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→‎連隊区司令官: 司令官を表化、データの追加
 
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== 沿革 ==
== 沿革 ==
[[1898年]]（明治31年）4月1日、連隊区司令部条例改正（明治31年3月8日勅令第35号）により[[十勝連隊区]]が廃止され旭川連隊区が新設された。管轄区域が定められ、[[第7師団 (日本軍)|第7師管]]に属した<ref name="kankum3134">陸軍管区表（明治31年3月8日勅令第34号）</ref>。[[1899年]]4月15日、司令部が[[石狩国]][[上川郡 (石狩国)|上川郡]][[永山 (旭川市)|永山村]]に移転した<ref>『官報』第4746号、明治32年5月1日。</ref>。[[1902年]]10月23日、司令部が上川郡[[東鷹栖町|鷹栖村]]大字近文の新築庁舎に移転<ref>『官報』第5797号、明治35年10月29日。</ref>。
[[1898年]]（明治31年）4月1日、連隊区司令部条例改正（明治31年3月8日勅令第35号）により[[十勝連隊区]]が廃止され旭川連隊区が新設された。管轄区域が定められ、[[第7師管]]に属した<ref name="kankum3134">陸軍管区表（明治31年3月8日勅令第34号）</ref>。[[1899年]]4月15日、司令部が[[石狩国]][[上川郡 (石狩国)|上川郡]][[永山 (旭川市)|永山村]]に移転した<ref>『官報』第4746号、明治32年5月1日。</ref>。[[1902年]]10月23日、司令部が上川郡[[東鷹栖町|鷹栖村]]大字近文の新築庁舎に移転<ref>『官報』第5797号、明治35年10月29日。</ref>。


[[1903年]]（明治36年）2月14日、改正された「陸軍管区表」（明治36年勅令第13号）が公布となり、再び旅管が採用され連隊区は第7師管第14旅管に属した。
[[1903年]]（明治36年）2月14日、改正された「陸軍管区表」（明治36年勅令第13号）が公布となり、再び旅管が採用され連隊区は第7師管第14旅管に属した。
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[[1925年]]（大正14年）4月6日、日本陸軍の第三次軍備整理に伴い陸軍管区表が改正（大正14年軍令陸第2号）され<ref>『陸軍軍戦備』101頁。</ref>、同年5月1日、旅管は廃され引き続き第7師管の所属となり、管轄区域に樺太が追加された。
[[1925年]]（大正14年）4月6日、日本陸軍の第三次軍備整理に伴い陸軍管区表が改正（大正14年軍令陸第2号）され<ref>『陸軍軍戦備』101頁。</ref>、同年5月1日、旅管は廃され引き続き第7師管の所属となり、管轄区域に樺太が追加された。


[[1940年]]（昭和15年）8月1日、旭川連隊区は[[北部軍管区 (日本軍)|北部軍管区]][[旭川師管区|旭川師管]]に属することとなった。ただし、北部軍管区を管轄とする[[北部軍 (日本軍)|北部軍]]司令部が設置される同年12月2日まで、北部軍管区に関する事項は施行が延期された。また、管轄区域の樺太が[[豊原連隊区]]として独立した<ref name="kankus1520">陸軍管区表（昭和15年7月24日軍令陸第20号）</ref>。1945年には作戦と軍政の分離が進められ、[[軍管区]]・[[師管区]]に司令部が設けられたのに伴い、同年3月24日、連隊区の同域に[[地区司令部]]が設けられた<ref>『陸軍軍戦備』480頁。</ref>。地区司令部の司令官以下要員は連隊区司令部人員の兼任である。同年4月1日、旭川師管は[[旭川師管区]]と改称された<ref>陸軍管区表（昭和20年2月9日軍令陸第2号）</ref>。
[[1940年]]（昭和15年）8月1日、旭川連隊区は[[北部軍管区 (日本軍)|北部軍管区]][[旭川師管]]に属することとなった。ただし、北部軍管区を管轄とする[[北部軍 (日本軍)|北部軍]]司令部が設置される同年12月2日まで、北部軍管区に関する事項は施行が延期された。また、管轄区域の樺太が[[豊原連隊区]]として独立した<ref name="kankus1520">陸軍管区表（昭和15年7月24日軍令陸第20号）</ref>。[[1942年]]10月8日、司令部が[[旭川市]]近文2397番地に移転した<ref>『官報』第4730号、昭和17年10月14日。</ref>。1945年には作戦と軍政の分離が進められ、[[軍管区 (日本軍)|軍管区]]・[[師管区]]に司令部が設けられたのに伴い、同年3月24日、連隊区の同域に[[地区司令部]]が設けられた<ref>『陸軍軍戦備』480頁。</ref>。地区司令部の司令官以下要員は連隊区司令部人員の兼任である。同年4月1日、旭川師管は[[旭川師管区]]と改称された<ref>陸軍管区表（昭和20年2月9日軍令陸第2号）</ref>。


