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プランク (人工衛星)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
プランク
所属 欧州宇宙機関 (ESA)
公式ページ Planck - Home Page
国際標識番号 2009-026B
カタログ番号 34938
状態 運用終了
目的 宇宙望遠鏡
観測対象 宇宙マイクロ波背景放射
打上げ機 アリアン5
打上げ日時 2009年5月14日13:12GMT
運用終了日 2013年10月23日
停波日 2013年10月23日
物理的特長
質量 1800kg
軌道要素
周回対象 太陽-地球
軌道 L2点
観測機器
LFI 低周波装置
HFI 高周波数装置
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プランク (Planck) は、宇宙背景放射を観測するための高感度・高分解能の観測装置を備えた宇宙望遠鏡である。ESA2000年に3番目の中規模計画として計画された。当初はCOBRAS/SAMBAと呼ばれていたが、後にノーベル物理学賞を受賞したドイツマックス・プランクにちなんで改名された。

NASAWMAP探査機が広視野・低感度であるのに対し、プランクは対照的である。相補的な成果や宇宙創生期の解明が期待される。

プランクは、2009年5月14日にアリアン5ハーシェル宇宙望遠鏡と共に打ちあげられ、7月にはL2点に投入された。2010年2月には2回目の全天サーベイを開始した。 2013年3月21日に、全天の宇宙背景放射マップが公開された。NASAのWMAPが観測したデータよりも高精度な宇宙背景放射マップが完成し、宇宙の年齢もこれまでよりやや古い約138億年であることが確認された[1]

2012年1月14日、2つの観測装置のうちの高周波数装置 (HFI) が冷却用の液体ヘリウム枯渇のため観測を終了した。以降は低周波数装置 (LFI) のみで観測を続けていた[2] 。LFIによる観測も2013年10月3日に終了し、10月9日にはスラスタを噴射してL2点からの移動を開始し、10月23日に送信機を停止して運用を終えた。プランクは、運用終了までにHFIとLFIの双方を使っての全天サーベイを5回実施した[3] [4]

観測装置[編集]

低周波数装置 (LFI) と高周波数装置 (HFI) [5]から成る2台の装置が搭載されており、両方とも30GHzから857GHzの偏波と光子を検出する。

低周波数装置[編集]

周波数
(GHz)
帯域
()
分解能
(角度分)
感度 (total intensity)
, 14か月観測
(10-6)
感度 (polarization)
, 14か月観測
(10-6)
30GHz 0.2 33 2.0 2.8
44GHz 0.2 24 2.7 3.9
70GHz 0.2 14 4.7 6.7

LFIは3つの帯域があり、30GHzから70GHzをカバーする。検出器はHEMTである[5]

高周波数装置[編集]

周波数
(GHz)
帯域
()
分解能
(arcmin)
感度 (total intensity)
, 14か月観測
(10-6)
感度 (polarization)
, 14か月観測
(10-6)
100GHz 0.33 10 2.5 4.0
143GHz 0.33 7.1 2.2 4.2
217GHz 0.33 5.0 4.8 9.8
353GHz 0.33 5.0 14.7 29.8
545GHz 0.33 5.0 147 K.A.
857GHz 0.33 5.0 6700 K.A.

HFIは100GHzから857GHzの間で6つの周波数帯を持つ。ボロメータで光子を検出する。4台の低周波帯では感度は線形であるが、2つの高周波帯では違う[5]

脚注[編集]

外部リンク[編集]