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#読書感想文

本を読んで感じた気持ちや考えたことを、言葉にしてnoteに残してみませんか?おもしろかった本の感想や学びを「#読書感想文」で教えてください!

人気の記事一覧

『それでもなぜ、トランプは支持されるのか―アメリカ地殻変動の思想史』が面白かった話と家族制度について考える(最近考えている話・後編)

このnoteでは、『虎に翼』が今描いている結婚制度の是非について書いた。今回はその続きである。 「国が家族ごとに戸籍を与えるのがおかしい、欧米では個人で戸籍管理しているのだから日本もできるはず」という意見は至極全うだと思う。実際、マイナンバー制度は戸籍(家族単位で管理)から個人番号(個人単位で管理)に移行するためのものであるはずだ。だとすれば、日本的な家族共同体単位社会から、欧米的な個人単位社会(結婚はあくまで個人間の契約であり、家=先祖や親は関係ない)に移行するのが良い、

¥500

大岡昇平「野火」読書感想文

読書をしているうちに大岡昇平を知る。 あちこちの本の巻末の解説に “ ケンカ大岡 ” の異名が登場してくる。 海音寺潮五郎には「史実を曲げている」と突っかかり論争になったとか。 井上靖も「フィクションが過ぎる」と突っかかられて、気の毒なことに論争になったとか。 松本清張にもだ。 ほっとけばいいのに「推測が浅い」と突っかかり論争になったらしい。 めんどくさそうな人、という印象があった。 それほどに言うのだったら、さぞかし史実に忠実で、フィクションも過ぎなくて、推測も深

レイモンド・チャンドラー「待っている」読書感想文

ハードボイルドの大作家とは知っている。 現代の作家にもお手本にされていて、あちこちの本の作中で紹介もされている。 1回は読もうとは思っていたけど、今までに読んだハードボイルドって、それほど好きにはなれなかったので躊躇させていた。 しかしながら。 期待してない読書のほうがおもしろい場合が多々ある。 試しに読んでみた。 この本には、5編が収められている。 4つの中編と、1つの短編。 終わりにある短編の題名が『待っている』となる。 感想テイストがちがう。 今までなんだった

【少しだけ昔を語っても?】初のペーパーバックを出版してみて分かったことと気付いたこと、そして伝えられること。

やぁ、いらっしゃい。今日も来てくれてありがとう。 先日、初めてペーパーバック出版が完了しました▽ ※ペーパーバックとは電子書籍ではなく、リアルの紙本。教科書のように表紙が印刷された別紙を圧着した仕様。 触った質感などもしっかりと"本"になってます▽ 本書は私がnoteを始めるまでの数年間を遡った内容。 最近でこそnoteに転がり落ちてきた話をする機会も減ったけど、初期の頃から仲良くしてくれている方や、最初の記事を読んでくれた方は御存知の通り。人づてに引用されて知ってく

¥300

瀬戸内晴美「女の海」読書感想文

瀬戸内晴美を読まなければ。 のちの瀬戸内寂聴の『いのち』を読み終えて思った。 それを著す95歳の瀬戸内寂聴は、体の不調で書くこともできなくなりつつある。 ラストには自嘲する。 今まで400冊以上書いたがベストセラーがない。 もう片目が見えなくなっているし、ペンを持つ指も曲がっている。 それでも断筆することなく未練がましく書いていると、3ページほどとりとめもない。 が、最後の一文だけは力強い。 あの世から生まれ変わっても、私はまた小説家でありたい。それも女の。 こ

浅田次郎「天切り松 闇がたり 第1巻」読書感想文

天切りとは夜盗の手法。 深夜に大屋敷のてっぺんに上り、風に吹かれて腕を組んで、ズイッと仁王立など決めるのが劇的。 そして、瓦4枚を外して入り込んで盗る。 闇がたりとは、盗人の話法。 6尺四方から先には声が届かない。 松とは村田松蔵。 老齢の元夜盗。 9歳で盗人の一家に入った大正6年から大正12年頃までの、見たこと聞いたことが語られる。 「鼠小僧のそのまた昔、富蔵藤十郎が大内山の御金蔵からかすめ取ったる四千両。江戸の華てぇ荒芸を今日の今日まで伝えてきたこの松蔵が・・・」