==管轄区域の変遷==
==管轄区域の変遷==
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==連隊区司令官==
==連隊区司令官==

*（兼）林昌介 歩兵少佐：1898年4月1日 - 1899年4月1日
{|class=wikitable
*栃内元吉 歩兵少佐：1899年4月1日 - 1902年8月19日
|+旭川連隊区司令官
*吉原正矢 輜重兵少佐：1902年9月30日 - 1906年12月19日
|-
*遠藤昶 歩兵中佐：1906年12月19日 - 1910年10月1日
!|代||氏名||階級||在任期間||出身校・期||前職||後職||備考
*富沢定一 歩兵少佐：1910年10月1日 - 1912月9月28日
|-
*北川正武 歩兵中佐：1912月9月28日 -
|
|林昌介
|[[歩兵少佐]]
|1898.4.1<ref name=":0">{{Cite book|和書 |title=官報 1898年04月02日 |date=1898年04月02日 |publisher=大蔵省印刷局 |page=21 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/2947712/1/3}}</ref> - 1899.4.1<ref name=":1">{{Cite book|和書 |title=官報 1899年04月04日 |date=1899年04月04日 |publisher=大蔵省印刷局 |page=28 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/2948014/1/3}}</ref>
|鹿児島県
|[[札幌連隊区|札幌連隊区司令官]]<ref name=":0" />
|免兼職<ref name=":1" />
|兼[[札幌連隊区|札幌連隊区司令官]]
|-
|
|栃内元吉
|歩兵少佐
|1899.4.1<ref name=":1" /> - 1902.8.19<ref name=":2">{{Cite book|和書 |title=官報 1902年08月20日 |date=1902年08月20日 |publisher=大蔵省印刷局 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/2949042/1/4}}</ref>
|北海道
|
|休職<ref name=":2" />
|
|-
|
|吉原正矢
|[[輜重兵]]少佐
|1902.9.30<ref>{{Cite book|和書 |title=官報 1902年10月01日 |date=1902年10月01日 |publisher=大蔵省印刷局 |page=4 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/2949077/1/3}}</ref> - 1906.12.19<ref name=":3">{{Cite book|和書 |title=官報 1906年12月20日 |date=1906年12月20日 |publisher=大蔵省印刷局 |page=490 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/2950387/1/3}}</ref>
|陸士旧11期
|
|予備役<ref name=":3" />
|
|-
|
|遠藤昶
|[[歩兵中佐]]
|1906.12.19<ref name=":3" /> - 1910.10.1<ref name=":4">{{Cite book|和書 |title=官報 1910年10月03日 |date=1910年10月03日 |publisher=大蔵省印刷局 |page=59 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/2951538/1/11}}</ref>
|北海道
|[[歩兵第27連隊]]附<ref name=":3" />
|予備役<ref name=":4" />
|
|-
|
|富澤定一
|歩兵少佐
|1910.10.1<ref name=":4" /> - 1912.9.28<ref name=":5">{{Cite book|和書 |title=官報 1912年09月30日 |date=1912年09月30日 |publisher=大蔵省印刷局 |page=525 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/2952147/1/3}}</ref>
|陸士旧11期
|歩兵第27連隊附<ref name=":4" />
|[[歩兵第66連隊]]附<ref name=":5" />
|
|-
|
|北川正武
|歩兵中佐
|1912.9.28<ref name=":5" /> - 1915.8.10<ref name=":6">{{Cite book|和書 |title=官報 1915年08月11日 |date=1915年08月11日 |publisher=大蔵省印刷局 |page=205 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/2953016/1/6}}</ref>
|陸士旧11期
|[[歩兵第28連隊]]附<ref name=":5" />
|待命<ref name=":6" />
|
|-
|
