福田 鼠

物書き。小説、ノンフィクション。南米、アフリカを自転車で旅して、建築の仕事をして、現在…

福田 鼠

物書き。小説、ノンフィクション。南米、アフリカを自転車で旅して、建築の仕事をして、現在は大工見習いとして人の住まいを研究しています。

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  • 個人的に面白いと思った小説

    読んで面白かった小説を備忘録的にストックします。あくまで僕が個人的に面白いと思ったものです。

  • 山小屋の日々

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①ウツとアフリカ 阿呆自転車其ノ参(長編 紀行小説)

阿呆自転車3 ウツとアフリカ 福田 鼠 【オーディオブックはこちら】 https://youtu.be/aLPnJ8l3DQE 忙しい方はよかったらオーディオブックでながら聞きして下さい。朗読は素人なので噛むところ多いですが、ご容赦下さいませ。  はじめに 話が始まる前にお願いがあります。  もし、あなたがこの話を読んで、何か感じるものがあれば、アフリカに関する寄付を千円お願いします。  この本は無料で公開しますので、本代を私に払う代わりに、アフリカに寄付して欲しいのです

    • 注文住宅で坪単価を聞くのは無意味というか危険なこともある。という話。

      突然だけど、注文住宅の坪単価について話してみる。 住宅会社に坪単価を聞いてもあまり意味がないという話だ。むしろ、場合によっては危険な面も多い。 大きく分けると2つの理由がある。 まず、1つ目にその人が抱えている問題の本質は坪単価ではないということだ。 2つ目が坪単価というのは、いくらでも言えるからということ。 順に見ていく。 ーーー まず、その人の抱えている問題の本質は坪単価ではないということ。 お客さんからの質問で、まず真っ先に出てくるのが坪単価と言っても良い

      • 自分自身のために生きる家。

        久々にお客さんと土地を見て、プランを3Dで作ると思いの外楽しかった。そして、思いの外、頭のカロリーを使った。 ふと自分のために生きる難しさなんてのを感じた。 というのも、家を考える時に、本当に自分のことを考えて作るって難しいな、と。 そのお客さんの場合は、犬が主役で、犬のための家だ。 もちろん、犬のためとは言っても、それってめぐりめぐると犬が幸せそうに過ごしていたら、自分自身も幸せって感じられるんだけど。 それでも、ダイレクトに自分のためって難しい。 犬のための家に限らず

        • 大工と営業の二刀流とその先の世界

          かくかくしかじかで、大工さんの仕事を辞めなければいけないかと悩んでいたが。 大工さんは週に4日、残りの日で営業の仕事をフリーランスで始める方向に。 大工と営業の二刀流で、何とか大工さんも続けられそうだ。 本当は、もう少し大工さんとして技術を身に付けられるまでは、大工さん一本で専念したかったんだけど。 でも、大工さんとして一人前になったら、自分で現場を持てば工期に追われて営業どころじゃないだろう。そう考えると、今のタイミングが二刀流を始めるには一番いい時期だったのかもしれない

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        ①ウツとアフリカ 阿呆自転車其ノ参(長編 紀行小説)

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        • 個人的に面白いと思った小説
          1本
        • 山小屋の日々
          2本

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          大工の誇りと建築家の誇りとお客さんの本音

          住宅の営業マンから大工に転身して、今は大工修行中の僕があれこれ書いてます。 ーーー 最近、大工から再び営業に戻る可能性が出て来て、いろいろ近場の工務店なんかを調べている。 その中で自然素材や伝統工法的なところがあった。 伝統工法というと、完全な伝統工法はお寺なんかだ。宮大工とかそんなジャンル。 とはいえ、住宅で完全な伝統工法にするのは難しい。それで木組みなんかを伝統工法的な釘なんかを使わないやり方を取り入れる会社があった。 ーーー 伝統工法的な建築は良い面も多い。

