「佐藤康光」の版間の差分

| image = [[File:SHOGI Proffesional Yasumitsu Satoh.jpg|center|230px]]

| caption = 棋士会みやぎ復興フェスティバル（2015年）

| 名前 = 佐藤康光

|プロ 没年度月日 = <!-- {{死亡年月日と没年齢|year=1987|month=3|day=25}}({{生年数|1969月|10日|1没年|1987月|3|25日}}歳) -->

|段位 師匠 = [[田中魁秀]]九段

'''佐藤 康光'''（さとう やすみつ、[[1969年]][[10月1日]] - ）は、[[将棋]][[棋士_(将棋)|棋士]]。[[棋戦 (将棋)#タイトル戦|タイトル]]通算13期（[[棋戦 (将棋)#タイトル獲得記録|歴代8位]]）<ref>{{Cite web |和書|title=藤井聡太叡王が３連覇 ２度の千日手指し直しで菅井竜也八段を退ける／将棋 |url=https://www.sanspo.com/article/20230528-QC4CWZLU35GCPP5VYHMAWQBFLI/ |website=サンスポ |date=2023-05-28 |access-date=2023-06-02 |language=ja |publisher=SANKEI DIGITAL INC.}}</ref>。[[棋聖戦 (将棋)|永世棋聖]]の資格保持者。[[棋士 (将棋)#棋士番号|棋士番号]]は182。[[田中魁秀]]九段門下。[[京都府]][[綴喜郡]]八幡町（現[[八幡市]]）出身。いわゆる「[[羽生世代]]」の一人に数えられる。2011年4月から2017年1月まで[[日本将棋連盟]]の[[日本将棋連盟#棋士会|棋士会]]会長、2017年2月から2023年6月まで日本将棋連盟会長。

6歳で将棋を覚える<ref name=":0">{{Cite web|和書|title=卒業生紹介 {{!}} 國學院高等学校|url=https://www.kokugakuin.ed.jp/education/introduce-graduates/|website=www.kokugakuin.ed.jp|accessdate=2021-03-09}}</ref>。この時期に憧れていた棋士は[[米長邦雄]]。八幡市に隣接する[[大阪府]][[枚方市]]にあった田中魁秀の将棋教室に通うようになった頃、『米長の将棋』という本で勉強した。また、最初に読んだ棋書は[[有吉道夫]]の自戦記『玉頭位取り戦法』であり、真っ黒でボロボロになるまで繰り返し読んだという<ref>佐藤康光『佐藤康光の寄せの急所 囲いの急所』日本放送出版協会、1995年11月、ISBN 4-14-016075-6、p108</ref>。

奨励会入会後、僅か1年弱で2級に昇級。その直後（中2の終わり）父親の転勤のため八幡から東京都区内に転居したことで関東奨励会に移籍する<ref>{{Cite web|和書|title=【インタビュー】【佐藤康光の感謝】将棋を愛するすべての人に届けたい「ありがとう」のメッセージ|url=https://news.livedoor.com/article/detail/16242620/|website=ライブドアニュース|accessdate=2020-09-07|language=ja}}</ref>。このとき「名人候補を東京に取られた」と関西の棋士たちが嘆いたという<ref>別冊宝島編集部 編　『戦う将棋指し』 宝島社、1999年、166頁。</ref>。プロの対局の記録係を務めるため中学校を頻繁に休んでいたことから、「学校やすみつ君」とからかわれていた<ref>[[先崎学]]著「世界は右に回る」</ref>。佐藤本人は「中学校でどうだったかは記憶にないが、高校では間違いなく言われていた」と述懐している<ref>{{Cite web|和書|title=【読売新聞オンラインコラボ企画】佐藤康光九段ってこんなお方【会長降臨】|url=https://www.youtube.com/watch?v=UkO4nG2a2B4|accessdate=2021-06-21}}</ref>。佐藤はその後、[[國學院高等学校|國學院高校]]に進学し、卒業をしている<ref name=":0" />。