|[[大島良三郎]]
|歩兵中佐
|1915.8.10<ref name=":6" /> - 1918.10.18<ref name=":7">{{Cite book|和書 |title=官報 1918年10月19日 |date=1918年10月19日 |publisher=大蔵省印刷局 |page=391 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/2953978/1/4}}</ref>
|陸士4期
|歩兵第28連隊附<ref name=":6" />
|[[歩兵第13連隊|歩兵第13連隊長]]<ref name=":7" />
|
|-
|
|長屋藻綠
|歩兵中佐
|1918.10.18<ref name=":7" /> - 1922.1.24<ref name=":8">{{Cite book|和書 |title=官報 1922年01月25日 |date=1922年01月25日 |publisher=大蔵省印刷局 |page=449 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/2954958/1/3}}</ref>
|陸士8期
|[[歩兵第20連隊]]附<ref name=":7" />
|休職<ref name=":8" />
|
|-
|
|平野克巳
|歩兵大佐
|1922.1.24 - 1923.8.6<ref name=":9">{{Cite book|和書 |title=官報 1923年08月07日 |date=1923年08月07日 |publisher=大蔵省印刷局 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/2955429/1/38}}</ref>
|陸士9期
|
|待命<ref name=":9" />
|
|-
|
|高橋虎次
|歩兵大佐
|1923.8.6<ref name=":9" /> - 1924.2.4<ref name=":10">{{Cite book|和書 |title=官報 1924年02月06日 |date=1924年02月06日 |publisher=大蔵省印刷局 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/2955582/1/6}}</ref>
|陸士10期
|
|待命<ref name=":10" />
|
|-
|
|坪郷芳一
|歩兵中佐
|1924.2.4<ref name=":11">{{Cite book|和書 |title=官報 1924年02月07日 |date=1924年02月07日 |publisher=大蔵省印刷局 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/2955583/1/3}}</ref> - 1924.12.15<ref name=":16" />
|陸士14期
|[[歩兵第52連隊]]附<ref name=":11" />
|[[歩兵第25連隊|歩兵第25連隊長]]<ref name=":16">{{Cite book|和書 |title=陸海軍将官人事総覧 陸軍編 |date=1981.9 |publisher=芙蓉書房 |author=外山操 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/12285734/1/180}}</ref>
|
|-
|
|圓山淸
|歩兵大佐
|1924.12.15<ref>{{Cite book|和書 |title=官報 1924年12月16日 |date=1924年12月16日 |publisher=大蔵省印刷局 |page=437 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/2955844/1/7}}</ref> - 1927.7.26<ref name=":12">{{Cite book|和書 |title=官報 1927年07月27日 |date=1927年07月27日 |publisher=大蔵省印刷局 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/2956633/1/11}}</ref>
|陸士14期
|
|歩兵第27連隊長<ref name=":12" />
|
|-
|
|山田政一
|歩兵大佐
|1927.7.26<ref name=":12" /> - 1929.8.1<ref name=":16" />
|陸士13期
|歩兵第27連隊長<ref name=":12" />
|待命<ref name=":16" />
|
|-
|
|肥田鎭夫
|歩兵大佐
|1929.8.1<ref>{{Cite book|和書 |title=官報 1929年08月02日 |date=1929年08月02日 |publisher=大蔵省印刷局 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/2957244/1/15}}</ref> - 1931.8.1<ref name=":13">{{Cite book|和書 |title=官報 1931年08月03日 |date=1931年08月03日 |publisher=大蔵省印刷局 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/2957846/1/9}}</ref>
