーチが投手陣崩壊の責任を取り辞任。金銭トレードで中嶋聡日本ハムへ、竹下慎太郎を阪神へ放出するなど4件のトレードを敢行した。

2003年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 阪神 -- 阪神 -- 阪神 -- 阪神 -- 阪神 -- 阪神 --
2位 ヤクルト 2.0 巨人 8.0 中日 12.5 中日 17.5 巨人 16.0 中日 14.5
3位 巨人 2.5 中日 8.0 巨人 8.5 ヤクルト 19.0 中日 17.5 巨人 15.5
4位 中日 2.5 ヤクルト 9.5 ヤクルト 14.0 巨人 19.5 ヤクルト 18.5 ヤクルト
5位 広島 3.0 広島 11.5 広島 17.0 広島 22.0 広島 19.5 広島 20.0
6位 横浜 11.0 横浜 20.0 横浜 30.0 横浜 39.0 横浜 42.5 横浜 42.5
2003年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 阪神タイガース 87 51 2 .630 優勝
2位 中日ドラゴンズ 73 66 1 .525 14.5
3位 読売ジャイアンツ 71 66 3 .518 15.5
3位 ヤクルトスワローズ 71 66 3 .518 15.5
5位 広島東洋カープ 67 71 2 .486 20.0
6位 横浜ベイスターズ 45 94 1 .324 42.5


2004年(6位)

6年前の日本一の立役者だった大魔神・佐々木主浩シアトル・マリナーズから獲得、石井琢朗鈴木尚典ら1998年のメンバーが多く残っていたことから6年ぶりの優勝が期待された。しかし、4月は首位で終えるものの、5月に入ってからは大きく負け越し、広島との最下位争いに敗れ、3年連続最下位フィニッシュ。前年から借金を49から17へと大幅に減らしたものの、優勝した中日に20ゲーム、3位の巨人に12ゲーム差をつけられた。チーム状況は、内川聖一が前年から出場試合数を増やして17本塁打を放つなど最後まで打線が好調、チーム打率は.279でリーグトップと前年から大幅に上がった。なお、契約満了に伴い山下はこの年限りで辞任、代わって牛島和彦が監督に就任した。オフにこの年本塁打王のウッズが中日に移籍。余談だが、この年は一場事件で砂原オーナーが辞任に追い込まれることや[注 2]球界再編問題大阪近鉄バファローズオリックス・ブルーウェーブとの合併で消滅し、オリックス・バファローズになるほか、新規参入として東北楽天ゴールデンイーグルスが誕生するなど激動の時代でもあった。

2004年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 横浜 -- 中日 -- 中日 -- 中日 -- 中日 -- 中日 --
2位 広島 1.0 巨人 1.0 巨人 5.0 巨人 2.5 巨人 5.0 ヤクルト 7.5
3位 中日 1.5 阪神 2.5 阪神 5.5 ヤクルト 4.5 ヤクルト 6.0 巨人 8.0
4位 阪神 広島 3.0 ヤクルト 6.5 阪神 6.5 阪神 9.5 阪神 13.5
5位 巨人 2.0 横浜 4.0 広島 7.0 横浜 9.0 横浜 16.0 広島 20.0
6位 ヤクルト 3.0 ヤクルト 4.5 横浜 9.0 広島 10.5 広島 16.0 横浜 20.0
2004年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 中日ドラゴンズ 79 56 3 .585 優勝
2位 ヤクルトスワローズ 72 64 2 .529 7.5
3位 読売ジャイアンツ 71 64 3 .526 8.0
4位 阪神タイガース 66 70 2 .485 13.5
5位 広島東洋カープ 60 77 1 .438 20.0
6位 横浜ベイスターズ 59 76 3 .437 20.0


2005年(3位)

中日との開幕戦を負け越すも、5月の交流戦以降、徐々に調子を上げていき、ヤクルトとのAクラス争いを展開。最終的に2001年以来となるシーズン勝ち越しこそ逃したものの3位に滑り込み、4年ぶりにAクラスでシーズンを終えたが、横浜ベイスターズ(TBS時代)としてのAクラスは最初で最後であった。これ以降は2016年に11年ぶりにAクラス入りするまで低迷期に入る。カード別成績では前年勝ち越した阪神に6勝13敗3分、中日にも8勝13敗1分と負け越したが、リーグ5位と低迷する巨人に対しては16勝6敗と大幅に勝ち越すなど意地を見せた。なお、この年からセ・パ交流戦が始まり、初年度は19勝17敗と勝ち越し、順位も6位とまずまずの結果となった。

2005年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 中日 -- 阪神 -- 阪神 -- 阪神 -- 阪神 -- 阪神 --
2位 広島 2.5 ヤクルト 0.5 中日 4.5 中日 3.0 中日 0.5 中日 10.0
3位 阪神 3.0 中日 1.5 ヤクルト 5.5 横浜 10.5 ヤクルト 9.0 横浜 17.0
4位 ヤクルト 3.5 横浜 4.0 横浜 7.0 ヤクルト 11.0 横浜 13.0 ヤクルト 17.5
5位 横浜 5.0 広島 4.5 巨人 9.5 巨人 15.0 巨人 18.0 巨人 25.5
6位 巨人 7.0 巨人 7.0 広島 13.0 広島 18.0 広島 20.0 広島 29.5
2005年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 阪神タイガース 87 54 5 .617 優勝
2位 中日ドラゴンズ 79 66 1 .545 10.0
3位 横浜ベイスターズ 69 70 7 .496 17.0
4位 ヤクルトスワローズ 71 73 2 .493 17.5
5位 読売ジャイアンツ 62 80 4 .437 25.5
6位 広島東洋カープ 58 84 4 .408 29.5
日本生命セ・パ交流戦2005 最終成績
順位 球団 勝率
優勝 千葉ロッテマリーンズ 24 11 1 .686 ---
2位 福岡ソフトバンクホークス 23 12 1 .657 1.0
3位 阪神タイガース 21 13 2 .618 2.5
4位 読売ジャイアンツ 18 14 4 .563 4.5
5位 ヤクルトスワローズ 20 16 0 .556 4.5
6位 横浜ベイスターズ 19 17 0 .528 5.5
7位 オリックス・バファローズ 17 16 3 .515 6.0
8位 西武ライオンズ 18 18 0 .500 6.5
9位 中日ドラゴンズ 15 21 0 .417 9.5
10位 北海道日本ハムファイターズ 12 22 2 .353 11.5
11位 広島東洋カープ 11 24 1 .314 13.0
12位 東北楽天ゴールデンイーグルス 11 25 0 .306 13.5

2006年(6位)

