出典: フリー引用句集『ウィキクォート(Wikiquote)』
わかやまぼくすい。宮崎県出身の歌人。
- 白鳥は哀しからずや空の青うみのあをにも染まらずただよふ
- 『海の声』
- ふるさとの尾鈴の山のかなしさよ秋もかすみのたなびきて居り
- かたはらに秋ぐさの花あたるらくほろびしものはなつかしきかな
- 幾山河(いくやまかは)こえさりゆかば寂しさのはてなむ国ぞ今日も旅ゆく
- 『海の声』
- 海(うな)底に眼のなき魚の棲むといふ眼の無き魚の恋しかりけり
- 『路上』
- しら玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり
- 『路上』
- うすべにに葉はいちはやく萌えいでて咲かむとすなり山桜花
- なびき寄る雲のすがたのやはらかきけふ富士が嶺の夕まぐれかな
- ゆふぐれの雪降るまへのあたたかさ街のはづれの群衆(ぐんじゅ)の往来