輝く季節を旅する -フォークナーの小説『八月の光』の美しさ

    【水曜日は文学の日】     光あるところに影があるように、物事には、二つの対照的な側面があります。   しかし、例えば一つの小説の中で全く対照的な物語を進めることは、案外困難で、少ないように感じます。 アメリカの小説家ウィリアム・フォークナーの1932年の長篇『八月の光』は、二つの異なった物語を合わせた傑作であり、しかも、驚くべき後味のよさを持つ作品です。 物語は、リーナ・グローブという少女の話から始まります。身重の身の彼女は、お腹の子供の父親であるルーカス・バ

【書評】藤本タツキ『ルックバック』-凡人として生きるということ-

はじめに3度目の正直 私が藤本タツキの『ルックバック』を読んだのはこれで3度目である。最初に読んだのは読み切りとして初めて掲載された時。当時『チェンソーマン』が話題になっていたため、この作品も大いに注目されていた。初読の感想は「面白い」であった。それ以上でもそれ以下でもなく、なぜ面白いと思ったのか追求するほど心が揺さぶられた訳でもない。 次に読んだのは『さよなら絵梨』が掲載された時である。その頃世間の注目は藤本タツキそのものに移行しつつあった。その時流に乗り、読み返そうと

✩ 文学夜話 ✩ 佐藤究『テスカトリポカ』および直木賞選評の感想

✩ この記事は本の紹介がメインなので、定期購読されていない方も全文が読めるように設定しました ✩ 2021年発売の小説なので今さらかもしれませんが(文庫化は今年の6月)、この度、佐藤究さんの小説『テスカトリポカ』を読んだので、その感想を書いてみます(ネタバレはありません)。あと、この作品に対する直木賞の幾つかの選評についての感想も書いてみます(辛口です)。 小説の感想 まず、読んだきっかけですが、以前から読もう、読もうとは思っていました。本屋さんに行けばよく見かけたし、

放浪する若さの喜び -川端康成『伊豆の踊子』の面白さ

【水曜日は文学の日】      若さとは、変化できるということです。 そして、固定してしまう前の美しさがある。   川端康成の初期作品『伊豆の踊子』は、若さゆえの、そんな不定形な美しさが面白い小説です。 二十歳の主人公の私は、戦前のエリート旧制高校生。伊豆の修善寺を旅していると、旅芸人の一行と出会います。   旅芸人一座と触れ合いながら、その一座にいる若い踊子の娘と、ごく淡い恋も混じる会話を交わしていきます。 川端康成は1899年生まれ。旧制一高から帝大国文学科を卒業後

虚無のパノラマ「楢山節考」~深沢七郎(ネタバレ有)

深沢七郎の「楢山節考」(1956年)は、日本に古来から伝わる「姥捨伝説」を題材として書かれた短編小説です。 古くからの民話としてはいくつかのバージョンがありますが、捨てられることを回避するために老婆が知恵をめぐらす内容のものや、「人道的」「敬老的」な立場から、この風習に対する批判がこめられたものが主なようです。 しかし、「楢山節考」では、この「姥捨」(口減らし)というしきたりは疑念をはさむ余地もない善行として肯定されているのです。 そして、リアルで残酷な世界が情容赦なく

【英語の処方箋】 読書#132

みなさん、いつもお世話になっております! 本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。 自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします! 今回は、英語についてです。 最近は、何かと並行して英語関係を読むようにしています。 ヘッダーは、だいもんさいこさんの作品を使わせていただきました! ありがとうございます!! 目次 基本情報ジェームス・M・バーダマン (著) 筑摩書房