牛島体制2年目を迎えたチームだったが、開幕6連敗を喫するなど低迷し、4月を7勝15敗2分で終え、早くも最下位に転落。5月に入ってからも低迷は止まらず3度も4連敗を記録するなど8勝18敗で負け越し、借金は最大の18まで膨らんだ。その後6月に復調の兆しを見せたが、8月の最初の試合で敗れると、それ以降、最下位が定位置となる。結局、2004年以来2年ぶりの最下位に転落。牛島監督は最下位転落の責任を取ってオフに辞任。後任には大矢明彦が監督に就任。一方で内川聖一が初の100試合出場(124試合出場、打率.286)を達成し、村田修一が打率2割6分台ながらも30本塁打、100打点以上でチームの4番に成長。さらに4年目の吉村裕基がチーム2位の26本塁打を記録するなど若手の成長が目立ったシーズンでもあった。シーズンオフに、多村仁志寺原隼人の交換トレードを敢行。

2006年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 9月終了時 最終成績
1位 巨人 -- 阪神 -- 中日 -- 中日 -- 中日 -- 中日 -- 中日 --
2位 中日 4.0 巨人 0.5 阪神 1.5 阪神 6.0 阪神 7.0 阪神 3.0 阪神 3.5
3位 阪神 4.5 中日 1.5 ヤクルト 7.5 ヤクルト 11.5 ヤクルト 11.0 ヤクルト 14.5 ヤクルト 18.0
4位 ヤクルト 8.5 ヤクルト 3.5 巨人 10.0 広島 15.5 巨人 16.5 巨人 20.5 巨人 23.5
5位 広島 9.0 広島 8,0 広島 12.0 巨人 18.0 広島 16.5 広島 22.5 広島 25.0
6位 横浜 10.0 横浜 13.5 横浜 14.5 横浜 18.5 横浜 21.5 横浜 27.0 横浜 29.5
2006年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 中日ドラゴンズ 87 54 5 .617 優勝
2位 阪神タイガース 84 58 4 .592 3.5
3位 東京ヤクルトスワローズ 70 73 3 .490 18.0
4位 読売ジャイアンツ 65 79 2 .451 23.5
5位 広島東洋カープ 62 79 5 .440 25.0
6位 横浜ベイスターズ 58 84 4 .408 29.5
日本生命セ・パ交流戦2006 最終成績
順位 球団 勝率
優勝 千葉ロッテマリーンズ 23 13 0 .639 ---
2位 東京ヤクルトスワローズ 22 14 0 .611 1.0
3位 阪神タイガース 21 15 0 .583 2.0
4位 中日ドラゴンズ 20 15 1 .571 2.5
5位 福岡ソフトバンクホークス 20 16 0 .556 3.0
6位 西武ライオンズ 19 16 1 .543 3.5
7位 北海道日本ハムファイターズ 17 19 0 .472 6.0
8位 東北楽天ゴールデンイーグルス 17 19 0 .472 6.0
9位 広島東洋カープ 16 20 0 .444 7.0
10位 横浜ベイスターズ 15 21 0 .417 8.0
11位 読売ジャイアンツ 13 23 0 .361 10.0
12位 オリックス・バファローズ 12 24 0 .333 11.0
  • 同率の場合は前年の順位で上位のチームが上位にランクされる

2007年(4位)

1996年から2年間監督を務めた大矢明彦が10年ぶりにチームの監督に復帰。大矢新監督は1998年の優勝メンバーが高齢化している現状を鑑み、就任後に巨人から仁志敏久を、ソフトバンクから寺原隼人をそれぞれ交換トレードで獲得してシーズンに臨んだ。前年シーズン2位の阪神が開幕から不調だったこともあり、一時は2位に立ったが、後半戦は投打ともに力尽き、CS争いから脱落となり、Bクラス確定。勝率は.497とあと一歩で5割であった。また、借金が僅か1であることや、交流戦で3位となるなど来シーズンへの期待が持てるシーズンとなるはずであった。

2007年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 巨人 -- 巨人 -- 巨人 -- 中日 -- 巨人 -- 巨人 --
2位 横浜 0.5 中日 1.5 中日 4.0 巨人 0.0 中日 1.0 中日 1.5
3位 中日 2.0 広島 6.5 横浜 6.0 横浜 2.5 阪神 3.5 阪神 4.5
4位 阪神 3.0 横浜 7.0 阪神 11.0 阪神 3.5 横浜 7.5 横浜 9.0
5位 広島 4.5 阪神 7.5 広島 14.0 ヤクルト 11.5 ヤクルト 16.5 広島 19.5
6位 ヤクルト 5.0 ヤクルト 12.5 ヤクルト 14.0 広島 13.5 広島 17.5 ヤクルト 20.5
2007年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 読売ジャイアンツ 80 63 1 .559 優勝
2位 中日ドラゴンズ 78 64 2 .549 1.5
3位 阪神タイガース 74 66 4 .529 4.5
4位 横浜ベイスターズ 71 72 1 .497 9.0
5位 広島東洋カープ 60 82 2 .423 19.5
6位 東京ヤクルトスワローズ 60 84 0 .417 20.5
日本生命セ・パ交流戦2007 最終成績
順位 球団 勝率
優勝 北海道日本ハムファイターズ 18 5 1 .783 ---
2位 読売ジャイアンツ 15 9 0 .625 3.5
3位 横浜ベイスターズ 14 9 1 .609 4.0
4位 千葉ロッテマリーンズ 13 10 1 .565 5.0
5位 中日ドラゴンズ 12 11 1 .522 6.0
6位 オリックス・バファローズ 12 11 1 .522 6.0
7位 東北楽天ゴールデンイーグルス 11 12 1 .478 7.0
8位 東京ヤクルトスワローズ 11 13 0 .458 7.5
9位 福岡ソフトバンクホークス 11 13 0 .458 7.5
10位 阪神タイガース 9 14 1 .391 9.0
11位 西武ライオンズ 9 15 0 .375 9.5
12位 広島東洋カープ 5 18 1 .217 13.0
  • 同率の場合は前年の順位で上位のチームが上位にランクされる

2008年(6位)

「徐々にチーム力が向上してきたので、優勝は難しいが今年こそCSを目指す」と大矢監督は高らかに宣言。前年惜しくも4位ながらも巨人中日などに食らいついたことから開幕前はAクラス候補の筆頭に挙げられていた。しかし、阪神との開幕戦を、3連敗を喫するなど4月を7勝18敗で大きく負け越し、早くも最下位に転落。それでも5位の広島と3.5ゲーム差だったことから最下位脱出が期待されたが、5月以降も黒星を重ねシーズン終盤には球団記録タイ(1回目は1955年)の14連敗を喫し、5月26日時点で自力優勝が消滅[3][4]。その後は最下位が定位置となり、最終的に連覇を果たした巨人に36.5ゲーム、そして5位のヤクルトにも19ゲーム差をつけられ、首位打者と本塁打王がいながら2年ぶりに文句なしの最下位へと逆戻り。さらに2003年以来5年ぶりとなるリーグワーストの90敗以上(最終的に48勝94敗2分)という不名誉なおまけもついた(この年から2010年シーズンにかけて毎シーズン90敗以上を達成する)。その一方で、打撃陣は主砲の村田修一が46本塁打で2年連続となる本塁打王を獲得。さらに内川聖一が.378の高打率で首位打者を獲得するなど、打線は好調であった。