|陸士15期
|
|待命<ref name=":13" />
|
|-
|
|丹下悌次郎
|歩兵大佐
|1931.8.1<ref name=":13" /> - 1933.3.18<ref name=":14">{{Cite book|和書 |title=官報 1933年03月20日 |date=1933年03月20日 |publisher=大蔵省印刷局 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/2958335/1/9}}</ref>
|陸士18期
|
|[[歩兵第16連隊|歩兵第16連隊長]]<ref name=":14" />
|
|-
|
|小野寺将行
|歩兵大佐
|1933.3.18<ref name=":14" /> - 1935.8.1<ref name=":15">{{Cite book|和書 |title=官報 1935年08月02日 |date=1935年08月02日 |publisher=大蔵省印刷局 |url=https://dl.ndl.go.jp/pid/2959054/1/14}}</ref>
|陸士17期
|
|待命
|
|-
|
|[[中山惇]]
|歩兵大佐
|1935.8.1<ref name=":15" /> - 1937.8.2
|陸士23期
|
|[[歩兵第49連隊|歩兵第49連隊長]]<ref name=":16" />
|
|-
|
|宇野通雄
|歩兵大佐
|1937.8.2<ref name=":16" /> - 1939.12.1<ref name=":16" />
|陸士22期
|
|[[関東軍]]附<ref name=":16" />
|
|-
|
|[[佐久間盛一]]
|歩兵大佐
|1939.12.1<ref>{{Cite book|和書 |title=同盟旬報 第3巻 第34号（通号089号） |date=1939年12月 |publisher=同盟通信社 |url=https://www2.i-repository.net/il/meta_pub/detail}}</ref> - 1941.10.15<ref name=":16" />
|陸士24期
|[[歩兵第3連隊|歩兵第3連隊長]]<ref name=":16" />
|第36歩兵団長<ref name=":16" />
|
|-
|
|[[志摩源吉]]
|歩兵大佐
|1941.10.15<ref name=":16" /> -
|陸士24期
|[[歩兵第120連隊|歩兵第120連隊長]]<ref name=":16" />
|
|
|-
|
|[[伊黒清吾]]
|歩兵大佐
|1942.12.22<ref>{{Cite book|和書 |title=同盟旬報 第6巻 第36号（通号199号） |date=1942年12月 |publisher=同盟通信社 |url=https://www2.i-repository.net/il/meta_pub/G0000002chosakai_A40_0636_199(031)6803}}</ref> - 1945.3.9<ref name=":17">{{Cite book|和書 |title=第５５号　昭和２０年３月１０日　陸軍異動通報 |date=昭和２０年３月１０日 |publisher=陸軍省 |url=https://www.jacar.archives.go.jp/aj/meta/result?IS_KEY_S1=C12120935900&SUM_KIND=SimpleSummary&IS_KIND=detail&IS_SCH=META&IS_STYLE=default&IS_START=1&IS_EXTSCH=&DEF_XSL=default&IS_SORT_KND=ASC&IS_SORT_FLD=&IS_TAG_S1=InD&IS_LYD_DIV=&LIST_VIEW=&ON_LYD=on}}</ref>
|陸士24期
|第一独立歩兵隊長
|[[歩兵第59旅団]]長<ref name=":17" />
|
|-
|
|[[宮崎次彦]]
|大佐
|1945.3.9<ref name=":17" /> - 1945.3.29<ref name=":18">{{Cite book|和書 |title=第７４号　昭和２０年３月３１日　陸軍異動通報 |date=昭和２０年３月３１日 |publisher=陸軍省 |url=https://www.jacar.archives.go.jp/aj/meta/result?IS_KEY_S1=C12120937900&SUM_KIND=SimpleSummary&IS_KIND=detail&IS_SCH=META&IS_STYLE=default&IS_START=1&IS_EXTSCH=&DEF_XSL=default&IS_SORT_KND=ASC&IS_SORT_FLD=&IS_TAG_S1=InD&IS_LYD_DIV=&LIST_VIEW=&ON_LYD=on}}</ref>
|陸士25期
|[[騎兵第3連隊]]長<ref name=":17" />
|旭川地区司令部部員<ref name=":18" />
|
|-
|
|[[清水正雄]]
|少将
|1945.3.29<ref name=":18" /> - 廃止
|陸士12期
|[[留守第7師団]]兵務部長<ref name=":18" />
|
|兼旭川地区司令官
|-
|}