読書日記|おりたたみ自転車はじめました

 一人旅に行くと、電車駅から目的地が離れている。どうしようバスかそれともタクシーに乗るか究極の2択になりますね。徒歩という選択肢もなくはないですが、見知らぬ土地を長時間歩くのも不安。  そんな時に折り畳み自転車があればなぁ。新たに買うのも・・・。それにどうせ重たいんでしょう?的な悩みの繰り返し。しかしこの本のタイトルを見て、こういう本が私には必要だった。今更ながら気づきました。本書は折り畳み自転車に興味がある人の悩みや疑問も解決してくれます。  さらっと読めるコミックエッ

シンプルなメッセージが心に刺さる文章本:『読みたいことを、書けばいい。』

とんでもない良書を発見! それが『読みたいことを、書けばいい。』です。 自分の文章をみなおしたいと思い手に取りましたが、参考になる点ばかり。 著者のウィットにとんだ語り口もクセになります。(著者は電通の元コピーライターの方です。) 書くことについて悩んでいる方、とくにブログやエッセイを書きたいと考えている方にとって、本書は新たな気づきをもたらしてくれるはず! 今回は、本書から学んだ3つの視点をご紹介。 1. 何を書くのか?それはエッセイ本書では、インターネット上で

青空文庫で読む谷崎潤一郎

重厚な百科事典や文学全集をお部屋のインテリアにする時代は終わった。 我が家の古い日本文学全集でも谷崎潤一郎は読めるのだが、2段組の活字は目に優しくない。 いつでもどこでも気軽に読める青空文庫はとても重宝している。  母の手術を待つ間、スマホで谷崎潤一郎の『卍』を読んでいた。 お蔭で深刻な気持ちにならずに済んだ。 この物語は、ヒロインが先生なる人物に、スキャンダラスな事件の顛末を告白する形で進行する。 長編『細雪』同様、登場人物は阪神間の富裕層だ。 夫は大阪で弁護士事務所

又吉直樹「火花」読書感想文

読んでみると、おもしろいの一言しか感想が浮かばない。 それでは読書感想文にならないので、もっと考えてみた。 まずは、文章のテンポがいい。 読んでいて気持ちがいい。 登場人物のセリフが、文章のアクセントになっているように感じるし、これは話すことを仕事としている人の成せる技なのかと思わせる。 148ページという短い物語の中に、20歳から32歳までの12年間の場面が、テンポよく流れるよう書かれて収まっている。 あとはなんだろう。 以外なおもしろさ、というのはある。 ギャップ

【あたたかい花をみんな持っている】 読書#136

みなさん、いつもお世話になっております! 本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。 自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします! 今回は、なんて表現したら良いのでしょう。 人生についてです。 ヘッダーは、マリコ*女性の生き方冒険家さんの作品を使わせていただきました! ありがとうございます!! 目次 基本情報大井 浩平 (著) デザインエッグ株式会社 出版 20

ページの上に、ひろがる色彩。

先日も本についての文章を書いたばかりではあるのですが、実は、このごろ思うように本を読むことができていません。 職場でちょっとした環境の変化があったせいなのか、とにかく、すぐに眠たくなってしまいます。 眠る前に本を読もうとしてページを開いても、いつのまにか船を漕いでしまうのですよね。 以前はそんなときでも無理をして読み進めようとしたものですが、今は体の声に耳を傾けるように心がけています。 "のんびり、ゆっくり読んでいけば良いよね" そんな気持ちで、先日購入したばかりの長田

読書感想#2 唯識の思想 自分が無いって、どうゆうこと?