2008年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 9月終了時 最終成績
1位 阪神 -- 阪神 -- 阪神 -- 阪神 -- 阪神 -- 阪神 -- 巨人 --
2位 中日 2.5 中日 4.5 中日 6.5 巨人 9.5 巨人 6.0 巨人 0.5 阪神 2.0
3位 ヤクルト 6.5 巨人 9.0 巨人 10.0 中日 13.0 中日 12.5 中日 12.0 中日 12.0
4位 巨人 7.5 広島 9.5 広島 11.5 ヤクルト 16.0 広島 14.5 広島 13.0 広島 14.0
5位 広島 8.0 ヤクルト 10.5 ヤクルト 12.5 広島 17.0 ヤクルト 16.0 ヤクルト 18.0 ヤクルト 17.5
6位 横浜 11.5 横浜 18.5 横浜 23.5 横浜 29.5 横浜 30.0 横浜 35.5 横浜 36.5
2008年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 読売ジャイアンツ 84 57 3 .596 優勝
2位 阪神タイガース 82 59 3 .582 2.0
3位 中日ドラゴンズ 71 68 5 .511 12.0
4位 広島東洋カープ 69 70 5 .496 14.0
5位 東京ヤクルトスワローズ 66 74 4 .471 17.5
6位 横浜ベイスターズ 48 94 2 .338 36.5
日本生命セ・パ交流戦2008 最終成績
順位 球団 勝率
優勝 福岡ソフトバンクホークス 15 9 0 .625 ---
2位 阪神タイガース 15 9 0 .625 0.0
3位 北海道日本ハムファイターズ 14 10 0 .583 1.0
4位 読売ジャイアンツ 14 10 0 .583 1.0
5位 東北楽天ゴールデンイーグルス 13 11 0 .542 2.0
6位 広島東洋カープ 13 11 0 .542 2.0
7位 中日ドラゴンズ 12 12 0 .500 3.0
8位 オリックス・バファローズ 11 13 0 .458 4.0
9位 東京ヤクルトスワローズ 11 13 0 .458 4.0
10位 千葉ロッテマリーンズ 10 14 0 .417 5.0
11位 埼玉西武ライオンズ 10 14 0 .417 5.0
12位 横浜ベイスターズ 6 18 0 .250 9.0
  • 同率の場合は前年の順位で上位のチームが上位にランクされる

2009年(6位)

前年のシーズンオフにFA宣言した三浦大輔の残留に成功[5]したチームは、OBで野球解説者の駒田徳広を一軍打撃コーチとして9年ぶりに古巣に復帰させるなど、チームスタッフを一新したが、中日巨人との6連戦を6連敗でスタートするなど最悪のスタートを切った。4月を8勝14敗と負け越し、チームは5月に入っても成績不振から脱出できず、大矢監督はついに休養[6]。後を受けた田代監督代行でもチーム再建は難しく、チームは3連覇の巨人に42.5ゲーム、5位の広島に16ゲームもつけられ、2年連続の最下位となった。後任監督には、尾花高夫が就任[7]

2009年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 巨人 -- 巨人 -- 巨人 -- 巨人 -- 巨人 -- 巨人 --
2位 ヤクルト 2.5 ヤクルト 3.0 ヤクルト 4.0 中日 1.5 中日 4.0 中日 12.0
3位 広島 3.5 中日 8.0 中日 6.5 ヤクルト 3.5 ヤクルト 14.0 ヤクルト 22.0
4位 阪神 広島 8.0 広島 12.0 阪神 15.0 阪神 19.0 阪神 24.5
5位 中日 5.0 阪神 10.5 阪神 14.5 広島 15.5 広島 21.0 広島 26.5
6位 横浜 6.5 横浜 13.5 横浜 21.5 横浜 23.0 横浜 30.5 横浜 42.5
2009年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 読売ジャイアンツ 89 46 9 .659 優勝
2位 中日ドラゴンズ 81 62 1 .566 12.0
3位 東京ヤクルトスワローズ 71 72 1 .497 22.0
4位 阪神タイガース 67 73 4 .479 24.5
5位 広島東洋カープ 65 75 4 .464 26.5
6位 横浜ベイスターズ 51 93 0 .354 42.5
日本生命セ・パ交流戦2009 最終成績
順位 球団 勝率
優勝 福岡ソフトバンクホークス 18 5 1 .783 ---
2位 東京ヤクルトスワローズ 15 9 0 .625 3.5
3位 広島東洋カープ 14 9 1 .609 4.0
4位 中日ドラゴンズ 14 9 1 .609 4.0
5位 読売ジャイアンツ 12 9 3 .571 5.0
6位 北海道日本ハムファイターズ 12 11 1 .522 6.0
7位 埼玉西武ライオンズ 11 11 2 .500 6.5
8位 千葉ロッテマリーンズ 9 12 3 .429 8.0
9位 阪神タイガース 9 13 2 .409 8.5
10位 東北楽天ゴールデンイーグルス 9 15 0 .375 9.5
11位 オリックス・バファローズ 8 16 0 .333 10.5
12位 横浜ベイスターズ 6 18 0 .250 12.5
  • 同率の場合は前年の順位で上位のチームが上位にランクされる

2010年(6位)

4月こそ借金3と前年より健闘したものの、その後は投手陣が崩壊し、交流戦では最下位に転落[8]。早々に優勝戦線はおろか、クライマックスシリーズ争いから脱落[9]。その後も最下位が定位置となり、優勝した中日に32ゲーム、5位の広島に10.5ゲーム差をつけられ、防御率も4.88となり、3年連続ダントツ最下位でシーズン終了[10]。打撃陣は内川聖一がチーム首位打者、主砲の村田修一がチーム本塁打王、前年レギュラー定着の石川雄洋がチーム最多盗塁を記録するなど個人の活躍は目立ったが、チーム本塁打数はこの年3位の巨人に100本以上も差をつけられた。シーズン終盤以降には住生活グループへの買収交渉が話題になったが、最終的に交渉は失敗し、翌年もTBSホールディングスが球団保有を継続することになった[11]