==脚注==
==脚注==
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== 参考文献 ==
== 参考文献 ==
*[[防衛研究所|防衛研修所戦史室]]『陸軍軍戦備』[[朝雲新聞社]]〈[[戦史叢書]]〉、1979年。
*[[防衛研究所|防衛研修所戦史室]]『陸軍軍戦備』[[朝雲新聞社]]〈[[戦史叢書]]〉、1979年。
*『[[官報]]』
*『[[官報]]』
* {{Citation|和書|author = 外山操 編|authorlink = | translator = | title = 陸海軍将官人事総覧 陸軍篇| publisher = 芙蓉書房出版| series = | volume = | edition = | date = 1981| pages = | url = | doi = | id = | isbn = 4829500026| ncid = |ref = jinji}}


[[Category:大日本帝国陸軍の連隊区|あさひかわ]]
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[[Category:大日本帝国陸軍の連隊区]]

2024年6月24日 (月) 18:46時点における最新版

旭川連隊区（あさひかわれんたいく）は、大日本帝国陸軍の連隊区の一つ。北海道の一部地域の徴兵・召集等兵事事務を取り扱った。一時、樺太を管轄した。実務は旭川連隊区司令部が執行した。1945年（昭和20年）、同域に旭川地区司令部が設けられ、地域防衛体制を担任した。

沿革

[編集]

1898年（明治31年）4月1日、連隊区司令部条例改正（明治31年3月8日勅令第35号）により十勝連隊区が廃止され旭川連隊区が新設された。管轄区域が定められ、第7師管に属した[1]。1899年4月15日、司令部が石狩国上川郡永山村に移転した[2]。1902年10月23日、司令部が上川郡鷹栖村大字近文の新築庁舎に移転[3]。

1903年（明治36年）2月14日、改正された「陸軍管区表」（明治36年勅令第13号）が公布となり、再び旅管が採用され連隊区は第7師管第14旅管に属した。

日本陸軍の内地19個師団体制に対応するため陸軍管区表が改正（明治40年9月17日軍令陸第3号）され[4]、1907年（明治40年） 10月1日、全国的に管轄区域の大幅な変更が実施されたが、北海道についてはほとんど変更がなかった。

1925年（大正14年）4月6日、日本陸軍の第三次軍備整理に伴い陸軍管区表が改正（大正14年軍令陸第2号）され[5]、同年5月1日、旅管は廃され引き続き第7師管の所属となり、管轄区域に樺太が追加された。

1940年（昭和15年）8月1日、旭川連隊区は北部軍管区旭川師管に属することとなった。ただし、北部軍管区を管轄とする北部軍司令部が設置される同年12月2日まで、北部軍管区に関する事項は施行が延期された。また、管轄区域の樺太が豊原連隊区として独立した[6]。1942年10月8日、司令部が旭川市近文2397番地に移転した[7]。1945年には作戦と軍政の分離が進められ、軍管区・師管区に司令部が設けられたのに伴い、同年3月24日、連隊区の同域に地区司令部が設けられた[8]。地区司令部の司令官以下要員は連隊区司令部人員の兼任である。同年4月1日、旭川師管は旭川師管区と改称された[9]。

管轄区域の変遷

[編集]

