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バイアス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

バイアス: bias: 偏誤)とは偏り、かさ上げ、斜めのこと。

偏り[編集]

  • 偏り - 統計学の用語。母集団の要素が標本として平等に選ばれていない、または推定すべき量を何らかの理由で高く、または低く推定しすぎていること。
    • 選択バイアス英語版 - 研究に組み入れられる対象の選択の誤り[1]。理想的には、研究対象は互いに強く類似している必要があり、研究対象が抽出されたより大きな母集団(たとえば、同じ病気または状態のすべての個人)と強く類似している必要がある[1]。彼らに大きな違いがある場合、研究の結果は有効ではない可能性がある[1]
      • サンプリングバイアス - 不適切な標本抽出によって、母集団を代表しない特定の性質のデータがまぎれこんでいること。選択バイアスの一種。
  • 偏見 - 偏った見方のこと(用例:「あの人の意見には新聞は不正確だというバイアスがかかっている」)。
    • 認知バイアス - 非常に基本的な統計学的な誤り、社会的帰属の誤り、記憶の誤り(虚偽記憶)など、人間が犯しやすい認知の誤り。
    • 感情バイアス - 感情的要因による認知と意思決定の歪み。
    • 正常性バイアス - 災害があっても自分だけは大丈夫と思うこと。特に自身に耳の痛い情報は入らないこと
    • 生存者バイアス - 生還した者からは意見が聞けるが、生還できなかった者から意見は聞けないこと
  • 出版バイアス - 否定的な結果が出た研究は、肯定的な結果が出た研究に比べて公表されにくいというバイアス[2]

かさ上げ[編集]

斜め[編集]

  • 糸が斜めに走っていること。「バイアス織」、「バイアス編み」(この場合「バイヤス」とも)。
  • 斜めに裁つこと。「バイアス裁ち」。
  • バイアステープの略。
  • 空気入りタイヤで構造材が斜めに入っている「バイアスタイヤ」のこと(タイヤ#構造と材料)。

BIAS など(略語)[編集]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c selection bias” (英語). www.cancer.gov (2011年2月2日). 2024年7月1日閲覧。
  2. ^ 津谷喜一郎、正木朋也 2006, p. 10.


参考文献[編集]

  • 津谷喜一郎、正木朋也「エビデンスに基づく医療(EBM)の系譜と方向性 保健医療評価に果たすコクラン共同計画の役割と未来」(pdf)『日本評価研究』第6巻第1号、2006年3月、3-20頁、NAID 40007259318