僕は、ポッドキャストの歴史キュレーションプログラム「COTEN RADIO」に、深くハマっております。とても学びが深い。 そのコンテンツで、「三大宗教」「玄奘三蔵」のテーマがあり、その中で語られた仏教の話がとても面白かった。同プログラム深井さんの別ポッドキャスト「ASCOPE」での、仏教が取り上げられ、現役僧侶の松波龍源さんのお話も恐ろしく面白く、深井さんお勧めのこの本を手に取りました。 読了した感想は、「難解だけど、なるほどなあ~。そんな世界観があるのか!」 一人ひとり

書いて私を発見する -ジッドの小説『狭き門』の魅力

    【水曜日は文学の日】     なぜ私たちは書くのか。勿論、人によって様々な理由があります。 しかし、書くという行為には、根本的に「信仰告白」のようなところがあって、自分が生きて信じているものを、何かの形にしたいという欲望が込められているのは、間違いありません。   フランスの小説家、アンドレ・ジッドの小説『狭き門』は、そうした信仰告白を、捻れた形で凝縮して小説にした名作であり、書かれている事柄は古くても、今とてもアクチュアルに読める作品に思えます。 語り手のジェロ

【QOL爆上がり】私の人生を変えた本ベスト5

突然ですが、皆さんは本を読む習慣はありますか? 私は学生時代の頃は全く本を読む習慣がなく、自堕落な日々を送っていました笑 就職活動を始めてから、 「やべぇ!自己研鑽しなきゃ!本読まなきゃ!」 と思い立ち、本を読み始めました。 読んでいて「面白い!」と思う本がたくさんあったので、今でも読書する習慣は続いています。 そこで今回は、私の人生を変えた本を5冊ランキング形式で紹介していします。 第5位 第5位は 「人生が充実する」時間のつかい方 UCLAのMBA教授が教

ヒッチハイクをしていたら、幸福会ヤマギシ会に連れていかれた話。

「この本出版してよかったのか?」 本書を読みながら抱いた感情である。 幸福会ヤマギシ会という団体をご存じだろうか? 本書にはヤマギシ会が行う7泊8日の「特別講習研鑽会」と呼ばれるセミナーの詳細が書かれている。 筆者はセミナーのことを「脳を洗うセミナー」と記載している。 つまり洗脳だ。 そして人が洗脳される過程が詳細に記されている。 このセミナーは過去に10万人が受講している。 現在も5万人いるヤマギシ会の会員がいることを考えると、洗脳の効果は抜群だ。 その手

『九十歳。何がめでたい』 佐藤愛子

わたしが初めて佐藤愛子作品と出会ったのは、遥か昔の学生時代のこと。 直木賞受賞作『戦いすんで日が暮れて』でした。 ベストセラーになった『血脈』は上中下巻で、かなりのボリュームがありました。 佐藤家のファミリーヒストリーとして、きっかけは興味本位でしたが、あまりの面白さに貪るように読みました。 父は小説家の佐藤紅緑、兄は詩人のサトウハチロー、一見恵まれた家庭の内幕が赤裸々に描かれていて、一族が共存共栄というわけでもなく、影の部分もあったことを知りました。 母が佐藤愛子さん

『鳥と港』

書きたいと思えば思うほど、私にはもう小説のことがわからない。けれど佐原さんの書く小説を、この先もかならず手にとって読まなければいけないということはよくわかる。 みずみずしい。とにかくこれだ。いつまでも幼い私(たち)は、この一連の青春小説の形をしていなければ、ちりばめられる示唆をまずもう受けつけられないだろう。 この本は『重版出来!』『虎に翼』と同じゾーンに漂う一冊だ。ちょうど今仕事をしていて、そして何年も何年も仕事をしているということをまだ信じられないのだけれど、一寸先は

流れ出す美の夢 -谷崎潤一郎『春琴抄』の魅力

    【水曜日は文学の日】     谷崎潤一郎は長いこと活躍し、名作も多数ある文豪中の文豪です。以前『痴人の愛』や、芥川龍之介との「競作」も取り上げたことがあります。   『春琴抄』は、そんな彼の作品の中でも、指折りの美しさを持ち、しかも短く、謎めいた名作です。 冒頭、作者が江戸末期の三味線の名手、春琴の墓を訪れる所から始まり、「鵙屋春琴伝」という伝記を手に入れて、紹介して語っていくという形で進んでいきます。   春琴は、幼い頃失明し、三味線を習得して師匠格になります。そ

