迫る副大統領討論会、プレッシャーと戦う民主党ウォルズ候補

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選挙集会で演説する民主党副大統領候補のティム・ウォルズ氏=14日、米ウィスコンシン州/Erica Dischino/Reuters/File via CNN Newsource

選挙集会で演説する民主党副大統領候補のティム・ウォルズ氏=14日、米ウィスコンシン州/Erica Dischino/Reuters/File via CNN Newsource

(CNN) 11月に行われる米大統領選の民主党副大統領候補ティム・ウォルズ・ミネソタ州知事は、8月に大統領候補のカマラ・ハリス副大統領に自分は討論が下手だと警告したときと同じくらい、共和党の副大統領候補J・D・バンス上院議員と対決することに緊張していると周囲に語っている。

ウォルズ氏と話した複数の人々によると、緊張の度合いはおそらくそのとき以上だ。

現代の選挙史上初めて、10月1日に行われる副大統領候補討論会が選挙日前の最後の目玉イベントになる可能性が高いため、プレッシャーはさらに高まっている。多くの有権者がまだハリス氏について十分に知らないと言うなか、ウォルズ氏は、指名されるまで自分自身もほとんど知らなかったハリス氏を信頼するよう有権者を説得する責任を負う可能性がある。

多くの選挙スタッフによると、ウォルズ氏はミネソタ州で側近や支持者と話をするとき、ハリス氏を失望させることをいかに心配しているかという点に立ち戻るという。ウォルズ氏は、共和党大統領候補のドナルド・トランプ前大統領に勝ってほしくないし、ハリス氏に間違った選択をしたとも思ってほしくないと考えている。

ウォルズ氏は、バンス氏がトランプ氏に合わせるために自身の立場を何度も変えたことについて心から軽蔑し、困惑している。同氏はバンス氏がイエール大学で鋭い討論者になることを学んだことを不安視する一方で、ウォルズ氏を初当選以来知っている上院議員はウォルズ氏を議論に強い弁護士タイプではないと評する。

ウォルズ氏はハリス氏のビジョンを信頼している。しかし同氏はうまく伝えられないのではないかと恐れている。

ウォルズ氏の討論戦略の裏側

週末に夜遅くまで続いた長時間の打ち合わせで、ウォルズ氏とチームは、バンス氏の映像を見ながら模擬討論会を実施。バンス氏役はブティジェッジ運輸長官が務めた。

関係者数人がCNNに語ったところによると、討論会本番の計画は、バンス氏をほぼとばしてトランプ氏を直接攻撃すると同時に、投票先を決めかねている有権者へのアピールと、トランプ氏を満足させるという難題にバンス氏を挟み込むというものだ。

もし思惑通りにいけば、トランプ氏は、討論会でハリス氏に突っ込まれたときと同じくらい簡単に、怒り、嫉妬、憤りの嵐に巻き込まれるだろう。ウォルズ氏らは同氏の好感度を利用して、バンス氏を「ドナルド・トランプに魂を売った」などと攻撃する狙いだ。

関係者によると、ウォルズ氏は、マイク・ペンス前副大統領が2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件で経験したように、トランプ氏から怒った群衆をけしかけられないよう、バンス氏がトランプ氏とどのような約束をしたのかを尋ねる可能性がある。

ウォルズ氏とチームは常識的な憤りを伝えたいと考えているという。一方でウォルズ氏らの懸念は、バンス氏がウォルズ氏のユーモアあふれる人柄を骨抜きにし、間抜けか怒り狂った人物、あるいは、常軌を逸したリベラルが別の常軌を逸したリベラルを保証しているような人物とさえ見せようとしているのではないかという点だ。

人々に「喜びと希望」を感じさせる

伝統的に、副大統領候補は攻撃犬の役割を担う。

過去6週間の選挙活動で、ウォルズ氏は党の感情的なサポート役となってきた。ハリス氏はウォルズ氏のエネルギーに元気づけられ、ウォルズ氏を指名したことに対する有権者の反応によって擁護されていると感じている。また先週には30分並んで、グータッチを交わしたあと友人に「これで十分」と歓声を上げながら立ち去った有権者もいる。

ウォルズ氏のスタッフもハリス氏も、ウォルズ氏が1日の討論会で大きな変化をもたらすとは考えていない。特に1、2行の発言では。側近らは討論会の90分間で何よりもただウォルズ氏に喜びと安心感を発しつづけてほしいと願っている。

22年の討論会でバンス氏と2回討論会を行い、敗北したものの、そのパフォーマンスが称賛されたオハイオ州の元下院議員ティム・ライアン氏は、元下院議員の同僚であるウォルズ氏に直接話すのではなく、同氏のチームにアドバイスをこう伝えた。

「もし私がティム(ウォルズ氏)だったら、(バンス氏に)少しもひるまないだろう」「ありのままの自分でいればいい。みんながあなたを見て、あなたがどんな人なのか知るのを楽しんでいる。そういう男でいればいいんだ」

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