2024.04.15

「国民は騙すもの」…森永卓郎氏×鈴木宣弘東京大学大学院特任教授の覚悟の対談で語られた「役人たちの行動原理」

【ニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー」(月曜日~木曜日8時~11時)2024年3月19日放送より】レギュラーコメンテーターの森永卓郎(経済評論家)氏と、この日のゲスト東京大学大学院鈴木宣弘特任教授が、好評発売中の二人の対談『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』(講談社+α新書)について、国民が知らない「不都合な真実」を本音で語り合った。

※この記事はニッポン放送の許諾を得て番組内容を掲載したものです。

前編【森永卓郎氏×鈴木宣弘東京大学大学院特任教授の覚悟の対談! 止まらない食料危機と財務省の不適切すぎる関係】より続く

財務当局が備蓄をさせない

鈴木 台湾有事がどういう確率で起こるかわかりませんけども、日本がこんなふうに武器だけ揃えて攻めていくぞというような姿勢を示す、経済制裁するぞみたいな姿勢を示しただけで、たとえば隣国が海上封鎖、シーレーンを封鎖するというようなことが簡単に起こりうるわけです。それをやられてしまったら、もうすべてそこで終わってしまうわけですよね。戦うどころの騒ぎじゃないと。だから今、国内の生産をね、もっともっと増強しなきゃいけないわけですよね。だけど、中国はですね、有事に備えて、今14億人の人口が1年半食べられるだけの備蓄をするということで、国内生産の増強と世界中からまた穀物を買い占めてるんです。

垣花 中国って変な国だってイメージもあるけど意外と真っ当ですね。

鈴木 そういうところは真っ当ですよ。まず命を守るには食料だと。

森永卓郎氏

垣花 日本はどうなんですか?

鈴木 備蓄が1.5ヶ月分しかないんですよ。だから輸入を止められたらおしまいなわけですよ。だからもっと生産を増強しないと。日本の米の生産力って今、800万tぐらいしか生産してないけども、日本の水田を全部使えばいい。1200万t以上作れるんですよ。潜在生産力はあるんですよ。増産して政府の責任で備蓄すればいいじゃないかと言うと、「そんな金どこにあるんだ馬鹿たれ」と、財政当局に言われておしまいになっちゃうんですよ。だから馬鹿たれはどっちだ? と、命を守るのは一番は食料じゃないかと。そこにね、数兆円かけても、増産して備蓄するぐらいのことをやっとくほうが役に立たないミサイルを買うよりも先にやるべきことじゃないかって話なんです。