若手時代から「'''緻密流'''」と称される読みの深さで知られ、懇意にしていた[[室岡克彦]]から「1秒間に1億と3手読む」と形容されるたほどである<ref group="注釈">室岡は当初「10億」と言った筈がいつの間にか「1億」になった、と将棋世界2009年9月号で述べている。もちろん佐藤自身も否定しているが、『日本将棋用語事典』p.173 -によれば、1000手を超えることはあるとのことである。</ref>。

非常に独特な駒組から腕力で相手をねじ伏せる剛腕ぶりから、インターネット上では「丸太」と表現されることもある<ref>{{Cite web|和書|title=佐藤康光九段（50）攻め込んできた鬼軍曹・永瀬拓矢二冠（27）を丸太でぶちのめ返し竜王戦本戦進出決定|url=https://news.yahoo.co.jp/bylineexpert/matsumotohirofumiarticles/20200626-00185149690a8548642d68ae91b1e74cff431cc82cb63cd2|author = 松本博文|website=Yahoo!ニュース|date=2020/6/26|accessdate=2021-08-22|language=ja}}</ref>。

* 3人兄妹の長男。弟は歌舞伎役者の[[市川段一郎]]である<ref>[https://shogipenclublog.com/blog/2011/12/07/ 「一門の中では、若い弟子たちがよく将棋を指しています。そのうちの一人は、兄が佐藤さんという棋士とか」] - 将棋ペンクラブログ・2011年12月7日</ref><ref name=":1">{{Cite web|和書|title=将棋ブームでうれしい悲鳴 ～日本将棋連盟会長 佐藤康光～｜読むらじる。｜NHKラジオ らじる★らじる|url=https://www.nhk.or.jp/radio/magazine/detail/shinyabin20181030.html|website=読むらじる。｜NHKラジオ らじる★らじる|accessdate=2021-03-09|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20190611171721/https://www.nhk.or.jp/radio/magazine/detail/shinyabin20181030.html|archivedate=2019-06-11}}</ref><ref>{{cite |和書 |url=https://www.kabuki-za.co.jp/archive/moyooshi/1132.html |title=「将棋対局～室谷由紀vs里見咲紀」が開催されました（催し物最新情報） |publisher=[[歌舞伎座]] |date=2016-11-27}}</ref>。

* 特技は[[ヴァイオリン]]演奏。将棋を覚える以前の4歳から習っており、奨励会入会の中学1年生まで週1回レッスンに通っていたと語っている<ref name=":2">{{Cite web|和書|title=“バイオリンを弾く棋士”日本将棋連盟会長が語った、弓から駒に持ち替えるまで|url=https://logmi.jp/business/articles/223025|website=ログミーBiz|accessdate=2021-03-09|language=ja}}</ref>。棋聖戦の就位式に演奏を披露していたこともあった。将棋雑誌の企画でヴァイオリニストの[[千住真理子]]と対談した際に、千住の目の前で演奏を披露し、腕前を絶賛されたこともある<ref name=gendai170810 />。

*高校進学を悩んだ時期もあったが、米長邦雄の著作の影響を受け、進学を決意した<ref>{{Cite web|和書|title=企業トップとの交流 読んでて良かった『礼儀作法入門』｜ブック｜NIKKEI STYLE|url=https://style.nikkei.com/article/DGXKZO61646460X10C20A7MY6000?g_cid=lc|website=NIKKEI STYLE|accessdate=2021-03-09|language=ja|last=日本経済新聞社・日経BP社|archiveurl=https://web.archive.org/web/20221001044908/https://style.nikkei.com/article/DGXKZO61646460X10C20A7MY6000?g_cid=lc|archivedate=2022-10-01}}</ref>。國學院高校を選んだ理由として「千駄ヶ谷の将棋会館から１番近い高校ということで受験して合格した」と語っている（都立高校も検討したとのこと。）<ref name=":2" /><ref name=":1" />。

