出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
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触手 (しょくしゅ)
- 下等な動物の主に口の近くにある触覚器。
- 珊瑚虫が、紺碧の海水のなかで百花の触手をひらいている。そのあいだを、三尺もあるようなナマコがのたくり、半月魚という、ながい鎌鰭のあるうつくしい魚がひらひらと……。(小栗虫太郎『「太平洋漏水孔」漂流記』)
- (比喩)捕食や増殖のために探り探り移動、成長する生物の器官。
- 今年は庭の烏瓜がずいぶん勢いよく繁殖した。中庭の四ツ目垣の薔薇にからみ、それから更に蔓を延ばして手近なさんごの樹を侵略し、いつの間にかとうとう樹冠の全部を占領した。それでも飽き足らずに今度は垣の反対側の楓樹のきまでも触手をのばしてわたりを付けた。(寺田寅彦 『烏瓜の花と蛾』)
- (比喩)あるものを得ようとする野心やそのための手段。
- 茲に収められてるものは、都会の知識階級のおかしな物語である。これらの物語はみな、小悪魔の角度から眺められた。小悪魔は虚構の人物であるが、この場合、必要な創作技法であり、モラール探求の特殊な触手であった。(豊島与志雄 『小説集「白い朝」後記』)
- これらの諸大名を圧迫していた薩摩の島津、肥前の竜造寺といえども、ヨーロッパへの触手は同じように出したがっていたのである。(和辻哲郎 『鎖国 日本の悲劇』)
語義1
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触 | 手
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触 手 (chùshǒu 繁体字:觸手)
- 棘皮動物などが有する口腔を囲み感覚器官を兼ねる自由に動く捕食器官。