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Photographed by tsubottlee

家族三人暮らし。生活に、仕事に、趣味にと必要なものはたくさんあるはずなのに、物であふれているというより、むしろスッキリとした印象を持つのが、能登屋さんのおうち。

ふだんはビジュアルコンサルタント兼整理収納アドバイザーとして活躍している“おうちのプロ”はどんな暮らしの工夫をしているのでしょうか?

仕事と日々の暮らしで培ったアイデアの数々をお聞きしました。

詳しいお部屋のインタビューはこちらから↓

お名前(職業):能登屋英里さん(ビジュアルコンサルタント・整理収納アドバイザー)Naokiさん(フリーランスの英語コーチ)、お子さん
場所:東京都世田谷区
面積:52㎡
間取り:1LDK+WIC
築年数:築54年
住宅形態:マンション
リノベ費用:800万円
間取り図(編集部作成):
間取り図

 

暮らしのアイデア①
カゴやボックス収納で生活感を隠す

お子さんのいる家とは思えないほど、スッキリとした空間を維持している能登屋さんの住まい。

そこには日常的に使うものを上手く隠して収納するポイントがありました。

調味料など、中身が分かりづらいものはラベリングをして判別しやすく。

「おうちのあらゆる場所で、カゴや収納ボックスを活用して、生活感のあるものが表に出ないように意識しています。

たとえばキッチンでは、パッケージでごちゃついてしまう食料品をコンテナボックスにまとめて収納。家族もわかるように同じ種類のものは同じボックスに集めるようにしています」

「表に出している調味料はストッカーを揃えることで、整然とした気持ちの良い収納を目指しています」

薬やサプリメントは家族の分をまとめて、デンマークのキッチンウェアブランド、ステルトンのボックスに収納。

キッチンとダイニングスペースの間にボックスを置くことで生活動線にも考慮していました。

お子さんのおもちゃ入れには、ザッと収納しやすい「バンカーズボックス」を活用。“蓋を開ける”という動作が加わることで、片付けのハードルが上がり散らかる原因となるため、蓋は開けっ放しに。

「必ずしもキレイに片付けられるときばかりではないので、ざっくりしまえるスペースを作っておくと『キレイにしなくてはいけない』といった負担を軽減することができますよ」

能登屋さん宅がキレイを維持できている秘訣の一つに、一人のためでなく、家族全員が無理なく片付けられるような収納が設計されていることがあるのかもしれません……!

暮らしのアイデア②
ハンギングバーを収納だけでなく、ディスプレイにも使う

前回の記事でもご紹介した、各所に設けられているTOSOの「ハンギングバー」は収納にもディスプレイにも活用。

たとえば、玄関ではコート掛けに。間取り上、玄関を広くすることができず、収納は靴をしまえるくらいだったそうですが、リノベーション後にこのハンギングバーをプラス。

そうすることで、帰宅時にコートをリビングやダイニングに置きっぱなしにしたり、わざわざウォークインクローゼットまで取りに行ったりする必要がなくなったのだそう。

また、リビングでは、インテリアの一部として植物のディスプレイ用に。

「リビング奥の空間がのっぺりしていて、照明も変えてみたのですが何かものたりず……。追加で装飾したいなと思って付けてみたんです。

たくさん植物が吊るせるようになって、キッチンダイニングに続く“わが家の顔”になってくれましたね」

暮らしのアイデア③
天井の低さを解消するために、カーテンレールを後付け

天井や窓が低いことが気になっていたそうで、それを解消するためにあるアイテムを導入。

「布の専門店「ieno textile」で一枚布(14-23の布)を活用したディスプレイを見つけました。その良さを知ってから、自宅で上手く使うにはどうしたらいいかと考えていたんです。

その結果、天井にTOSOの「カーテンレールを設置してもらい、布を垂らすことに。天井を高く感じることができ、空間も広く見せてくれますね」

暮らしのアイデア④
「DRAW A LINE」を駆使した、掃除をラクチンにする収納法

既存の収納スペースには限りがあるからこそ、部屋づくりを楽しむうえでは、必要に応じて収納スペースを追加したいところ。

そんな思いを叶えるために、能登屋さん宅で活躍しているのが、DRAW A LINE(ドローアライン)の突っ張り棒。ROOMIEでも何度かご紹介してきた優秀なアイテムです。

「玄関近くでは、身支度を整えるのに必要なものを、ワークスペースでは子どもの文房具などをまとめて収納しています。

収納するものに合わせてパーツを追加できたり、床にものを置く必要がない分、掃除がしやすかったりとオススメです」

ダイニングスペースでは大好きな植物を楽しむために、キャスター付きで好きな場所に動かせる「Move Rod (ムーブロッド)」を使用。

収納がないなら、その場所にあわせて増やす」。その考えと機能的な収納アイテムたちが部屋づくりの自由度を高めていました。

暮らしのアイデア⑤
働き方や子どもの成長に合わせて模様替えをする

能登屋さんは夫・Naokiさんの働き方やお子さんの成長に合わせて、毎年1回は大々的に模様替えをしています。

その時々で部屋での過ごし方も変わるため、みんなが居心地よく過ごすためにどんなお部屋が良いかを考えるようにしているのだとか。

ちなみに、模様替えの手順にについて伺ってみると、「まず行動する」がカギになっていたようで……。

「昔は職業柄、図面を書いてやっていましたが、最近はまずやってみて見た目や使い勝手で調節していくことが多いですね。

模様替えも急にはじめるので、すっぴんやパジャマ姿のままだったりして、家族からは『まず着替えたら?』と言われることも多いです(笑)」

模様替えは能登屋さん一人でなく、家族と一緒におこなうことで新しい発見もあるのだそう。

「大きな家具を動かすには力もいるので、基本は夫と一緒に。最近は娘も興味を持ってくれていてるんです。今のワークスペースとの間に間仕切りとして収納家具を配置したい、と言ったのは娘でそのアイデアを採用しました」

みんなで作業することで新しい視点も加わり、違ったレイアウトを試すことができるのですね。

統一感あるスッキリとした見た目、家族のために考えた使い勝手の良さ、動線を考慮した配置、掃除のしやすさ……。能登屋さんのご自宅には、さまざまな観点から考え抜いた収納テクニックがちりばめられていました。

筆者の住まいにもまだ変えられる部分があるかもしれない。能登屋さんの収納やインテリアのアイデア、暮らしの楽しみ方を真似してみたい。そんなふうに思った取材でした。家族とつくりあげていくこれからの部屋づくりも注目したいですね。

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