そう わかっているの 愛は温かな安定を望まない 白く透けたレースのような 夜明けの空にうっすらと浮かぶ 有明の月のようだから… 魅惑の輝きで漆黒の闇を ミッドナイトブルーの空にかえて 煌々と輝く月のように 孤高の姿で そのかたちさえも美しく 変化させていたいのかも知れない その月明かりの 魔法にかかった僕らは 宵のドアが開くと 月の周りをくっついたり離れたり 感じたままの感覚で… 今夜も究極の鬼ごっこをしている 掴んだとほんの一瞬思わせて水月の如くすり抜ける君
夜ごと夜ごとに 月は満ちて また欠けて…をくりかえす すべてを見透かすような あやしい光を放ちながら… 瑠璃紺の世界を 支配するかのように 波もまた寄せてはかえして 満潮になり そして引き潮になって …をくりかえす ねぇ他にはなにもいらないの 君の腕の中に わたしがいれば それだけで いいの… 愛してるつづきは君の耳もとで恋風の軽さでそっとささやく 今夜こそ二人漕ぎ出す月の舟ギリシャ神話を語る君とね 星の花ひとつ摘んでグラスへと落として乾杯愛しき君と
いい奴だと 思わせてくれるひとが ひとり増えると 人生は また一歩 最高に近づいたと感じる 君の言葉を反芻しながら・・ 君からの優しい風は胸もとにふうっと吹き込みそのまま残る 秋夕焼胸につめこみ逢いにいく
大好き…という気持ちは どうしてこうも 不安と背中合わせなんだろう しかも本気であればあるほど… 君の視線のその先が 気になって仕方がない 他の誰かなんて見るなよ 途端に不機嫌になる 僕以外にそんなに優しく微笑んで 話しかけたりすんなよ その微笑みも その声も その視線さえも 僕だけのものにしてたいんだよ そう… 君に言えたら どれだけいいだろう 独り占めしたい気持ちが先回り君との距離の微妙な関係 お互いに妬いてもみたり妬かれたりもしているよね君と僕とは
まだ そのまま ボクは目を閉じていた 甘い香りのそのなかを 漂っていたかったから だって、 ここに… っと 手を伸ばした、伸ばしたけど そこには ボクの身体から続く シーツの海が ひろがっているだけ… だった もう その甘いものの 正体のぬけがらが微かな形跡を 横たえているだけ…なのか そのかわりに さっきからチカチカと 目蓋のうえで遊ぶ光たちが 否応なしに目をこじ開けてくる あぁ、 君とのお別れの時がきたよ 少し振り切るかのように つぶやく ・・・お
広い空のした きっと誰かが 君を見ている …きみが言うから素敵だね… 秋の日のセンチメンタル手ですくうそんなやさしさこぼれてふわっと 何気ないそんなときこそこぼれてく 飾り気のない言霊の欠片
せんこう花火の最後の あの、オレンジの塊が 雫と化して ぽたっ・・・と 落ちた あの瞬間… …夏も終わりだな… って 君が寂しげなトーンで 呟くように言った その時かも知れないね 夏が これで終わりだと 覚悟を決めた瞬間 ほんの少しだけ 首筋のおくれ毛を揺らして すぅっと寂しげに 秋に合図を送った気がした 空の色海の色とのその狭間君は青の風そのものだったよ ひと雫せんこう花火が音たてて落ちた瞬間 夏の終わりか
そういうところが 好きさ そう言って笑った 君の顔 移ろう季節の風は その翼の思うままに 吹き抜けて… そういうところが 好きさ と言った その声と 真っ直ぐな視線とが …今も あまくさわやかな風のように 目を細める眩しさを含んで 残る… 触れただけ通りすがりに香り立つボックセージゆれて水色の風 また会おう色なき風の君の街
…そうやって 視線でとらえて離さない そして 臆することなく 言うのね 『釘付けだ…』 って、 視線は蜘蛛の糸のように 絡まって たった一言のその言葉は ナイフの刃先にほんのりと 甘さを含ませた鋭さで ハートを貫く もう 逃れることなんてできない それまでの 強気な気持ちが 崩れてしまいそうな 感覚のなかで… 揺らぐ、 瞬間 真正面から切り込んで堂々とさらうつもりね怯みもせずに 耳の奥今でも生きて匂い立つ君の言葉は愛を纏わせ
君の顔を見つけると 瞬時に ハートがピクンと跳ねて 衝撃波が騒ぎ出す 気づかれたくなくて 平静を取り戻そうと躍起になる だけど もう… 手遅れのサインがチラつく どうやら 恋の魔法にかかったようだよ 離れない君のしぐさのひとつずつ僕を見つけて笑むその顔も 初めから君とは言葉はいらなくて視線絡めて惹かれあってたね
…シュワッ… ボトルのキャップをひねると 溢れくる爽快感 君に出会った時の印象そのものだ 以来そのまんまな印象を 君は崩さない 今想うと あれは恋のはじまりの音だったのかもしれない 今朝もスマホの向こうから その…シュワッ… が 届く 君はいつも元気だね… と ありきたりな セリフを返すボクがいた 弾けくる君の笑顔や白き風 炭酸のシュワッと一瞬白き風
『君を連れていきたい 秘密の場所があるんだ…』 そう言って 君が連れ出した 初夏の高原 ひとりになりたい時に よく訪れていたと… 大切な包みをゆっくりと 開くかのように 君は話してくれたね 雄大な原生林のなかを進むと 木漏れ陽が 白い車のボンネットの上に 覆い被さり… それは ゆらゆらとゆれて レース模様を 辺り一帯にひろげていた 道路に沿うように アクアマリンの色をした清流は 端正な絵のようで それでいて あるがままの 自然の美しさを 流れていた 心洗われる
紫の夜明けは星々を その深いベールの奥へと隠す 君はときおり 瞼を僅かに震わせては 安らぎに満ちた 規則正しい寝息をたてて また夢の続きを追いかけはじめる 微睡みの朝はすぐそこまで 気配を悟られたくないかのような 静けさで近づいている 君はまだ気付かない おはよう… そっと 睫毛のその先に微かに触れる …Morning Kiss 月の夜も星の降る夜も変わらない熱き想いは君だけに降る
それは必然的で 抗いようもない 不思議なちからで 地球を操る月のひかりに 導かれるように 僕らは出逢った まるで 林檎を 丸かじりするみたいに 愛をかじりあったね めぐり逢うこの星のなかその神秘奇跡の上をいま君といく ふっと吐く深呼吸してもまた直ぐに君で溢れてきゅっとなる胸
おやすみのKissまで あと少し… 本を読む というより ただなんとなくの感じで 指は機械的にページをめくり 気持ちはその上を滑っている 時々上目遣いで 君の様子を伺いながら… 君が真顔で向かい合ってる その…、 パソコンの画面に少なからず ジェラシーを覚えている なんなら その画面になりたいとさえ・・ そんな子供じみたことを 思ってたりするなんて 君は 気づくはずもなく… もし言葉に出して 振り向かせたなら 馬鹿な! って 一笑に付すわね その精悍な顔を
こんなふうに ぽつんと ひとりの時 心は静かに 泳ぎ始める 星星の間を 月明かりのなかを 風に吹かれながら 深呼吸をしながら 一歩ずつのような感覚で ひと呼吸ずつのフィーリングで 夜霧にため息を 吹きかけて・・ ねっ 、 それにしても さっきから ずっと 気になっている たったひとこと 愛してる… を 忘れたのかしら 満天の星の静寂やロゼワイン ふと聴いた夜明けのブレス秋の風