          大工の誇りと建築家の誇りとお客さんの本音

          コンスタンティノープルの陥落と歴史小説を読む方法とか。

          塩野七生先生のコンスタンティノープルの陥落で泣いた。 まあ、実際には泣かないんだけど。 でも、まあ、心は涙だった。 なにせローマの終わりなのだ。 紀元前からずっと続くローマ帝国の終わりこそが、コンスタンティノープルの陥落で、何とも涙なのだ。 塩野七生先生のローマ人の物語から読んでいるとさらに涙できる。 ーーー さて、今回は理系の僕が歴史小説を読む方法と、なぜ歴史小説が楽しいと思うかを書いてみる。 あんまりまとまりなく、覚書のようなものだけど。 結論から言うと、先に

          コンスタンティノープルの陥落と歴史小説を読む方法とか。

          江戸の大工は宵越しの銭は持たない【36歳からの大工さん修行日誌】

          36歳からの大工さん修行日記シリーズもいよいよ半年が経った。 一週間もの長いお盆休みが明けて、現場に行くと、これがすこぶる楽しかった。 仲間に会えて、話をする。 50歳のおじさん二人と、70のおじいちゃんだけで、特別何を話すわけでもなく、僕も含めて四人とも盆休みはどこにも行っていないので話題もないのだが、すこぶる楽しかった。 (もちろん、会話だけじゃなく作業も含めて楽しい) 長期休暇明けで、職場に行って楽しいなんて、小学生の夏休み以来じゃないだろうか。 これは本当にすごい

          江戸の大工は宵越しの銭は持たない【36歳からの大工さん修行日誌】

          その1.部屋の広い狭いを畳数だけで見ない【注文住宅 間取りで失敗しない10のコツ】

          よくある間取りの失敗で、広さを畳数、平方メートルだけに惑わされてしまうのがある。 家を考える時には、数字上の広さに惑わされないのが重要、じゃあ、広さをどう考えるか、これを知っているだけで家づくりの失敗は随分と減る。 こちらの話はYouTube豊かな暮らしチャンネルでもお話させて頂きました。良かったら動画の方も参考にしてください。 豊かな暮らしチャンネルは、八ヶ岳移住の味方チエリンが、移住に役立つアレコレを配信しているチャンネルです。 僕は時々、出させてもらっています。

          その1.部屋の広い狭いを畳数だけで見ない【注文住宅 間取りで失敗しない10のコツ】

          諏訪地域では8月17日は山の神の日。なぜか大工も刃物を使ってはいけないらしい。

          お盆休みが長い。 日当で働く大工としては、あんまり長い休みはつらい面もあるが、ゆっくり体をリフレッシュさせる数少ないチャンスだ。週休一日はやっぱりつらい。 13〜16日は普通にお盆なんだけど、僕の住む長野県の諏訪地域では、1/17と8/17は山の神の日ということで、刃物を使ってはいけないので、大工さんはお休みなのだ。 山の神の日については、謎に包まれている。 グーグル検索すると、地域によって日付が違う。さらにいえば、林業なんかの山に関わる人たちだけというのが多いらしい。

          諏訪地域では8月17日は山の神の日。なぜか大工も刃物を使ってはいけないらしい。

          情報やアイデアはタダなのか

          魔法のマルノコ定規スンポー君が欲しいな、と思いつつ、あまりにお高いので、現場に転がっていた余りのベニヤで作ってみたら五分くらいで簡易的なものが作れた。 スンポー君とは、前の日記でも書いたけど、マルノコで木を切るときに、長さを測って墨をせずに、一発でほしい長さを直角に切り出せるので、作業時間が本当に半分くらいになるというというスグレモノの最近出てきた流行りのアイデア商品なのだが、値段が二万円近くしてお高い。 作業時間が半分になるなら二万円も安いんだけど、現実には、ずっと木を

          情報やアイデアはタダなのか

          住宅コンシェルジュについて考える

          最近、住宅コンシェルジュなる仕事をするかについて友人と話し合った。 友人というより、人生の大先輩というか、元々は住宅営業時代のお客さんなんだけど、えらく仲良くして頂いている。自分の親くらいの年齢のご夫婦だけど、いろいろすごい方で、親身にして下さってありがたい。ユーチューブなんかも一緒にやっている。 仲良くしてもらっているのもありがたいけれど、自分が考えた家におじゃまさせてもらってお茶したり、昼から焼酎を飲んで話したり、そういう体験って本当にありがたい。 家を何軒も作ってきた