1898年4月1日、旭川連隊区が新設され、管轄区域が次のとおり定められた[1]。札幌連隊区から石狩国上川郡、天塩国区域、北見国宗谷郡・枝幸郡・礼文郡・利尻郡を編入。また、根室連隊区（釧路連隊区）から北見国網走郡・斜里郡・常呂郡・紋別郡を編入して管轄区域を形成した。

  • 北海道
上川郡（石狩国）増毛郡・留萌郡・苫前郡・天塩郡・中川郡・上川郡（天塩国） 宗谷郡・枝幸郡・礼文郡・利尻郡・網走郡・斜里郡・常呂郡・紋別郡（北見国）

1898年（明治31年）5月31日、札幌連隊区から石狩国空知郡富良野村を編入した[10]。1907年10月1日、札幌連隊区から胆振国勇払郡占冠村を編入した[11]。この時点での管轄区域は次のとおり。

  • 北海道
上川郡・空知郡富良野村（石狩国）勇払郡占冠村（胆振国）・増毛郡・留萌郡・苫前郡・天塩郡・中川郡・上川郡（天塩国）宗谷郡・枝幸郡・礼文郡・利尻郡・網走郡・斜里郡・常呂郡・紋別郡（北見国）

1915年（大正4年）9月13日、旭川区が追加された[12]。1920年（大正9年）8月10日、釧路連隊区へ北見国網走郡・斜里郡・常呂郡・紋別郡を移管した[13]。1923年（大正12年）3月31日、旭川区を旭川市に変更した[14]。この時点での管轄区域は次のとおり。

  • 北海道
旭川市・上川郡・空知郡富良野村（石狩国）勇払郡占冠村（胆振国）・増毛郡・留萌郡・苫前郡・天塩郡・中川郡・上川郡（天塩国）宗谷郡・枝幸郡・礼文郡・利尻郡（北見国）