辻村深月著「傲慢と善良」/他人軸を捨てた時人生は変わるかもしれない。

noteのお友達 しんちゃんさんの記事を読んで、私も読んでみました。 ネタバレを含みますので、これから読む方はスルーしてくださいませ。 辻村深月さんの著作は3冊位読んだと思うのですが、最初に読んだ「朝が来る」が面白くて、ドキドキして夢中で読み進めた事を覚えています。 あらすじ しんちゃんさんは、この小説を読んで何度も鳥肌が立った と書いておられます。それは、 人が人を選ぶというプロセスが 恐ろしいぐらい言語化されていたからだと。 私は、自分が結婚に至った経緯を思い返すと

「こんな画集の表紙、見たことない!」著者の個性に寄り添った装丁デザインはどのようにできるのか?編集&デザイナー特別インタビュー!

「表紙が3枚……!?」 最初に今回の画集の装丁を言葉だけで聞いたとき、完成形が全く想像出来なかった。   “本の表紙は1枚”という私の固定観念をきれいに壊してくれた、イラストレーター・ともわかさんの作品集『24/7 TOMOWAKA ともわか作品集』。 その驚きの装丁がコチラ。 異なるイラストを載せた紙を表紙・裏表紙に3枚ずつ重ね、その上からクリアカバーを巻き1冊の本に仕上げている。さらに本を開くと、ページの間と終わりに別の本がひょっこりと挟まっている。   いったいどうや

去年の夏は何を読んだかな

世間一般は夏休み。 独り身の僕も今年は9連休という長期お盆休みを頂いたものの、バカンスに行く恋人もいなければ、フェスに一緒に行く友だちもいないので一人アパートにいる。(すみません。明日から札幌行きます) 時折、読まないといけない本を持って図書館に行き、帰り道でスタバ以外のカフェでアイスコーヒーを飲み、高校らしきカップルの会話を盗み聞きしながら何かのネタで使おうかなとストックしている。 壁に耳あり障子に目ありではないが、一人で飲食店にいると付近からえげつない内容の話が聞こえ

『ともだちは海のにおい』読んだ本 ご紹介!

たくさんの星が見える以外何もない静かな海で出会った、くじらといるか。友達となった二人のほのぼの温かい暮らしが、詩人の工藤直子さんの詩のような、童話のような文章と長新太さんのかわいらしく、味わい深い線画で綴られた本です。括りとしては児童文学になるでしょう。子供にも分かりやすく、くじらといるかの物語を追うだけで楽しいです。でもこの本はそれだけのものではありません。読む人にいろいろな思いを抱かせ、想像が広がっていくような、一人一人その広がり方が違うんじゃないかと思うような本です。

司馬遼太郎「草原の記」読書感想文

空想に付き合っていただきたい。 という書き出し。 次に1行が空く。 モンゴル高原が天に近いということについてである。 と続く。 それからの語句のチョイスがいい。 天、空、馬、草、という語句が、モンゴル高原の様子を目に浮かばせる。 なんか詩的だ。 今回の司馬遼太郎は。 この本を目にしたときから、絶対におもしろいだろうなと思ったのは当たりだった。 というのも。 司馬遼太郎は、大阪外語学校で蒙古語を専攻していた。 作家になるずっと前から、モンゴルに興味を抱いていた。

【本当の学力は作文で伸びる】 読書#134

みなさん、いつもお世話になっております! 本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。 自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします! 今回は、作文についてです。 というか、そこから鍛える学力について。 ヘッダーは、Sumiko Kさんの作品を使わせていただきました! ありがとうございます!! 目次 基本情報芦永 奈雄 (著) 大和出版 出版 2004年3月6日 第

