「スリナム航空764便墜落事故」の版間の差分

スリナム航空　764便
出来事の概要
日付	1989年6月27日
概要	機長の不適切な操縦
現場	スリナム・パラマリボ近郊
乗客数	178
乗員数	9
負傷者数	11
死者数	176
生存者数	11
機種	ダグラスDC-8-62
運用者	スリナム航空
機体記号	N1809E
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スリナム航空764便墜落事故(Surinam Airways Flight 764)は、1989年 6月27日に発生した航空事故。スリナムのヨハン・ペンヘル国際空港に進入していた旅客機が墜落し、乗員乗客187名中176名が死亡した^[1]。

事故の概要

1989年6月27日、オランダ・アムステルダムのスキポール国際空港発スリナム・パラマリボのヨハン・ペンヘル国際空港行きのスリナム航空764便は1969年製のダグラスDC-8-62、機体番号N1809Eによって運行され、現地時間で前日の23時25分にスキポール国際空港を離陸した。しかし、翌日の午前4時27分ごろ、ヨハン・ペンヘル国際空港への進入中に樹木に接触し、機体が反転する形となりながら墜落。この事故で乗員乗客187名のうち176名が死亡し、生き残った11名も全員負傷した。

事故機の概要

事故機は1969年に製造され、アメリカのブラニフ・インターナショナル航空に納入された。ブラニフ時代の1979年には小規模な事故を起こしていたという。その後、機体はリース会社に転売され、事故機のN1809Eもリースされた機体であった^{[註 1]}。

事故原因

事故の原因は機長の無謀な操縦にあった。当時、ヨハン・ペンヘル国際空港周辺では濃い霧が立ち込めており、極端に視界が悪化していた。その上、当時空港ではILSの使用を停止していた。VORは稼働しており、進入してくる764便に対しVORを使用して着陸するように指示した。しかし、764便の機長は管制塔の命令を無視してILSを使用した着陸を強行し、その結果として事故が発生した。また、764便を担当していた機長は定年を大幅に上回る66歳であった上にその機長がDC-8の操縦資格を保有しておらず、しかもスリナム航空側が当該機長に関する書類を精査していなかったことも後に判明し、会社側の安全責任も問われることとなった。

事故を受けた対策

機体はアメリカの航空会社が保有するものではなかったが、リースされていた機体で、かつ機体番号がアメリカ籍であったため、国家運輸安全委員会による対策が行われた。内容は、アメリカ国内で運行されている航空会社の全乗組員のリスト提出、国際線におけるパイロットのリースシステムの規制などであった。

「カラフル11」の悲劇

当該機体には「カラフル11」(カラフル・イレブン)と呼ばれたサッカー選手の一団が乗機していた。彼らは貧しい地帯で生まれ育ったプロサッカー選手たちであり、オランダにて試合を行うために来蘭していた。さらに彼らはフーフトクラッセでのプレーを希望したが、オランダ当局側がフーフトクラッセでプレーをすることを認めなかったため、母国スリナムへ帰還する最中にこの事故に巻き込まれた^[2]。この事故で、乗機していたカラフル11のメンバー18人のうち15人が死亡。3人が生き残ったが、ひとりは骨盤を骨折して選手生命を絶たれ、ひとりは脊髄を損傷して四肢麻痺の症状が残った。もう一人は再びピッチに立つことができたが、事故による椎骨骨折のダメージで最大の力を発揮できぬまま、若くして引退することになったという。

註釈

^ 機体記号がアメリカを示す「N」から始まっているのはこのためである。

参考文献

^ ASN Aircraft accident McDonell Douglas DC-8-62 Paramaribo-Zanderij International Airport aviation-safety.net。
^ http://www.planecrashinfo.com/famous1980s.htm

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-'''スリナム航空764便墜落事故(Surinam Airways Flight 764)'''は、[[1989年]][[6月27日]]に発生した[[航空事故]]。[[スリナム]]の[[ヨハン・ペンヘル国際空港]]に進入していた旅客機が墜落し、乗員乗客187名中176名が死亡した。
+'''スリナム航空764便墜落事故(Surinam Airways Flight 764)'''は、[[1989年]][[6月27日]]に発生した[[航空事故]]。[[スリナム]]の[[ヨハン・ペンヘル国際空港]]に進入していた旅客機が墜落し、乗員乗客187名中176名が死亡した<ref>[http://aviation-safety.net/database/record.php?id=19890607-2 ASN Aircraft accident McDonell Douglas DC-8-62 Paramaribo-Zanderij International Airport] aviation-safety.net。</ref>。
 == 事故の概要 ==
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 == 「カラフル11」の悲劇 ==
-当該機体には「カラフル11」(カラフル・イレブン)と呼ばれたサッカー選手の一団が乗機していた。彼らは貧しい地帯で生まれ育ったプロサッカー選手たちであり、オランダにて試合を行うために来蘭していた。さらに彼らは[[フーフトクラッセ (サッカー)|フーフトクラッセ]]でのプレーを希望したが、オランダ当局側がフーフトクラッセでプレーをすることを認めなかったため、母国スリナムへ帰還する最中にこの悲劇に巻き込まれた。この事故で、乗機していたカラフル11のメンバー18人のうち15人が死亡。3人が生き残ったが、ひとりは骨盤を骨折して選手生命を絶たれ、ひとりは脊髄を損傷して四肢麻痺の症状が残った。もう一人は再びピッチに立つことができたが、事故による椎骨骨折のダメージで最大の力を発揮できぬまま、若くして引退することになったという。
+当該機体には「カラフル11」(カラフル・イレブン)と呼ばれたサッカー選手の一団が乗機していた。彼らは貧しい地帯で生まれ育ったプロサッカー選手たちであり、オランダにて試合を行うために来蘭していた。さらに彼らは[[フーフトクラッセ (サッカー)|フーフトクラッセ]]でのプレーを希望したが、オランダ当局側がフーフトクラッセでプレーをすることを認めなかったため、母国スリナムへ帰還する最中にこの事故に巻き込まれた<ref>http://www.planecrashinfo.com/famous1980s.htm</ref>。この事故で、乗機していたカラフル11のメンバー18人のうち15人が死亡。3人が生き残ったが、ひとりは骨盤を骨折して選手生命を絶たれ、ひとりは脊髄を損傷して四肢麻痺の症状が残った。もう一人は再びピッチに立つことができたが、事故による椎骨骨折のダメージで最大の力を発揮できぬまま、若くして引退することになったという。
 === 註釈 ===
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