1925年5月1日、北海道に関して管轄区域の表記を、次のとおり市と支庁によるものに変更し、樺太を加えた[15]。

  • 北海道
旭川市・上川支庁・宗谷支庁・留萌支庁・樺太

1940年8月1日、管轄区域の樺太が豊原連隊区として独立し[6]、最終の管轄区域が次のとおりとなった。

  • 北海道
旭川市・上川支庁・宗谷支庁・留萌支庁

連隊区司令官

[編集]
旭川連隊区司令官
代 氏名 階級 在任期間 出身校・期 前職 後職 備考
林昌介 歩兵少佐 1898.4.1[16] - 1899.4.1[17] 鹿児島県 札幌連隊区司令官[16] 免兼職[17] 兼札幌連隊区司令官
栃内元吉 歩兵少佐 1899.4.1[17] - 1902.8.19[18] 北海道 休職[18]
吉原正矢 輜重兵少佐 1902.9.30[19] - 1906.12.19[20] 陸士旧11期 予備役[20]
遠藤昶 歩兵中佐 1906.12.19[20] - 1910.10.1[21] 北海道 歩兵第27連隊附[20] 予備役[21]
富澤定一 歩兵少佐 1910.10.1[21] - 1912.9.28[22] 陸士旧11期 歩兵第27連隊附[21] 歩兵第66連隊附[22]
北川正武 歩兵中佐 1912.9.28[22] - 1915.8.10[23] 陸士旧11期 歩兵第28連隊附[22] 待命[23]
大島良三郎 歩兵中佐 1915.8.10[23] - 1918.10.18[24] 陸士4期 歩兵第28連隊附[23] 歩兵第13連隊長[24]
長屋藻綠 歩兵中佐 1918.10.18[24] - 1922.1.24[25] 陸士8期 歩兵第20連隊附[24] 休職[25]
平野克巳 歩兵大佐 1922.1.24 - 1923.8.6[26] 陸士9期 待命[26]
高橋虎次 歩兵大佐 1923.8.6[26] - 1924.2.4[27] 陸士10期 待命[27]
坪郷芳一 歩兵中佐 1924.2.4[28] - 1924.12.15[29] 陸士14期 歩兵第52連隊附[28] 歩兵第25連隊長[29]
圓山淸 歩兵大佐 1924.12.15[30] - 1927.7.26[31] 陸士14期 歩兵第27連隊長[31]
山田政一 歩兵大佐 1927.7.26[31] - 1929.8.1[29] 陸士13期 歩兵第27連隊長[31] 待命[29]
肥田鎭夫 歩兵大佐 1929.8.1[32] - 1931.8.1[33] 陸士15期 待命[33]
丹下悌次郎 歩兵大佐 1931.8.1[33] - 1933.3.18[34] 陸士18期 歩兵第16連隊長[34]
小野寺将行 歩兵大佐 1933.3.18[34] - 1935.8.1[35] 陸士17期 待命
中山惇 歩兵大佐 1935.8.1[35] - 1937.8.2 陸士23期 歩兵第49連隊長[29]
宇野通雄 歩兵大佐 1937.8.2[29] - 1939.12.1[29] 陸士22期 関東軍附[29]
佐久間盛一 歩兵大佐 1939.12.1[36] - 1941.10.15[29] 陸士24期 歩兵第3連隊長[29] 第36歩兵団長[29]
志摩源吉 歩兵大佐 1941.10.15[29] - 陸士24期 歩兵第120連隊長[29]
伊黒清吾 歩兵大佐 1942.12.22[37] - 1945.3.9[38] 陸士24期 第一独立歩兵隊長 歩兵第59旅団長[38]
宮崎次彦 大佐 1945.3.9[38] - 1945.3.29[39] 陸士25期 騎兵第3連隊長[38] 旭川地区司令部部員[39]
清水正雄 少将 1945.3.29[39] - 廃止 陸士12期 留守第7師団兵務部長[39] 兼旭川地区司令官