読書感想文が楽に書ける方法(全国コンクール入賞経験あり)

♦自己紹介3児の母、38(Saya)です。 読書感想文での受賞歴はゼロ。 作文は苦手でした。 夏休みの宿題はもらったら即開始し、 夏休み開始数日後には ほぼ終わらせるタイプです。 しかし 読書感想文だけは別。 本を読むのも作文を書くのも面倒で どうしてもやりたくなくて… 夏休み終了一週間前、母に相談すると 「映画借りに行く?本で読んだことにしたら?」 「それなら2時間で見終わるしいいやん!」 ・・・今思い出すと、酷いですね〜(笑) 当時はナイスアイデアだと思っていました

¥2,000

不都合な事実を直視して「私が間違っているかもしれない」と言えますか?

自分が固く信じていることに対して、「本当にそうなのだろうか?」と疑問を投げかけることが出来る人は多くありません。 それよりは自分が欲しいものだけを探し、「ほら、やっぱりね!」と誰かを指さして批判する人をよく見かけます。自分が正しいと信じて相手を批判する人の声は、批判される側の声よりも何十倍も大きい。 その根拠はどこにあるのか? 客観的なデータに基づいているのか? それは本当に正しいのか、多方面から検証しているのか? と問いかけたら、その人は怒り出すかもしれません。 世の

【戦国の陣形】 読書#137

みなさん、いつもお世話になっております! 本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。 自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします! 今回は、ざっくり言うと歴史です。 タイトルにある通り「陣形」について。 ヘッダーは、kikuzirouさんの作品を使わせていただきました! ありがとうございます!! 目次 基本情報乃至(ないし) 政彦 (著) 講談社 出版 2016

スマホでビジネスチャンスをつかむ!ショート動画時代のSNSマーケティング

インスタグラムが伸び悩んでいます… 動画が主流のいま、ショートムービーに挑戦しようかなぁと思いはじめました。 そんな時に出会ったのが、『新世代のビジネスはスマホの中から生まれる』という本。 本書から得た3つの視点を通して、SNSマーケティングの新たな可能性を探っていきたいと思います。 1. インスタグラムと𝕏:異なる世界観SNSは、ユーザーがどのように情報と向き合っているかによって、大きく性質が異なります。 インスタグラムは、まるで個人の部屋に招き入れられたような、

西加奈子さん「くもをさがす」を読んで

西加奈子さんのカナダでの乳がんの治療のことが書かれたエッセイ。 この本が出された時に、テレビでこの本のことにまつわる西加奈子さんのインタビュー番組があり、それを見て「読まなくては」と思った本。 すぐに図書館で予約をして、予約待ちがかなりの人数いたようで、長く待ってようやく手にして読んだ。 書かれていないこともたくさんあると思うけど、治療にまつわるいろいろなことが書かれていて、「読まなくては」と強く思ったものの、読むのが怖くもあった。けれど、やっぱり読んでよかった。 もう

ニュータイプの時代が来た!

本日は 山口周氏の『ニュータイプの時代』をご紹介 私がこの本と出合ったのは出版された2019年10月ごろ ちょうどそのころ、私は仕事に悩んでいた。 悩んでいた内容を いまつらつらと 書こうとしたが100%愚痴になるので 只今消した(笑) 以前から、どうしたものかと、ビジネス書を検索していたときに この本を見つけた 私たちの世代ではニュータイプと言えばガンダムしか連想できず、 どうしてこんなところに・・・ガンダムネタが転がってるんだ、 と思った。 さては、私と同世代の人が

「今夜は眠れない」宮部みゆきさん(読書感想文)(*ネタばれ注意)

