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著作権法第42条の4

出典: フリー教科書『ウィキブックス(Wikibooks)』

法学民事法知的財産権法コンメンタール著作権法

条文

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(国立国会図書館法によるインターネット資料及びオンライン資料の収集のための複製)

第42条の4
  1. 国立国会図書館の館長は、国立国会図書館法(昭和23年法律第5号)第25条の3第1項の規定により同項に規定するインターネット資料(以下この条において「インターネット資料」という。)又は同法第25条の4第3項の規定により同項に規定するオンライン資料を収集するために必要と認められる限度において、当該インターネット資料又は当該オンライン資料に係る著作物を国立国会図書館の使用に係る記録媒体に記録することができる。
  2. 次の各号に掲げる者は、当該各号に掲げる資料を提供するために必要と認められる限度において、当該各号に掲げる資料に係る著作物を複製することができる。
    一 国立国会図書館法第24条及び第24条の2に規定する者 同法第25条の3第3項の求めに応じ提供するインターネット資料
    二 国立国会図書館法第24条及び第24条の2に規定する者以外の者 同法第25条の4第1項の規定により提供する同項に規定するオンライン資料

解説

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国立国会図書館では、納本制度にならい、2002年(平成14年)からインターネット資料(国会図書館法25条の3第1項、ただし当時規定なし)を収集していたが[1]、本条および国会図書館法25条の3新設前は複製権(21条)の侵害とならないよう個別にウェブサイトの管理者の許諾を得ていた。しかし、インターネット資料を包括的に収集するためには個々に許諾を得ることは現実的ではないため、著作権の制限として平成21年の国会図書館法の改正に伴い新設されることとなった(国立国会図書館法の一部を改正する法律(平成21年法律第73号)附則3条)。 さらに、平成24年の国会図書館法の改正ではオンライン資料(国会図書館法25条の4第3項)の収集(eデポ)にも拡大された(国立国会図書館法の一部を改正する法律(平成24年法律第32号)附則4条)。

インターネット資料またはオンライン資料を収集するために必要と認められる限度において、国立国会図書館の館長が当該インターネット資料または当該オンライン資料に係る著作物(著作隣接権の目的物となるものを含む(102条1項)、次段落において同じ)を国立国会図書館の使用に係る記録媒体に記録(電子化)することができる(本条1項)。その複製の目的は国会図書館法25条の3第1項、25条の4第1項に規定された目的に制限され、目的外で複製した場合、複製権の侵害となる(49条1項1号(102条9項における準用を含む))。

また、被対象主体が国立国会図書館の館長の求めに応じてインターネット資料またはオンライン資料を提供するために必要と認められる限度において当該インターネット資料または当該オンライン資料に係る著作物を複製できる(2項柱書)。被対象主体は、インターネット資料においては、国会図書館法24条、24条の2に規定する者であり(本条2項1号)、オンライン資料においては、それら以外の者である(同項2号)。 具体的には、

国会図書館法24条

  • 国の諸機関(1項柱書)
  • 独立行政法人(2項1号)
  • 国立大学法人(2項2号)
  • 大学共同利用機関法人(2項2号)
  • 沖縄振興開発金融公庫(2項3号、別表第一)
  • 株式会社国際協力銀行(2項3号、別表第一)
  • 株式会社日本政策金融公庫(2項3号、別表第一)
  • 原子力損害賠償支援機構(2項3号、別表第一)
  • 日本銀行(2項3号、別表第一)
  • 日本司法支援センター(2項3号、別表第一)
  • 日本私立学校振興・共済事業団(2項3号、別表第一)
  • 日本中央競馬会(2項3号、別表第一)
  • 日本年金機構(2項3号、別表第一)
  • 農水産業協同組合貯金保険機構(2項3号、別表第一)
  • 預金保険機構(2項3号、別表第一)

国会図書館法24条の2

  • 地方公共団体の諸機関(第1項)
  • 港務局(第2項1号)
  • 地方住宅供給公社(第2項2号)
  • 地方道路公社(第2項3号)
  • 土地開発公社(第2項4号)
  • 地方独立行政法人(第2項5号)
  • 地方競馬全国協会(第2項6号、別表第ニ)
  • 地方公共団体金融機構(第2項6号、別表第ニ)
  • 日本下水道事業団(第2項6号、別表第ニ)

が該当する。

参照条文

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脚注

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  1. ^ 国立国会図書館インターネット資料収集保存事業(WARP)について|国立国会図書館インターネット資料収集保存事業

参考文献

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池村聡、「著作権法コンメンタール別冊 平成21年改正解説」、2010年、勁草書房、pp. 52-58


前条:
著作権法第42条の3
(公文書管理法等による保存等のための利用)
著作権法
第2章 著作者の権利

第3節 権利の内容

第5款 著作権の制限
次条:
著作権法第43条
(翻訳、翻案等による利用)