2010年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 巨人 -- 巨人 -- 巨人 -- 阪神 -- 阪神 -- 中日 --
2位 阪神 2.0 阪神 4.5 阪神 5.0 巨人 0.5 巨人 1.0 阪神 1.0
3位 中日 4.5 中日 6.5 中日 8.0 中日 4.0 中日 2.5 巨人 1.0
4位 横浜 6.0 横浜 11.5 ヤクルト 15.0 ヤクルト 12.5 ヤクルト 7.0 ヤクルト 6.5
5位 広島 7.0 広島 12.5 広島 15.5 広島 18.0 広島 18.0 広島 21.5
6位 ヤクルト 7.5 ヤクルト 16.5 横浜 18.5 横浜 21.0 横浜 24.5 横浜 32.0
期間
成績
13勝16敗
勝率.448
7勝13敗
勝率.350
5勝16敗
勝率.238
6勝13敗
勝率.316
9勝16敗1分
勝率.360
8勝20敗1分
勝率.286
2010年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 中日ドラゴンズ 79 62 3 .560 優勝
2位 阪神タイガース 78 63 3 .553 1.0
3位 読売ジャイアンツ 79 64 1 .552 1.0
4位 東京ヤクルトスワローズ 72 68 3 .514 6.5
5位 広島東洋カープ 58 84 2 .408 21.5
6位 横浜ベイスターズ 48 95 1 .336 32.0
日本生命セ・パ交流戦2010 最終成績
順位 球団 勝率
優勝 オリックス・バファローズ 16 8 0 .667 ---
2位 埼玉西武ライオンズ 14 10 0 .583 2.0
3位 福岡ソフトバンクホークス 13 10 1 .565 2.5
4位 千葉ロッテマリーンズ 13 10 1 .565 2.5
5位 東北楽天ゴールデンイーグルス 13 10 1 .565 2.5
6位 北海道日本ハムファイターズ 12 11 1 .522 3.5
7位 読売ジャイアンツ 12 12 0 .500 4.0
8位 阪神タイガース 11 12 1 .478 4.5
9位 中日ドラゴンズ 11 13 0 .458 5.0
10位 広島東洋カープ 10 12 2 .455 5.0
11位 東京ヤクルトスワローズ 9 14 1 .391 6.5
12位 横浜ベイスターズ 6 18 0 .250 10.0
  • 同率の場合は前年の順位で上位のチームが上位にランクされる

2011年(6位)

前年シーズンオフに内川聖一がFA権を行使し、ソフトバンクへ移籍[12]。また、寺原がトレードでオリックスへ。その一方で、FAで森本稀哲を、楽天を自由契約となった中村紀洋を獲得するなど補強。シーズン前には加持隆雄球団社長が「これで変わらなかったら、本当にダメですから。僕はチームを変えるためならこの命をかけてもいい。もし負けたら、ベイブリッジから飛び降りる覚悟ですよ」と発言し、横浜国際港の関係者から「船が航行できなくなって迷惑だからやめてくれ」と注意される[13]。本来、3月25日開幕の予定であったが、東日本大震災の影響で4月12日にずれ込んだ。4月は開幕カードの中日3連戦に勝ち越すなど5勝10敗の借金5と善戦するも、5月以降は負け越しが続き、そこから浮上することなく最終的に4年連続最下位でシーズンを終え、10月18日には本拠地・横浜スタジアムで中日の胴上げを目の前で許した[14]。打撃陣は内川の穴埋めとして新たに楽天から金銭トレードで獲得した渡辺直人が守備でチームに貢献したものの、チーム本塁打は2002年以来9年ぶりに100を割り、チーム打率も.239でリーグ5位と低迷した。そして、シーズン終了後、楽天などの反対を退き[15]、TBSホールディングスがDeNAに球団を売却したことにより球団名も「横浜DeNAベイスターズ」と改称。ついにTBSホールディングス時代の横浜は終焉となった(ここまでの成績 Aクラス1回 Bクラス9回)。なお、尾花は解任され、後任監督には、中畑清が就任[16][17]

2011年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 9月終了時 最終成績
1位 ヤクルト -- ヤクルト -- ヤクルト -- ヤクルト -- ヤクルト -- ヤクルト -- 中日 --
2位 広島 中日 0.0 中日 3.5 阪神 7.5 巨人 1.5 中日 3.0 ヤクルト 2.5
3位 阪神 2.0 巨人 2.5 阪神 7.0 中日 9.0 中日 2.5 巨人 6.0 巨人 3.5
4位 中日 2.5 広島 2.5 巨人 7.0 広島 9.0 阪神 阪神 10.0 阪神 9.0
5位 巨人 3.0 阪神 6.0 広島 7.0 巨人 10.0 広島 3.5 広島 13.5 広島 16.0
6位 横浜 4.5 横浜 6.5 横浜 10.0 横浜 17.0 横浜 18.5 横浜 26.0 横浜 27.5
期間
成績
5勝10敗1分
勝率.333
9勝13敗2分
勝率.409
7勝10敗2分
勝率.412
6勝14敗2分
勝率.300
5勝16敗2分
勝率.238
8勝13敗1分
勝率.381
7勝10敗1分
勝率.412
2011年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 中日ドラゴンズ 75 59 10 .560 優勝
2位 東京ヤクルトスワローズ 70 59 15 .543 2.5
3位 読売ジャイアンツ 71 62 11 .534 3.5
4位 阪神タイガース 68 70 6 .493 9.0
5位 広島東洋カープ 60 76 8 .441 16.0
6位 横浜ベイスターズ 47 86 11 .353 27.5
日本生命セ・パ交流戦2011 最終成績
順位 球団 勝率
優勝 福岡ソフトバンクホークス 18 4 2 .818 ---
2位 オリックス・バファローズ 15 7 2 .682 3.0
3位 北海道日本ハムファイターズ 16 8 0 .667 3.0
4位 中日ドラゴンズ 14 10 0 .583 5.0
5位 埼玉西武ライオンズ 12 11 1 .522 6.5
6位 東京ヤクルトスワローズ 10 12 2 .455 8.0
7位 読売ジャイアンツ 10 13 1 .435 8.5
8位 阪神タイガース 10 14 0 .417 9.0
9位 東北楽天ゴールデンイーグルス 9 13 2 .409 9.0
10位 千葉ロッテマリーンズ 8 14 2 .364 10.0
11位 横浜ベイスターズ 7 13 4 .350 10.0
12位 広島東洋カープ 6 16 2 .273 12.0

「暗黒時代」脱出への道(2012年〜2015年)

2012年(6位)