おもしろかったー! 「母さんと父さんは、 今年で結婚十五年目、 僕は中学一年」の主人公、 緒方雅男くんが語り部。 母親の昔の知り合い(MR澤村)が 5億円の遺産を残して病死。 5億円で、てんやわんや、 両親の離婚やら、 黒真珠「ポセイドンの恩寵」やら ミセス・アクアリウム(水族館)やら。 雅男の友達、島崎(インテリ)が いい味出しているんだけど、 2人とも中1にしては、でき過ぎ。 思考回路はせめて高一年生。 で、途中、誘拐沙汰とかもあり。 結局、雅男の母親が最初から、

【熱血経営者キャリア形成のための読書術】覚悟の論理 

どうもVISION合同会社、熱血経営者植田仁です。 同志社大学を卒業し、味の素株式会社に入社、26歳で起業しました。 キャリア、経歴を積んでいく中で、読書は本当に大切だと感じています。 石丸伸二氏の著書「覚悟の論理」は、 彼の安芸高田市長になるに至った経緯や、その際大事にした 哲学やリーダーシップの信念を詳細に綴ったもので、読み応えがありました。 明確なビジョンと使命感「覚悟の論理」は、石丸さんの強いビジョンと使命感に満ちています。 彼は、市長としての役割を単なる職業

✩ 文学夜話 ✩ ドリアン助川『太陽を掘り起こせ』の読書感想

✩ この記事は私の分析よりも本の紹介がメインなので、定期購読されていない方も全文が読めるように設定しました ✩ ドリアン助川さんの小説『太陽を掘り起こせ』(2024年3月発売)を読み、心に残る作品だったので、具体的なストーリーにはあまり触れないで(今後読まれる方のために)、最初の部分と構成と推測される作品の意図についてお話ししたいと思います。 この著者をご存じない方もいるかもしれないので、簡略に紹介しますと、小説家・エッセイスト・詩人であり、歌手(叫ぶ詩人の会)でもありま

三島由紀夫の長編小説すべて読んだので感想を書く

2021年の夏の終わりから三島由紀夫にハマりました。 三島由紀夫はおそろしく多作な作家で、小説・戯曲・評論など膨大な量の作品を遺しているのですが、2022年ようやく長編小説だけは読み終えることができました。 ぜんぶで34作品! 熱心な読書家とは言えなかった自分が、これほどたくさんの小説を短期間で夢中になって読んだのは生まれて初めてのことでした。 ので、せっかくだし、感想をまとめて記事にしてみました。 評論でもなんでもなく、感想というにもばらばらとした、感じたことの破片のよせあ

山我浩著「原爆裁判〜アメリカの大罪を裁いた三淵嘉子」(2522字)

朝ドラ「虎に翼」が明日で最終回を迎えますね。 朝ドラで描かれた主人公に関する書籍を読むのは、私の楽しみのひとつです。実在した人物像を一歩踏み込んで知る事ができるので。 今回はこの本を読んでみました。 死の商人・エドガー・サンジェ ベルギー最大の財閥系鉱山会社ユニオン・ミニエールの幹部エドガー・サンジェは、原子爆弾が開発される20年以上前に、赴任したコンゴで異常に純度の高い「ウラン」に目をつけた。 その後ドイツの化学者がウランの核分裂反応を発見。 マンハッタン計画が始動してい

甘いノスタルジア -小説『お菓子とビール』の魅力

    【水曜日は文学の日】     文字は書かれた瞬間に過去になるのですから、全ての小説は、回想だとも言える。   私が好きな回想は、プルーストの『失われた時を求めて』のように、一人の語り手が、ゆったりとした語り口で過去を紐解くように語る小説です。   もっとも、プルーストの小説は、単なる回想とは言い難い、「語り手の知りえないこと」を含む、かなり複雑で曖昧な語り口です。 それが魅力的でもあるのですが、時折その長さと相まって、読むのに疲れてしまうこともあります。   その点