脚注

[編集]
  1. ^ a b 陸軍管区表（明治31年3月8日勅令第34号）
  2. ^ 『官報』第4746号、明治32年5月1日。
  3. ^ 『官報』第5797号、明治35年10月29日。
  4. ^ 『陸軍軍戦備』57-58頁。
  5. ^ 『陸軍軍戦備』101頁。
  6. ^ a b 陸軍管区表（昭和15年7月24日軍令陸第20号）
  7. ^ 『官報』第4730号、昭和17年10月14日。
  8. ^ 『陸軍軍戦備』480頁。
  9. ^ 陸軍管区表（昭和20年2月9日軍令陸第2号）
  10. ^ 陸軍管区表（明治32年5月31日勅令第220号）
  11. ^ 陸軍管区表（明治40年9月17日軍令陸第3号）
  12. ^ 陸軍管区表（大正4年9月13日軍令陸第10号）
  13. ^ 陸軍管区表（大正9年8月7日軍令陸第10号）
  14. ^ 陸軍管区表（大正12年3月31日軍令陸第3号）
  15. ^ 陸軍管区表（大正14年4月6日軍令陸第2号）
  16. ^ a b 『官報 1898年04月02日』大蔵省印刷局、1898年4月2日、21頁。https://dl.ndl.go.jp/pid/2947712/1/3。 
  17. ^ a b c 『官報 1899年04月04日』大蔵省印刷局、1899年4月4日、28頁。https://dl.ndl.go.jp/pid/2948014/1/3。 
  18. ^ a b 『官報 1902年08月20日』大蔵省印刷局、1902年8月20日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2949042/1/4。 
  19. ^ 『官報 1902年10月01日』大蔵省印刷局、1902年10月1日、4頁。https://dl.ndl.go.jp/pid/2949077/1/3。 
  20. ^ a b c d 『官報 1906年12月20日』大蔵省印刷局、1906年12月20日、490頁。https://dl.ndl.go.jp/pid/2950387/1/3。 
  21. ^ a b c d 『官報 1910年10月03日』大蔵省印刷局、1910年10月3日、59頁。https://dl.ndl.go.jp/pid/2951538/1/11。 
  22. ^ a b c d 『官報 1912年09月30日』大蔵省印刷局、1912年9月30日、525頁。https://dl.ndl.go.jp/pid/2952147/1/3。 
  23. ^ a b c d 『官報 1915年08月11日』大蔵省印刷局、1915年8月11日、205頁。https://dl.ndl.go.jp/pid/2953016/1/6。 
  24. ^ a b c d 『官報 1918年10月19日』大蔵省印刷局、1918年10月19日、391頁。https://dl.ndl.go.jp/pid/2953978/1/4。 
  25. ^ a b 『官報 1922年01月25日』大蔵省印刷局、1922年1月25日、449頁。https://dl.ndl.go.jp/pid/2954958/1/3。 
  26. ^ a b c 『官報 1923年08月07日』大蔵省印刷局、1923年8月7日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2955429/1/38。 
  27. ^ a b 『官報 1924年02月06日』大蔵省印刷局、1924年2月6日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2955582/1/6。 
  28. ^ a b 『官報 1924年02月07日』大蔵省印刷局、1924年2月7日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2955583/1/3。 
  29. ^ a b c d e f g h i j k l m 外山操『陸海軍将官人事総覧 陸軍編』芙蓉書房、1981年9月。https://dl.ndl.go.jp/pid/12285734/1/180。 
  30. ^ 『官報 1924年12月16日』大蔵省印刷局、1924年12月16日、437頁。https://dl.ndl.go.jp/pid/2955844/1/7。 
  31. ^ a b c d 『官報 1927年07月27日』大蔵省印刷局、1927年7月27日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2956633/1/11。 
  32. ^ 『官報 1929年08月02日』大蔵省印刷局、1929年8月2日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2957244/1/15。 
  33. ^ a b c 『官報 1931年08月03日』大蔵省印刷局、1931年8月3日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2957846/1/9。 
  34. ^ a b c 『官報 1933年03月20日』大蔵省印刷局、1933年3月20日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2958335/1/9。 
  35. ^ a b 『官報 1935年08月02日』大蔵省印刷局、1935年8月2日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2959054/1/14。 
  36. ^ 『同盟旬報 第3巻 第34号（通号089号）』同盟通信社、1939年12月。https://www2.i-repository.net/il/meta_pub/detail。 
  37. ^ 『同盟旬報 第6巻 第36号（通号199号）』同盟通信社、1942年12月。https://www2.i-repository.net/il/meta_pub/G0000002chosakai_A40_0636_199(031)6803。 
  38. ^ a b c d 『第５５号　昭和２０年３月１０日　陸軍異動通報』陸軍省、昭和２０年３月１０日。https://www.jacar.archives.go.jp/aj/meta/result?IS_KEY_S1=C12120935900&SUM_KIND=SimpleSummary&IS_KIND=detail&IS_SCH=META&IS_STYLE=default&IS_START=1&IS_EXTSCH=&DEF_XSL=default&IS_SORT_KND=ASC&IS_SORT_FLD=&IS_TAG_S1=InD&IS_LYD_DIV=&LIST_VIEW=&ON_LYD=on。 
  39. ^ a b c d 『第７４号　昭和２０年３月３１日　陸軍異動通報』陸軍省、昭和２０年３月３１日。https://www.jacar.archives.go.jp/aj/meta/result?IS_KEY_S1=C12120937900&SUM_KIND=SimpleSummary&IS_KIND=detail&IS_SCH=META&IS_STYLE=default&IS_START=1&IS_EXTSCH=&DEF_XSL=default&IS_SORT_KND=ASC&IS_SORT_FLD=&IS_TAG_S1=InD&IS_LYD_DIV=&LIST_VIEW=&ON_LYD=on。 

参考文献

[編集]
  • 防衛研修所戦史室『陸軍軍戦備』朝雲新聞社〈戦史叢書〉、1979年。
  • 『官報』
  • 外山操 編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。ISBN 4829500026。 
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