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ドワンゴと日本財団が仕掛ける「ZEN大学」の中身 就任予定学長が設立意図や教育方針を語る

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若山正人(わかやま・まさと) 1955年生まれ。広島大学大学院博士課程修了。理学博士。九州大学教授、同大学理事・副学長、東京理科大学副学長・教授、JST/CRDS上席フェローなど歴任。現在、NTT基礎数学研究センタ統括・研究プリンシパル (撮影:梅谷秀司)

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18歳人口が急減する日本では、私立大の半数以上が定員割れで、赤字も4割に達する。一方、研究成果の社会還元など大学の新たな役割も期待されている。では、そんな中で勝ち組となる「本当に強い大学」はどこか?
『本当に強い大学2024』は、入試から教育・研究、就職まで今の大学がわかるテーマを徹底取材し、1冊にまとめた「週刊東洋経済」の臨時増刊号だ。その誌面から、注目記事をお届けする。

オンライン大学で文理を問わず282科目を用意

本当に強い大学2024 (週刊東洋経済臨時増刊)
『本当に強い大学2024 (週刊東洋経済臨時増刊)』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

2025年4月に開学する予定で文部科学省に設置認可申請中の「ZEN大学」(仮称)。ドワンゴと日本財団が手がけるオンライン大学で、知能情報社会学部の1学部ながら文理を問わない282科目を用意している。設立の意図やどのような教育を提供するのか、若山正人学長(就任予定)に聞いた。

──入学してくる学生はどのような層を想定していますか。

高校を卒業したばかりの18歳の学生をメインで迎え入れたい。もちろん社会人を受け入れないわけではない。既存の通信制大学だと、仕事をしている学生もたくさんいて、卒業する人の割合はそれほど高くない。ZEN大学では、8割ぐらいの卒業率を目指したい。

日本の大学の進学率は東京で7割弱、地方や男女別に見るともっと低いところもある。経済的な問題で大学に行けない、自分がやりたいことが地元の大学で学べない、そういった人たちに選択肢を提供するのがZEN大学。授業料(38万円)も低く抑えている。

通信制というカテゴリーだが、スクーリングは課していない。オンデマンドの動画を多く利用して質の高い教育を進めていく。

──講義はオンデマンド中心ですが、教育の質やコミュニケーションをどう担保していきますか。

1つはよい教員を集めているということ。もう1つは講義動画の工夫だ。一般の大学だと授業時間は90分や100分ほどが多い。ZEN大学では、60分の動画を10分ごとに分け、その間に確認の問いに答えてもらうといった集中力を保てる構成にする。N高、S高の運営に携わってきたドワンゴは動画配信の技術集団としてプロだ。コンテンツのアップデートが比較的容易にできるという強みもある。

双方向の講義も準備している。Slackなどを活用し、学生のコメントや質問がほかの学生に伝わるシステムにする。

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