文章がまとまらない… プロの文章術を盗んで、伝わる文章を書こう!:『知的生産の技術』梅棹忠夫

以前、『知的生産の技術』という本について、「カードの使用法」と「読書法」についてとりあげました。 一般的に、カードにアイデアを書き出すだけでは、それらがまとまった文章になるわけではありません。 そこでは一体どうするのか? 本書には、まとまった文章を構築するための、具体的な手法「こざね法」が紹介されています。 ですので今回は、その「こざね法」についてご紹介します。 1. 小さな紙きれに、テーマに関連するものをすべて書き出すまずは、小さな紙きれを用意します。 著者は、

【英語の読み方】 読書#138

みなさん、いつもお世話になっております! 本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。 自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします! 今回は、英語です。 ある意味今回は、「初」の記事となりますw ヘッダーは、園丘くすみさんの作品を使わせていただきました! ありがとうございます!! 目次 基本情報北村 一真 (著) 中央公論新社 出版 2021年3月25日 第1刷発

【読書コラム】5年ぶりの新刊! 凄いことになっていた! しんどいときに本当とか嘘とかわけわかんなくなるよね - 『さよならミニスカート』牧野あおい(著)

 2018年の連載開始時、「このまんがに、無関心な女子はいても、無関係な女子はいない。」のキャッチコピーで話題となった『さよならミニスカート』  握手会イベントで刃物を持った男に襲われ、グループを脱退した元人気アイドルが普通の高校生活を送ろうとするも、女子が「女子であること」を求められる空気は日常に蔓延していて悩み苦しむという物語。  性的に消費される理不尽に気がついた主人公はロングヘアーを短く切り、スカートではなくフラックスを履き、過去を隠すために名前も変えて新しい高校

著…磯淵猛『30分で人生が深まる紅茶術』

 ●美味しい紅茶の淹れ方  ●紅茶の歴史  ●マナー  ●スコーンにまつわる伝説  といったことを教えてくれる本。  頭の中で想像しながら読んで欲しい、という著者の意図により、写真は少なめ。  特に、美味しい紅茶の淹れ方が参考になりました。  というのが最大のポイントだそうです。  酸素が必要な理由については、  と解説されています。  理科の実験みたいで面白いですね、ジャンピングって。  なお、お湯の温度は95~98度がベスト。  それ以上の温度だと水中の

世之介に会いたくて、ただ会いたくて。

「世之介」は、実在する人物ではない。 井原西鶴の「好色一代男」の世之介でもない。 吉田修一氏の小説「横道世之介」の主人公、横道世之介のことだ。 「横道世之介」は毎日新聞の連載小説で、2009年に単行本化されている。 もう20年も前に、友達に薦められて、吉田修一氏の「パレード」や「パーク・ライフ」を読み、それから出す作品を追いかけて読み続けていた。 私の個人的な意見だが、吉田修一という作家は、現代作家の中で天才と呼ばれてよい人の一人だと思う。 文學会新人賞受賞でデビューしてか

【他者の靴を履く】 読書#133

みなさん、いつもお世話になっております! 本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。 自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします! 今回は、なんて表現したらいいんだろう。 深くて広くてわからないが、とてつもなく勉強になった。 ヘッダーは、優谷美和(ゆうたにみわ)さんの作品を使わせていただきました! ありがとうございます!! 目次 基本情報ブレイディみかこ (著)

「文章で伝えるとき いちばん大切なものは、感情である」を読んで|読書感想文

まずは表紙をみてほしい。サブタイトルの文字は小さい。よく見ないと見落としてしまう。 読みたくなる文章の書き方 29の掟 つまり文章の書き方について書かれている本。 著者patoさんの強いメッセージがガツンと視界に入ってくる。 * * * まず結論から 読了後 noteを書いていると著者patoさんが私の脳内に話しかけてくるようになりました。 え、どうゆうこと?(あなたの声) つまり、こうです。 本の感想文を書くとき、いつもpatoさんが私に問いかけて こう言