* 2006年、米長邦雄会長（当時）から[[Bonanza]]戦を打診され、佐藤はプロ棋士が将棋ソフトに負けたら恥で引退も覚悟しなければならないとして悩んだ末に「固くお断りします」という佐藤に対して、米長が「負けたところで恥になるわけでもない、考えてみろ。しょせん遊びだ。機械相手に数時間遊びで指してくれれば、1000万円以上の収入になる」というと、佐藤は「米長先生、そこに正座してください。プロが将棋を指すのに”遊び”ということがありますか。先生はそんな気持ちで将棋を指していたんですか。私は固くお断りをいたします」と米長を諭した（米長著「われ敗れたり―コンピュータ棋戦のすべてを語る」より）。将棋は遊戯ボードゲームだがプロ棋士として仕事で指している真面目な佐藤に米長が遊びと称したことに佐藤は立腹し、打診を拒否した佐藤の代わりに渡辺明が挑戦して勝利した。

=== 棋士会長から、そして日本将棋連盟会長としてへ ===

* 2017年2月6日、谷川浩司の会長辞任を受けた形で、第二次世界大戦後16人目となる日本将棋連盟会長に就任した（[[第二次世界大戦|戦後]]16人目）<ref>朝日新聞digital・トップニュース「日本将棋連盟の新会長に佐藤康光九段」（村瀬信也 2017年2月6日20時59分）ほか</ref><ref>[https://www.shogi.or.jp/news/2017/02/post_1510.html 日本将棋連盟新役員のお知らせ｜将棋ニュース｜日本将棋連盟]</ref>。

* 2017年（、第3期）からタイトル戦に昇格する[[叡王戦]]において、ける七番勝負の[[持ち時間]]について「対局者が持ち時間の長さを選択する」という変則ルールを考案した<ref name=houchi20170520>[https://web.archive.org/web/20180411105009/http://www.hochi.co.jp/topics/20170520-OHT1T50214.html 将棋の「叡王戦」がタイトル戦に昇格! 王座戦以来34年ぶり] - スポーツ報知・2017年5月20日</ref>。このルールは第5期まで採用された（第6期から叡王戦の方式の一部・主催者を変更）。

* 1989年{{0}}4月{{0}}1日 ： 五段（[[第47期順位戦#C級2組|順位戦]]C級1組昇級、通算66勝27敗）

* 1992年{{0}}3月25日 ： 六段（勝数規定／五段昇段後公式戦120勝、通算186勝80敗）

* 1993年10月{{0}}1日 ： 七段（[[第6期竜王戦|竜王挑戦]]、通算264勝101敗）

* 1996年{{0}}4月{{0}}1日 ： 八段（[[第54期順位戦#B級1組|順位戦]]A級昇級、通算341勝155敗）

* 1998年{{0}}6月18日 ： 九段（[[第56期順位戦#第56期名人戦七番勝負|名人位]]獲得、通算415勝198敗）

|<!--登場年度メモ 93-95,06,07-->5回

|<!--登場年度メモ 98-00-->3回

|<!--連覇-->2連覇

|<!--登場年度メモ 90,97,98,05,06-->5回

|<!--登場年度メモ 02,05,06 -->3回

|<!--登場年度メモ 98,01,06,07,08,09-->6回

|<!--連覇-->2連覇

|<!--登場年度メモ 97,99,01,02,05,06,11,12 -->8回

|<!--登場年度メモ 02-08-->7回

|<!--連覇-->6連覇<br />（歴代3位）

|colspan="6"|登場回数 合計37回、　'''獲得合計''' 13期'''（[[棋戦 (将棋)#タイトル獲得記録|歴代78位]]）（2018）<br />（回数・期数は2018年3月末現在）

