子癇前症
子癇前症 | |
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別称 | pre-eclampsia toxaemia (PET), pre-eclampsia |
妊娠性高血圧と子癇前症に診られる肥大脱落膜血管障害の顕微鏡写真。H&E染色 | |
概要 | |
診療科 | 産科 |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | O10–O14 |
ICD-9-CM | 642.4–642.7 |
OMIM | 189800 |
DiseasesDB | 10494 |
MedlinePlus | 000898 |
eMedicine | med/1905 ped/1885 |
MeSH | D011225 |
Orphanet | 275555 |
子癇前症(しかんぜんしょう)は妊娠中に高血圧やタンパク尿を特徴とする疾患である[1]。通常、妊娠後期に発症し時間が経つにつれ悪化する[2][3]。重い疾患には赤血球の破壊、血小板減少症、肝機能障害、腎機能障害、浮腫、肺水腫による息切れ、視覚障害がある[2][3]。子癇前症は母親と赤ちゃんの両方の転帰不良のリスクを増加する[3]。もし治療せず放置した場合、結果として妊娠中に起こるてんかん発作、子癇になる[2]。
子癇前症のリスク要因は:肥満、高血圧、高齢年齢、糖尿病などである[2][4]。初めての妊娠または双子を妊娠している場合、通常よりも頻繁に診られる[2]。その根本的なメカニズムは異常な血管が胎盤に成形されることが要因のひとつである[2]。多くの場合、出産前に診断されるので、出産後に子癇前症になることはまれである[3]。歴史的に高血圧とたんぱく尿の人は診断してもらうことが義務付けられており、高血圧と関連する臓器機能障害も検査の対象に含まれる場合がある[3][5]。血圧が高いと診断されるのは妊娠20週後の最高血圧が140mmHgまたは最低血圧が90mmHgを4時間以上おきの2度の測定で上回る場合である[3]。子癇前症は出生前診断で定期的に検査される。[6]
推奨する予防は:リスクの高い場合はアスピリンの服用、少量のカルシウム補給、医薬品による高血圧治療である[4][7]。子癇前症の有効な治療は胎児-胎盤の分娩である[4]。子癇前症の症状の重さと妊娠の進行具合にもよるが分娩が勧められる場合がある[4]。高血圧治療薬のラベタロールやメチルドパを使用することで出産前の母親の症状が改善される[8]。硫酸マグネシウム を使用することで重度の子癇の予防になる[4]。安静にすることや塩分の制限が子癇前症を予防する、または改善するという十分なエビデンスはない。[3][4]
世界的に2%〜8%の妊婦が子癇前症の影響を受ける[4]。妊娠高血圧症候群(前子癇を含む)は妊娠中の最も多い死因である[8]。2013年の死亡者数は29,000人で1990年の死亡者数37,000人を下まわる[9]。子癇前症は妊娠32週に起きやすいが、それより早く起こると転帰不良の結果が関連付けられる[8]。子癇前症を発症したことがある女性は将来心臓病や脳卒中を起こす可能性が高まる[6]。子癇は英語でeclampsiaと言い、ギリシャ語で雷という意味がある[10]。最初に知られる子癇前症の状況は紀元前5世紀のヒポクラテスによって説明されていた[10]。
出典
- ^ Eiland, Elosha; Nzerue, Chike; Faulkner, Marquetta (2012).
- ^ a b c d e f Al-Jameil, N; Aziz Khan, F; Fareed Khan, M; Tabassum, H (February 2014).
- ^ a b c d e f g "Hypertension in pregnancy.
- ^ a b c d e f g WHO recommendations for prevention and treatment of pre-eclampsia and eclampsia.
- ^ Lambert, G; Brichant, JF; Hartstein, G; Bonhomme, V; Dewandre, PY (2014).
- ^ a b Steegers, Eric AP; von Dadelszen, Peter; Duvekot, Johannes J; Pijnenborg, Robert (August 2010).
- ^ Henderson, JT; Whitlock, EP; O'Connor, E; Senger, CA; Thompson, JH; Rowland, MG (May 20, 2014).
- ^ a b c Arulkumaran, N.; Lightstone, L. (December 2013).
- ^ GBD 2013 Mortality and Causes of Death, Collaborators (17 December 2014).
- ^ a b Emile R. Mohler (2006).