コンテンツにスキップ

ベニト石

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ベニト石 benitoite
benitoite
benitoite
分類 ケイ酸塩鉱物
シュツルンツ分類 9.CA.05
Dana Classification 59.1.1.2
化学式 BaTiSi3O9
結晶系 六方晶系
対称 Hexagonal 6 m2 ditrigonal dipyramidal
単位格子 a = 6.641 Å, c = 9.7597(10) Å; Z = 2
晶癖 Tabular dipyramidal crystals, granular
双晶 On {0001} by rotation
へき開 [1011] poor
断口 貝殻状
モース硬度 6 - 6.5
光沢 ガラス光沢
無色青色紫色青緑色
条痕 白色
透明度 Transparent to translucent
比重 3.6
光学性 一軸性 (+)
屈折率 nω = 1.756 - 1.757 nε = 1.802 - 1.804
複屈折 δ = 0.046
多色性 O = 無色; E = 紫色、藍色、青緑色
蛍光 あり
溶解度 不溶性: HClH2SO4
可溶性: HF
その他の特性 Blue fluorescence under SW UV; intense blue cathodoluminescence
文献 [1][2]
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
テンプレートを表示

ベニト石(ベニトせき、ベニトアイトbenitoite)は鉱物ケイ酸塩鉱物)の一種。化学組成は BaTiSi3O9結晶系六方晶系


産出地

[編集]

1907年アメリカ合衆国カリフォルニア州サンベニト郡で初めて発見され、名前はその地名に由来する。

日本では、新潟県糸魚川市青海と東京都奥多摩町白丸鉱山で見つかっている[3]

ソーダ沸石海王石蛇紋石曹長石などを伴う。

性質・特徴

[編集]

紫外線を当てると青い蛍光を放つ。

用途・加工法

[編集]

高い屈折率(1.757-805)とダイアモンド並みの散乱(0.044)を持ち、劈開がないため加工しやすいが、非常に希産であるうえ、大きい結晶がない(カットは最大でも15.42カラット)ため貴重である。堀秀道は、ベニト石を藍方石と共に「カットして宝石にすると、サファイアに似て、サファイアよりきれい」、「大粒の石がまれ」と評している[4]


脚注

[編集]
  1. ^ Benitoite (英語), MinDat.org, 2011年7月14日閲覧 (英語)
  2. ^ Benitoite (英語), WebMineral.com, 2011年7月14日閲覧 (英語)
  3. ^ 西久保勝己、松原聰、宮脇律郎、横山一己「東京都奥多摩町白丸鉱山産ベニト石」『日本鉱物科学会年会講演要旨集』日本鉱物科学会2007年度年会、日本鉱物科学会、2007年、doi:10.14824/jakoka.2007.0.205.0NAID 10019865638 
  4. ^ 堀秀道『楽しい鉱物図鑑』草思社、1992年、158頁。ISBN 4794204833 

参考文献

[編集]

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]