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中原中也

出典: フリー引用句集『ウィキクォート(Wikiquote)』
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中原中也

中原中也(1907-1937)[編集]

なかはら ちゅうや、山口県の詩人。

  • 汚れつちまつた悲しみに
    今日も小雪の降りかかる
    汚れつちまつた悲しみに
    今日もさへ吹きすぎる

    汚れつちまつた悲しみは
    たとへばの革裘
    汚れつちまつた悲しみは
    小雪のかかつてちぢこまる

    汚れつちまつた悲しみは
    なにのぞむなくねがふなく
    汚れつちまつた悲しみは
    倦怠のうちに

    汚れつちまつた悲しみに
    いたいたしくも怖気づき
    汚れつちまつた悲しみに
    なすところもなく日は暮れる……
    詩集『山羊の歌』より、「汚れつちまった悲しみに……」


  • 長門峡に、水は流れてありにけり。
    寒い寒い日なりき。
    詩集『在りし日の歌』より、「冬の長門峡」(冒頭)


  • 「これが手だ」と、「手」といふ名辞を口にする前に感じてゐる手、その手が深く感じられてゐればよい。
  • 知れよ、面白いから笑ふので、笑ふので面白いのではない。面白い所では人は寧ろニガムシつぶしたやうな表情をする。やがてにつこりするのだが、ニガムシつぶしてゐる所が芸術世界で、笑ふ所はもう生活世界だと云へる。
    以上、「芸術論覚え書」より