* [[富士通杯達人戦|達人戦]]　1回（2010年度）

{{main2|竜王戦と順位戦のクラス|将棋棋士の在籍クラス|WLR=}}

{{将棋棋士年別在籍クラス|Y=1987 |JJ=46|j=C2|#=53|WLJ=8-2 |RR=1|r=6|WLR=3-1}}

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|{{center|1993年12月10日}}||{{center|'''竜王'''}}||{{align|right|'''{{age in days|1993|12|10|1994|12|9}}日'''}}||竜王||'''竜王獲得'''獲得 [[第6期竜王戦]]

|{{center|1994年12月{{0}}9日}}||前竜王||{{align|right|{{age in days|1994|12|9|1995|12|13}}日}}||rowspan="3"|{{center|－}}||竜王'''失冠''' [[第7期竜王戦]]

|{{center|1998年{{0}}6月18日}}||{{center|'''名人'''}}||{{align|right|'''{{age in days|1998|6|18|2000|6|27}}日'''}}||名人||'''名人獲得'''獲得 [[第56期順位戦|第56期名人戦]]

|{{center|2000年{{0}}6月27日}}||{{center|九段}}||{{align|right|{{age in days|2000|6|27|2002|3|12}}日}}||{{center|－}}||名人'''失冠''' [[第58期順位戦|第58期名人戦]]

|{{center|2002年{{0}}3月12日}}||{{center|'''王将'''}}||{{align|right|'''{{age in days|2002|3|12|2002|8|1}}日'''}}||王将||王将'''王将獲得''' [[第51期王将戦]]

|{{center|2002年{{0}}8月{{0}}1日}}||{{center|'''二冠'''}}||{{align|right|'''{{age in days|2002|8|1|2003|2|13}}日'''}}||棋聖・王将||棋聖'''棋聖獲得''' [[第73期棋聖戦 (将棋)|第73期棋聖戦]]

|{{center|2003年{{0}}2月13日}}||{{center|'''棋聖'''}}||{{align|right|'''{{age in days|2003|2|13|2007|3|28}}日'''}}||棋聖||王将'''失冠''' [[第52期王将戦]]

|{{center|2007年{{0}}3月28日}}||{{center|'''二冠'''}}||{{align|right|'''{{age in days|2007|3|28|2008|7|18}}日'''}}||棋聖・棋王||'''棋王獲得'''獲得 [[第32期棋王戦]]

|{{center|2008年{{0}}7月18日}}||{{center|'''棋王'''}}||{{align|right|'''{{age in days|2008|7|18|2009|3|30}}日'''}}||棋王||棋聖'''失冠''' [[第79期棋聖戦 (将棋)|第79期棋聖戦]]

|{{center|2009年{{0}}3月30日}}||{{center|九段}}||{{align|right|{{age in days|2009|3|30|2012|3|9}}日}}||{{center|－}}||棋王'''失冠''' [[第34期棋王戦]]

|{{center|2012年{{0}}3月{{0}}9日}}||{{center|'''王将'''}}||{{align|right|'''{{age in days|2012|3|9|2013|3|7}}日'''}}||王将||'''王将獲得'''獲得 [[第61期王将戦]]

|{{center|2013年{{0}}3月{{0}}7日}}||{{center|九段}}||{{align|right|{{bgcolor|#FCC|<!--翌日起算（初日不算入の原則）-->{{age in days|2013|3|7}}日}}}}||{{center|－}}||王将'''失冠''' [[第62期王将戦]]

* 平成19（2007）年度 [[学校法人國學院大學]]有栖川宮記念賞（受賞時は「学校法人國學院大學表彰」。永世棋聖、第56・57期名人、第51期王将、第32期棋王などの業績による）<ref>{{Cite web|和書|title=記念賞 {{!}} 学校法人國學院大學について|url=https://all-kokugakuin.jp/about/commemorative/|website=学校法人 國學院大學|date=2021-03-25|accessdate=2021-04-08|language=ja}}</ref>

* [[前川泰之]] - ドラマ『[[うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間#テレビドラマ|うつ病九段]]』（2020年、原作：[[先崎学]]）<ref>{{Cite web|和書|title=安田顕 主演ドラマ『うつ病九段』12月20日よる9時 放送決定！|url=https://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/20000/440463.html|website=www.nhk.or.jp|publisher=[[日本放送協会|NHKドラマ]]|date=2020-12-07|access-date=2021-01-10|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20201207031510/https://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/20000/440463.html|archivedate=2020-12-07}}</ref>