親会社がTBSホールディングスからDeNAへと変わり、球団名も「横浜DeNAベイスターズ」へと変更。巨人からFA宣言を行使した、鶴岡一成を、同じく巨人からアレックス・ラミレスを、中日からFA宣言した小池正晃を獲得するなど補強。阪神との開幕戦を1勝1分1敗とまずまずの出だしであったが、続く中日・広島とのカードで6連敗。特に4月6日の広島戦では、前田健太ノーヒットノーランを許すほか、46回連続無得点で1995年の大洋時代に記録した球団ワースト記録の39イニング連続無得点を57年ぶりに更新したことなど不名誉な記録を立ててしまう[18][19]。それでも15日の巨人戦では、延長11回に中村紀洋が逆転サヨナラ2ランを放つなど意地を見せた。ただ、チームは戦力不足で前年と同じ借金39で5年連続最下位となった。打撃陣は、ラミレスが19本塁打、中村が11本塁打など復調の兆しを見せた。また、この年から徐々に客足が戻ってくるようになった。

2012年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 ヤクルト -- 中日 -- 中日 -- 巨人 -- 巨人 -- 巨人 --
2位 中日 0.0 巨人 2.5 巨人 0.0 中日 4.5 中日 6.5 中日 10.5
3位 阪神 2.5 阪神 6.5 ヤクルト 5.5 広島 12.0 広島 17.5 ヤクルト 20.0
4位 広島 4.5 ヤクルト 7.5 阪神 8.0 ヤクルト 12.5 ヤクルト 19.5 広島 26.5
5位 巨人 5.5 広島 11.0 広島 10.5 阪神 17.5 阪神 25.5 阪神 31.5
6位 DeNA 8.5 DeNA 12.5 DeNA 15.5 DeNA 23.0 DeNA 30.5 DeNA 41.0
2012年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 読売ジャイアンツ 86 43 15 .667 優勝
2位 中日ドラゴンズ 75 53 16 .586 10.5
3位 東京ヤクルトスワローズ 68 65 11 .511 20.0
4位 広島東洋カープ 61 71 12 .462 26.5
5位 阪神タイガース 55 75 14 .423 31.5
6位 横浜DeNAベイスターズ 46 85 13 .351 41.0
日本生命セ・パ交流戦2012 最終成績
順位 球団 勝率
優勝 読売ジャイアンツ 17 7 0 .708 ---
2位 北海道日本ハムファイターズ 14 8 2 .636 2.0
3位 千葉ロッテマリーンズ 12 7 5 .632 2.5
4位 中日ドラゴンズ 12 8 4 .600 3.0
5位 埼玉西武ライオンズ 13 11 0 .542 4.0
6位 広島東洋カープ 10 11 3 .476 5.5
7位 オリックス・バファローズ 10 13 1 .435 6.5
8位 阪神タイガース 9 12 3 .429 6.5
9位 東北楽天ゴールデンイーグルス 10 14 0 .417 7.0
10位 横浜DeNAベイスターズ 9 14 1 .391 7.5
11位 福岡ソフトバンクホークス 8 13 3 .381 7.5
12位 東京ヤクルトスワローズ 9 15 0 .375 8.0

2013年(5位)

開幕前、中日からホルヘ・ソーサトニ・ブランコエンジェルベルト・ソトの3人を獲得[20]。前年までは、Aクラス争いから早い段階で脱落していたDeNAであったが、この年は8月終了時点で3位広島に3.5ゲーム差とシーズンの終盤までクライマックスシリーズ争いに加わった。しかし、広島が9月以降に貯金を7つ重ねたのに対して、DeNAも貯金を重ねたが2つ止まり。結局、9月25日、広島が対中日戦(ナゴヤドーム)に勝利したことで広島のAクラスが確定。DeNAはAクラスに届かず、クライマックスシリーズへの出場も逃してしまった。ただ、6年ぶりとなる最下位脱出を果たすなど、ついに暗黒時代脱出への光が見え始めた[21]。また、5月10日の巨人戦(横浜スタジアム)では、7回表終了時点で10-3と大きくリードを許した状況から、一気に6点を取ると、9回裏の攻撃で多村仁志が逆転サヨナラ3ランを放つなどあきらめない姿勢を見せた[22]。戦力としては、ブランコを中心とした打線がリーグ1位の得点力を発揮したのに対して、投手陣はチーム防御率4.50とリーグワーストと低迷した。

2013年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 巨人 -- 巨人 -- 巨人 -- 巨人 -- 巨人 -- 巨人 --
2位 阪神 3.5 阪神 1.5 阪神 2.5 阪神 6.5 阪神 8.0 阪神 8.0
3位 ヤクルト 6.0 広島 8.0 中日 12.0 DeNA 16.0 広島 20.0 広島 20.0
4位 広島 6.0 中日 9.0 広島 12.5 広島 17.5 中日 21.5 中日 21.5
5位 DeNA 7.0 DeNA 9.5 DeNA 13.0 中日 DeNA 23.5 DeNA 23.5
6位 中日 7.5 ヤクルト 10.0 ヤクルト 15.0 ヤクルト 21.5 ヤクルト 27.0 ヤクルト 28.5
期間
成績
12勝16敗
勝率.429
9勝14敗
勝率.391
8勝10敗
勝率.444
12勝10敗
勝率.545
8勝16敗1分
勝率.333
15勝13敗
勝率.536
2013年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 読売ジャイアンツ 84 53 7 .613 優勝
2位 阪神タイガース 73 67 4 .521 12.5
3位 広島東洋カープ 69 72 3 .489 17.0
4位 中日ドラゴンズ 64 77 3 .454 22.0
5位 横浜DeNAベイスターズ 64 79 1 .448 23.0
6位 東京ヤクルトスワローズ 57 83 4 .407 28.5
日本生命セ・パ交流戦2013 最終成績
順位 球団 勝率
優勝 福岡ソフトバンクホークス 15 8 1 .652 ---
2位 東北楽天ゴールデンイーグルス 15 9 0 .625 0.5
3位 読売ジャイアンツ 13 10 1 .565 2.0
4位 北海道日本ハムファイターズ 13 10 1 .565 2.0
5位 千葉ロッテマリーンズ 13 10 1 .565 2.0
6位 オリックス・バファローズ 13 10 1 .565 2.0
7位 阪神タイガース 12 11 1 .522 3.0
8位 広島東洋カープ 11 13 0 .458 4.5
9位 埼玉西武ライオンズ 11 13 0 .458 4.5
10位 中日ドラゴンズ 10 13 1 .435 5.0
11位 東京ヤクルトスワローズ 7 16 1 .304 8.0
12位 横浜DeNAベイスターズ 7 17 0 .292 8.5

[注 3]

2014年(5位)

開幕前にコロラド・ロッキーズを自由契約となった元巨人の高橋尚成、阪神からFA宣言をした久保康友を獲得したが、 久保の人的補償として正捕手の鶴岡一成が阪神に移籍した。