          住宅コンシェルジュについて考える

          下を向いて歩くのも人生では大事か。

          人生では、下を向いて歩くのも大事なものだろうか。 バッタを倒しにアフリカへ という本をのんびり読んでいる。 バッタ研究をしに、若き博士がアフリカに行くけど、苦労が多いというルポだ。おもしろい。 読みやすくて軽やかな文なので、その気になれば一日で読みきれるのをダラダラとちょっとずつ何ヶ月もかけて読んでいる。 ダラダラ読むと、長くその世界を失わないので好きな本は最初の内容を忘れるほどゆっくり読むのが好きだ。 ダラダラと週に二、三回も開かず、別の本も並行して読むんだけど。 開く

          下を向いて歩くのも人生では大事か。

          丸ノコ定規スンポーくんで仕事の速さと質を上げられるか[36歳の大工修行日誌]

          36歳からの大工修行もかれこれ五ヶ月ほど経った。 おっさんになると、誰かがアドバイスしようにもなんとなく何かを言いづらくなっちまうのって、困ったもんだなーと思う。 やっぱり職人ってのは大変だ。つらい。 楽しいのは楽しいけれど、やっぱり難しい。 実際にやってみると、しみじみ思うけれど、36歳からいきなり大工になろうなんて少し無理がある気もする。 やっぱり20代からやらないと厳しい。 何が厳しいって、20代なら誰でもビシビシ言いやすい。厳しくもしやすいし、優しくもしやすい

          丸ノコ定規スンポーくんで仕事の速さと質を上げられるか[36歳の大工修行日誌]

          動きを解析すること。(36歳からの大工修行日誌)

          最近、鉛筆の削り方を大工流の平べったく削るやり方に変えてみたところ、線が細く狙ったところに綺麗に引けるようになって嬉しい。 やっぱり道具の手入れ、使いやすいように調整するのは大事。どんなに頑張ってもやり方、道具が良くないと結果につながらない。 大工をしていると、道具ややり方を工夫するのが楽しい。 鉛筆以外だと、脚立を二段のやつを買ってみた。普通は三段か四段くらいのものを使うのだが、背がそこそこあるのと腕が長いので二段でも結構手が届く。 大は小を兼ねるのだが、小さいと軽いし、

          動きを解析すること。(36歳からの大工修行日誌)

          大工でつらい仕事トップ3[36歳からの大工見習い日記 四ヶ月目]

          36歳からの大工さん修行日誌も四ヶ月が経った。 最初の一ヶ月はとにかく体がつらい。 二ヶ月目はこんな難しいこと出来るようになるんだろうか。 三ヶ月目はちょっといろんなことに慣れてきて、少し筋肉痛も楽になってくる。 四ヶ月が終わる今、体は随分と楽になってきたし、何だかんだ新築物件も五軒目をやっていっているので、全体の流れも分かり、ほとんどの作業を一度はやったことになる。 もちろん、まだまだ上手くはない。 ーーー 最近、お客さんが現場に来て、 「やっぱり、木の良いにおいがしま

          大工でつらい仕事トップ3[36歳からの大工見習い日記 四ヶ月目]

          今日が一番若い日だから、上棟をがんばる[大工さん修行日誌]

          36歳からの大工さん修行。 もうじき三ヶ月が経つんだが、一つ問題を抱えている。 上棟が怖いのだ。 そして、明日は上棟なのだ。 そんなわけで上棟の怖さを克服するための日記を書いてみる。 そんなことしてないでさっさと寝て明日に備えた方が良い気もするけど。 ーーー 上棟とは棟上げとか建て方とか建て前とか呼び方はいろいろあるんだけど。 とにかく家の骨組みを一日で立ち上げる作業のことを言う。 住宅の工事はまず基礎屋さんが基礎を作ってくれて、そこから大工さんが土台の木を敷く。 そ

          今日が一番若い日だから、上棟をがんばる[大工さん修行日誌]