2日開かれた自民党憲法改正実現本部(古屋圭司本部長)の全体会合で、岸田文雄首相(自民党総裁)は「議論を加速させる準備が整った」と力を込めた。退陣まで約1カ月に迫る中で党の憲法改正の論点整理を急いだのは、党総裁選で選ばれる新総裁のもとでも改憲議論を停滞させず、早期の国会発議を実現するためだ。党派閥の政治資金パーティー収入不記載事件が直撃し、自らの手による改憲こそかなわなかったが、最低限必要なレガシー(遺産)を残すことで意地を見せた。
「(改憲の)議論を振り出しに戻すようなことはあってはならない。議論だけの時代は終わった。具体的な前進を図っていきたい」
首相は憲法改正実現本部の全体会合でこう述べ、新総裁は了承された論点整理を土台に改憲に向けた取り組みを加速すべきだと訴えた。