4月に7勝18敗と大きく負け越し、開幕ダッシュに失敗してしまったものの、5月13日にユリエスキ・グリエルを獲得。5月に井納翔一、6月に山口俊(9月にも獲得)、8月に三浦大輔と球団史上初めて1シーズン3度(最終的には1シーズン4度)の月間MVPを獲得し、5月から8月にかけて勝率を5割以上キープ。9月までにクライマックスシリーズ進出の可能性を残していたが、9月27日にAクラス入りの可能性が消滅し、10月6日の対ヤクルト戦(神宮)に敗れ、9年連続Bクラスと2年連続5位が決定した。ただ、主催試合のチケットの売り上げが前年と比べて119%も上昇していることなど、チームが徐々に伸びてきている[23]

2014年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 広島 -- 広島 -- 巨人 -- 巨人 -- 巨人 -- 巨人 --
2位 阪神 0.0 巨人 1.5 広島 2.5 阪神 3.0 広島 1.0 阪神 7.0
3位 巨人 2.0 阪神 3.0 中日 6.0 広島 3.5 阪神 2.5 広島 7.5
4位 中日 6.0 中日 6.0 阪神 7.0 中日 5.0 DeNA 8.0 中日 13.5
5位 ヤクルト 9.0 ヤクルト 8.0 ヤクルト 10.0 DeNA 10.0 中日 11.5 DeNA 14.5
6位 DeNA 10.0 DeNA 9.5 DeNA 11.0 ヤクルト 15.0 ヤクルト 13.5 ヤクルト 21.0
2014年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 読売ジャイアンツ 82 61 1 .573 優勝
2位 阪神タイガース 75 68 1 .524 7.0
3位 広島東洋カープ 74 68 2 .521 7.5
4位 中日ドラゴンズ 67 73 4 .479 13.5
5位 横浜DeNAベイスターズ 67 75 2 .472 14.5
6位 東京ヤクルトスワローズ 60 81 3 .426 21.0
日本生命セ・パ交流戦2014 最終成績
順位 球団 勝率
優勝 読売ジャイアンツ 16 8 0 .667 ---
2位 福岡ソフトバンクホークス 14 8 2 .636 1.0
3位 オリックス・バファローズ 14 10 0 .583 2.0
4位 中日ドラゴンズ 13 10 1 .565 2.5
5位 横浜DeNAベイスターズ 13 11 0 .542 3.0
6位 千葉ロッテマリーンズ 12 12 0 .500 4.0
7位 北海道日本ハムファイターズ 11 12 1 .478 4.5
8位 埼玉西武ライオンズ 11 13 0 .458 5.0
9位 東京ヤクルトスワローズ 10 12 2 .455 5.0
10位 東北楽天ゴールデンイーグルス 9 15 0 .375 7.0
11位 阪神タイガース 9 15 0 .375 7.0
12位 広島東洋カープ 9 15 0 .375 7.0

[注 4]

2015年(6位)

好不調の波が大きく、4月に7連敗を喫した後に快進撃を見せて首位浮上。しかし、交流戦で3勝14敗1分と大きく負け越し、勝率も.176と交流戦歴代ワースト記録を樹立[24]。後半に入ると2度の4連敗で後退し、その後も投手不足と打線の不調が重なり負けが込んだ。この年のチームは、まさにジェットコースターのようなチームであった[25]。最後は最下位で10年連続のBクラス。打撃陣は、筒香が24本塁打93打点、梶谷が13本塁打28盗塁と長打力を発揮した。ドラフト3位倉本寿彦はショートの定位置を掴んだが、一番石川が途中離脱するなど中軸以外は流動的だった。投手陣は久保が8勝、井納は5勝止まりで山口・三嶋も安定感を欠いた。この年限りで中畑は退任。後任には、アレックス・ラミレスが就任[26]

2015年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 巨人 -- DeNA -- 阪神 -- 阪神 -- 阪神 -- ヤクルト --
2位 ヤクルト 1.0 巨人 1.0 巨人 1.0 巨人 0.5 ヤクルト 1.0 巨人 1.5
3位 DeNA 1.0 阪神 5.0 ヤクルト 2.0 ヤクルト 1.5 巨人 1.0 阪神 6.0
4位 中日 2.0 中日 6.0 DeNA 2.0 広島 4.5 広島 4.5 広島 6.5
5位 阪神 2.5 ヤクルト 6.0 広島 3.5 DeNA 5.0 DeNA 8.5 中日 13.0
6位 広島 5.5 広島 6.5 中日 6.0 中日 9.0 中日 8.5 DeNA 14.5
期間
成績
15勝13敗
勝率.536
16勝10敗
勝率.615
4勝14敗1分
勝率.222
9勝13敗
勝率.409
10勝16敗
勝率.385
8勝14敗
勝率.364

[注 5]

2015年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 東京ヤクルトスワローズ 76 65 2 .539 優勝
2位 読売ジャイアンツ 75 67 1 .528 1.5
3位 阪神タイガース 70 71 2 .496 6.0
4位 広島東洋カープ 69 71 3 .493 6.5
5位 中日ドラゴンズ 62 77 4 .446 13.0
6位 横浜DeNAベイスターズ 62 80 1 .437 14.5
日本生命セ・パ交流戦2015 最終成績
順位 球団 勝率
優勝 福岡ソフトバンクホークス 12 6 0 .667 ---
2位 北海道日本ハムファイターズ 11 6 1 .647 0.5
3位 埼玉西武ライオンズ 10 6 2 .625 1.0
4位 東北楽天ゴールデンイーグルス 10 8 0 .556 2.0
5位 千葉ロッテマリーンズ 10 8 0 .556 2.0
6位 阪神タイガース 10 8 0 .556 2.0
7位 広島東洋カープ 9 9 0 .500 3.0
8位 東京ヤクルトスワローズ 8 9 1 .471 3.5
9位 オリックス・バファローズ 8 10 0 .444 4.0
10位 中日ドラゴンズ 7 10 1 .412 4.5
11位 読売ジャイアンツ 7 11 0 .389 5.0
12位 横浜DeNAベイスターズ 3 14 1 .176 8.5

[注 6]

「暗黒時代」の終焉(2016年)

4月は投打にわたり、戦力不足で9勝18敗と大きく負け越すなど、不安な立ち上がりであったが、5月に入ると石田健大、新人の今永昇太が揃って月間4戦全勝を挙げて活躍するなど、5月3日時点で11あった借金を5月28日には完済した。前年は悲惨な結果で終わった鬼門の交流戦は負け越したものの、Aクラスで前半戦を折り返し、7月19日から22日にかけて筒香嘉智が月間16本塁打の歴代日本人最多記録を樹立[27]。後半戦は4位阪神に0.5差まで詰められたが、最後までAクラスを守り抜き、9月19日、対広島戦にて勝利、2005年以来11年ぶりのAクラスが確定し、チーム初のクライマックスシリーズ進出を決めた[28]。最終結果は69勝71敗3分と若干負けが先行したが、TBSホールディングス時代からの長きにわたる暗黒時代に終止符が打たれた。クライマックスシリーズでは2位の巨人と対戦(東京ドーム)し、2勝1敗でファイナルステージ進出を決めてこの年首位独走の広島と対戦したが、1勝4敗で敗退した[29]

