レナウンが年内に消滅、破産手続き終了へ 名門の歴史に幕 東京商工リサーチが見解

レナウンの本社が入るビル(東京都江東区)
レナウンの本社が入るビル(東京都江東区)

東京商工リサーチは11日、令和4年11月に東京地裁から破産開始決定を受けたアパレル大手のレナウンが年内にも消滅するとの見解を示した。同社の財産をお金に換えて債権者に分配する配当は、今年8月中旬に3回目を実施して終了することを破産管財人から確認。その後、破産手続きが終結し、年内にも法人としてのレナウンは消滅する見通し。1902年に創業した名門企業が、歴史に幕を下ろす。

確定している普通破産債権(別除権付債権を除く)は73億6564万円。このうち、今年8月中旬に予定される第3回の配当を含めた累計46億6902万円が債権者に分配される。破産債権の配当率は63・3%となる。

一方で、親会社である中国の繊維大手、山東如意科技集団はレナウンの売掛金約53億2400万円を回収できるめどが立っていないという。

レナウンは、高度成長期やバブル期に紳士服の「ダーバン」や英国発祥の高級ブランド「アクアスキュータム」などで売り上げを伸ばし、昭和44年に東証1部に上場。その後は景気の悪化や安価なファストファッションの台頭などで売り上げが激減し、平成22年に山東如意科技集団の傘下となり再建を進めた。その後も新型コロナウイルス禍の影響で主力の百貨店向けの売り上げが伸びず、令和4年に破産手続きに入った。

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