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利用者:Nihondoken

ドライアイス洗浄[編集]

ドライアイス洗浄とは洗浄の一種で洗浄物の表面にドライアイスを吹きつけて洗浄する方法。 圧縮空気を使い、ドライアイス洗浄器を通じて洗浄する。  ドライアイス洗浄器は機内でドライアイスペレット(3mmペレット)を弱い圧力で必要量にして 集め、その後300m/分の速度で一気に放出される。粒状またはパウダー状のドライアイスを圧縮 空気と一緒に洗浄対象物に吹きつけ、剥離の原理[1]よって汚れを落とす  ドライアイス洗浄は欧米諸国では大変メジャーな洗浄方法であり、ようやく日本国内においても 認知されるようになってきた。現在では、工場の生産技術、保全部門で多く採用されている


・剥離の原理[編集]

剥離の原理とは

  1. 高速でドライアイスペレットを吹き付けることによる衝撃力の効果。
  2. ドライアイスの極度の低温(-78.9℃)によるサーマルショック(熱収縮)の効果により付着物が急速に割れて分解する効果
  3. 剥離した付着物と母材との間にドライアイスが入り込み急激に気化し、その体積が膨張変化(750倍)し、この体積変化によりさらに間隔を広げ剥離促進する効果である。(圧縮空気の吐出空気量と吐出圧力を上げることにより剥離効果も比例して上がる)


・利点[編集]

  • 溶剤の使用が避けられる
  • 洗浄機自体の小型化、低騒音化
  • 電気回路系の洗浄が可能である
  • 人体に対しても無害である


・有効な洗浄対象物[編集]

  • 自動車製造業…金型のメンテ、プレス機のグリス、電気設備の配電盤、塗装ブースの塗料、溶接スパッタ、樹脂、電気機器の埃
  • ゴム製品製造業…金型のゴム残留物、、離形剤、熱硬化したヤニ
  • プラスチック製品製造業…射出成型機のスクリュ(鏡面仕上げ)の付着物、金型の残留樹脂や離形剤、各種バリ取り、ガス
  • 食料品製造業…フライヤーの油、焼き型の油、オーブンの焦げ、操作盤の埃、水分分離機器汚れ、ダクト内の油、ベルトコンベヤーの油の焦げ付き、ライン洗浄
  • 塗料製造業…フッ素塗料、シリコン塗料、アクリル塗料、グラビアインキ、UVインキ
  • 電気業…キュービクル、分電盤、配電盤
  • 石油製品、石炭製品製造業…コールタール、ピッチ、オイル
  • 金属鉱業…金型(ゴム、プラスチック、樹脂など)、プレス機の油、溶接の研磨剤


・金型に対する有効性[編集]

金型を洗浄する際は金型が高温(150~200度)であるためドライアイスの昇華スピードが上がり、洗浄能力があがるので特に有効である。

  • 金型をセットしたまま洗浄することが可能になるので手間と時間を短くできる
  • 金属のため熱収縮により、金属と汚れの間にクラックができるのでドライアイスが間に入り易くなり、洗浄効果が上がる
  • 金型のような複雑な形状(例シボ)の場合にはドライアイスペレット(3mm)をパウダー状に粉砕したドライアイスパウダーにより対応することができる
  • ドライアイスは気化するため金型に残留物が残らず手間が軽減する
  • 金属の研磨作用がないため次回の洗浄時間が短縮できるケースがある


・ドライアイスが温暖化に与える影響[編集]

ドライアイス洗浄において使われるドライアイスはCo2を排出している電力、鉄鋼、石油精製、化学工業から排ガスの一部を もらって製造しているものである。そのためCo2の大気放出を増加させているものではない。例えば、A社の排気ガスから製造したCo2を年間10万トン使用しているB社が、Co2の使用を中止したとしても、この10万トンのCo2は排出場所がB 社からA社に移るだけで排出量は変化しない。また、流通のあらゆる場面で使用されているドライアイスもCo2から作られているが、冷凍機付トラックを廃止してドライアイスを冷媒することになり、停車時や荷卸時のアイドリングをなくすことができ、様々な温度帯の物資を1台のトラックに混載できるなど、むしろ輸送の合理化などによるCo2の排出量削減や、大気汚染防止に貢献している。


販売用のCo2の量はごくわずかである
日本国内での排出量 トン-Co2
LCO2とドライアイスの生産量 100万トン
LOCとドライアイスの製造時の電力消費によるCo2排出量 10万トン
LPガス使用により発生するCo2排出量 5570万トン
全家庭の電力、熱の使用によるCo2排出量 1億5420万トン
貨物輸送によるCo2排出量 1億590万トン
旅客輸送によるCo2排出量 1億6070万トン
発電事業によるCo2排出量 3億1600万トン
その他のCo2排出量(その他の産業分野) 4億2120万トン
全Co2排出量 12億1370万トン