なお、横浜スタジアムでは、クライマックスシリーズ対広島戦の模様をパブリックビューイングで実施され、敗れはしたものの、スタジアムに約3万7千人が駆け付け、大声援を送るなど、完全に客足を取り戻した[30]

2016年セントラル・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 巨人 -- 広島 -- 広島 -- 広島 -- 広島 -- 広島 --
2位 広島 0.5 中日 2.5 巨人 9.0 巨人 8.0 巨人 12.0 巨人 17.5
3位 中日 1.5 DeNA 2.5 DeNA 9.5 DeNA 10.0 DeNA 17.5 DeNA 19.5
4位 阪神 2.5 巨人 2.5 中日 10.0 阪神 15.0 ヤクルト 19.0 阪神 24.5
5位 ヤクルト 3.5 阪神 3.0 阪神 11.0 中日 16.0 阪神 21.0 ヤクルト 25.5
6位 DeNA 7.0 ヤクルト 4.5 ヤクルト 12.0 ヤクルト 17.5 中日 24.0 中日 30.5
期間
成績
9勝18敗2分
勝率.333
16勝7敗1分
勝率.696
9勝13敗
勝率.409
13勝11敗
勝率.542
10勝14敗
勝率.417
12勝8敗
勝率.600

[注 7]

2016年セントラル・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 広島東洋カープ 89 52 2 .631 優勝
2位 読売ジャイアンツ 71 69 3 .507 17.5
3位 横浜DeNAベイスターズ 69 71 3 .493 19.5
4位 阪神タイガース 64 76 3 .457 24.5
5位 東京ヤクルトスワローズ 64 78 1 .451 25.5
6位 中日ドラゴンズ 58 82 3 .414 30.5
日本生命セ・パ交流戦2016 最終成績
順位 球団 勝率
優勝 福岡ソフトバンクホークス 13 4 1 .765 ---
2位 千葉ロッテマリーンズ 12 6 0 .667 1.5
3位 広島東洋カープ 11 6 1 .647 2.0
4位 東北楽天ゴールデンイーグルス 11 7 0 .611 2.5
5位 北海道日本ハムファイターズ 10 8 0 .556 3.5
6位 埼玉西武ライオンズ 9 9 0 .500 4.5
7位 読売ジャイアンツ 9 9 0 .500 4.5
8位 中日ドラゴンズ 7 11 0 .389 6.5
9位 横浜DeNAベイスターズ 7 11 0 .389 6.5
10位 阪神タイガース 7 11 0 .389 6.5
11位 東京ヤクルトスワローズ 6 12 0 .333 7.5
12位 オリックス・バファローズ 5 13 0 .278 8.5

[注 8]

クライマックスシリーズ対戦成績
2016 アットホーム クライマックスシリーズ・セ ファーストステージ
日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月8日(土) 第1戦 横浜DeNAベイスターズ 5 - 3 読売ジャイアンツ 東京ドーム
10月9日(日) 第2戦 横浜DeNAベイスターズ 1 - 2 読売ジャイアンツ
10月10日(月) 第3戦 横浜DeNAベイスターズ 4 - 3 読売ジャイアンツ
勝者:横浜DeNAベイスターズ
2016 マツダ クライマックスシリーズ・セ ファイナルステージ
日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
アドバンテージ 横浜DeNAベイスターズ 広島東洋カープ
10月12日(水) 第1戦 横浜DeNAベイスターズ 0 - 5 広島東洋カープ MAZDA Zoom-Zoom
スタジアム広島
10月13日(木) 第2戦 横浜DeNAベイスターズ 0 - 3 広島東洋カープ
10月14日(金) 第3戦 横浜DeNAベイスターズ 3 - 0 広島東洋カープ
10月15日(土) 第4戦 横浜DeNAベイスターズ 7 - 8 広島東洋カープ
勝者:広島東洋カープ

「暗黒時代」終焉以降の横浜DeNAベイスターズ(2016年〜)

Aクラス入りを果たした2016年のクライマックスシリーズではファーストステージの巨人には2勝1敗で突破したものの、ファイナルステージでは、対戦相手の広島に1勝4敗で敗れ、日本シリーズ出場を逃した。

2017年以降の横浜DeNAベイスターズは、2021年まで最下位で終わったシーズンが1度もなく、また2017年には、シーズン3位ながらも、日本シリーズ出場を果たすなど、比較的安定して高い順位をキープし続けている。

「暗黒時代」終焉以降の横浜DeNAベイスターズの順位
(2016年〜2022年)
順位 回数
セ・リーグ Aクラス 優勝 0回 5回
2位 3回
3位 2回
Bクラス 4位 1回 2回
5位 0回
6位 1回
通算7シーズン
日本シリーズ進出 1回
日本一 0回

「暗黒時代」突入の原因

親会社の管理不足

親会社の管理不足こそが、「暗黒時代」突入の最大の原因とも言え、この後の原因の話へと直結する。マルハに代わり親会社となったTBSホールディングスは、元々親会社になることはなかった。しかし、経営が悪化していたマルハから第2位の株主だったニッポン放送に球団株式が譲渡されたが、同じフジサンケイグループフジテレビヤクルトスワローズ(現:東京ヤクルトスワローズ)の株式を所有していたことから、野球協約に抵触するとして断念。第3位の株主だったTBSホールディングスが球団株式の69.2%を取得し、筆頭株主になったという経緯がある。つまり、元々親会社になる気のなかった会社が親会社になってしまったため、やる気も当然ながらなく、管理不足となってしまった。結果、チームは弱体化し、ブランドも地に落ちた。

実際に成績で見てみると、TBSホールディングス時代は、Aクラス1回 Bクラス9回と言う成績で終わっているが、DeNA時代[注 9]は、Aクラス5回 Bクラス7回と、いかにTBSホールディングス時代が悲惨な成績で終わったかがわかる。

補強ミス

2008年シーズンオフに獲得した、ダン・ジョンソン選手を球団は、外野手登録を行い外野を守らせようとしたが、実際には内野しか守れない状態であった。メジャー時代に外野を守ったことは1試合程度しかない。結局、2009年限りで戦力外となった。このようなミスが発生した理由は、当時の大矢監督は外野を守れる強打者をフロントに求めたが、連れて来られたのがジョンソンであった。つまり、補強ミスである。

