ボードSLGの古典『日露戦争』(エポック)は、簡易なルールでありながら、西の旅順港攻略と北方満州平原での戦いとを平行して計画・遂行する展開を実現した、優れて思考を誘うゲームである。『坂の上の雲』(司馬遼太郎)という副読本もあり、騎兵旅団の3ヘクス戦闘後前進に萌え萌えすることが可能である。満州平原の地勢により、通常のSLGと異なり、後退すると戦線が広がるため、ロシア軍のジレンマが大きくて楽しい。山地での補給線の奪い合いも痛快だ。押し込んできた敵を一瞬の戦機をついて反撃し、ZOCで包んでやった時などたまらない。しかし、各陣営の二方面への戦力投入の按配に高い自由度を許しているため、研究が進められた結果、いくつかの狂った戦略が発見されてもいる。具体的にはそれは、ロシアの旅順守備兵力大量投入戦略である。 『日露戦争』の勝利条件は、 旅順 20VP 奉天方面諸都市 各5〜10VP 計50VP ロシア軍