フロント

2002年のドラフトで、東海大学久保裕也の獲得に動いていた。久保もベイスターズ入りを希望しており、ベイスターズはドラフトの自由枠で獲得を約束していた。しかし球団首脳陣はドラフト直前に一方的に約束を破棄して、ドラフトでは多田野数人を指名(結局、多田野のゲイビデオ出演疑惑で入団ならず)。結局久保は巨人に入団し、担当スカウトで東海大学とつながりが深かった長谷川国利も退団した。当時東海大学の総監督で、長谷川スカウトの師匠的立場だった原貢はこの行為に激怒し、ベイスターズに対して今後はドラフト対象選手を新卒入団させないことを決めたが(当初ドラフト対象外だった選手が入団テストを個人で受けることの可否は不明)、社会人野球を経た選手では、荒波翔トヨタ自動車硬式野球部を経て2011年に入団している。

DeNAの経営となって以降は、2012年にオープン戦を開催するなど東海大学との関係を修復した。原の没後の2016年には巨人を戦力外となった前述の久保を獲得し、2017年には北海道キャンパスの水野滉也を獲得している。

2003年、2004年はチーム生え抜きである山下大輔がチームを率いていた。しかし2年連続で最下位となり、続投するのか辞任するのか話し合いが持たれるはずだった。ところが山下は新聞に「ベイスターズ来季監督は牛島和彦」という記事を見て、初めて自分が退任となる事実を知る。会見に同席したのは一軍マネージャーだけで、球団からの説明は全くなかった[31]。このようにフロントにも原因があったともいえる。

その一方では、村上忠則山中正竹などアマチュア野球の有力者をフロントやスカウトに招き、補強では成果を残せなかった一方、プロアマの関係改善には貢献した。

その他

他球団における「暗黒時代」

横浜ベイスターズ(現:横浜DeNAベイスターズ)に限らず、成績不調が長期にわたって続く時期のことを他球団においても「暗黒期」や「暗黒時代」などの名称で呼ぶことがある。例として、1987年~2001年の阪神[注 10]、1998年〜2012年の広島[注 11]、2000年〜2020年のオリックス[注 12]、最近では、2013年以降の中日[注 13]、2019年以降の日本ハム[注 14]などが「暗黒期」であると言われることが多々ある。なお、ヤクルトは12球団で最も成績が読めないチームのため、暗黒期とは言えずらい状態である。

脚注

注釈

  1. ^ ここでは、TBSホールディングス時代の横浜のことを指す。
  2. ^ 巨人・阪神・横浜が一場靖弘に栄養費と言う名目で多額現金を渡していたことが発覚した事件。 この3球団のオーナーは引責辞任したが、広島は交通費と言う名目で一場に渡していたが、たった2000円だったので、お咎めなしとなった。
  3. ^ 勝率が同率で並んだ場合、(1)勝利数(2)当該チーム間の当年度交流戦の直接対決成績(3チーム以上並んだ場合は省略)(3)得点/攻撃イニング-失点/守備イニング(4)前項を自責点に置き換えたもの(5)チーム打率(6)前年度の交流戦順位で順位が決定される。
  4. ^ 勝率が同率で並んだ場合、(1)勝利数(2)当該チーム間の当年度交流戦の直接対決成績(3チーム以上並んだ場合は省略)(3)得点/攻撃イニング-失点/守備イニング(4)前項を自責点に置き換えたもの(5)チーム打率(6)前年度の交流戦順位で順位が決定される。
  5. ^ 勝率が同率で並んだ場合、(1)勝利数(2)当該球団間の対戦勝率(3)前年度順位で順位が決定される
  6. ^ 勝率が同率で並んだ場合、(1)勝利数(2)当該チーム間の当年度交流戦の直接対決成績(3チーム以上並んだ場合は省略)(3)得点/攻撃イニング-失点/守備イニング(4)前項を自責点に置き換えたもの(5)チーム打率(6)前年度の交流戦順位で順位が決定される。
  7. ^ 勝率が同率で並んだ場合、(1)当該球団間の対戦勝率(2)交流戦を除くリーグ戦勝率(3)前年度順位で順位が決定される
  8. ^ 勝率が同率で並んだ場合、(1)勝利数(2)当該チーム間の当年度交流戦の直接対決成績(3チーム以上並んだ場合は省略)(3)得点/攻撃イニング-失点/守備イニング(4)前項を自責点に置き換えたもの(5)チーム打率(6)前年度の交流戦順位で順位が決定される。
  9. ^ 2023年現在
  10. ^ 阪神は1987年から2001年まで15シーズン連続Bクラス、うち10シーズンは最下位であった。
  11. ^ 広島は1998年から2012年まで15シーズン連続Bクラス、うち11シーズンは5位であった。ただしこの期間中の最下位は2005年のみである。
  12. ^ オリックスは2000年から2020年までの21シーズンで19回のBクラス入りと9回の最下位になっている。主力選手の1人であったイチローのメジャー移籍、プロ野球再編問題などもこの期間に起きている。
  13. ^ 中日は2013年から現在までの10シーズンで8回のBクラス入りと3回の最下位になっている。Aクラスは2020年のみ。なお、8年ぶりにAクラス入りした2020年シーズンはセ・リーグではクライマックスシリーズが開催されなかったため、2023年現在、12球団で最も同シリーズ出場から遠ざかっている。
  14. ^ 日本ハムは2019年から現在までの4シーズンで4回のBクラス入りと1回の最下位になっている。Aクラスは1度もない。

出典

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  4. ^ まだ5月なのに…横浜自力V消滅 - スポニチ Sponichi Annex 野球”. スポニチ Sponichi Annex. 2023年7月31日閲覧。
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  6. ^ 横浜が大矢監督解任、とりあえず田代代行 - 野球ニュース”. nikkansports.com. 2023年7月31日閲覧。
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  8. ^ 交流戦最下位で尾花監督の溜息が止まらない!”. リアルライブ. 2023年7月31日閲覧。
  9. ^ 巨人に大敗、自力Vが消滅/横浜2-11巨人 | ベイスターズ”. カナロコ by 神奈川新聞. 2023年7月31日閲覧。
  10. ^ 横浜 3年連続最下位 “分析”も防御率悪化 意識改革ができず - スポニチ Sponichi Annex 野球”. スポニチ Sponichi Annex. 2023年7月31日閲覧。
  11. ^ https://www.facebook.com/ToyokeizaiOnline+(2010年11月25日).+“露と消えた横浜ベイスターズ買収、住生活グループの次の一手--潮田洋一郎会長”. 東洋経済オンライン. 2023年7月31日閲覧。
  12. ^ 細川選手&内川選手がダブル入団会見でユニフォーム姿を初披露”. 福岡ソフトバンクホークス. 2023年7月31日閲覧。
  13. ^ 横浜ベイスターズ球団社長・加地隆雄「CS出場じゃない。今年は優勝しか狙いません」 - スポーツ - 週プレNEWS”. web.archive.org (2011年3月17日). 2023年7月31日閲覧。
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関連項目